海賊な蛇王龍様   作:エルにー

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今回はオリジナル要素多めです。なにせモネの情報が少ないので。


12ジャオ 妹と逸れた姉

カイドウに会うつもりが、ワノ国で色々やる事になった。おかげでいい出会いがあったからよかったが。

そんなこんなであれから一年。この世界に来て一年半。今は北の海(ノース・ブルー)を回っている。飛んでいると海上を漂う何かを見つけた。

 

ラダン「なんだ?」

 

近いづいてみると緑髪の女が気絶していた。身長は170cmほどで、痩せ細っている。

 

ラダン「な!?女!?急いで助けねぇと!」

 

ラダンは女性を抱え、女性になるべく負担がかからないように近くの島まで飛んだ。

幸いすぐ近くに小さい島があったのでそこに降りて、女性を砂の上に置いた。

 

ラダン「脈は……チッ、遅い。それに体が冷たい……。あの時見つけていなかったら確実に死んでたな。暖かい毛布に熱を逃がさない空間を作らないと」

 

ラダンは女性に毛布をかけ、女性の周りに熱を逃がさない空間を作った。

 

ラダン「回復魔法で外傷や内臓の傷などは治したが、後はこいつの気力次第だ。起きるまであったかい飯でも準備しておこう。痩せ細っているから栄養価の高いものを準備しねぇとな」

 

ラダンは食材を集めに海に潜った。釣りではなく素潜りなのですね……。

 

 

さて、ここで女性の話に移ろう。

 

女性、名前はモネ。彼女は8つ離れた妹と北の海(ノース・ブルー)にある、とある島に住んでいた。島はそこそこ栄えていた。モネ姉妹はその島の娼婦の娘だった。いわゆる望まれぬ子供であった。そのためろくに食べ物は与えられなく、いつも飢えていた。

だが、ある日。その島に海賊が財宝目的で襲撃してきた。街が火に包まれ、モネは妹のシュガーの手を掴んで逃げていた。しかし、すぐ近くに砲弾が直撃してモネはシュガーの手を離してしまった。逃げ惑う人並みに揉まれてモネはシュガーと逸れてしまった。そしてまた近くに砲弾が直撃してモネは海に投げ出された。

その後はご存知の通り、潮に流されてた所をラダンが助けたという事だ。

 

 

説明はここまでにして、ラダンがモネを応急処置して半日、モネに反応があった。

 

モネ「うっ……ここは………」

 

ラダン「お、起きたか」

 

モネ「っ!?あなたは誰!まさか海賊!?」

 

ラダン「海賊ではない。海を漂流しているお前を見つけてここに連れてきたんだ。しかし、何があったんだ?軽いが栄養失調に酷い怪我、内臓も損傷していたぞ」

 

モネ「では……本当に私を……」

 

ラダン「これでも母親の影響で医学には詳しいからな」

 

モネ「あ……あの!あ、あr……」

 

ぐううぅぅぅぅ

 

モネが礼を言おうとするとお腹の虫が鳴ってしまった。

 

モネ「う、うぅぅ……///」

 

ラダン「ははは!飯の準備をして良かった。ほら、消化にいいシチューだ」

 

ラダンはそう言って木の器にシチューを注いで渡した。

 

モネ「あ、ありがとうございます……い、いただきます」パク

 

モネはシチューを口に入れると

 

モネ「!」ポロポロ

 

ラダン「ど、どうした?舌に合わなかったか?」

 

モネ「いえ……」フルフル

 

ラダン「なら……」

 

モネ「こんな美味しいものは久しぶりで……できることなら妹にも食べさせたかった……」ポロポロ パク パク

 

モネは涙を流しながらシチューを食べていた。

 

ラダン「そうか……また、会えるといいな。妹さんに」

 

モネ「きっと見つけます!」

 

ラダン「そうか。だが、今はダメだ」

 

モネ「な、なんでですか……?」

 

ラダン「お前の体はまだ弱ってる。万全になるまで医学を嗜む者としては許可できん」

 

モネ「そんな……」

 

ラダン「心配するな。万全の状態までリハビリすれば海に出てもいい。それにぴったりな島がある」

 

モネ「その島は…?」

 

ラダン「名前はまだないが、訳ありの奴らが住んでいる。衣食住は完備されているから不自由はないはずだ」

 

モネ「……では、お願いします!私をその島に連れて行ってください!」

 

ラダン「あぁ、勿論だ。そういえば自己紹介がまだだったな。俺はクラネル・ラダン。これでも世界的に有名だ悪名高い方だがな」

 

モネ「クラネル・ラダンって……あの!?」

 

ラダン「そのクラネル・ラダンだ。禁忌という異名を持っている」

 

モネ「やはり……」

 

ラダン「んで、腹はいっぱいになったか?」

 

モネ「あ……す、すみません!美味しくてつい……」

 

ラダン「まぁ、別にいいぞ。それだけ美味かったってわけだし。腹いっぱいになったんなら早く島に向かうぞ。早くリハビリを始めるのは損じゃないし」

 

モネ「は、はい!」

 

ラダン「失礼するぞ」ダキッ

 

モネ「え……?」

 

ラダンはモネをお姫様抱っこして

 

ラダン「しっかり掴まっておけよ!ある程度全力で飛ぶぞ!」

 

モネ「え、ちょっ、きゃああああああぁぁぁぁぁ!!」

 

ラダンの高速の飛行にモネは悲鳴をあげた。無理もないな……。当然、モネに負担がかからないように結界を張っている。

 

 

飛んで2時間。モネをお姫様抱っこしたラダンが例の元奴隷達が住んでいる島、後の蛇王龍島アマンデュ島に着いた。

 

ラダン「着いたぞー……って、ありゃぁ……」

 

モネ「……」タマシイヌケダシィ

 

ラダン「とりあえず、運ぶか」

 

ラダンはそのまま集落に向かう。そこには立派な村があった。

 

ラダン「(一年は経ったが、よくここまで発展できたな)」

 

「あ!ラダンさん!ラダンさん戻ってきたぞ!!」

 

「ラダンさんだ!」 「戻ってきたのね!」

 

ラダン「久しぶりだな。今日は用があってな」

 

「その抱っこしている女性は?」

 

ラダン「こいつが用事のやつだが……いい加減起きてくれ、モネ」

 

モネ「……はっ!こ、ここは……?」

 

ラダン「俺の言っていた島だ」

 

モネ「こ、ここが……」

 

「それで、この女性が何か?」

 

ラダン「率直に言えばリハビリだ。モネは妹と逸れて海を漂流していて、偶々通りかかった俺が助けてな。医学を嗜む者としては今の状態のモネに海に出る許可は出せない。だからこの島に連れてきてリハビリをさせようと思ってな」

 

「なるほど!そういう事ですか!」

 

ラダン「俺は旅があるから付きっきりにはなれんから頼んでいいか?」

 

「えぇ!勿論!」

 

モネ「え……行ってしまうのですか…?」

 

ラダン「すまんな。俺には俺の目的があってな」

 

モネ「そう……ですか……また、会えますよね?」

 

ラダン「勿論だ」

 

モネ「なら……その時はお嫁さんにしてくれますか?」

 

ラダン「は……?」

 

「おぉ!ラダンさんに恋か!これは応援しねぇと!」 「当然よ!」

 

モネ「ダメ……ですか?」ウルウル

 

モネは涙目(プラス上目遣い!)でラダンに言う。正直ずるいと思う。だって、女性の涙目で上目遣いなど断れるか!!by作者

 

ラダン「ずるいぞ、それ……はぁ……俺は構わないが、俺の事情で振り回されるぞ?」

 

モネ「承知の上です!」

 

ラダン「……わかった。この後俺の事情を詳しく話す。それを聞いてからまた聞く」

 

モネ「はい!」

 

「これは、確定かね」 「モネちゃんを悲しませたらラダンさんでも許しませんよ!」

 

ラダン「とりあえず、空いてる家はあるか?」

 

「あ、案内します!ラダンさんがここに戻ってきた時用の家を準備をしています!」

 

ラダンはモネをお姫様抱っこしたままラダンの家に案内された。他の家に比べて一際立派なものだった。案内人に礼を言って家に入る。家具も十分にあった。ソファにモネを座らせやっとお姫様抱っこをやめた。モネは少し不機嫌そうだったけど。

 

ラダン「さて、最初から話すか。まず……」

 

ラダンはモネにいつものように自分の事、この世界に来てからやってきた事、そして許嫁の日和とヤマトの事に自分を好きになった女性は拒まない事を話した。

 

モネ「拒まない……ですか?」

 

ラダン「龍は寿命が途方もなく長い。寂しいものは寂しいんだ。拒まないからと言って20も30も作らん。多くても10人だ。それぐらいいれば寂しくはないだろう」

 

モネ「そういう事ですね……」

 

ラダン「それで、これを聞いても俺の嫁になりたいのか?」

 

モネの回答は

 

モネ「──当然です。この想いは変わりません!」

 

ラダン「……そうか。なかなか会えないが、よろしく頼む」

 

ラダンはモネの回答に笑顔で返した。

 

モネ「っ、はい!」

 

ラダン「急ぐ旅じゃない。今日明日はそばにいるつもりだ」

 

モネ「ほ、本当ですか!?」ズイッ

 

ラダン「お、おう……」

 

モネ「やったぁ!」

 

モネは子供みたいに飛び跳ねて喜んでいた。だが、栄養失調の体でそんな激しい運動が出来るわけがなく。

 

ツルッ

 

モネ「あっ……」

 

ラダン「っモネ!」

 

足を滑らせて倒れそうなモネをラダンは抱き抱える。しかも顔がすごく近い。

 

モネ「〜〜///」

 

ラダン「大丈夫か?栄養失調なんだからそんな飛び回るな」

 

モネ「す、すみません……///」

 

ラダン「次からは気をつけてくれよ?」チュッ

 

ラダンはそう言ってモネのデコにキスをする。

 

モネ「キュー……///」キューバタン

 

ラダン「ありゃりゃ。倒れてしもうた。ま、これからよろしくな、モネ」ナデナデ

 

ラダンは愛しそうにモネを撫でる。若干モネの口が緩んだ気がするが、気のせいだろう。

 

 

次の日のモネは終始モジモジしていて、先日のことがあってラダンの顔をまともに見れなかったそう。それを後悔したモネは次にラダンが島に来た時からすごく積極的になったとか。

ともあれ、本人は幸せそうで良かった良かった。

 




今日はここまで。
今回のモネ回どうだったでしょうか?オリジナル要素が多く、原作より若いので言葉遣いもちがいます。オリジナル過去が過去なので若干子供っぽいかも。
モネは原作通り、後に後からドンキホーテファミリーに入ります。理由は主人公の役に立つために。だいぶ先ですが、パンクハザードではオリジナルに進めます。魚人島も同じですね。
次回はタイガーと再会してコアラを故郷に届けます。そこでアンケートを取って決めた主人公の血を輸血させます。アンケートにも書きましたが、半竜にはなりません。
次回、タイガー命の危機!果たしてラダンの提案を受け入れるか!
次回もお楽しみに〜

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