ラダンside
ラダン「思ったよりきつかった……」
親父にこの世界に放り込まれて、レイリーと出会って覇気を教えてもらってはや3ヶ月。やっと覇気を完全に習得できた。覇王色が一番むずかった。
武装色と見聞色は一ヶ月でできたが覇王色は二ヶ月かかった。親父ならもっと早く習得できそうだな……。
レイリー「いやはやまさか三ヶ月で完全に習得するとはね」
ラダン「俺からしたらやっとなんだがな」
レイリー「焦る必要はない。君の場合は時間は私たちよりはるかにある。例え相手がロギア系だとしても君なら問題なく覇気なしで倒せるだろう」
ラダン「まぁ、そうだな。それで、一応は習得したがまだ全然成長できるんだよな?」
レイリー「あぁ、見聞色は未来が見えたりできるし、ワノ国では変わった武装色の使い方があると聞く。覇王色も他に使い方があるはずだ」
ラダン「まぁ、そこは地道にやってくよ」
今の段階でほぼ最低限な状態……おもしれぇ。極めてやろうじゃねぇか。
レイリー「さて、覇気の習得は終わったところで、次は何をするんだい?」
ラダン「次は聖地マリージョアを見に行こうと思ってる」
俺がそう言うとレイリーは少し驚く。それもそうだな。
レイリー「相変わらず君は突拍子もないね。君なら大丈夫だろうけど、天竜人にはくれぐれも気をつけてくれよ」
ラダン「あちらから何もしなければな」
レイリー「ものすごく不安でしかないな……」
レイリーは呆れた表情をする。
ラダン「すぐに戻るかもしれんが、シャッキーに挨拶してからいくわ」
俺はバーに向かった。
ガチャ
シャ「あら、ラダン君。もう修行は終わったのかしら?」
ラダン「あぁ、無事習得できた」
シャ「おめでとう。それで、もう行っちゃうのね?」
ラダン「鋭いな……すぐにこっちに戻るかもしれんが、聖地マリージョアを観光してくる」
そう言うとシャッキーもレイリー同様驚いた。
シャ「やれやれ、気をつけてね。ここはもうあなたの家でもあるんだから」
ははは、嬉しいことを言ってくれるな。
ラダン「ありがとうな、シャッキー」ニカッ
シャ「ふふふ、いってらっしゃい」
ラダン「あぁ、行ってきます!」
レイリー「いってらっしゃい」
二人に見送られて俺は月歩でとりあえずレッドラインに向けて駆けた。これだが、この世界には六式と呼ばれる武術があって、これはその中の空気を蹴って空中を動き回る月歩だった。ついでにレイリーから他の六式も学んだ。主に使うのは月歩だけだろうけど。
そうしてうちにレッドラインが見えてきた。その上に都市らしきものも見つけた。
ラダン「おお、見事に断崖絶壁だな。聖地マリージョアもここからでも綺麗に見える。ん?あれ……」
人か?
俺はレッドラインをロッククライミングばりに登ってる人を見つけた。いや、人にしてはでかいな。まさか魚人か?
とりあえず奴が登るであろう場所で待ち伏せするか。
俺は魚人の真上のところに降りた。てか、この地面の成分は何でできてんだ?それになぜ縦に縦断しているのか……。
そう思ってると
ガッ
?「ゼラァァ!!」
バタンッ
魚人は最後に一気に上がり横に倒れた。しかしでかいな。520cか。いや、ここではセンチか。
ラダン「自力でこの崖を登ってお疲れさん」
?「!?貴様は誰だ!まさか海兵か!?」
ラダン「違う。ただここに向かってたらこの崖を登ってたから気になってここで待ってた」
?「……どうやら嘘ではないようだな。俺はフィッシャー・タイガー。お前は?」
ラダン「俺はクラネル・ラダン。マリージョアに観光できた」
タイガー「は……?」
タイガーは俺の言葉で固まった。
タイガー「お前は馬鹿なのか?」
ラダン「長生きするし、滅多なことでは死なないし一回ぐらいいいだろ」
タイガー「いや、どう見てもお前は人間だろ。生きても精々100年だろ。俺たち魚人もそう変わらんが」
ラダン「まぁそれはいい。それで、タイガーお前はなぜレッドラインを?」
俺がそう聞くとタイガーは俯く。話していいかわからんか流石に。
ラダン「お前がどんな理由だろうと俺は他言はしん。他言したら大人しくお前に殺される」
タイガーは顔を上げて俺の目を見る。
タイガー「……はぁ、まぁいいだろう。俺はこのマリージョアにいる奴隷を解放するために登った」
ラダン「奴隷……だと……?」
タイガー「なんだ知らないのか?天竜人は天竜人以外のものを家畜としか見ていない。奴隷など十数人は当たり前だ」
俺は奴隷という言葉に絶句した。オラリオでは奴隷はいない。奴隷同様な扱いを受けてるものはいたし、売られるものもいた。しかしそれは秘密裏に行われていた。それがこの世界では当たり前のようにと知って絶句した。
観光のつもりだったが予定変更だ。
ラダン「タイガー、その奴隷解放に俺も参加する」
俺がそういうとタイガーは驚く。
ラダン「俺のいたところではそれは秘密裏に行われていた。親父もそれは嫌いで見つけ次第解放して売り場を潰していた。それが当たり前だと!?人をなんだと思ってる!!」
タイガー「お前……」
ラダン「それが許せない。だから、俺もそれに参加させろ。いや、無理矢理にでも参加する」
そうタイガーに宣言した。
タイガー「フン、好きにしろ。ただし指示には従ってもらうぞ。それとお前の腕を見込んで海軍はお前に任せる特に中将以上は」
ラダン「任せろ!その気になればここ一帯を破壊できるからな!」
タイガー「本当にできそうに聞こえるな」
事実だしな。
タイガー「さて、作戦だが海軍が来る前にさっさと終わらせるだ。時間がかかればかかるほどこっちが不利になる。だからといって一部の奴隷を見逃すことはできん。だから出来るだけ素早くやれ」
ラダン「わかった。俺も声をかけまくるが、逃げる気のない奴には構えないぞ」
タイガー「そういう奴らも連れて行きてぇが……それは仕方がない。そういう奴らは無視してくれ」
ラダン「わかった」
奴隷解放の作戦も立てて、俺たちはマリージョアに走って向かった。早速作戦開始だ。
最初にマリージョアの門を吹き飛ばした。
ガァァァァンッ
「な、なんだ!?」
「門が壊されたぞ!」
タイガー「手筈通りに奴隷の解放を行え!」
ラダン「了解!」
俺は月歩で慌てふためく天竜人らの上を通り牢を探す。最初の牢を見つけてそれを壊した。
ガンッ
ラダン「お前達を解放しに来た!逃げる気のある奴は南の門から逃げろ!」
「な、なんで、俺たちを……?」
ラダン「理由はねぇ!奴隷が存在するには胸糞悪いだけだ!」
俺は奴隷達の手枷を取り次の牢に向かった。
?「ステラ!」
ステラ「テゾーロ!」
ラダン「お前らも南に向かえ!」
テゾーロ「ありがとうございます!」
ステラ「ありがとうございます!」
テゾーロか……あいつは後々デカくなるな。さて、そろそろ来るはずだ。
俺は気配を察知し海軍らしき気配を探した。やっぱもう来てるな。俺は気配の元に向かった。
スタッ
ラダン「止まってもらうぞ」
?「貴様は誰だ」
?「まさかこの騒動の首謀者ではなかろうな」
この二人は確か、英雄ガープにセンゴクか。ガープは中将でセンゴクは大将。レイリーとどっちが強いんだろう。
ラダン「俺はクラネル・ラダン。まぁ、首謀者というのは合ってる」
ガープ「ならここで捕まえてやる」
センゴク「私も一緒に捕まえるぞ」
ラダン「奴隷解放の何が悪いんだか……」
ガープ「ワシもそう思うが、お前さんを捕まえればならん。大人しく投降しろ」
ふむ、ガープとセンゴクの反応から奴隷には反対のようだ。だからといって捕まえられるわけにはいかんがな。
ラダン「断る。捕まえたいならかかってこい。相手してやる」
ガープ「フン、随分大胆なことをいう若造めが」
センゴク「私たち二人を相手取れると思うなよ青二才が!」
ラダン「残念ながらこう見えてもお前らよりずっと年上なんだよな。まぁ、それはいい」シュンッ
俺はセンゴクの目の前に移動する。そして
ラダン「戦いはもう始まってるぞ」ドゴッ
センゴク「グッ…!」ズザザザザァァ
ガープ「センゴク!」
センゴク「問題ない!しかし此奴は手強いぞ!油断していたら一瞬で負けるぞ!」
ガープ「わかっとるわい!」ガンッ パシッ
ラダン「軽い!」ブンッ
ガープ「うおおぉぉ!?」
俺はガープの拳を掴み投げる。
センゴク「ガープ!」
ガープ「ワシも大丈夫だ!全力でやらんとこちらが負けそうだ」
センゴク「ハァァ!」ピカー
センゴクの体は金色になり大きくなった。これは……大仏か。あまり時間をかけられん。あの城も気になるし早く片付けよう。
俺は青い火の玉のようなものを二つ生成する。まずはガープに一瞬で詰め寄り片方をぶつける。
ボンッ
ガープに直撃した火の玉は破裂してガープは吹き飛び倒れる。どうやら気絶したようだ。
センゴク「ガープ!貴様ぁ!!」
センゴクは俺に拳を降りかかるが、その前にもう片方の火の玉をぶつけ気絶させる。
奴隷の方はタイガーがいれば問題ないだろう。
俺は気になっている城に向かった。
中に入ると早速玉座を見つけた。だが、そこには誰もいなく20個の武器が地面に刺さっている。何か意味があるのか。俺は玉座に近づき隣に立つ。
「貴様!そこで何をしている!!」
声のする方を見ると5人の老人がいた。こいつらも天竜人か。しかし、そこそこに手練れだな。
ラダン「ついでの観光だ」
「ここに観光で来れるわけないだろ!そこから出ろ!それは虚の玉座だぞ!!」
これそんな名前があるのか。ここはもう見たし、城の中にいる気になる気配に元に行こう。まずはこいつらを撒くか。
ラダン「それはすまんかった。それじゃ」シュンッ
「な!?私でも見えなかっただと……?」
一瞬で老人達から離れ気配の元に向かった。
着くと
ラダン「子ども……?」
?「……」
ラダン「喋らんか」
?「………」
ラダン「まぁ、いい。てか、なんで麦わら帽子が冷凍保存されてんだ?しかもでかいし」
?「………」
ラダン「ふーん、お前イムっていうのか。俺はクラネル・ラダン。別世界の龍だ。何かと因縁がありそうだから末長くよろしくな」
俺はそう言って手を差し出す。
イム「………」ギュッ
イムは黙ったまま俺の手を握り握手をする。
ラダン「俺はもう行く。また会おうな」
イム「………」ノツ
イムはこちらに手を振った。俺はそれを返してタイガーと合流した。
タイガーは案の定南の門にいた。
タイガー「来たか。奴隷は無事全員解放した。次はどうやって降ろすかだが……」
ラダン「それは俺に任せろ」
俺はタイガー達から離れ
ラダン「人化解除」
そういうと俺は光に包まれる。光は凄まじくタイガー達は顔を覆った。
side out
タイガーside
俺は人間が嫌いだ。しかしそんな人間でも奴隷から解放したいと思った。だが、あいも変わらず俺の中には人間を憎んでいる鬼が住んでいる。俺は日頃からそれが怖くて仕方がなかった。
俺は奴隷を解放するために自力でレッドラインを登った。するとそこには人間がいた。だが、そいつからは人間の感じを感じなかった。
なんやかんやそいつも奴隷解放に参加することになった。二手に分かれ俺の方は順調に進んだ。あらかた解放し終えたのを確認して南の門に向かった。そこには解放した奴隷達がいた。俺はどうやってここから出るかを考えていた。そうしているうちに奴、ラダンが戻ってきた。
悩んでいることを話すと「任せろ」といって俺たちからだいぶ離れたところに行った。すると奴から凄まじい光が放たれ俺は腕で目を覆う。光が止むと
タイガー「な……!?」
巨大な変わった大蛇がいた。ラダンの言っていたことはこういうことか。
?『タイガー』
タイガー「お、お前、本当にラダンか…?」
ラダン『あぁ、そうだ』
タイガー「お前悪魔の実の能力者だったのか」
ラダン『違う。俺は元々この姿だ。ただ人に変化できるだけだ』
俺はそれを信じられなかった。だが、実際に目の前にある。悪魔の実の能力者でもないから海に浸かっても問題ない。
ラダン『全員俺に乗れ。お前らを乗せてレッドラインを降りる』
タイガー「わかった!お前ら!ラダンに乗れ!大丈夫だ!あいつは危険じゃねぇ!」
だが、それでも怖いのか誰も乗ろうとしない。そうしてると
テゾーロ「奴は俺たちを助けてくれた!怖がるなんぞするか!」
ステラ「私も!」
二人の人間がそう言ってラダンに乗る。今更だがこんなにでかいのは初めて見たぞ。海王類にもいないぞ。
「だ、だよな!俺たちも乗るぞ!」
「えぇ!」
二人に続いて他の奴らも続々乗った。巨人も乗せれるのか……。最後に俺もラダンに乗った。
ラダン『しっかり掴まれよ!だが、その前に……』
ラダンはマリージョアの方を向き
グララアアアアアァァァァァァ
咆哮を上げる。俺たちはそれに耳を塞ぐ。何をやりたいんだ?
ゴゴゴゴゴ
聞こえる音に身の危険を感じ探すが見つからない。まさか……!上を見ると
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
複数の隕石が降ってきていた。こいつ空の果てから隕石を呼べるのか!?
隕石はマリージョアに次々降り注ぎマリージョアは壊滅状態になった。これでラダンは政府から執念に追いかけ回されるな。
ラダン『これからレッドラインを降りる。しっかり掴まっとけよ』
ズルズルズル ガンッ ズルズルズル ガンッ
ラダンは前足で崖を掴みゆっくり降りる。だが、俺が登る時より早く降りている。かかること30分ほどで海の直前まで降りた。
タイガー「ここからどうする。船はないぞ」
ラダン『このまま近くの島まで泳ぐ』
ラダンは海に浸かり泳ぎ始めた。これを見て俺はこいつは本当に龍だと確信した。元奴隷らはなぜ泳げるのか疑問でいっぱいのようだ。
しかし、そこそこ速いな。これはこれで楽しい航海ができそうだな。
しばらくすると孤島が見えた。それもこいつら全員が上陸できるほどの大きさだ。ラダンは孤島に横向きで止まる。
ラダン『ここでいいだろう。降りてくれ』
俺も含めて全員がラダンの指示に従って降りる。全員が降りるとラダンはまた光に包まれた。光が止むと人間状態のラダンがいた。
side out
今回はここまで。
ワンピースって悪役でもしっかりとした悪人になった理由があるんですよね。テゾーロは自分の中でも幸せになって欲しかったので、ステラをまだ生きてることにして主人公が助けることにしました。
ダラ・アマデュラの大きさなら解放した奴隷全員を乗せれますよね?あんだけ大きいわけですし。あと、巨人族も。
次回は奴隷紋の消去と待遇ですかね。奴隷紋は回復魔法を使える主人公なら消せるはず!
次回、元奴隷の処遇
お楽しみに〜
フィッシャータイガーを助けるか
-
無傷の状態で助ける
-
タイガーに自分の血を輸血する。
-
タイガーがオリ主の輸血を拒否
-
後にタイガーの死を知る