ラダンはカイドウと酒を飲んだ翌朝に月歩で鬼ヶ島を出た。
カイドウ「なんとかしてヤツを部下にできないだろうか……」
「難しいですね。力づくではできませんし、他にも興味を持ちそうなものはないですし」
カイドウ「俺の息子を預けるというのはできるかもしれんが」
「ヤマト様をですか?」
カイドウ「そうだ」
「ヤマト様が彼に懐けばあるいは」
カイドウ「どちにしろまたヤツがここにくれば会わせてみよう」
カイドウはそんなことを考えていた。
一方、海岸に着いたラダンは
ラダン「もらった地図を見る限り、ここは兎丼か。それに、囚人採掘場も見えるしな」
ラダンが降り立ったのはワノ国の兎丼と呼ばれる地区である。
ラダン「ここに降りたけど、ここはあまり散策する場所はねぇな。囚人採掘場を上から一回見て次に行こう」
ラダンは早速月歩で飛び、囚人採掘場を見渡す。
ラダン「そういえばカイドウから部下、幹部に会ったら話しかけとけって言われたな。大看板のキングとジャックにはあったが、クイーンには合ってないな。基本兎丼にいるらしいし、話しかけるか」
ラダンはクイーンを探してそこに降りた。
スタッ
ラダン「見つけた」
クイーン「誰だ」
ラダン「初めまして、クラネル・ラダンだ。一応カイドウの客だ」
クイーン「カイドウ様の?」
ラダン「ワノ国を散策がてらまだ会っていない大看板に会おうと思ってな。キングとジャックは昨日鬼ヶ島であった」
クイーン「なるほど。お前があの禁忌のラダンか」
ラダン「そうだ」
クイーン「一応言っておこう、俺は疫災のクイーン。リュウリュウの実モデルブラキオサウルスの能力者だ」
ラダン「よろしく」
クイーン「それで、それだけか?」
ラダン「それだけだ。んじゃ、もう行く」
クイーン「おう。カイドウ様の怒りに触れることがないようにな」
ラダン「気をつける」
カイドウの怒りに触れたとしても倒せるから問題だろう。だからといって悪さをするつもりは毛頭ない。
兎丼を離れた後、花の都を最後にして九里に向かった。
ラダン「九里は基本的に自然豊かな場所か」
一旦九里を上から見てみる。
ラダン「さて、ゆっくり進むとするか」
降り立ったラダンはゆっくり森の中を進み始めた。
グラァァァァ!!
ラダン「おぉ、初めてみる動物だな」
グアアァァ ガキンッ
ラダン「確かこれは……獅子狛だったか?」
グアアァァ ガキンッ
ラダン「腹でも減ってるのか?」
グルルル…… グラァァァァ!!
ラダンに襲いかかってた獅子狛は一回ためて襲いかかった。しかし
ラダン「伏せ」
ラダンは威圧をして言う。古龍の、それもトップレベルに威圧されて伏せと言われたら
キャウンッ!
従う他ない。
ラダン「よしよし、意外にも可愛いな」ワシャワシャ
グラアァァ!
獅子狛は立ち上がってラダンに背中を見せる。
ラダン「ん?背中に乗れって意味か?」
グラァ!
ラダン「おぉ、それもいいな!んじゃ、早速……」
ラダンはそう言って獅子狛の背中に飛び乗る。
ラダン「このまま森を進んでくれ。走らなくていいぞ。俺はじっくり見たいからさ」
グラァ!
獅子狛はそう返事をして歩いて森を進んでゆく。
しばらくしていると
ヒッグッ……ウゥゥ……
ラダン「泣き声?獅子狛、この声の聞こえる方に向かってくれ」
獅子狛は頷いて泣き声の主のところに向かう。しばらく進むと開いた場所に着いた。そしてある木の下で女の子が蹲って泣いていた。
ラダンは父親の遺伝である困ってる人をほっとけない性でその女の子に話しかける。
ラダン「大丈夫か?」
?「グスッ……誰……?」
ラダン「ただの通りすがりの困った人をほおて置けない旅人だ」
?「旅人……?ということはワノ国の外から来たの?」
ラダン「まぁ、そうだ。これでも外では有名ではある」
?「そうなんだ」
ラダン「それで、どうして泣いていたんだ?」
ラダンがそう聞くと女の子は暗い顔をして俯く。その目には涙が浮かんでいた。
?「私の名前は光月日和……少し前までここ九里の大名の娘だったの……けど……けど……」ポロポロ
ポン
日和「え…?」
ラダン「無理して話さなくていい。一端しか知れてないが、とても辛いことだったのはわかった」
ナデナデ
ラダン「君の感じから思いっきり泣いていないだろ?通りすがりの旅人の俺でいいなら胸を貸すぞ?」
日和「うぅ……うわーーーーん!!」ダキッ
日和はラダンに抱きついて泣いた。これまで我慢してきた分を解放して泣いた。抱きつかれたラダンは右手で撫でるのをやめず、もう片方の手を日和の背中に回した。
数十分泣き続けた日和は泣き疲れて眠ってしまった。
ラダン「やっぱりどこの世界でもこういう不幸な子供はいるのか……」
ラダンはこれまでの生で見てきた不幸な子供達を思い出す。
ラダン「しかし、九里の大名か……カイドウから聞いた通りなら光月おでんがだったはず。カイドウに唯一傷を負わせた男だったっけ。そして光月日和。調べてみるか。全く、散策のつもりだったのに。どうして俺はこうもトラブルを呼んでしまうんだ?それに癖でそこに突っ込んでしまうし」
日和「んん……旅人さん……」
日和は寝言でそう言い、ラダンの服をなお強く握った。
ラダン「言ってもしょうがないか。この子が起きるのを待とう」
そのまま5分ほどすると
ガサガサッ
?「姫!今日の昼を……」
茂みから出てきたのは河童だった。河童は食べ物の入った籠を持っていた。
?「貴様は誰だ!姫をどうした!」
河童は刀を抜いてラダンに向ける。
ラダン「落ち着け。俺はただの旅人だ。この子が泣いていたから泣きやましただけだ」
?「本当にか?」
ラダン「本当だ。やましい理由はない」
ラダンは真っ直ぐ河童の目を見て言う。しばらく見つめ合ってると
日和「ん……んん……河松?」
河松「姫!お気づきになりましたか!」
日和「うん」
ラダン「起きたか」
日和「あっ、すみません!泣きついてしまって……」
ラダン「別にいいさ。溜まったものを吐き出さないと壊れてしまうからな」
河松「姫。そのものが姫をあやしていたのは本当何ですか?」
日和「うん。本当だよ」
河松「そうでしたか……旅人殿、姫様をあやしてくださり感謝します」
河松は頭を下げる。
ラダン「頭を上げてくれ。俺はただ人として当然のことをしただけだ」
河松「それでもでございます。今の姫様は今朝の姫様より元気になっています。貴方様のおかげでございます」
ラダン「とにかく頭を上げてくれ。さっきも言った通り当然のことをしただけだ」
ラダンがそう言って河松はやっと頭を上げた。
日和「所で、さっきは旅人としか言ってないけど、名前は?」
ラダン「クラネル・ラダンだ。名前の通りワノ国の外から来た」
河松「なんと!ワノ国の外からですか!どのような動機で?」
ラダン「外で三皇と呼ばれている海賊達に会うのが目的でここに来た」
河松「三皇……聞いたことがあります。ここは基本外の情報は来ないが、随分前に流れ着いたものから聞いたことがあります。しかし……」
ラダン「ビッグマム海賊団のシャーロット・リンリン。別名ビッグマム。白ひげ海賊団のエドワード・ニューゲート。別名白ひげ。そして、百獣海賊団の百獣のカイドウ。この3人だ」
日和「カイドウ……」
カイドウの名を聞くと日和は俯き、河松は血が出るほどに手を握りしめていた。
ラダン「やっぱりカイドウ、ワノ国で何かやっていたか」
河松「やっぱり?どういうことですか?」
ラダンはここに来てすぐのことを話した。上陸して荒野でカイドウと会い、戦って圧勝したこと。ついでに自分の出生も話した。
河松「なんと……俄に信じがたい事です……ラダン殿が龍でカイドウに圧勝した事……」
日和「貴方がいたらお父様もお母様も死ぬことはなかったのに……」
ラダン「俺もそこまで万能ではない。目の前で起きたことしか対処できない」
日和「うん……ごめんなさい……」
ポン ナデナデ
ラダン「気にするな。俺もこんなことがあるたびに自分を呪ってるから」
日和「うん……」
ラダンはしばらく日和の頭を撫でていた。日和も嫌がらず気持ちよさそうにしていた。河松は日和が元気になって嬉しい気持ちと自分では元気にできなかったと悔しい気持ちが混ざっていて複雑だった。
ラダン「(さて、この問題をどう解決するか)」
またカイドウと戦うことになるのか、それとも部下も含めてか。どちしろ邪魔するなら叩き潰すとラダンは心に決めた。
今回はここまで。
丁度いい所だったので続きは次回に。
散策のつもりが早速トラブルに会い、そこに突っ込んでいくラダン。さて、どうなるでしょう。
次回は日和と河松から詳しい事情を聞き、カイドウの元に向かったラダン。
問題をどう解決するか そしてカイドウの頼みとは
次回、監禁された息子(娘)
次回も楽しみに〜♫