ワァァァァァァァァァァァァァァ‼︎
『ゴォール!今二着に5バ身差をつけて見事一着!史上最年少での無敗の三冠馬が今誕生しました!』
−実況の解説が頭を木霊する−
−走り終え荒れた息を整えて目を上げる−
−大勢の観客が大声で私を祝福してくれる−
−そして満面の笑みを観客席に向けポーズをとる−
−声援がさらに大きくなる−
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、、、また『あの時』の夢だ。
あの時からまだ一ヶ月も経っていないのにものすごく後のように感じる。
そう思うのも当然だ。
あの時目に写っていたのは青い空、大量の観客と声。
今、目に写っているのは、灰色の無機質な天井、視界の端に映る点滴。
あの時とは違う。もうあの場所に立てない。
私の夢はもう終わったんだ。
、、、、、レースに勝った次の日私はまだ疲れが残っていた。
その疲れを少しでも取ろうとその日は外出した。
今日は何をしようか。雑誌にあったスイーツでも食べてみようか。オシャレな服でも勝ってみようか。
そんなことを考えスキップしながら青の信号を渡ろうとした。
その時だった。
キィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィ‼︎‼︎
映画で聞いたことあるようなものが擦れる高い音。
音が聞こえた瞬間私の身体には凄まじい衝撃が来た。
身体が宙に浮き視界には空が広がる。
そして地面に身体を強く打ち次の瞬間
足に激痛が走った。
その痛みにより私は気絶した。
次に目が覚めたのは病室だった。
意識が朦朧としている中何が起きたか整理していた。
そして視界や意識がはっきりするとそれに気づいたのか白衣の男が視界に入った。
おそらく医者であろう。私は交通事故に巻き込まれここに緊急搬送されたのだろう。
そう考えていると白衣の男。もとい医者は私に話しかけた。
「気がつきましたか。お身体は大丈夫ですか。」
「はい。事故ったので大丈夫とは言えませんが、記憶が飛んだりはしていないので大丈夫です。」
「そうですか。わかりました。」
そういうと医者は黙り込んでしまった。
ものすごく辛そうな顔をしていたのをいまだに覚えている。
「あの、」
「? 何でしょう?」
私は医者に呼びかけ一番聞きたかったことを聞く。
「私はレースに出れるのでしょうか。」
交通事故に遭い真っ先に脳裏に浮かんだのは『走れるかどうか』であった。
足に激痛が走ったため足に何かしらあってもおかしくない。
そう思っていると医者はこういった
「ー不可能です。」
、、、わかってるきっと重症だったのだろう。きっと元の状態に戻るは不可能。
走れることはもうない。
でもーーー
足はあるのだからきっと走れる。医者が不可能と言っても私は最初から走る気でいた。
何年経ってもいいあの場所へ戻ってみせる。
今は壊れて使うことはできない。
でもこの脚がある限りーーーー
その時違和感が生じた。脚に感覚がない。服の衣擦れの感触や事故で痛めた所の痛みさえない。
どういうことだ?と汗が滴り落ちてくる。
医者は私の布団をめくるや否やこう告げた。
それは私を絶望へと落とす言葉だった。
「貴方は事故により両脚失ったのです。」
最初はそんなこと嘘だと思った。
しかし視界に入ってきた現実はあまりにも酷いものだった。
かつて三冠を達成した脚はなくそこには何もなかった。
あるのは右膝上と左脛のみだった。
それだけでも私を絶望に落とすのに十分だったのに医者はさらにこう告げた
「それだけではございません。貴女、視界に違和感を生じませんでしたか?」
視界に違和感?そう思い改めて目を触る。、、、、あれ
右目がない?
「、、、貴女は事故にあった時ぶつかった衝撃で右眼球が破壊されていました。ただえさえ脚がないのに片目が見えないとなると現役復帰は不可能としか言いようがありません。」
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、、、そこから先は覚えていない。
私はもう走ることが叶わないのだ。もう声援を送られることも、あの場所に立つことも、
暫くは様々な人がお見舞いに来た。
クラスメイトや両親、私のファンや兄妹。トレーナーやチームメイトも来た。
みんな 走れなくても友達だからね!とか 一緒に並走したりレースで戦ったこと忘れない とか
走れなくても貴女は私の宝物の子よ とか
いっぱいいっぱい励ましの言葉をくれた。
それ自体は嬉しかったけど未だに気持ちは晴れなかった。
私を励ましたいのはわかっているけど暫く1人でいたかった為面会拒絶にしてもらった。
そして私は今に至っている。未だに現実を受け止めれてないのだ。
ただ虚に天井を見上げ、点滴を打つ毎日。
もう何も考えたくない。感じたくない。
そんなことを考え続けてきた。
あの男が来るまでは。
こんにちはにんじんです。初めて小説を執筆しました。
ウマ娘やってたら急にインスピレーションが浮かび書き上げた次第でございます。
何か意見等ございましたら、どうぞ教えてください。
次回は前書きに書いてあった人が来ますどうぞお楽しみに。