本官、異世界で署長になりました!   作:劉鳳

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第1話 異世界で誠に勝手ながら署長となりました。よ・ろ・し・く!

 

 

色々叫びたい気持ちになりながらも、俺はとりあえず今の状況を整理した。俺は異世界に飛ばされた、信じられない事に。しかも、署ごと、なのに何故か俺一人だけ。だから署の敷地は丸々なのに俺一人でポツーンってわけだ。車……パトカーと事故処理車、今日はまだ最初のパトロールに出て無い白バイ隊のバイクが各々一台ずつに、勤務してる同僚の車が。勿論俺の愛車であるイン〇グラtypeRもそこに。これらの燃料が後どれだけ残ってるかは分からないからこれは緊急脱出用に残しておこう。一応バッテリー外しておくか、もったいないし。

 

異世界に飛ばされたって事はその、なんだ……ファンタジーな魔物とかいそうだから、武装は何時も以上に携帯しなければならないな。銃なんて効くのかな?

 

俺は再び保管室へ戻り、真新しいニュー南部を2丁、一つは肩紐に、もう1つは足の予備銃収納に差した。次にライフル、こっちはライフルに付いたホルダーに肩を通す形にし、保管している弾のパックを各二つずつ取り出す。腰には警棒を差しているが、これだけじゃ心許ないので、押収品の日本刀とコンバットナイフをベルトに固定した。杜撰な押収品管理がまさかこう言う形で役に立つとは…当然ながらボディアーマーも着込んだ。魔法飛び交う(あんまりな)世界だったら無意味かも知れないけど、弓位なら防ぎそうだし。

 

後は、トランシーバー。異世界の文明が中世レベル(あるある)だとしたら衛星に依存した現代通信(べんりなもの)は望めない。だからこいつは持ってた方がいい。二つ以上、そのうち仲良くなった原住民と連絡を取り合うかも知れないからその時の為に。まあバッテリーなんて無いってオチが待ってるだろうけど……まずは戦わず、友好的に、オレ、オマエ、トモダチ的に。

 

保管室を出て、鍵をかける。盗っ人はいるだろうから、油断ならないな。各部屋の施錠をする鍵の束は保管室にあった。署を締めるなんて頭は普通無いから鍵なんて留置場位しかしないけど、今は違うからね。

 

しっかしどうしたものかね……考えても仕方ない、まずはあたりを調べるか。警察に就任して最初にやったのは街をくまなく調べ、頭に地図をしっかり刻む事。黒木さんが口酸っぱく言ってた事が頭を巡った。黒木さん、俺みたいなのに丁寧に教えてくれて感謝します。調べるにあたっての移動手段に自転車を選んだ。うちの署で使っているのは荷物も沢山積めて機能的なスポーツ系のチャリンコ(こ〇亀の両さんが乗ってた奴の新型だね)。草原は思ったより深い茂りでないから、そう厳しいオフロードでなさそう。とは言え、油断は禁物。俺は警棒、コンバットナイフの方にすぐ手を伸ばせるよう意識を集中させながら、自転車をこぎ進んだ。ここがもし異世界でなく普通に場所移動してただけとか言うオチだったらいいなぁ、その時は署の皆がどんな顔するか……まあ風景的に望みは薄いが。見える風景があからさまに日本じゃないのよ……

 

 

俺は地域課と言う、街のパトロールとかちょっとした通報案件を取り扱う、昔で言う警ら課って奴に所属してるんだけど、地域の平穏さと人口の関係で庶務と交通の方にも回ったりしてる。早い話が良く一般人が想像するお巡りさんに近い。最初の2年は派出所でちゃんとお巡りさんやってたのになぁ……って言ってる内に街らしい街が見えて来た。異世界転移ものとか読んでいて疑問に思う事あるある、言葉の壁はどうしてるの?な〇うのそう言うのって言葉の壁に当たってる奴を殆ど見た事がない。ご都合主義って奴?まあ何にしてもそれだけが心配だ。外国人の不審者とかに職質する時は苦労したもん。

 

街から署までの距離は大体5キロってとこか。今のところ盗賊の類いが潜んでそうな様子もないので、目の前に見える街(と言うか規模的には〇〇市の〇〇地域位のものだけど)に入ってみる事にした。

 

街の方は高さ2m位の木を立てた壁が囲んでいた。門番がいる……治安は悪いかもだな。門番の二人の特徴、一人は額から立派な角が二本伸びている、絵に描いたような鬼的な男。もう一人は背が低くて横が広いゴツゴツした髭面のおっさん。ああ、異世界だった……もろに異世界だわ。つーかかなりベタベタな見た目なんだけど大丈夫なんだろうか?

 

現実世界ではろくな生き方してなかったとは言え、沢山楽しみはあったのに、泣けるぜ。異世界転移なんて小説で読んで楽しむもんだろ?来たくねぇよ電気もコンビニも車もねぇとこなんてよ……っと考える前にまずはコンタクトだ。

 

門番の構えている数m手前で、俺は自転車を降り、彼らに近付く。近くに来ると持ってる鉄仗(てつじょう)(奇遇な事に警察が使ってる警仗(けいじょう)によく似ている)をクロスさせた。俺は警戒心を解くため、武装に手を付けず、敬礼の構えを取った。

 

『ん?なんば、何処んもんか?見た事無ぇ着物着て。敬礼すっとこ見っと、兵隊ば?』

 

言葉が通じる、ちょっくら訛ってるけど言葉は全然聞き取れる。俺は敬礼を解き、身分を明かす。

 

『M県向日葵市警察署地域課所属、階級は巡査長、名前は児玉清蔵であります。』

 

『警察?自警団のようなもんか?しかし聞いた事の無ぇ都市の名前だ。兄さん、なんか身分を証明出来るもんはねぇと?』

 

鬼の方がそう問うて来たので、俺は警察手帳を取り出し、彼に見せた。字なんて使ってるものが違うから読めないだろうけど、俺の身分証明って言ったらこれと運転免許証位だった。

 

『文字も見た事が無し、しかし自分の身分ば証明出来るもんと言って直ぐ出して来た……ワフラ、どうすっと?あんたん任せる。』

 

鬼の男は髭面の男に話をふる。警察や警備隊等において、立場が高い方に意見を求め、その者が決断すると言う暗黙の了解がある、元の世界だと濱田課長がそうだったな……この世界もその辺は似ているかな?

 

『こん男は嘘はついてないば、それにアンブロス帝国や都の連中と違うて武器を手に取った状態で来んかった。少し事情ば聞こ。キスケ、町長ば呼んで来ぉ。』

 

『分かった、待っちょれ!』

 

ワフラはどうやら俺が危害を加える恐れが無い事を見抜いたらしい。警察の同期にも見ただけでシロかクロか判る奴がいたけど、そんな感じかな?キスケと呼ばれた男が町長を呼んで来る間、俺はワフラと呼ばれた男に事の顛末を話した。話している間、俺は彼から目を離す事はしなかった、やっぱり信用してもらうなら目はそらしちゃ駄目よね。こちらの事情を話し終えると、ワフラは暫し思案に入ると、また俺に話しをふる。

 

『警察、それは所謂国が管理する地域の安全を守る者、そう考えていいんだな?それ、武器か?見た事の無いもんば。』

 

俺の肩に担いでるライフルが目に付くようだ、俺はそれを外し、腰に差している刀とナイフと警棒、脇に入れたニュー南部と足に差している予備銃、全部を取り出した。敵意は無いから丸腰になってはいるが、もし万一の事があっても、術科で馴らした体術(逮捕術と空手、10年かかって糸東流の初段になった程度だけど…)で応戦する構えだ。ワフラは物珍しそうにそれらを見つめた。

 

『どんな武器かは分からんが、そんな使ってねど、全部綺麗なもんだ。お前さんの住む街は平和なのか?』

 

そりゃあ世界でも指折りの治安の良さを誇る日本の、そして片田舎の都市だからね……それに高校のヤンキーやゾッキー(いきりガキ)位なら警棒使わず取り押さえられるもの。銃でドンパチしてる国からしたら死にに行くような装備ではあるが。ワフラに説明すると成る程と頷いた。

 

後で聞いたんだが、この世界の自警団や警備隊、兵士と言うのは血生臭い匂いが体に纏う鎧や作業服に染み付いているらしい。うん、中世ヨーロッパレベルの文明世界で平穏やら考えるもんじゃねぇな。ハーレムとか考えてる馬鹿は真っ先に死にそう、俺に異能力(チート)の類いとかは全然備わってる様子は無いし……曲がりなりにも警察で働いていて良かった。いざと言う時は逮捕術や空手で……警棒や拳銃の出番は無い事を祈ろう。

 

 

暫くワフラと取り留めの無い話をしていた。互いにリラックスした雰囲気になった所でこの世界について少しだけ知る事が出来た。この街(いや、町か、規模的に。)の名はナハト・トゥと言う。人口は三千人、色んな人種が住んでいると言う。ワフラ達はドワーフ……いきなりファンタジーで聞くメジャーな種族だな。キスケはオーガ……これまたメジャー。ちなみに俺のような見た目の種族をヒューマと言うらしい、ヒューマンてとこか。この三つがこのナハト・トゥの多数派らしい。他には爬虫類の特徴を持つリザード、ドワーフより背の低いピクシー、そしてピクシーとヒューマのあいの子と言った方が想像しやすいエルフ……エルフは長寿だと聞いているけど、な〇うとかで聞く不老不死に近いエルフと違ってせいぜい250から300歳位の寿命だと言う……十分長生きだよ、せいぜいとは一体、ウゴゴゴゴ……

 

他にはゴブリンや獸人もいるみたいだけど、まだ入植の歴史が浅く、この町では完全には市民権を得ていないと言う。何処の世界でも種族や民族の差や対立はあるんだな。ナハト・トゥはタイーラ連合国の一国、カン=ム帝国(高慢ちきなエルフの女帝で自称永遠の45歳(イラッと来るなそのフレーズ…))が治めるそこに属するらしい。つーか皇帝がエルフで高慢ちきとか俺が一番嫌いなタイプじゃねぇの!因みに俺、小説やゲームのエルフ系とか好きじゃない、そして異世界ものの神様的な連中も嫌い……会ったら思わず暴言吐きそう、会う事は無いだろうけど。

 

因みにドラゴンや巨人も存在するらしい。デカイのになると15mを超える(ワフラが大きさを下の方に描いたらそん位)化け物もいる……どこぞの人造人間だな武装した巨人とか。絶対遭遇したくない。

 

ワフラと話していると、向こうからいかにも町の長じゃねな感じの男がキスケと他の三人を連れてやって来た。町長はヒューマ、三人はオーガ(だったと思う、所謂鬼よね。キスケ同様立派な角……でも性別は女だ、牛っぽい角とあどけなさが残る顔が可愛い!滅茶好み!)一人とエルフ二人。多種多様とはこの事だろう、頭が混乱しそうになるのを押さえた。ついでにオーガの可愛娘ちゃんに欲情しそうになるのも押さえた(エロい身体過ぎる……)。

 

ここにいるメンバーで俺よりデカイのはキスケだけ、皆意外と小柄だ。ちなみに俺は180cm、80kg。キスケは195位はありそう。にしてもキスケは長〇智也に似てんな…おっ、町長が何か言いそうだ(こっちは渡〇也さんっぽいな)

 

『うんがワフラの言っていた男か?ワンがここの町長を勤める、アール・ナイトだ。』

 

俺は改めて自己紹介をした。勿論M県向日葵市警察署地域課所属からね。自らの出身地は入れたかったのと、腐っても警察だからね。町長はほうほうと頷くが、後ろにいるエルフ二人、怪訝なと言うより明らかに嫌悪感を出してる。警察にそう言う態度取ると痛い目見るぞ現実世界なら。

 

『ワンはおめの事を気に入った、どうやらおめは、失礼、清蔵どんは別の世界から来たんね?それでいて臆する事も、敵意を向ける事もせんかった。』

 

『ありがとうございます。しかしながら町長さん、後ろの二人、何ゆえ私に嫌悪感を出してるのですか?仕事柄人の雰囲気や表情、態度と言うものが気になる上、隠し事は出来ぬ性分なので。』

 

俺がそう話しをふると、二人のエルフはビクッとした。顔に出さなくてもその無駄に長い耳がプルプル震えてるぜ?(なんか可愛いけど……)警察の職業癖ってせいか何か隠し事をしている人間の挙動ってのは気になるし目に付く。

 

『おお、すまんね。この二人は元々トマヤ公国に住んどった不可触民の出自でな、長く差別されて生きてきたんじゃ。そんなこつじゃけぇ初見の人間にこう言った目を向ける事はあった。ほんにすまん。しかし清蔵どんは中々人の雰囲気を見抜く事に向いとる、元の世界じゃ立派な人間だったんじゃあの。』

 

いや、あの……巡査長なりたてのボンクラなんですが。しかもあくまで勤続15年皆勤のおまけで巡査長になったような口っすから……術科でも空手以外では成果残せなかったなぁ……

 

町長の話しが終わった後、エルフの二人がすまなそうに、鬼っ娘さんがふふっと笑いながら前に出てきた。

 

『ごめんね、二人とも人見知りなんよ、悪い人じゃないから許してね。私はテイル・オーガスタ、オーガの女よ、年は20歳、ヒューマの年齢で言うと15歳かな?隣国の奴隷階級だったけど、家族と共に亡命して来たんよ。宜しくね、お兄さん。』

 

可愛い声(仁後〇耶子さんにそっくり……)、初めて会ったオーガの女性がこんな愛嬌あって可愛い女の子だとは。俺は丁寧に柔らかく頭を下げ、差し出した手を握り返した。温かくて柔らけぇ……と言うより握手が挨拶として通るって事をこの場で知った。これは助かる。

 

次に、まごまごしてる二人のエルフ……二人共女だ。エルフって高身長ってイメージだったけど、低い(テイルちゃんが170位のグラマラス体型ってのもあるけど。うん、下手なグラドルより凄くいい!)。小学生位にしか見えないけど、どうなんだろ?

 

『わ、わだす、エルフのマーリナ。兄ちゃん、ごめんなさい、わだす達、町長さん達意外の人に心開げなぐて。』

 

『わだすもエルフの……アーニャ。兄ちゃん、さっぎはごめんなさい。初めての人、怖ぐて……』

 

おいなんだよ可愛いじゃねぇか(勿論子供的なだけど。ロリコンじゃないよ?)。日本の東北地方っぽい訛りと、見た目通りの幼い舌ったらずな声。嫌悪感はどうやら人見知りの怯えだったみたいだ。二人の年齢は34歳、えーと、元世界の人間の平均寿命を80と考えて、9歳位かな?通りでちっちゃかった訳だ。俺より年下だから兄ちゃん呼びはちょうどいいかな?年齢よりだいぶ老けた兄ちゃんだけどな!

 

俺は彼らと仲良くなった。日本語で通じる事(標準語でずっと話していたんだけど、俺が話すこの言葉はハイ・ラングと言うらしい。こっちの言葉で言うと便利な言葉と言うらしい。うん、標準語も日本全国で通じるし意味的にはあってるな)、最初に会った人間が温厚な人々だった事、俺はまだツキに見放されていないと実感した。

 

 

俺は彼らを署に招待する事になった。門番が誰か一人残らねばならないので、長く話して最初に打ち解けたワフラが気を使って残る事になった。俺は自転車を手で押しながら、署へと続く道を先導する事になった。

 

途中、キスケが俺の持ってる武器について質問があったので答えた。ショットガンとライフルとニュー南部(何度も言うが警察では生産終了している。使い勝手がいいからまだまだ現役で使用されてるとこも多い)、こちらの世界では銃が無いらしい事が分かった。

 

『凄か!弓より威力のある投擲武器を持ってるとは、清蔵どんの住む世界は進んどるば!』

 

銃が今の形(弾と火薬が一体になった後籠め式)になったのは百数十年前で、先籠め式に至っては何百年以上も昔にあったと伝えたら彼らは驚いていた。恐らく魔法とかが進んでいてこんな形の武器は出番がなかったんだなと勝手に想像する。キスケは更に腰に差している近接武器についても興味を示した。キスケさん、あんたもしかしなくてもミリタリーマニアか武器フェチかな?よっ、よし、知っている限りの事を言ってやるか。

 

『これは日本刀って言う刃物だ。キスケさんの持ってる剣に当たる奴だね。切れ味抜群、更に見た目が綺麗だから良いものだと金貨で100枚(江戸時代の小判を金貨と説明し、その価値も教えた)とか行く奴もあるよ。』

 

『高っ!そんなもんをあんたは持っとっとね?!一体あんたは何処のお偉いさんね?!』

 

いっ、いや、これは被疑者をしょっぴいた押収品で、こっちの世界に何があるか分かんないから護身の為に持って来たと素直に説明した。昭和の旧日本軍までだよ日本刀腰に差してたのは……しかも明治から一般人は廃刀令の関係で刀は所持出来なくなったんだからね。だからその辺も説明する。

 

『俺達警察が持ってる護身及び鎮圧に使う基本装備は、こっちだよ。警棒って言うんだ。取り出す時は……こうっ!』

 

『『うわぁ!格好いい!』』

 

アーちゃん、マーちゃん、素直で可愛い感想ありがとう。警棒はその名の通り棒だけど、これ、特殊合金で出来てるから、実際使うと殺傷力高いのよ。非力な女性巡査でも硬い黒皮カボチャを軽々叩き割る程の凶器だからね、暴漢を制圧する時は頭を殴らないように心がけてるよ。そうこう話しをしているうち、署に着いた。

 

『おっぎー!せいぞう兄ちゃん、ここに住んでるのぉ?』

 

マーちゃんとアーちゃんの二人が目をキラキラさせて質問する。当然仕事場であり、住む家は別にある事を伝えたが、住めない事もないと言うのも伝えた。二人はすごぉいとこれまた素直で可愛い感想を述べる、なんだか小学生の社会科見学の案内をしている気分だなぁ、子供のキラキラした目は見ていて和む。俺達の地域は治安が良いので、巡査連中はお巡りさんと言うより街の優しい兄ちゃん姉ちゃんと言う側面が強いから子供にはとても優しく接する。

 

『あっ、せぞさん、気になったんだけど、あそこにある、白黒の箱みたいなのは何?』

 

パトカーに興味を示したテイルちゃん、お目が高い!この世界からしたらトンでもないオーパーツさ。乗り物だと言うと、本当にぃ?と可愛い声で聞いてくる。ヤバい、なんかマジで変な感情目覚めそう……いかんいかん、改めてパトカー等の車のエンジンたる内燃機関についてはなす。腐っても機械科出の頭をフル回転させながら説明した。まあ、これ理論や理屈がわかっても作れるかどうかとは話が別だからね、説明していて疲れたぜ。

 

マーちゃんやアーちゃんは流石に付いていけないのか欠伸してたし……うん、そうだね、結構こう言った系の事を説明するとそう言うリアクションになるのも頷ける。しかしテイルちゃんと町長は俺の説明を紙に懸命に書いていた。筆記具は黒鉛で出来たクレヨンと形容した方がいいかな?鉛筆的な筆記用具がある事はメモとか文書のまとめとか付けペンに比べて楽よね。

 

しかしテイルちゃん、車に興味があるとは……元の世界で俺の愛車であるイン〇グラtypeRに乗っけたい(完全にこの娘に惚れたな俺……まあ一緒に飛ばされたんでこの世界でも乗ろうと思えば乗れるんだけど……)。と言うか町長さん、あんたまで少年の目付きだな。でも気持ち凄く判るのが複雑だ。しかし町長の見た目でパトカーに乗ったら完全に西部警察だよ……マジで渡〇也そっくり。

 

外の方にあるものの説明が終わった所で、中に入っていく。春の交通安全週刊のイベントで一日署長を勤めた立〇和義さんの等身大パネルが正面入ってすぐにあった……子供二人は異常に怯えていたね、他の人もややびびってた。いや、怖いけど、俺あの人に写真撮って貰った上に気前良くサインもしてくれたから!話すと気さくな方だから!パァンとかそ(ry

 

余りにも皆が怖がるので等身大パネルを裏返しておく事にした。まあ夜になれば元に戻すよ、思ってもみない防犯グッズの存在があるとは……素晴らしい一日署長だね。

 

 

署の応接室に皆を招き入れた。ここには茶菓子があるし、席もそこそこあってある程度の人数で宴会も出来る(まあ署長クラスの身分の連中が話し合う場所であるので、俺のようなヒラ警官がここを使った試しは無いんですけどね…)

 

カセットコンロで湯を沸かし(し〇ちゃん一家がCMしてるやつのボトル水の先を叩き切って水を確保した)、俺の世界のお茶を入れ、俺の世界の菓子を出した。皆それぞれが舌鼓をうち、気分も落ち着いた所で、俺は自分の身のふりをどうするかと言う事を考えた。元の世界に戻るあては無い、さっきも言ったようにチート転生もののよう(いせかいあるある)な都合のいい能力は無く(あるとすれば鉄筋コンクリート造りの頑丈な署ごとやって来た位)、元の世界の武器も銃器は弾薬に限りがあるし、車もガソリンに代わるものはあったとして、バッテリーとかどうするよって事でむやみに使えない。ん?テイルちゃんどうしたの?

 

『せぞさん、じゃあさ、この署?だっけ、ここの周りに町の新たな敷地を作ったらどうね?私、せぞさんの事気に入っちゃった!』

 

俺もテイルちゃんの事、好きになっちゃった。35歳の素人DTが色気付いたなんてなんか締まんないけど……スッゴい癒されるわぁこの娘。

 

そっ、それは置いといて……テイルちゃんの意見、確かにいいかも……異世界に来ちゃったし向日葵市警察署改めてナハト・トゥ町警察署に改名しようと思ってたのよ。まあ俺一人だから刑事、人事、地域、会計、その他諸々を全部やらなきゃだけど。過労死不可避ェ……

 

『しかしこんだけのデカイ場所を一人でってのは流石に辛かそうだのう……そうじゃ清蔵どん、ワンの町の自警団になるなら、キスケやワフラの部下、それにテイル達をここに来させて、おまの世界流の警備の心得、叩き込んでくれんじゃろか?』

 

……え?つまり俺が、万年ヒラの俺が署長?異世界に来てトンでもない大役を受けるってか!うう、俺に出来るのか?

 

『大丈夫、清蔵どんはあのワフラが気に入り、マーリナやアーニャ達が即座に懐いた人の良さがある!自警団の長は人の良さだけじゃ勤まらんとか言う奴がおるが、町を守る者の長は、その人の良さがなきゃあ誰も治安良ぉするなんて思わん!』

 

キスケさん…あんた熱いな。ならば…

 

『元の世界ではうだつの上がらないヒラの俺でしたが、この世界のこの町、ナハト・トゥ、そこに住む皆さんの優しさに触れ、ここにナハト・トゥ警察署の署長として改めて治安維持に努めます!

 

本日、ナハト・トゥ警察署署長となりました、児玉清蔵巡査長改め、警視正であります!よろしく!』

 

人事もへったくれもって感じだけど、署長には警視正又は警視がなるものなので、勝手ながら身分を改めた。つーか警視正が署長のとこは大都市位なんだけどね。署長のタマじゃ無いんだけど、ここに来た警察官は俺一人……ああ、やってやるよ!こんないい人らの笑顔を曇らせたくない!

 

 

児玉清蔵、35歳(素人DT)。異世界にて警察署署長となる。身分を警視正へと仮冒。

 

 

 

 

 





長く書いてると自分でも設定忘れてる時がありますw新規投稿はまだ暫くかかりそうなのでせめて誤字脱字修正位はしようかと過去話を見直してます。
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