ファイアーエムブレム覚醒~Susanoh's lust sin~   作:昆布さん

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長くなったので二つに分けます。
分けても長え・・・
では、本編をどうぞ。


九章 エメリナとクロム 前

クロム殿!

唐突に響いた声に意識を向ける。

「お頭の命により、報告に伺いました」

赤の忍がクロムの前に片膝をついて佇んでいる。

「何の報告だ?」

「聖王殿の処刑の日取りがつかめました。明日、ペレジア王城で行われるとのことです」

間違いないのか?ヨシュアがそう聞く。

「は!ギャンレル自身が知らせを出したもの故、間違いないと思われます」

その報告にバジーリオが険しい表情になる。

「いよいよ、か」

ああ。とジンがうなずき、ヨシュアに視線をやる。

「君の読み通りだな」

「ああ、この先も当たればいいんだが」

どこか消極的なヨシュア。叱咤するようにフラヴィアがその背を叩く。

「たっ!フラヴィア!」

「胸を張りな。あんたの策に全員乗ったんだ」

にいっ。と力強い笑みを浮かべるフラヴィア。それに続くようにクロムがヨシュアをまっすぐに見る。

「大丈夫だ、ヨシュア。必ず成功する」

「いや、僕たちで成功させるんだ」

「そうだな、ジン。姉さんを救出し、みんなで笑って帰るぞ!」

決然とした言葉を聞き、ヨシュアは唇を引き結ぶ。

彼らの視線の先には砂漠に佇む暗愚王の居城。

イーリス・フェリア連合軍によるエメリナ救出作戦が始まろうとしていた。

 

・・・・・

 

「・・・っは」

どこだ此処は?なんでクロムがやられてる?

「お前の・・・せいじゃ・・・ない・・・」

何で俺の手が放電してる?

「お前だけでも・・・逃げろ・・・」

何故・・・俺はクロムを…!?

「お父様ァァァァァッ!」

 

・・・・・

 

「ヨシュア殿っ!どうしたでござるか!?」

夜通し作戦を考えていたので出撃前に少し休む。そういってヨシュアが輸送隊のところへ行ってからほんの少ししか経っていない。

言葉にならないような叫び声に真っ先に気付いたバングが駆けつけると、ヨシュアは全身に冷や汗を浮かべ、茫然としていた。

「そんなに汗をかいて・・・何か悪い夢でも見たのでござるか?」

「ん・・・ああ、そうだな。よく覚えてないが、嫌な夢だった・・・で、どうした?」

「ヨシュア殿が叫び声を上げたから心配になって様子を見に来たのでござる。いや、大事無いようで何よりでござった」

額の汗をぬぐってヨシュアが立ち上がると、タイミングを計ったようにジンとリズがやってきた。

「フレデリクがそろそろ出発するというから呼びに来た」

「一緒にいこ?」

 

・・・・・

 

「よく集まったな、ペレジアの民たちよォ!」

クロム達が刑場までたどり着くのを待っていたかのようにギャンレルが声高に叫んだ。

「そんなに見てぇか?見てぇよなァ!?最高の見世物だもんなあ?」

両手を拘束されたエメリナの後方左右に二人の獄卒が現れる。

「さぁ、観衆の気分は最っ高潮だぜェ?オラ!!処刑人!恨みを込めた斧を振り下ろせイ!」

その声が響くよりも早くフラヴィアが投擲した斧とジンの氷翼月鳴が空を裂き、獄卒達を瞬時に屠る。

それを確認したヨシュアはすぐさま剣を抜いて叫んだ。

「よし、行くぞ!」

 

・・・・・

 

「リベラ!サーリャ!」

新参の二人、イーリスのバトルモンクのリベラが戦斧を振り下ろし、屈んだ頭上を抜けるようにしてペレジアを離反した呪術師のサーリャが魔法を放つ。

「グハァッ・・・ハァ・・・ハァ・・・ハァ・・・ッ・・・」

重装甲の敵将もこの連撃には耐えかねた様子で、胸から血を流して膝をつく。

「ギャンレル・・・様・・・我らの・・・恨みを・・・!」

最後の力を振り絞って放つ投擲。それをジンは顔色一つ変えずに氷の中に封じ込め、冷気を操って返して見せた。腹を貫かれて絶命する敵将には目もくれず、クロムが叫ぶ。

「ヨシュア!掃討した!予定通り合図を出すぞ!」

「ああ!」

と、ヨシュアは懐から取り出した小さな玉を投げ上げるとサンダーで狙撃する。

それにより発生した光を合図にフィレイン麾下の天馬騎士が乱入してきた。

「フィレイン!?無事だったのですか?」

「はい!バジーリオ殿の手の者により脱出を。エメリナ様!今、お救いします!」

気を吐いて空を疾走するフィレインと天馬。足元でギャンレルが目を見開いているが知ったことではない。

フィレインがエメリナの下へたどり着くまであとほんのわずか。というところで、その体が不意に傾いだ。

「か・・・は・・・!?」

胸を貫く矢を凝視し、次いで射手を探ろうとしたところで、フィレインは天馬から滑り落ち、絶命した。

「なっ・・・!?」

一瞬だけ瞠目したジンが視界の隅にとらえたのは半分腐敗したような弓兵。

「屍兵・・・だと?」

そのつぶやきを聞いたヨシュアとクロムが驚愕する。

「馬鹿な、こんな偶然が…!」

「笑えない冗談だ・・・!」

ギャンレルが哄笑し、天馬騎士が全滅してしまう。

歯噛みするクロムに対し、ギャンレルが侮蔑の笑みを向けた。

「形勢逆転、ってところだなあ?さあ、這いつくばって惨めな負けを認めろぉ!!」

「まだだっ!俺たちは生きてる!生きてる限り、負けはしない!」

裂帛の気合いとともに咆哮するクロムに対し、ギャンレルはやはりニマニマと笑っている。

「おーおーイイこと言うじゃないの。死ぬまでに一度は言って見てえよなァ?けどま、この場でテメエが負けてんのは変わらねえ」

そういってギャンレルが示すのは城の上。

「代わりの獄卒は配置についた。俺の命令一つでねーちゃんの首が飛ぶぜ?」

「――――――ッ!」

たまらずファルシオンに手を伸ばすクロムをジンが制止する。

「いい判断だぜ金髪の兄ちゃん。テメエらがピクリとでも動いたら獄卒どもがエメリナを殺す」

ギャンレルの人を不快にさせる笑みが深くなる。

歯噛みするもクロムはその場を動くことができないでいた。




話の大筋は変わりませんが、一部セリフ回しをいじらせていただきました。その結果ギャンレルの外道度が増した気がしますが、ハザマのせいだということにしてください。外道は外道を引き寄せるのです。
次回もやっぱり遅くなります。資料を作らないといけないしレポート試験の下書きも必要だしマコトでアーケードモードクリアしてないしテスト勉強も必要だしウードがもう少しでカンストするし、やることが多い前期末なので、何とか時間をとって進めたいのですが。
では次回、十章 エメリナとクロム 後でお会いしましょう。
ちゃおちゃおー。
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