ファイアーエムブレム覚醒~Susanoh's lust sin~   作:昆布さん

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身元不明の行き倒れから一転国家元首の右腕に~ってよく考えたら出世なんてレベルじゃねーなオイ。と、よく考えたらツッコミどころ満載、うちのヨシュアさん。今回はそんなヨシュアさんが一人の女性を拾います。
では、本編をどうぞ。


十五章 拾った女性

終戦から半月ほどの時が流れた。その間にクロムだけではなくジンもリズと結ばれたり、たまった書類のせいでジンが埋まったりといろいろなことがあった。

そんなある日のこと。早々に仕事を終わらせ、急ぎの用もなかったので、ヨシュアは王都の西、初めて屍兵が出現した森の様子を見に行った。一人では危険だとフレデリクがうるさかったのでアジトにいたドニに声をかけたのだが。

「これは・・・酷いな」

ヨシュアの呟きにドニも顔をしかめる。

「ああ、こんなんじゃ元通りになるのに何十年もかかるべ」

元々農業を営んでいたドニの言うことだ、間違いはないだろう。それに素人目にもわかるほど、この森は死に絶えている。噴出したマグマによって大地はめくれ、火災を収めるためにジンが行った凍結によって森全体が霜の降りた新芽のようだ。

「こればっかりはどうにもならないとはいえ、何とかしてやりたいよなあ」

「んだな」

そう言葉を交わしながら森の奥へ歩いていく二人、そのうちドニとヨシュアが同時にある音を聞いた。

「聞こえるか?」

「ああ。誰かいるみたいだべ」

聞こえる音は呼吸音。ヨシュアともドニとも異なるかすかな音が聞こえる。

「行ってみるか・・・ドニ、武器を」

ヨシュアは鋼の剣を、ドニはショートスピアを構えてそちらへ向かう。

そして、そこにいる人物が見えてきた。

「・・・な?」

「どういうことだ?」

いる。というより倒れていると言った方が正しいだろう。その人物は見れば見るほどこの森には似つかわしくはない。

若い女性だ。

焼け焦げた黒っぽい土の上に広がる長い桃色の髪。

出るところは出ていて引っ込むところは引っ込んでいるしなやかな体躯。

長い睫の下で伏せられた切れ長の目は、おそらくきつめの光を持っているのだろう。

白い服が土で汚れているのを見て、ヨシュアは慌てて彼女を抱き起した。

「・・・まいったな、目を覚まさないぜ」

「どうするだ?」

しょうがない、アジトまで連れていこう。とヨシュアは苦笑交じりにそう言った。

 

・・・・・

 

「・・・ぁ」

知らない天井。そんなありきたりなフレーズを彼女は頭に思い描いた。

どうやら自分は堅いベッドに寝かされていたらしい。薄い毛布をめくって上体を起こすと、その部屋に鮮やかな赤い髪の青年が入ってきた。

「気が付いたのか」

「見ればわかると思うけど?」

まいったねと男は頭を掻く。

「気分はどうだ?」

「さあ。いい・・・とは言えないわね」

「そうか。あんた、名前は?」

名前?・・・

「そういう時は自分から名乗るものだと思うけど?」

それもそうか。と男は頷いた。

「俺はヨシュア。クロム自警団で軍師をやってる。あんたの名前は?」

「・・・コノエ」

 

・・・・・

 

しかしなんだ。とヨシュアは頭の中に嫌な予感が生じているのを自覚した。

「コノエか。よし、覚えた・・・なあ、コノエは何であんなところに倒れてたんだ?」

そう、問題はそこだ。あの森はこの国の人間である自分で言うのもなんだが、行く理由がないのだ。

「わからない」

「わからないって・・・あそこにいた理由がか?」

嫌な予感はどんどん形を成していく。

「いいえ、理由だけじゃないわ。私が誰で、どこから来たのか」

名前以外、思い出せないの。コノエはそういった。

 

・・・・・

 

「・・・まあ、仕方ないな」

イーリス城であてがわれた自室にコノエを待たせ、ヨシュアは彼女のことをクロムに報告する。

「困っている人間は放っておけない、それが自警団の理念だからな。それに従っただけだ」

そうだな。と言って頷くクロム。そんな二人に書類がだが。と声を発した。

「・・・なあ、クロム。なんだこの愉快なオブジェ」

「ジンだ。終戦後間もないからな。軍事関係の書類はあきれるほどに多い。俺も手伝っているのだがなかなか終わらん」

「後で君にも手伝ってもらうが、今はその彼女のことだ。拾ってきたからには君が面倒を見ろ」

「言われるまでもない」

ひとまず今日は仕事が入っているわけではないので、自室に戻る。

その日からヨシュアはベッドではなくソファで寝ることになり、さらにその数日後、巨大な書類の山に戦いを挑む3人の青年の姿があったという。




はいというわけでコノエさんです。
次回は一気に飛んで二年後のアカネイア大陸。
なのでダイジェストで二人の関係を紹介させていただくと

ヨシュア、コノエの身元引受人としてイーリス上の一室で同棲し始める
      ↓
ヨシュア、理性が保てるか不安なのでコノエをベッドで寝かせ、自分はソファや机で寝るように
      ↓
コノエ、毎晩ソファや執務机で眠るヨシュアに良心を痛める
      ↓
コノエ、背中合わせに寝ることを提案するも寝がえりで抱き枕にされること多々あり
      ↓
そんな感じで交流を深めながら半年が過ぎる
      ↓
ヤ  っ  ち  ま  っ  た  のでそれを契機にヨシュア、コノエにプロポーズ
      ↓
第一子誕生。男の子。ヨシュア、この子をマークと名付ける。同時期に生まれたクロムの娘にはルキナ、ジンの息子にはラグナと名付けられる。ジン曰く「目元とか小さいころの兄さんそっくり」だからだそうだ。

っとまあこんな感じでございます。
では次回、 十六章 海より来る者たち でお会いしましょう。
ちゃおちゃおー。
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