ファイアーエムブレム覚醒~Susanoh's lust sin~   作:昆布さん

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そろそろ下宿に戻ります。やることもないので執筆時間は取りやすいかと。
では、本編をどうぞ。


十七章 開戦

フェリア北西部に位置する港町。

普段は磯と魚油と煙草やらが乱雑に混じった独特の匂いが立ち込めているはずのこの町で、それを上書きするような臭いがする。

それは即ち鉄の臭いであり、その鉄臭さの大本は軍艦の甲板に倒れた男性の体。

即ち死体。つまるところこの鉄臭い臭いとは血の臭いに他ならない。

「本当に戦闘()るのか?」

ユキアネサに手をかけながらジンが言う。ああ。とクロムは頷く。二年間でいろいろなことを考え、そのうえで出した結論。自分はこのような横暴を許すわけにはいかない。

故に、クロムはファルシオンを抜き放つ。

その意をくんで、ヨシュアは全軍に号令を発する。

「イーリス、フェリアの全軍に告ぐ!民間人への被害を最低限にとどめつつ、ヴァルム帝国を追い返せ!」

ペレジア戦争から二年。今日、この時を以て後にヴァルム大戦と呼ばれる戦争が、幕を開けた。

 

・・・・・

 

「久しぶりの実践だ、加減を間違えるかもしれないが、そこは一つ勘弁してくれ」

隊列を組んで突撃してくるヴァルム軍を前に、ジンはユキアネサを掲げるように構え、そこに冷気を集中させていく。

「虚空陣・・・」

疾風!と。ジンは一息に振り下ろし、冷気を開放する。一斉に吹き飛ぶヴァルム軍。傷が完全に癒え、そのうえでさらに修練を積んだ結果の強さである。と、虚空陣疾風を喰らってもなお突撃を敢行する重騎兵が一人。

「私とてセルバンテス将軍から薫陶を受けたヴァルムの兵、このままでは終わらんぞ!」

と、凍てついた槍を構え、向かってくる。

「見事。その覚悟は称賛に値する」

騎馬によるスピードの乗った一撃を、ジンは術式障壁を使って受け止めた。

「其の誇りを忘れぬ内に逝くがいい」

そして一閃。その鋭い一薙ぎで重騎兵の胴を払い、本人も気づかぬほどの一瞬で絶命させる。

一方のヨシュアも負けてはいない。

「ぜらあああっ!」

裂帛の気合いと共に放たれる片刃の刀身は鋭く、そして目にもとまらぬ速さを伴って目の前の兵を打ち倒す。

「次!」

「まだまだ!」

「おまけだ!」

密集陣形に飛び込み、その身軽さを駆使して敵を翻弄しながらヨシュアは刃を疾らせる。

そしてそのまま一気に後方へ跳躍。ヨシュアが飛び退った時に騎兵が見たのは、魔道書を見もせずに呪文を詠唱する一人の女性。

「まとめて吹き飛びなさい!」

コノエが放ったギガサンダーが後続を巻き込んで騎兵を撃ち抜いた。

 

・・・・・

 

「クロム、そっちは?」

「片付いた。が」

「被害は大きいな」

戦闘はイーリス・フェリア連合軍の勝利に終わったが、その被害は大きく、再建が始まってあまり時間がたっていないイーリスの一般兵はかなりの死傷者を出した。

「フェリアの兵もかなりやられ申した」

とは、バングの言。彼が指揮を執った部隊でも、生き残っているのは獅子神忍軍の忍のみというありさま、とても快い勝利とはいかなかった。

「厳しい訓練を積んだ兵士たちだとは思いましたが、これほどとは」

と、これは渋面を作ったフレデリク。これが先遣隊というのだから、相手の兵力は推して知るべしというところだろう。

「情報が本当なら、こいつらより強い騎馬本体が、これからわんさか押し寄せてくるわけだ」

市民を守りながら敵の大軍と戦うなどたまったものではないとバジーリオもぼやく。

「確かに今のイーリスにも外洋からの侵略を迎え撃つ備えはない、クロム、ヨシュア、どうする何か案はないか?」

そういわれ、ヨシュアはすぐに情報を頭の中で処理していく。

(敵主力が騎馬軍、陸上で迎え撃つには不利)

「それなら、海で戦えば」

「海戦か。だが、イーリスには戦いに使える船がないぞ」

「フェリアも同じだ。ってことは、 他の国にも支援を頼んだ方が良いな」

「そうは言っても、バジーリオ殿は心当たりがあるのでござるか?」

「あるとも。俺たちがよく知ってる国だ」

そういわれ、ヨシュアの脳裏を耳障りな笑い声が過る。

「もしかしてペレジアか?」

「あのペレジアと!?」

驚くクロムに、バジーリオは自分の考えを話す。

「ペレジアは金のある国だぜ、商売用の船を山ほど持ってる。ヴァルム帝国と真っ向からやり合うには、ペレジアの支援が必要となる」

フラヴィアは背に腹は代えられぬと賛成の意を示し、クロムの答えを待つ。

しばらく逡巡してから、クロムは一つ息を吐き、

「ペレジアと話し合おう」

とはっきり言った。

「ギャンレルが死んで、新しい王が即位したと聞いてる」

ヨシュアとジンは同時に頷きを返した。流石に二年も側近を続けていればこれぐらいのことは容易らしい。

「にしてもヨシュア、初めてやるヴァルム軍相手に 大した勝利だったじゃないか。いい顔になったよ」

あんたら三人ともね。と、フラヴィアはなぜか男臭い笑みを浮かべてそう言った。

それからしばらくして、ペレジアの使いと称する黄色いローブをまとった男がやってきた。

ペレジア領の孤島、屍島。

そこが会談場所として指定される。

だがもしこの使者がジンと顔を合わせていれば、歴史はまた違った方向に進んでいたのかもしれない。




所々で中村君が顔を出す。そんなことはどうでもいい!(ゲルマン忍者っぽく)
口調だけでなくスキルまでハクメンに近づいちゃいました。実はこれはそれなりに重要なポイントでして。あと、最近スパロボUXを始めました。炭酸の不死身っぷりに驚愕の一言。ファフナーいいよファフナー。あとその影響で少しだけ先の展開の予定を変えるつもりです。
では次回、十八章 屍島の出会い でお会いしましょう。
ちゃおちゃおー。
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