ファイアーエムブレム覚醒~Susanoh's lust sin~   作:昆布さん

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スマブラ面白いですね~。ウチのルフレは横必殺をファイアウォールにして壁を作りつつチャージ、乱戦下にトロンを放り込むキャラです。
では、本編をどうぞ。


二十一章 解放軍

矢を放った青年の怜悧な顔つきを見て、クロムが目を見開いた。

「・・・ヒーニアス・・・だと!?」

「どうした?」

「ジンは知らないのか・・・ヒーニアスってのは、異界の英雄のことだ」

ヨシュアの言う通りだ。

フレリア王ヒーニアス。マギ・ヴァル大陸からやってきた者が伝えた英雄。比肩するものなき弓の腕を持ち、冴えわたる頭脳と知略を以て戦乱の世を生き、後に賢王と称されたいい人だ。

「だが、そんな人間がなぜここに・・・」

いや。とクロムの呟きに鼻をひくつかせたジンが答える。

「微かだが魔素を感じる。人形か、でなければアレは呼び出した魂に魔素で器を与えたモノだ」

さしずめ刻の幻影(クロノ・ファンタズマ)か。呟く間にヒーニアスが敵兵を次々に屠っていく。

が、それも長くは続かない。

「セイメイ、足りていないぞ」

「無茶を、言わないで、くれ・・・僕の、魔力は、少ないんだ!」

そう言った青年の体から一瞬だけ強く青白い炎が立ち上り、ヒーニアスの体に流れ込む。

「とはいえ、これでは一発が限度か――外れてくれるなよ、ニーズヘッグ」

そう言ってどこからか取り出した豪奢な弓を引き絞ると、薄くなった足で地面を踏みしめ、矢を放つと同時にヒーニアスの姿が消えていった。

「――何だったんだ?」

「大方あの男が召喚したものだったのだろうが」

ジンの視線の先で青年の体が傾ぐ。

がく。と倒れた青年にあっけにとられるヴァルム兵を抜き打ちに振るったユキアネサが薙ぎ払う。

「どちらにしろ、見つかったからには戦わざるを得ないだろう・・・行くぞ」

ああ。と頷き、ヨシュアが策をはじき出す。

「俺が彼を援護する!クロムとジンで派手に暴れまわって敵をおびき寄せる。バングとガイアは情報収集にあたれ!」

 

・・・・・

 

クロムの進行方向、前方やや右で騒ぎが起こっている。目を凝らして見てみると、一人の女性がヴァルム兵たちに囲まれていた。

「・・・見過ごすわけにはいかんか」

そう呟いてファルシオンを構える。多勢に無勢は見逃せないし、何より騒ぎを起こせば陽動になる。一般人に危害が及ばないように気を付ければそれで十分目的完遂なのだ。

「せやああっ!」

跳躍からの一閃。一振りで4人ほどをまとめて薙ぎ払う。

「助太刀、感謝致す。イーリス同盟軍のクロム殿とお見受けするが」

「そうだが、なぜそれを?」

クロムの問いに女性は黒い長髪を追随させながら反りの入った片刃の剣を振るう。

「詳しい話はここを切り抜けてから」

「――いいだろう」

と、二人は再び集まってきたヴァルム兵に切りかかった。

 

・・・・・

 

汗で額にへばりつく銀髪を払いのけると、ジンは路地まで誘い出した敵兵に向き直る。

「いかに聖王の右腕といえども、数で押せばこの通りよ。早々に観念せい!」

得意げにそう言う敵将。たしかハーフェンとか名乗っていたか。近衛もまとめて挑発、当たりそうで当たらない距離を保ちながら狭い路地までかけてきたのだが、ハーフェンはうまく誘いに乗り、ここまで追いかけてきたのだ。

「・・・まさか、挑発に気付いていないとでも?」

「よしんば我らを謀ろうとしていたとて、罠ごと撃ち砕くが我らの務め!覚悟せよイーリスの将!」

気炎を放つハーフェンの前でゆっくりとジンはユキアネサを構える。

狭い路地に密集した敵。外す要素は一つもない。

「哀しきは騎士道か」

虚空陣疾風。

「――異国の強者――侮り、がた、し――!だ、がっ。ヴァルハルト様、に、は――!」

こと切れたハーフェンから視線を切るとジンはその場を立ち去った。

 

・・・・・

 

戦闘も終わり、騒然としていた街の空気が落ち着いたころ、湊町にある大き目の宿でイーリス・フェリア連合軍のトップたちと先ほど共闘した男女が会談を始めた。

「かたじけない。やはり、噂通りの強さだな。私はサイリと申す。 解放軍の者だ」

と、きりっとした雰囲気を漂わせた黒絹のような光沢を持った長髪の女性。

「同じく、解放軍の英霊召喚士(サマナー)、セイメイです」

と、帽子と外套の青年が一礼。

「解放軍?」

とクロムが疑問符を浮かべたので、ジンは軽く確認する。

「レジスタンスという解釈で間違いないか?」

「その解釈で合っている。ヴァルハルトの厳しい支配に抵抗を示す者は少なくないのでな。まだ各地の有力者がそれぞれ兵を集めているだけだが、それがひとつにまとまれば、大陸を二分するだけの勢力になる。そう思い、私たちは少数で大陸中を駆け回っていたのだ」

ならそうすればいいというフラヴィア。しかしサイリは頭を振る。

「残念ながら、そう簡単にはいかぬのだ。領土の安寧のみを求める者もいれば、日和見主義の者もいてバラバラ。故に全員をまとめあげる旗印が必要なのだ」

「それをあんたがやろうってんだろ?」

「いかにも。しかし…私の言葉を聞こうとしない者も多い。我が兄がヴァルハルト側についているという事情もある」

これにおいおいと声を上げたのはバジーリオ。

「身内があっち側か。なんでそんなことになってんだ?」

分からないが、戦場で会えば自分が斬ると彼女は言う。ジンの胸の奥がズキリと痛んだ。それを怪訝そうに見て、それからサイリは続ける。

「すでに、ヴァルム帝国軍は百万を超えたとも言われている。解放軍の意志をひとつにまとめねば、ヴァルハルトの覇道の波に呑み込まれてしまうだろう」

「ひゃ、ひゃくまん!?」

と目をまん丸くしたリズがすがるようにジンを見る。

「多勢に無勢とはまさにこのことだな」

と、普段通りを装うジンの頬にも嫌な汗が伝う。

「そこに、あなたたちがヴァルム艦隊を破ったという報せです。僕ら解放軍には文字通り渡りに船、今が一丸となる最後の機会なのかもしれません」

セイメイのセリフを次いでサイリがガバッと頭を下げる。

「頼む!あなたたちの力を貸して欲しい!」

「クロム様、いかが致しますか?」

クロムはそばで直立不動を崩さないフレデリクに視線をやり、次いで彼は迷いなく口を開く。

「――俺には、守りたいものがある。守りたい人がいて、守りたい国がある。そしてつかまなければならない未来もある」

「お父様・・・」

「それを実現する手段が戦いであることが正しいことなのかはわからない。わからないから俺は先頭に立って戦おうと思う。間違うなら、誰よりも先に間違って、 誰よりも早くそれに気づきたい。同じ過ちで多くの人が大切なものを失わないために。だから――力を貸す、俺たちが、この支配を止める力になる」

「まあ、そう来るだろうな。どうする?ジン」

「戦う相手が変わらない以上、僕に断る理由はない」

三者三様の答えに感極まったのか、サイリたちは深々と頭を下げた。




スパロボで惚れ込んだのでマジンカイザーSKLヴァーサスを買いました。2巻の真上のセリフを見て「あれこれ使えるんじゃね」と思ったのでジンのセリフに採用させていただきました。今日も今日とて疾風大活躍です。
閑話休題(それはそれとして)。現在学祭に向けてイラストをしこしこ描いております。三角デコやらなんやら作成予定の物が多く、現在多忙なためひょっとしたら次回は遅くなるかも。
では次回、二十二章 年長組、集結! でお会いしましょう。
ちゃおちゃおー。
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