ファイアーエムブレム覚醒~Susanoh's lust sin~ 作:昆布さん
難産でした・・・ブラエクが面白くて次から次へとそっちのいろんなネタが浮かんできて・・・
では、本編をどうぞ。
背後から振り下ろされる剣を見もせずに大剣で受け、そのまま手元で回転させて払い、バックステップを踏みながら体を捻ってバックナックル。重い大剣によって得られる遠心力は怪我の概念を持たない右腕に殺人的な破壊力を持たせ、後ろの敵の頭部をその防具ごとザクロに変える。そのままもう一回転。鉄で補強した屈強な戦士でも運が良くて涙目になる靴の踵を叩き込む。
遠心力に流され、そのままついでにもう一回転しそうになる体を足元に踵を叩き込むことで強引に止める。足元に軽く視線をやって軽くひゅぅ。と口笛を吹く。
「すげえな、ご神木ってやつは」
と、足場、遥か高くに伸びるミラの大樹の根から若干めり込んだ足を引き抜きながら、ヴァルム兵の顎を思い切り蹴り上げた。
そう、連合軍とヴァルム軍が戦っているこの戦場全てがミラの大樹の巨大な根なのだ。
「ホントですよね、僕こんなに大きな木、初めて見ました!」
と、これは大樹に気を使ってエルウインドのみで戦っているマークである。
「というかラグナさん?根っこに足を刺すのはどうかと思いますよ?」
「るっせ。こいつにとっちゃ蚊に刺された程度だろ」
口をとがらせて言い返すラグナ。とりあえず手近なヴァルム兵に向けて闇色の炎を飛ばした。ちなみにこれ、ご丁寧にも中空を飛び、幹や根っこのちょっと盛り上がったところを傷つけないように人一人から二人分の距離を進んで消えた。なんだかんだ言いつつも大樹を傷つけることは極力避けたいのだ。
・・・・・
「来おったか、ヴァルハルト様に刃を向ける不届き者ども」
大樹の頂点へと続く階段のそばにいるひときわ強い覇気を持った男がうむうむと頷いている。
「セルバンテス将軍!エクセライ様からの情報通り、イーリス同盟軍がいるようです!」
という兵士の報告にセルバンテスと呼ばれた重騎士はそんなことはもう知っているとツッコミを入れた。
ものすごい速さで頭を下げる兵士に対し、セルバンテスは鷹揚に頷いてみせる。
「じゃが、慌てることはない。わしのこの「毛」がある限り、誰にも負けはせん」
そう言った途端に兵士は怪訝そうに、そして愕然とした表情を見せる。
「は?毛・・・と言いますと・・・なっ、な・・・な、無いような・・・?」
と、セルバンテスの
「どこを見ておるか!頭ではない!こっちだ、こっち!」
と、セルバンテスが指し示すのはこれ以上ないほど立派に手入れされ、上に向かって軽くカールしたカイゼル髭だ。
「わしはな、初陣からこれまで一度もひげを切ったことがない・・・その間、無敗!ふはは! 敗れざる将軍と呼ばれる理由よ!この毛がある限り我らに負けはないのだ!」
さあ行け!と言うセルバンテスの自信に満ちた声に勇気づけられたのか、表情を引き締めて駆け出す兵士。しかし次の瞬間。
「ぎゃふっ!」
と鼻血のアーチを描いて元いたところへ一直線。大の字になって気絶した。そしてその向こうにはドアをノックするような格好で唖然とするくすんだ金髪の若者。
「っと・・・どうやら俺が一番乗りだったみたいだな」
どこかしまらない表情を浮かべていたラグナがセルバンテスを見てにやりと笑う。
「アンタが大将ってことで、いいんだよな?」
「如何にも、ヴァルム帝国の敗れざる将軍セルバンテスとは、このわしのことよ!」
そいつはいいや。とラグナは口元に刻んだ笑みを深くする。
「相手にとって不足なしってか?」
そう言う彼の右腕が、右腕となった魔道書が黒く揺らめく炎を纏う。
「連合軍の一兵卒、ラグナだ。御託は抜きにしてさっさと始めようぜ!」
「若さゆえの無謀・・・その意気や良し!」
だんっ!
木くずを後ろに残し、ラグナは力強く踏み切った。
・・・・・
ぞくん。
底冷えのする感覚に、彼女は眠りから覚醒した。
下は樹木、上は雲海。
彼女の名は、チキ。
冒頭のシーンは書いてて思いましたね。ミラの大樹ってすごい!と思いつつ、うろを見つけて降りて行ったらトトロがいそうだなあ。と思いました。
おっかなびっくり近づいてトトロにモフモフさせてもらうリズ・・・ヤバイ鼻血が。
と言うかそんなこと考えてばっかだから遅くなるんだろうが!
一応次回も書き始めてるんですけどねえ・・・まだ冒頭のなんで、時間がかかりそうです。
では次回、二十四章 神竜の巫女・Ⅱ でお会いしましょう。
ちゃおちゃお~。