ファイアーエムブレム覚醒~Susanoh's lust sin~ 作:昆布さん
またしてもUCを見ながら。エピソード5とエピソード6の一挙放送ですが、艦長達が非常にかっこいい・・・。
それはそれとして。vita版bbcp、アマゾンで頼んでたやつが届いたので現在スタイリッシュでプレイ中。よりプレイ時間の長いハザマよりもテルミの方が扱いやすかった私。ダッシュがステップじゃなくてランタイプだから?
では、本編をどうぞ。
ジンが今いるのはイーリス聖王国という国の、王都と南部を結ぶ街道だ。
足元を照らす月を忌々しげに見上げる。
ジンは月が嫌いだった。
元いた場所とは違う世界に飛ばされて、精神的に参っているというのに、月は美しく輝いている。
極め付けがクロムの妹であり回復の杖を扱うリズから聞かされた自分の傷のことだ。
一応完治はしたものの、後遺症が残っている。
完全に消えるのが二年近く先と聞いてジンはさらに不機嫌な顔になる。
そのリズがあたりを見まわしてため息をつく。
「はあ・・・やっぱり夜になっちゃったよ。ちっちゃい虫が飛んでて気持ち悪い・・・」
そうだな。と頷きつつ、ジンは顔の周りにまとわりつく虫を手で払う。
「ひあっ!くひにはひっは!」
泣きそうな顔で口に入った虫を吐き出すリズを微笑ましく思いながらジンはユキアネサを抜いてその場から離れる。
後ろで口論するクロムとリズの声をBGMに、ジンは茂みの中からこちらをうかがう大きな獣にその切っ先を向けた。
「熊か・・・貴様には悪いが、これも僕らが生きるためだ。運がなかったと思ってあきらめるんだな」
吹雪。とつぶやくや、凍るほど鋭い刃が空気を切り裂いた。
・・・・・
「二人ともそこまでだ!」
ヨシュアがクロムとリズの間に割り込み、口論をやめさせた。
「リズがか弱い女の子なのはわかったから、とりあえず夕食の算段だ!」
「そうですね…では、手分けして食料調達と野営の準備を行いましょう」
フレデリクがそう言うと、クロムも腰にさした剣を引き抜く。
「じゃあ俺は猪か何かを狩ってくるからフレデリクたちで野営の準備をやってくれ」
そういって近くの茂みに向かうクロムの前に大きな熊が現れた。
「なっ・・・!?」
「ひゃああああ!」
目を見張るクロムと悲鳴を上げるリズ。すると熊の後ろからあきれたような声が聞こえてきた。
「うるさい・・・取り乱しすぎだぞ二人とも」
「ああ。いないと思ったらそいつを狩りに行ってたのか」
ヨシュアの言葉にうなづきを返すと、ジンは熊をヨシュアに押し付けてサッサと歩き出す。
「山菜を採ってくる」
・・・・・
フレデリクとリズは熊肉が食べられない。
そんな一幕を経て、五人が眠りについたころ…
「!・・・?」
何か感じたのか、クロムがはっとしたように目を覚ました。
「う~ん・・・おにいひゃん?どうしたの?」
立ち上がる音で目が覚めたのか、目をこすりながらリズが起き上った。
「すまん。起こしてしまったか?ちょっとな・・・妙な気配を感じた」
「え。気配って何?」
「それを確かめるんだ・・・少し辺りの様子を見てくる」
クロムがそう言うと、リズは自分も行くといって食い下がる。
クロムも苦笑しながらそれを了承した。
ジンはくすぶっている焚火を挟んだ向かい側でずっと眠っている。
・・・・・
ご・・・
ごご・・・
「ん・・・」
ずごごごごご・・・
「!地震・・・!?フレデリク!ヨシュア!」
ジンの叫びにヨシュアとフレデリクも飛び起きる。
「ジンさん!クロム様とリズ様は!?」
「解らない。僕もこの地震で目が覚めた。たぶん二人は地震が起きるより前にここを離れたようだ」
ジンがそう言ったところで、森のはずれで地面が隆起し、地下から溶岩が噴出した。
「まずいな・・・あれを放っておいたら、この森全部が焼かれちまう・・・ジン!ユキアネサの凍結能力はどれくらいなら届く?」
ヨシュアの問いにジンは少しだけ考え込むと、溶岩の方へ向けて走り出す。
「おいジン!」
「射程範囲は僕の目視できる分だけだ。だからあそこまで行かなくてはならない。二人とも、覚悟はいいか?」
ジンは背中越しにヨシュアとフレデリクを一瞥し、その視線に二人も頷いて走り出した。
しばらく走ると、息を弾ませるクロムとリズが視認できた。
「ジン!」
「クロム、リズを連れて下がれ。あれは僕が始末する」
あれ?とクロムが聞くと、ジンは森の上空を示した。
森の上空に魔方陣のようなものが浮かび上がり、ゾンビのようなものを吐き出す。
「溶岩を森ごと凍らせる――」
『煉獄氷夜』。呟いてユキアネサの力を全開にする。
森を内包する氷を蹴り、ジンは思い切り飛び上がる。魔方陣の前で横一閃。
「――っ!しまった・・・クロム!二体逃した!」
・・・・・
「下がれリズ」
変わった意匠を施された剣、ファルシオンを抜いてクロムはリズをさがらせる。
敵の数は3。動きは鈍重。恐らく殺れる。
先頭の敵を切り裂く。すれ違いざまの一太刀は確かにその身をとらえた。
だというのに、切り裂かれた相手は首を180度回してクロムを見る。
(笑えない冗談だ!)
心中でそう毒づくとクロムは敵の斧を振り払って地面に倒す。
「いい加減に・・・!」
倒した敵をファルシオンで刺し貫くと、今度は黒い煙になって消えて行く。
(っ!リズ!)
慌てて後ろを振り向くとリズが詰め寄られているのが見える。
(――ダメだ!間に合わん!)
「飛翔剣!」
ジンが飛ばす氷の刃もギリギリのところでただの水に代わってしまう。
そして。
敵の斧がリズに振り下ろされ。
「くぅっ・・・!」
仮面をつけた剣士によって受け止められた。
突然現れた剣士に驚き、思わず足を止めるクロム。
「呆けてないで走れ!」
言いながらジンはユキアネサをまるで弓でも扱うようにして構える。
「飛べ…『
ユキアネサを弓代わりに放たれる氷の矢は宙を疾駆して敵の体に突き刺さる。
そこにクロムと謎の剣士の攻撃が重なり、敵を粉々に砕いた。
ふう。と息をついて剣士は納刀、クロムは彼に素性を問うた。
「3人ともご無事ですか!?」
そう問う声に振り向くと、フレデリクとヨシュアが追い付いていた。
「どうなってるんだ・・・クロム、この国にはこんな化け物が出るのか?」
「いや、こんな奴らを見たのは初めてだ」
その様子を見て、フレデリクは息を整えながら言う。
「ともあれ、全員無事のようですね」
「うん。さっき、あの人が助けてくれて・・・あ、あれ?いない…どこ行ったの?」
「あの化け物たちを片付けた後で、きちんとお礼をさせていただきましょう」
フレデリクが言うと、ジンは頷きを返し、納刀したユキアネサに手をかける。
「敵の出方がわからない。気を抜くな!」
「ああ!」
クロムが応えを返し、なおもあらわれる敵に切りかかっていった。
そして、途中で参戦してきた自警団メンバーのソワレ、胡散臭い似非貴族のヴィオールの力、敵の数が少なかったこともあり、それほど時間をかけずに一掃することができたのだった。
・・・・・
槍をしまいながらフレデリクが安堵の息を漏らす。
彼らの視線の先にいた剣士に、まずはリズ、続けてクロムが礼を言った。
「いや、大したことはしていない」
そういう剣士にクロムは
「俺はクロム。あんたの名前を聞いてもいいか?」
と名を訪ねる。それに対して剣士は
「マルス」
と答えた。
「僕の名はマルスだ」
「マルス・・・古の英雄王と同じ名か・・・確かに名前に恥じないいい腕だ。どこで鍛えたんだ?」
ふっと表情から力を抜いて尋ねるクロム。マルスは自分のことを置いておくという。
「この世界には大きな災いが訪れようとしている。これはその予兆、どうか気を付けて」
マルスはそういって、リズの制止を聞き流して歩き去った。
「…行っちまったな」
マルスの背中が木々の陰に消えてから、ヨシュアがつぶやいた。
「あれほどの腕利きなら、いずれまた会う機会もあるでしょう・・・それより王都が気がかりです。急いで戻りましょう」
・・・・・
ヨシュアは人ごみでひゅう。と口笛を吹いた。
「ここがイーリス王都…すごいな。人があふれてる」
「どうやら大きな混乱はないようですね。謎の地割れの被害はあの森に限られたもののようです」
フレデリクの考察に、リズはほっとしたようによかったとつぶやく。
と、ジンの近くにいた老人が城門を見た。
「ご老人。どうかしたか?」
「ああ、エメリナ様じゃよ」
「?…ああ。あの女性がこの国の王、聖王エメリナか・・・」
「その通りです」
ジンにフレデリクが答えると、ヨシュアが少しだけ驚いたような顔をした。
「へえ…一応聞いとくが、王がこんな街中にいて大丈夫なのか?」
「聖王は、この国の平和の象徴です。古の時代、世界を破滅させんとした邪竜を神竜の力によって倒した英雄…その初代聖王様のお姿を民はエメリナ様に重ねているのでしょう」
フレデリクの解説を受けてクロムも少しだけ顔をしかめる。
「今は、ペレジアとの関係も緊張していてみんな不安だからなああやって表に出ることで、民の心を鎮めているんだ」
「なるほどな。良い王がいるからこの国の国民は幸せなんだな」
と、ヨシュアが納得すると、ジンも同意するように頷く。
「えへへ~!でしょでしょ?だって私のお姉ちゃんなんだもんね!」
リズが思いきり爆弾を投下した。
「ふん・・・リズのねえさ・・・ん・・・!?」
いつも涼しげに眼を細めているジンの目が丸くなった。ヨシュアも驚いたように仰け反る。
「ちょいと待ってくれるかい?つまり、クロムとリズは…」
「イーリス聖王国の王子様とお姫様。まあ、そういうことです」
「おいおい…二人とも自警団って言ってなかったか?」
「王族が自警団をやって悪い法はない」
しれっといったクロムにヨシュアは頑張って丁寧語でしゃべる。それに対して敬語は苦手だと返すクロムにほっとしたようだ。
「じゃあ、フレデリクの口調が丁寧だったのはクロムたちが王族だったからか?」
「いや、おそらく素だろう」
「姉さんが城に戻るようだ、俺たちも行こう」
クロムに促され、ジンたちも城へ向かった。
・・・・・
イーリス王城の謁見の間。エメリナはクロムたちをやさしく迎え入れた。
「ご苦労でした。クロム、リズ。それに、フレデリクも」
山賊を倒したと報告するクロムにエメリナは感謝と民の安否を問う。
「ああ、大丈夫だ・・・だがやはり、辺境には賊がはびこっている。それも隣国ペレジアから流れてきた連中ばかりだ」
「申し訳ありません、王子。我々天馬騎士団が動けていれば・・・」
エメリナの近くに控える女性が顔を曇らせ、クロムが口を開く。
「いや、フィレイン、今の騎士団の人数では王都の警備で手いっぱいだ」
「大丈夫だよフィレインさん。これからはヨシュアさんとジンさんがいるもんね!」
クロムに続きリズも励ますようにジンたちを紹介する。
「そちらのお二人ですね?」
「ああ、山賊退治に手を貸してくれた自警団の新しい仲間だ」
「まあ。弟たちがお世話になったのですね?ヨシュアさん、ジンさん、ありがとうございます」
そういって微笑みかけられ、少しだけ声が上ずるヨシュア。対してジンはいたって冷静だ。
「恐れながらエメリナ様、ヨシュアさんは記憶喪失とのことで・・・賊の一味や他国の密偵という疑いが完全に解けたわけではありません」
「フレデリク…!」
思わず声を上げるクロム。エメリナはそれを諌めるように口を開く。
「ここへ連れてきたということは、クロム、あなたは二人を信じたのですね」
「ああ、二人は俺とともに、民を守るために命がけで戦ってくれた。一緒に戦ったからこそ、わかるつもりだ。ヨシュアは信用できる、ジンもだ」
「そう…クロムが信じているのなら、私もあなたたちを信じましょう」
「・・・・・・!」
「・・・信じていただけたこと、感謝する」
ジンは頭を下げた。
「フレデリク、あなたもありがとう。心からクロムたちを心配してくれているのね」
「いえ。クロム様とリズ様をお守りするものとして当然の事です。ところでフィレインさん、異形の化け物の事は?」
「はい。各地に出没しているようで、目撃談が寄せられています」
「その対策を話し合う会議に…クロム、あなたも出席してほしいのです」
頷くクロム。ヨシュアとジンはリズに促されて部屋を出た。
リディ少尉・・・バナージと反比例してかっこ悪くなっている気がする・・・男と見込んで~の件が最高潮だった気もするし。これを上げている今はep5の放送中ですけど。6でどこまで持ち直すのか・・・
ちなみに昆布さんはクロム×スミア、男マイユニ×リズでプレイしました。あと、マクルキがやりたくて女マイユニでやった時にはフレデリクとくっつけました。一週目でとにかく進めてストーリーの大筋をつかみ、二週目でユニットについて記憶、三週目で本気出す。これ、昆布さんのプレイスタイル。
では次回、二章 小さくて大きい自警団