ファイアーエムブレム覚醒~Susanoh's lust sin~   作:昆布さん

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基本原作沿いにするつもりですが、そのまんまだとこの章面白くないし、ジンとヨシュアの見せ場もないんで、戦闘形式を変えて、ロンクーを早めに登場させました。
あとジンのキャラがかなり変わってきてるのは確率事象の可能性です。
では、本編をどうぞ。


三章 3つの火花

ペガサスとの遭遇から数日後。

雪深いフェリアの国境沿い。そこにある、ジンの知識に倣えばかつて黒き獣に砕かれた万里の長城のような要塞。

「ぶ、無礼なふるまいの数々、心よりお詫び申し上げます!」

お前は頭突きでもするつもりかと突っ込みたくなるほど見事な一礼だった。

対応に困るクロムの前で頭を下げている女性重騎士の名はライミという。

この要塞において国境警備にあたっていた彼女はクロムを賊と勘違い、攻撃してきた。あのペガサスを連れて合流したスミアと、同じく合流したカラムとともにクロム自警団はこれを難なく無力化した。

で、誤解が解けてこのありさま。というわけである。

王都まで案内してくれるというライミを見ながらヨシュアがフレデリクに話しかけた。

「ものすごく態度が変わったな」

「フェリアの民にとって、それだけ強さとは重いものなのでしょう」

そんな会話をしながら、クロムたちはフェリア王都へ向かう。

 

・・・・・

 

さてと。

そう口火を切ったのはスキンヘッドに眼帯の浅黒い肌をした男。

彼の名はバジーリオ。フェリア連合王国は東西二人の王がおり、明日、どちらが両方を束ねる王となるかを決める闘技大会が執り行われる。

「ロンクー、準備はいいか?」

「・・・問題ない。だがいいのか?」

一目で剣士とわかる、腰から鞘に入った反りのある剣を提げた黒髪の青年がバジーリオに問いかける。

「マルスに負けたことを気にしてんのか?」

「気にしているというほどじゃないがな。大切な大一番の前に負けたんだ、外すのが普通じゃないか?」

ロンクーと呼ばれた彼がそういうと、同じ部屋にいた最後の人物がその背中をたたいた。

「なに、気にすることはないでござる!直前でダメなら本番で巻き返せばいいだけのこと」

ロンクーの背中をバシバシとたたき豪快に笑うその男はスキのないたたずまいをしているが、それにしては異様に目を引く。

力強く輝く黄金色の両眼。額には十字に重なる二重の傷跡。マフラーのように巻かれた赤いマントと背負う巨大な釘。

「・・・バング、もう少し加減というものを考えろ・・・」

痛みに顔をしかめるロンクー。そんな様子を見ていたバジーリオが一つ手を打つ。

「その辺にしとけ。明日はいよいよ闘技大会なんだ、今日は早く寝ろ」

そういわれて、ロンクーが無言で部屋を出ていき、続けてバングと呼ばれた男も退出しようとする。

「おっと、忘れておった。バジーリオ殿、拙者を拾ってくれたこと、心から感謝いたす」

「宮殿に釘ブッ刺してあらわれて、しかも異世界からってんだから驚いたが、嘘ついてるようには見えなかったからな。行くところがねえっていうから拾っただけだぜ」

御免。と退出していくバング。こうして一夜が明け、いよいよ闘技大会の幕が上がる。

 

・・・・・

 

闘技場、東軍サイドの控室。

東フェリアの王、フラヴィアに同盟と引き換えにした助っ人を頼まれ、闘技大会に出場することになったクロム、ヨシュア、ジンの三人がそこにいた。

「ジンさん、頑張ってね!」

「クロム様、どうかご無事で」

リズとスミアによるそれぞれへの応援に答えながら、クロムはファルシオンの、ジンはユキアネサの手入れを済ませる。

「ところでヨシュア、魔道書はいらないのか?」

「ああ、今回は剣だけで行く」

そういってヨシュアも鋼の剣をつかみ、出撃の時を待つ。と、西軍サイドの闘技場への入り口に見えた影を指さしてリズがクロムに言う。

「お兄ちゃん、あの人…」

「ああ、わかってる」

「マルスか・・・クロム、聞きたいことがあるなら剣で語ってもらえよ」

「ああ、そうさせてもらう・・・二人とも、行くぞ!」

クロムの声にジンとヨシュアが立ち上がり、並んで闘技場へと踏み込んだ。

 

・・・・・

 

戦いを始める前に、闘技大会のルールを大雑把に説明させていただく。

毎回違ったルールが用意されているこの大会だが、今回のルールは3対3で殺しは無し、双方自由に動いていいが大将が負ければその時点でそちらの敗北となるという至極単純なルールだ。

東軍サイドのメンバーはクロム、ヨシュア、ジンでクロムが大将。

西軍サイドのメンバーは・・・戦闘で語ることにして、ストーリーを進めさせていただこう。

 

・・・・・

 

戦端は突如として開かれた。

虎の如き猛々しさで襲い来る掌底突きをユキアネサの鞘で受けたのだ。

「ぐっ…!」

「まさか貴様もこちらにいるとは・・・イカルガの英雄!」

その呼び名にジンの目が大きく見開かれる。

『イカルガの英雄』。ジンをそう呼ぶ人間は、この世界には存在しないはずだ。

イカルガ内戦。

嘗てジンがいた世界において勃発した内紛のことを指す。

世界を統治していた組織、世界虚空情報統制機構に対して連合階層都市イカルガが反旗を翻し、イカルガのトップである天井がジンによって打ち取られた戦いだ。

足元を狩るような蹴りを躱し、飛来する特殊な形状の短剣をつかみ取り、ジンはそれを一瞥し、そして納得した。

「これは・・・なるほど、イカルガの忍か。そういえば貴様はカグツチでも会ったな・・・忘れていたが」

「ならば拙者の怒りの拳と、何より犯した罪とともに刻み込むがいい!」

思考よりも鈍い体に顔をしかめたジンの腹を男の拳が撃つ。

「拙者の名はシシガミ=バング!イカルガ忍軍頭領にしてテンジョウ殿の一番弟子!嘘と諸悪とピーマンが大嫌いな正義の男!浪人街での雪辱、ここで払させてもらうでござる!」

 

・・・・・

 

「くっ・・・。この状況・・・これじゃ策の立てようがない・・・!」

ヨシュアは歯噛みして、眼前に迫る剣を受け止め、つばぜり合いに持ち込んだ。

「マルスはどういうわけかお宅の大将にご執心だ。バングの方もあいつに相当執着している」

なら。と青年は目に力を込め、負けじとヨシュアも睨みつける。

「ならなんだ?」

「なら、俺がお前の相手をするしかないだろう?」

もっともだ。そう返しながら青年の剣を押し返す。

「でもな、俺は負けず嫌いなようなんでね」

負けるわけにはいかないのさ。

吠えて、青年の剣を跳ね上げ、ヨシュアはその首筋に剣を突きつける。

「こっちも、負けてはやれないな」

青年は跳ね上げられた剣を無理やりに振り下ろし、ヨシュアの脳天を唐竹割にする、その皮一枚手前で止めていた。

「・・・ち」

青年が舌打ちし。

「引き分け・・・かな?」

ヨシュアが苦笑した。

 

・・・・・

 

「ぐうっ…!ジン=キサラギぃ!」

宣言通り、怒りの拳をたたきつけるも、腹に蹴りを入れられてバングは呻く。

「くは・・・っ!自分の罪などとうに自覚している!内乱で多くの人間を斬り捨てた!戦争だから、命令だからと数えきれないイカルガの民を斬ってきた!」

だが。と、全身から冷気を放ってジンは吼える。

「だからこそ!僕は戦うことをやめるわけにはいかない!」

「何故そこまで戦いを望む!」

決まっている。そう叫び、首筋を狙う苦無を瞬時に生み出した氷の短刀ではじく。

「僕が罪人だからだ!」

ユキアネサに取り込まれ、兄を刺し、イカルガで多くの命を奪い、それからも任務の際、数多くの人間を氷漬けにしてきた。

「なにより、ツバキを殺してしまった!僕の行動が原因で!ツバキは僕をかばって死んだ!」

鮮やかな赤い髪が視界の端をはねる。

最期の、言葉が。帰りましょう。という言葉が、ジンの心を縛って離さない。

しっかりと縛って、つかんで、ユキアネサから引き離す。

「なら!」

バングとの距離をとる。

「僕は!」

ユキアネサを納刀。

「償うために!なにより彼女の憧れた!」

鋭く踏み込み、透き通る刀身を鞘走らせる。

「ジン兄様であるために!」

バングの手甲のガードを抜けて。

ツバキとの出会い。

困ったような顔をする、幼い少女。

そんな彼女にどうしたものかと困り果て、放っておけずに指切りをした。

だから。

初めて出会った時のツバキのような困り顔を浮かべた。

「クロムたちを放っておくわけにはいかない!」

浅く鋭く。バングの胸を袈裟懸けに切り裂き、ジンはバングの背後に抜ける。

「ぬ・・・これでは・・・勝てるわけも」

ござらんなあ。

苦笑して、バングはその場に座り込む。

そして、それと同時に。

クロムが勝鬨の声を上げた。

 

・・・・・

 

イーリス王都に帰還する途中、ドニという少年に助けを求められ、力を貸すという一幕を経て、クロム自警団はイーリス王都に戻ってきていた。

クロムが今回の結果をエメリナに報告しているときのこと。

ヨシュアと戦った剣士のロンクーとイカルガ忍者のシシガミ=バングと配下の獅子神忍軍、そして村人のドニを加えた一行は、自警団のアジトで旅の疲れをいやしていた。

「しかし…浪人街で会った時とはずいぶん印象が違うでござるな」

そうか?とジンはテーブルを挟んで向かい合うバングに聞く。

「今の貴殿も氷のようではあるが、浪人街の時の、あの幽霊のような感じはござらん」

「それよりシシガミ=バング。貴様はなぜこちらにいる?窯に落ちたわけではないのだろう」

うむ。と頷きバングはとつとつと語り始める。

「拙者はジン殿から受けた傷がもとで、オリエントタウンの病院にいたでござる」

治療の為か?とジンが聞いた。

「そして年が明け、ライチ殿とリンファ殿に新年の挨拶をしようとした時、突然カグツチ全体を巨大な地震が襲ったのでござる」

「地震…」

「そして気が付けば、拙者は炎のようなものが見える場所にいたでござる。どういう理由かはわからぬが、この『五十五寸釘』に護られて、拙者はこちらに来たのでござる」

釘が?そう疑問に思ったのもつかの間、ジンの脳裏に暗黒戦争についての知識がよぎる。

「なるほど。魔素を退ける性質をもった巨大な釘・・・『反事象兵器(アンチアークエネミー)鳳翼・烈天上』か」

「・・・殿から賜ったこの釘が拙者を救ってくれたことだけはわかり申す」

そういってバングは愉快そうに笑った。

「何が楽しい?」

「いや、まったく正反対であったはずの拙者たちが行き着いた結論が『救われた命を無駄に使わず、為すべきと思うことを為す』というのが、たまらなくおかしいのでな」

違いない。ジンがそう呟いたときだ。

「ジンさん!マリアベルが…マリアベルが…!」

「リズ、詳しく話してくれ」

逃れえぬ運命への扉が、その時確かに開いた。




やりたいゲームが多くなってきたのでアマゾンで16Gのメモカ頼みました。
だってのにいまだに届いていない・・・
配達日時今朝に指定したはずだぞゴラァ
ああ、はやくP4Gやりたい・・・
このように、ドニキとアンナさんの二人は幕間で加入させていく方向で行きます。
では次回、四章 暗愚王、現るでお会いしましょう。
ちゃおちゃおー。
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