お待たせしました。ようやく本編です。
辺り一面の銀世界に狼狽えた。
前世では雪山とは無縁の生活だった故、見とれながらも狼狽えてしまった。
そして意外だったのが、あまり寒さを感じなかったことだ。
ティガレックスの生態的には、普段は乾燥地帯が主な活動場所で雪山には餌を求めてやってくるみたいなはずだった。
だから圧巻の景色に慣れてきたら、寒さで立ち行かなくなると思っていたが現在耐えられている。
出立前にカミが言っていた、環境への適応の配慮のおかげかもしれんが。
まぁそんなこんなで、ようやく思考がモンハン世界に慣れてきたところで、自身が顕現した場所が何処かを観察していたのだが、それはまぁ特徴のある物体が横にあったのですぐに理解出来た。
〈黒ずんだ塊。よく見ればリュウの様な脱皮跡ってもうひとつやん。〉
まさかゲームでいうところの雪山最奥の地。エリア8。クシャルダオラの錆びた抜け殻の真隣とは、流石に思わなかった。
〈さて。ティガレックスの身体に違和感が無く馴染めているし、モンスター特有の超常的な五感が辺りの様子を感じ取れてる。
他のモンスターの気配がわかるのはヒトの時には無かったから新鮮だ。〉
心配事として、モンスターとしての身体機能に慣れるのかという不安があったのだが、四足歩行になり尻尾もあるが意外なことに思うように動かせるし違和感なく馴染めていた。
〈さて、同種が近くにいるのが気配でわかるが邂逅するべきかねぇ。〉
モンスターとして、より世界に順応するためには己が身で体験するしかないから、折角同種がいるなら会ってみた方がいいはず。
しかし、躊躇もしたくなる。なんせ相手は俺自身同じ種族になったとはいえティガレックスだ。
獰猛で凶暴。あのイビルジョーにも喧嘩を売るし買う。
まさしく絶対強者のクエスト名を冠するだけはある。
正直恐怖がある。
モンスターになった影響だと思うが、ヒトのころより恐怖を感じ難くなってはいるが、性分なのか怖いもんは怖い。
〈まぁ、幸いなことに図体は文字通りバケモノ級だ。ティガレックスの突進の如く当たって砕けてみるか。〉
そう自身に言い聞かせる様に、エリア6の方角を見ながら跳躍。両腕にある翼膜を広げ滑空をしながら移動を始めた。
--とある駆け出しハンター--
私は、つい先日ポッケ村の訓練所にて訓練生としてハンター家業のノウハウを学んでいた新米だ。
幸いなことに成績はよく、教官にもこの度めでたく卒業を言い渡され村の住人の皆さんに受け入れられ、このポッケ村に居住することになった。
住まいに関しては、引退された元村専属のハンター殿や村長のオババ様。鍛冶屋の店主にネコートさんやハンターズギルド役員の方の協力や斡旋の元に住居を提供してもらった。
そしてハンターとしていざ!狩りへ!と、意気込んだものの出鼻をくじかれる結果が待っていた。
まぁ浮かれていたのは認める。気が早ってしまい、身の丈に合わない領域に踏み込んだのもあった。
しかしだ!
いくらなんでも、あんな凶悪なモンスターにいきなり対面し追いかけ回されて、何とか装備していた片手剣の盾で防いだとはいえ、雪山の高所から真っ逆さまで気絶はあまりにも散々なデビューではないだろうか?
ようやっとモンハンワールドの描写です。(なおモンスター要素ほぼ皆無の模様。)