滑空すること数分。
目当ての気配がいるエリアに着いたのだが、良いのか悪いのか戦闘が終わったばかりだった。
チラリと視界に見えたのはマフモフ一式のハンターか?
装備の劣化が一切無いのと、武器の貧弱さから新米と思うのだが早々に同種の突進を受け、強制下山とは運が無い。
ハンターとは、相対する関係のモンスターの身だが憐れまずにはいられない。
さてはて。
邪魔者は強制退場させられたみたいなので、こちらの本来の用事である邂逅を行うべく、刺激をしないよう緩かに着地をし同種に向き合うと、先方から会話がとんできた。
〈アンタこの辺じゃ見ない顔だね。他所から来た流れもんかい?随分と立派な図体だが青臭い坊やの匂いが取れてない所、親許から独り立ちしたばかりといった具合かい?〉
驚くと共に安堵もあった。
一先ず会話から入ってくれる思考の持ち主かつ、言葉が聞き取れるようだ。
ただ懸念事項として歳上の女性。モンスター的には雌であり、俺はまだまだ青臭い坊やと扱われていることだ。
後者はまぁいい。事実だし。
しかし、転生前も異性との距離を掴むのが苦手だった俺からすると、ファーストコンタクトが異性はハードルがやや高いのである。
そんなわけで、内心オドオドしていると痺れを切らしたのか相手が呆れた態度ながら話を振ってくれた。
〈まさか本当の坊やとはね。雌を前にたじろぐとは、これから番を見つけるのに苦労するよ?それとも会話が出来ないのかい?〉
〈いや!話せる、話せるよ。だが異性と接するのが苦手な性分なんでね。どうしたものかと悩んでしまっていた。
沈黙が不快だったなら謝罪しよう。〉
〈別に不快じゃないさ。それに、アタシはお喋りな方じゃないからね。静かだからといって喧嘩売るような雌じゃないよ。
まぁ、喧嘩早い粗暴なやつと思われたなら相応の態度と行動をするけどね。さっきのハンターとのやり取り観られてたなら、仕方ないかもしれないけどさ。〉
〈いや、そんな気持ちはない。ハンターとのやり取りは始めから見ていたわけじゃないから、憶測でしかないが狩りの邪魔でもされたあたりか?〉
そう言いながらも辺りを見渡すが、血痕が無いため的外れな回答をしたかもしれないと思い始めたところに意外な解答がきた。
〈へぇ、案外しっかりとしてるねアンタ。
ハンターがウロチョロしたおかげでヒト匂いが着いちまったのか、餌が見当たらなくてね。ヤキモキしてたところに奴さんを見つけたもんだからね。少し怒りを発散しちまったよ。〉
そう照れるような素振りを見せながら、彼女は先程までの経緯を語ってくれた。
雌ティガレックス参上!
結構直前まで兄貴キャラか姐御肌か悩みましたが、まぁ主人公雄やし異性の方が今後の展開やキャラ動かす時に便利になりそうなので雌となりました。