--とあるポッケ村専属新米ハンター--
あの恐ろしいモンスターに、山から突き落とされた一件以来私は臆病な位に慎重に行動していた。
あの強制下山後、気絶から回復した私は自宅のベットに寝かされていた。なんでも、私が中々帰ってこないことを心配した元専属ハンター殿と教官殿が、心配して見に来たところベースキャンプ近くで気絶していた私を回収してくれたようだ。
優しさが沁みると共に、羞恥と情けなさが溢れてきた。
私に村の未来を託してくれた元ハンター殿の思いと、親身になって教鞭を奮ってくれた教官の思いを台無しにした気分だ。
だが、だからこそ奮起しなくてはならいとも思った。
そして元ハンター殿から、私を吹き飛ばしたモンスターがティガレックスと名で呼ばれるやつと教わった。ティガレックスは、元ハンター殿が引退する切っ掛けになったモンスターであるとも。
それからの私は、よく辺りを観察したし無理を絶対にしないように心がけ行動した。地道にコツコツと依頼をこなしながら、ハンターとして研鑽をしていった。
一度雪山草の納品依頼で、バカでかいティガレックスが採取出来る地帯にいた時は、村長のオババ様に頼み納期を延ばしてもらったりもした。
そんな鈍足ながら確実に、ハンター家業を歩んでいた私に壮絶な光景を目の当たりにする機会が訪れた。
二頭のティガレックスが、不気味な飛竜(後にフルフルと教わるのだが)や雪山の問題児ドドブランゴを狩っていたのだ。
今でも恐怖の対象だが、あの狩猟は圧巻のひと言だった。
膂力の凄いティガレックスが、二頭で攻撃するのだから迫力が凄いのは当然ながら、二頭の攻撃が止まないのだ。互いの行動の合間に隙を潰すように連携をし、戦闘の主導権を一切相手に渡さないのはモンスターという本能に生きている生物ながら、参考になる動きだった。
私はそんなことを、酒を煽りながら集会所にいるハンターズギルドの役員や元ハンター殿、教官や私のパートナーであるオトモアイルーの『オモチ』に聞かせるのだった。
--古龍観測局の老人--
我々古龍観測所は、王立古生物書士隊-通称書士隊-やハンター達と協力し様々な生物を観測し、書物として纏め皆に広め教えてきた。
そんな我々が、ポッケ村で気球から雪山を調査していたところ隊員から奇妙な報告があがってきた。
雪山の低所にて、ティガレックスが縄張りを作り草食モンスター達と共存していると。まず報告を聞いて、馬鹿も休み休みに言えと思うしかなかった。
ありえない。何を間違えたら、獰猛で凶悪なモンスター筆頭のティガレックスが草食モンスター達と共存を出来るというのだ。
彼らは捕食者と餌の関係でしかない。
隊員達が、疲れから幻覚や妄言をのたまっているのかと一蹴した。
しかし、次の日も別の隊員から同様の報告があがることで虚言で片付けられなくなった。そんな馬鹿な事があってたまるか。
そんな思いから、私も重い腰を上げ気球に乗り込み件のティガレックスがいる場所へ視察に向かった。そして驚愕した。
有り得ない光景が目の前でおこっていたのだ。
距離は開いているが、ケルビやガウシカが昼寝をしているティガレックスと同じ空間で食事や毛繕いをしていた。
別の日には、ギアノスやブランゴからポポ達を守り蹴散らしている姿までもが確認できた。
思考が纏まらない。隊員達が騒いでいるが、それどころでは無い。我々の長年の調査が根底から覆ってしまった。しかもタチが悪いことに、こんな報告を本部があるドンドルマの古龍観測所に上げても、誰も取り合わないということが想像に固くないからだ。ワシですら、自身の目で確認するまでは妄言の類とまともに取り合わなかったのだ。
これは一大事ではあるが、慎重に扱わなければいけない案件だと判断し隊員には箝口令を敷き、詳しい調査をすることの方針を決め指揮をとった。
今後のことになりますが、ハンターの主人公殿はあえて性別を明確にしないように描いていこうと思っております。
皆様の思い思いの主人公ハンター像を出来る限り乖離させない処置です。ご理解の程よろしくお願いします。
さて、次回ようやくタイトル回収に深く関わっていくストーリーに入れそうです。お待たせしました。