星見山中プログラム   作:なななお蝶

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10.命の選択

 小卯達が銃声に気付くちょっと前、古月 昌成(男子7番)はある決断を迫られていた。

 

 そう、それは……

 1.大親友こと棒葉 宰春(男子17番)からの誘い

 2.自分の彼女こと練磨 牡丹(女子19番)の誘い

 この二つの誘いの内、どちらの誘いに乗るべきかというものだった。

 

 みんなが一人一人教室から出て行く最中、昌成はこの二人から、こっそり手紙を貰っていたのだ。

 

「うーん、どっちにしよう」

 普段からとても優しい性格の昌成はこの決断をかれこれ二時間くらい決めかねていた。

 

「……よし。決めた」

 

 やっとのことで決意し顔をあげる昌成。彼はまず、彼女の所に行く事に決めた。

 もちろん大親友も裏切るはずがない。牡丹を仲間にした後、宰春を仲間にしにいくのだ。

 彼はそう決断すると、今居る場所から待ち合わせの場所に向い力の限り走った。

 

 

【一方その頃】

 

「古月君、早く来ないかな?」

 練磨 牡丹(女子19番)は待っていた。

 

――こんな恐ろしい殺し合い、したくない。あーあの頃は良かったな……

 

 クラスの中では付き合ってる事は内緒だった。

 

 だから放課後、こっそり話したりするのがとても楽しかった。

 

 そんな、なにげないやりとりをする事が大好きだった。

 

 出来れば全員で助かりたい、みんなと生きて帰りたい。

 

 考えると涙が出てきそうだった。牡丹も昌成と同様、誰よりも優しい女の子だった。

「……遅いな」

 およそ、古月が校舎を出発してからは随分の時間が経っている。どうしたのだろうか? 私に愛想でもつかして、ココには来ないつもりなのだろうか? そんなの嫌だ。

 牡丹に大きな不安の波が押し寄せた。

 その時だった。

 

がさっがさっ

 

 後ろから草むらをかきわける音。

「古月君!!」

 牡丹は立ち上がり、振り向いた。古月である事を心より信じて。

 しかし、そこに立っていたのは彼女が思い描いていた彼ではなかった。

 そこに立っていた少女、それは牡丹の親友、我村 雪絵(女子21番)だった。

「雪絵っ」

 小柄でどこかまだ幼さが残る顔の雪絵。

 学校ではいつも一緒に行動し、まるで自分の妹であるかのように牡丹は彼女をよく可愛がっていた。

 

 けれど今の雪絵は牡丹の知っている彼女とは何か様子がおかしい。

 

「それ、何……?」

 雪絵と呼ばれたその少女は、小さな両手でマシンガン(イングラムM11)を握り締めていた。

「ゆ……ゆきえ……?」

 月の光に照らされて、草むらの影から出てきた少女の顔……さっきまでは暗くてよく見えなかったその顔が、今は嫌と言うほどはっきりと見えた。

 それは今まで知っている親友の我村 雪絵とは全くの別人。マシンガンという鉄の人形を抱えた、残酷な少女の顔だった。

 

カシャッッ

 

 雪絵はマシンガンの銃口を真っ直ぐ牡丹に向けた。

 何かがおかしい……牡丹はそう頭で理解するよりも先に、目の前の少女はなんの躊躇もなく引き金を絞った。

 

パララララララ……………………

 

 銃口からは一気に弾が出る。それ真っ直ぐ牡丹めがけて突き進む。

 

 映画やドラマで見たような派手なパフォーマンスとは違う。冗談じゃない。

 

 本気だ。

 

 

【残り41人】

 

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