朝になった。時間は午前6時。
「そろそろ行こうか? 仲間集め」
そう言ったのは壁智 明流(男子16番)だ。
「ああ、行こう」
そう答えたのは幼稚園からの友達である海名 小卯(男子2番)。
二人は昨日聞こえた2発の銃声(宰春が雪絵を威嚇して撃ったもの)の方角に歩いていた。
自分達が居た場所とはそう離れてはいないはず。そう思って歩く事30分、辿り着いた先で二人は見てしまった。
棒葉 宰春(男子17番)と古月 昌成(男子7番)が地面に寝そべっているのを。
もちろん、息などはしていない。それは二人の死体だった。
「うわぁぁぁ!!!!!」
それを見て小卯は叫んだ。
「ちょっと」
とっさに明流は叫んでいる彼の口を押さえた。
「おい落ち着け。誰かに見つかるぞ……」
明流のめずらしく冷静な判断は見事に当たっていた。案の定、それは何者かに目撃されていた。
草むらがガサガサと音を立てて揺れる。
「きゃーっ」
耳御防ぎたくなるような金切り声と共に現れたのは佐羽 静枝(女子5番)だった。
かちゃっ
静枝は叫ぶと同時に、素早い動きで持っていた銃を小卯に向ける。
「こ……小卯君がやったの? ねぇ、そうなんでしょ?? 昨日の銃声、あれはあなたなのね??」
静枝の腕はかたかたと震えていた。
「ち、違う、僕じゃないよ」
「嘘つかないで!! 古月君はマシンガン、宰春君はナイフ。それぞれ違う武器で殺されているのよ! つまり、この二人を殺したのは二人組。そう、あなた達よ!!」
――まるで、名探偵のように次々と判断を下す静枝。学校では新聞部に所属していて、その名をとどろかせている静枝の洞察力は半端じゃなかった。それはいい。でも、犯人は僕じゃない。
「俺らじゃないんだって、静枝さん。分かってくれよ」
明流も必死に無実を訴えた。
「嘘、嘘、嘘、嘘…………嘘よ!! 私は騙されない」
ぱん
静枝は小卯めがけて銃を放った。確実に殺す気で。思いきり撃った。
これで2度目か。
クラスメートに銃を向けられた小卯の頭には悲しくも冷静にそんなことが浮かんでいた。やっぱり撃たれるのはいいもんじゃない。
ぱしゅん
彼女の手が震えていたせいか弾は大きく右にそれた。おかげで小卯にも明流にも、弾が当たってしまう事はなかった。
「ちぃ、仕方ない」
明流は舌打ちをしながら自分の支給武器を握りしめた。
催涙スプレー。
ぷしゅーー
煙は勢いよく、静枝の顔面めがけて噴射された。
「きゃああっ、な、何するの。め、目が」
静枝は必死に目をおさえた。うずくまる静枝。その様子を、小卯はただ呆然と見ている事しか出来なかった。
「おい、なにしてるんだ小卯。逃げるぞ」
「えっ? あっうん」
明流に促されるまま、二人はひとまずその場を離れた。
【残り35人】