眠い。お腹がすいた。僕は何を考えているんだろう。
ジリリリリリリリ────!!
大きな目覚ましの音。
僕の眠りはそこでさまたげたれた。
今日……
そうだ、今日は星三山第2中学校の修学旅行の日。だからって何かが変わる訳じゃ無い。
「いってきます」
なんてことない挨拶で家を出る。そしていつものように学校に到着する。
「おはよう」
到着するなり、クラスでも一番と言っていいほど明るい女子の佐羽 静枝(女子5番)が真っ先に声をかけてきた。
「バスの席は自由に座っていいって」
「???」
一体この子は何を伝えたいのだろう。自分にとってそれは決して重要な話でもなかった。
「あ、そう。ありがとう」
まぁ、情報屋の彼女の事だから、少しでも誰かに情報を伝えたいと言う気持ちがあるのかもしれない。
そう思うことにして僕は軽くお礼を言うことにした。
彼女は満足そうな様子でまた別の人にこの情報を伝えに走り去っていった。
「はーい。みなさん、急いでバス乗ってください」
しばらくすると先生の呼びかけが聞こえた。その声とともに僕こと海名 小卯(男子2番)を含む生徒達はバスに乗った。
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「えっと……どこ座ろうかな?」
バスに乗ると早速、海名 小卯(男子2番)は席を探した。
バスに乗り込むのが比較的遅かった小卯は開いている席を探すのなんかにも手間がかかっていた。
自由な席でいいと言われたものだからみんなはそれぞれ、自分の座りたい席に座っている。おかげで、後から乗りこんだ人間は開いている席を探すだけでも大変なのだ。
ばしっ
「?!」
後ろから軽く雑誌のようなもので叩かれた。
それに驚いた、小卯は後ろを振り向いた。
「おせーぞ、小卯。お前の席は俺がちゃんと用意しておいたからな」
そこには小卯の友達の壁智 明流(男子16番)が少しにやけながら席を空けていた。
「ありがとう、悪いね。わざわざ……」
「まっ俺ってやさしーからな」
二人の席は後ろから3番目右列。
隣を見ると先ほど声をかけて来た佐羽 静枝(女子5番)が親友の中添 史織(女子15番)と一緒に座っていた。
同じく、前の席では授業中いつも熟睡の天根 俊谷(男子1番)がお決まりのポーズで寝ている。
隣に座っている津家 貴史(男子11番)なんかは、天根の枕にされて、とっても迷惑そうだった。
一番後ろの席はよく見えないが、あの高い声から判断すると我村 雪絵(女子21番)そしていつも驚いてばかりいる江口 みほの(女子3番)、体育会系の干村 友木(女子17番)……
他にも何人かいるようだがその時、小卯の視界にはもう何も写ってはいなかった。
みんなは今、深い眠りの底に落ちている。
もちろんこれから始まる悲惨な出来事は誰も知る由がなかった。
バスは一台だけ違う方向に走っていた。
【残り42人】
急に人称が変わるところなど、つたない感じを彷彿とさせてゾクゾクしますね。