星見山中プログラム   作:なななお蝶

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21.銃にも勝てる勝利方

 

 教室で授業を受けてる時だっていつも真面目に先生の話を聞いてない。

 決まり事だって守れない。先生に対してはいつもタメ口。

 同じ世界に生きていると感じただけでも鳥肌が立つわ。

 ねぇ分かるでしょ? だから私はあなた達には一言も話しかけたりしないのよ。

 私、あなた達みたいな駄目な人間が人を殺してると思ったのよ。そういう人は将来、立派な人間にもなれない。

 生きてる価値なんて無いのよ。

 

 …………………………………………生きる価値無し。

 

 死体を運び終え家の中に入る奏草 浅之(男子9番)。

 その姿を見送って聖礼 千歳(女子8番)は自分の持っている武器を確認した。

 それは1本の刀、日本刀。

 千歳は剣道部に入っていたわけでもなく、特に刀の使い方が詳しいわけでもなかった。

 ただ、これだけはよく分かっていた。

 

――これで人が殺せる。

 

 普段であれば人を殺すなんて当然行っていいものではない。当然、千歳もそれは理解していた。

 けれど今は状況が違う。仲良しこよしの平和な学園生活ではない、これは殺し合いなのだ。

 千歳は冷静になって自分に言い聞かせた。

 

 『危ない人間は早めに殺しておいた方がいい。これはみんなのためを思ってやるのだ』と。

 

 あらためて自分の今すべき行動を整理し終えた千歳はゆっくりと玄関の扉を開けた。

 

 

 一方その頃、家の中に潜む三人は少しもめる事態になっていた。

 死体の処理から戻った奏草が妙に落ち着きを無くしていたのだ。

 

「なぁ……助かるんだよな? 俺達、絶対に帰れるんだよな?」

 

 そわそわキョロキョロと不用意に部屋を歩く奏草。

 彼はさっきの死体処理のせいで、若干精神が不安定になっていた。

 

「ったく。うるせーよ、さっきからお前は心配ばっかりして。なぁ朝陽、お前も何かこいつに言ってやれよ」

 

 それを見ていた木蛇もその不安が伝播したのか徐々に苛立ちを募らせていた。

 みんなおかしくなっていく。この状況で頭が変になってしまいそうだった。

 

「心配ないんだよ。お前が気にする事じゃない」

 

 その中で唯一、芝見沢 朝陽(男子8番)だけは冷静にその状況をみつめていた。

 

「悪かったな、お前一人に面倒な処理を押し付けて」

 

 朝陽は優しく言葉をかけた。

 

「おい鉄瑠、こいつちょっと休ませてもいいだろ」

「別に、いいけど」

「ってことで休んどけ」

「ああ、ありがとう」

 

 なんとか事なきを得た状況。

 朝陽は壁にもたれかかって休息を取る奏草を眺めながら、全く別のことを考えていた。

 

――銃に勝てる必勝法。

 

 今自分達は武器の面で間違いなく劣っている。

 これから先、相手が銃を用いて襲ってきた場合、三人とも無傷というわけにはいかないだろう。

 いつまでもこの家にいられる保証もない。それまでになんとかしなければ。 

 

 ちょうどそんなことを考えている時だった。

 

がちゃっ    ばたん

 

 玄関の扉を開閉する音が耳に届いた。

 

「誰かお客が来たな」

「おい、起きろ」

 

 木蛇が奏草の肩をゆすった。

 

「う、ううん……」

 

 奏草は起きて静かに武器を構える。

 

「よし丁寧におもてなししてやるか」

 

 木蛇はそう言って卑劣な笑みを浮かべる。

 二人はやる気だった。

 

 

 そんな中、朝陽だけはまだ答えを出せずにいた。

 

――まずいな。非常にまずい。もしそいつが銃を持っていたら……

 

「銃に勝てる必勝法……か」

 

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