キタサンブラックとサトノダイヤモンドに振り回される話。 作:blue ponta
久しぶりに書いたので書き方がちょっと変わってますねぇ…
ゴメンち
色々な方のキタサト設定見すぎて影響受けた結果こんな拷問回となっちゃいました。(ワイがブックマークしてる小説達。オススメ!是非読んで欲しい!)
誤字脱字あればご指摘よろしくお願いします。
アパートに帰って来ると電気も付けずに自分の部屋のベットに思わずダイブしてしまった。
学園から徒歩15分の普通のアパートだ。近くにコンビニやスーパーがあるので不便という訳では無いが、駅からは少し遠い。
力を抜いて、ベットに体を預けると、さっきの言葉がフラッシュバックする。
「どうしたら良いんだろう…。」
無意識のうちにそう声が出てしまった。
誰かの好意を受け取るのは得意な方ではない。元々異性と関わる機会が少なかったこともあるが、こんなことで悩むとは思ってもみなかった。彼女たちの想いは男としては嬉しいが、素直に受け取って良いのだろうか。…いいわけがないだろう。世間体や彼女らの夢を崩してしまうかもしれない。何しろ、自分がこんなにも動揺していることが情けなく感じる。
様々な考えが頭に渦巻いているうちに、俺は風呂にも入らず深い眠りに落ちた。
ついに言っちゃった。まさか休みの日にトレーナーに会えるだなんて思ってもみなかったなぁ。胸の高鳴りを感じながら、濡れた髪をドライヤーで乾かす。明日どういう顔でトレーニングしてくれるかな?トレーナー、私のこと好きなのかな?
最近、気がつくとトレーナーのことを考えてしまっていた。彼のことを考えると、鼓動が速くなるのを感じる。これが恋なんだ。そう気づいたのは考え込む時のトレーナーの横顔を見た時だった。それは、どこか幼さを感じさせながら冷静さを帯びる集中した顔だった。
だけど、少し引っかかることがある。サトちゃんだ。サトちゃんもトレーナーのことが好きだということ。確かに、普段のトレーニングでもサトちゃんは私に見せたことのないような顔を見せていた。あれは明らかに好きな人に見せる顔。私もトレーナーのことが好きなのに…。思わずドライヤーを握る手に力が入る。
…いけない。それでもサトちゃんは私と今まで共にトレーニングしてきた。どうしたらいいんだろう…。
髪を乾かし終わった時、1つ考えが思いついた。
部屋に戻ると、サトちゃんはベランダに出て月を見ていた。月明かりに照らされる顔が少し儚さを帯びていた。
「ねぇ、サトちゃん。」
声をかけると振り向き、寂しそうな笑みを浮かべた。
「トレーナーさんのこと、好きなんでしょ?」
「…うん。」
思わず単刀直入に聞いてしまった。お互い沈黙の時間が少し流れる。
「あのさ、提案があるんだけど…」
私はトレーナーを『共有』する方法を、サトちゃんと一緒に話し合った。
少し憂鬱な気分でトレセン学園に向かった。どう顔を見せればいいのか。いつも通り2人に今日のトレーニングメニューを伝え、様子を観察する。先日のことはなかったかのように、彼女らはトレーニングに取り組んでいる。
「よし、じゃあ休憩だ。熱中症にならないよう水分はしっかりとるように。」
「「はい!」」
そうして、休憩時間にトイレに行こうとすると後ろから声を掛けられた。
桐生院トレーナーだ。
「こんにちは!今休憩時間ですか?」
「ええ、そうです。どうですか、ハッピーミークちゃんの調子は?」
そう聞いたが、ハッピーミークはかなり好調であることは知っている。レースでは一着を取っているの見ることが多いし、練習もかなりハイレベルだ。
「いやぁ、まあまあですね。まだまだミークの課題点は沢山ありますし、私も学ばないと行けないことが山積みですし…
逆にキタサンちゃんとダイヤちゃんもかなり仕上がってきてますよね!」
「いや、そんなことないです!まだまだ来たばかりなので失敗の繰り返しばかりですよ…2人には迷惑かけてばっかりです。」
「全然そんなことないですよ、トレーナー?」
耳元で弾んだ声が聞こえた。
反射的に振り返ってみるとー
ダイヤとキタサンがいた。
「わっ…2人とも。具合は大丈夫か?」
思わずこんな言葉を返したが、内心は動揺していた。
全く気配が感じられなかったのだ。
「はい!ぜんぜんへっちゃらです!」
「私も大丈夫ですっ」
満面の笑みで2人はそう返した。
「おお、そうか…」
何故だろうか。満面の笑みなのに心から笑っている感じではないような気がする。目が笑っていないような──ー
「こんにちは!ハッピーミークのトレーナーの桐生院です。2人ともめざましい成長ですね!」
「いえいえ、トレーナーがちゃんとメニューを作ってくれるからですよー。私たちだけじゃこんなに出来なかったので…」
「キタちゃんの言う通りです〜。トレーナーのおかげてここまで成長できたんですから…」
キタサンとダイヤが答えた。
「へぇ〜。やっぱりトレーナーさんは凄いですね!あっそうだ、なら明日トレーニングメニューをお見せすることって出来ますか?出来ればトレーニングメニューについての検討会を行いたいのですが…」
なるほど、トレーニングの検討会か。確かにいい収穫になるかもしれない。確か明日はあまり予定がなかったはず。
「分かりました、じゃあ」
「あっ!明日は確かミーティングがありましたよね?」
いきなりダイヤが聞いてきた。
「いや…明日は特に何も」
「すみません、桐生院トレーナー。明日はミーティングがあるので都合が合わないです…申し訳ないです。」
キタサンが畳み掛けるように桐生院トレーナーに言ってしまった。
「そうなんですか〜、残念です。じゃあ機会がある時に。」
「そうですね。あっトレーナーさん。トレーニング再開しましょう?」
ダイヤに言われ、何も言えないまま2人ともに押されながら桐生院トレーナーの元を離れた。
広大なトレセン学園内で、人やウマ娘を見つけることは容易いことでは無い。そのため、もし誰かを探す時には多くの場所に設置されているスピーカーからのアナウンスによって探すことが多い。だが、アナウンスをしても見つからないケースが主に2つある。
1つ目のケースは、対象が逃げ隠れしている場合だ。ウマ娘が逃げ隠れしている人間を探すことは難しいことでは無いのだが、人間が逃げ隠れしているウマ娘を探すとなるとこれは不可能に近い。
東京ドームよりも広い場所で隠れ鬼をやっている感覚である。
加えて、仮に対象を見つけたとしても、相手は最大時速60kmで逃げるのである。こんな事をウマ娘にされてしまっては、俗に言う「無理ゲー」と言うことになる。
そして、2つ目のケース。これはトレーナーでも見つからないことが多いケースだ。
トレセン学園は長い伝統を誇る。伝統をもつということはお分かりの通り、老朽化が進むということだ。その為、数年前には大規模な工事があった。つまり現在使われている教室は「移転」された教室ということである…
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「おいっ……どうしたんだ、2人とも。」
辺りは薄暗く、もう電気も通っていないようであった。やや湿った木の香りが鼻腔をくすぐる。彼女らは有無を言わさずに俺をここに連れてきた。
空いた教室には古びて、錆が残る机と椅子が数台残されていた。
それでも彼女らが放つオーラは閑散とした教室に明らかな存在感を放させている。彼女らの顔は良く見えない。
暫しの静寂を破ったのは、キタサンの方からであった。
「いつまであたし達の心を振り回すんですか…?」
ひどく低い声だった。静かな口調で続ける。
「はいともいいえとも言わずに人の気持ちに気づいてないふりして。そのうえ、他の女と逢瀬の約束まで交わそうとして…」
思わず、目が合ってしまう。彼女の瞳は淀んでおり俺以外の全てを映していないようだった。そんな彼女は静かに笑っている。
「そんなに私達の心を弄ぶのが楽しいんですか、トレーナー…?」
続けてダイヤが口を開く。俺はそれを弁解しようと声を上げた。
「違う!これは君たちのトレーニングを強化する為の勉強で…」
「キタちゃん…?やっぱりトレーナーは『お仕置き』がちょっと必要みたい…」
「わたしの言う通りでしょ…?トレーナーにはちょっとわたし達の『痛み』を知ってもらわないとだねっ♪」
彼女らは意気投合したように頷き合う。
すると俺はいつの間にか大丈夫に後ろから抱かれて押さえ込まれていた。幾ら動かそうとも、本気で暴れようともビクとも動かすことは出来ない。
「ふふっ、可愛い…トレーナーさんの必死そうな顔。一生見ていたいです…」
ダイヤが耳元でそう囁く。完全な屈辱。圧倒的な生物的能力の違いをまざまざと見せつけられる。
「ずるいよサトちゃんばっかり…わたしも近くで見たい…」
そう言ってキタサンも前から抱きついてくる。両手両足を双方に固められてしまった俺にはどうすることも出来ない。
「女の子2人に抱きつかれるなんて男の人にとっては嬉しいですよね?」
キタサンがそう言って俺の目をじっと見つめてくる。それは目を逸らすことさえ許していないようであった。
「クッ…離ッせっ……!」
「でもトレーナーさんにはお仕置きが必要ですから…嬉しいことばっかりじゃあねぇ…?」
そう言ってキタサンは突然力を強くしてきた。上半身の骨が圧迫され、骨が今にも砕け散るようくらいの激痛が走る。
「ぐわぁぁぁっっっっっッッッッ!!ウッ…アッッッッッ!!」
「あれ、そんなに痛いんですか?まだあんまり力入れてないんですけど…」
これが人間とウマ娘の力の差。早く逃れたいということしか…
いや、もう何も考えられない。
「キタちゃん、力加減してあげてね?トレーナーさん死んじゃうよ?」
「分かってるよ〜、でも『お仕置き』だからねぇ…」
スッと1度、力が抜かれる。そこで逃げようとしたもつかの間。今度は後ろから力が加えられる。
「ぬわああああっっっっっッッッッ!やめろっッッッッ…」
「あれっ、ホントだ。ちょっとしか力入れてないのに…」
痛みで意識が遠のいていく。まだ彼女らは楽しそうに笑っている。ああ、誰か…助けてくれ。
俺が望んだのはこんな事ではなかった。
もっと…もっと…
単純な事さえも考えられなくなった俺は潔く意識を手放した。
「あれっ?気絶しちゃった?」
「キタちゃん…やりすぎだったんじゃない?」
「それはサトちゃんもでしょっ!」
「まぁ、トレーナーさんも分かってくれたみたいし、今回はこのくらいでいっか!」
2人の少女の楽しそうな笑い声が響く