見ず知らずの自分を救ってくれたことで無力感に陥り反転した精霊。もう一人の自分”十香”から士道の事が好きならそのままで居ればいいと言われ、反転状態で過ごす。原作通りツナマヨおにぎりが好物。士道には好意を持っており自分の優先順位としては一番上になるとのこと。そして、精霊に士道が何をしているのかの説明係でもある。
~士道side~
天香を封印してから数日。自分のクラスに天香が転入してきた。どうやったかは知らないがラタトスク様様である。
「今日から厄介になる、夜刀神天香だ。宜しく頼む」
ホントなら十香になるはずだがもう一人の私がこのままでいていいと言っていると言われたら仕方ないよな……
「士道?まだ体調悪いの?」
「ああ、問題ないさ。少し考え事……」
天香以外の精霊、そして反転。俺が関わる精霊は反転してしまうのだろうか……
「ま~た天香ちゃんのこと考えてるでしょ。不安なのは分かるけど、それはこっちの仕事だから任せて」
「分かったよ降参だ。そっちは任せるな、今日は買い物して帰るから遅くなる」
そうして授業が終わり、放課後。凜祢は仕事があるのでフラクシナスに行ったようだ。そして天香は俺の買い物に付き合うと言ってきた。
「ふむ。このツナマヨおにぎりとやらは旨いな。士道の料理に勝るとも劣らない逸品だ」
買い物ついでに軽食を取ろうと勝ったのがツナマヨおにぎりだったのだがお気に召したようだった。
「そのぐらいだったら俺が作った方が早いと思うけどな……」
「士道が作れないときにも食べられることが分かったのだ。どちらかというと士道の料理の方がいいしな」
そんな話をしながら買い物をする。商店街で買い物をするとおまけをしてくれるのだが今日は色々おまけしてもらった。
「一人で来るよりもおまけ多いじゃん……女の子の力は偉大なのか」
荷物が多いなと思っていると雨が降ってきた。
「………雨、か。急いで家に帰るか」
「そうだな、早く帰らないと濡れてしまう」
そうして走って帰路を辿っていると途中の神社で人影を見た。それは小さい女の子で特徴的なパペットを持っていた。
「天香……あれは、精霊か?」
「ん……精霊ではあるな。しかしあれは私とは違う反転していない精霊だ」
そうしてみていると、思いっきり転んだ。すごい音と共に。
「大丈夫か?怪我してないか?」
その子を立たせるとずるずると後ろに後退し始めた。
「士道。そのぬいぐるみを持たせてみろ」
そう言われたのでパペットを腕に付けてみる。
「やっは~。助かったよ~。で、どうだったん?」
コミカルなパペットが陽気に話し始める。
「どうだったんって、何が?」
「四糸乃の体を触るなんてラッキースケベもいい所でしょ。でも、助けてくれてありがと~」
そうしてその女の子は走り去っていった。
「何か違和感。天香もそう思わないか?」
「違和感か。確かにあったな、ならば家に帰って琴里に連絡を取るとしよう……へくしゅん!」
「大丈夫か?風邪引いたか?急いで家に帰ろうぜ」
家に帰り、荷物を置いて脱衣所に向かうと何故か天香がついて来た。
「天香?何で一緒に入ってるんだ?」
「琴里が今までに女と付き合ったことが無いと言っていたのでな。それで私で慣れさせようと思ったのだが」
「あいつ……まあいいか。天香、俺と一緒に入る時は許可を取ろうな。そうしないと俺の抑えが効かなくなっちゃうしな」
まあ、女の子の体に興味があるのは当たり前だ。健全な男子高校生だから。
「何?士道は獣のように襲い掛かってくるのか?」
「そうならないように心の準備が必要なんだよ。他の皆にもやらせようとするなよ?こっちが耐えきれない」
二人で湯船に浸かりながら体を温めた。俺の感覚がおかしくなっていく気がする。
「そろそろ、上がろう。のぼせちゃうからな」
「了解した。先に上がってくれ」
二人で風呂に入ったというのに何も起こさずに我慢できた俺、偉いぞ。
「あの子に会ったら色々話さないとな……邪魔が入らないといいけど」
着替え終わり、キッチンに向かいながらそんなことを考える。
「今日は……これと、これ使って。こいつは冷蔵庫に……」
「あら、二人でのお風呂はどうだったの?」
元凶が居た。いつの間か帰ってきていたようだ。
「お前が唆したのが悪い。至って何もせずに終わったよ……今後言わないでくれ、俺の理性が溶ける」
「別にいいじゃない……士道も年頃の男の子なんだから。彼女の一人ぐらい作った方がいいわよ」
「彼女……ね。皆とは友達で居たいんだよな……どっちかという異性として見られないのかな。俺」
感覚が友達で止まっている。それ以上踏み込むと壊れてしまう、そんな気がしてならないのだ。
「ふ~ん。今直ぐにというわけじゃないし。後々考えておくことね……精霊たちがその話で持ち切りにならないようにね」
彼女作るつもりないのに……それは無いと思うな。
「士道は彼女を作るつもりは無いと……それは私が士道を狙ってもいいということだな」
着替え終わった天香もリビングに来ていたようで、話を聞いていたようだった。
「俺、拒絶するよ?友達止まりで居させてくれ。お願いします」
何だろうか、友達というか親の目線でしか見ることが出来ないという感じがしてしまっている。
「親の目線で考えてみるのも、アリなのか……」
ぼそっと呟きながら夕食の準備をした。
次の日の放課後、優等生の鳶一折紙から家に来て欲しいとのことで家に招かれた。
「上がって。お茶を用意する」
玄関に入ると横には自動小銃やトリモチなどが設置されていた。何と闘っているんだろう?
「………」
リビングに通されると女の子の部屋とは言えないほど無機質な部屋だった。女の子らしい物などは一切置かれておらず、何かと怪しい薬やよく分からない物が置いてあった。
「鳶一さん?これはやばい奴では?」
出されたお茶は紫色で、匂いがよく分からない。これはまずいものだろうと脳が警鐘を鳴らしている。
「問題ない。飲んで」
プレッシャーが半端ないのでそれを飲むと気絶しそうになるが耐えた。
「………ぅ……」
吐きそうだ。そして体が暑い。もしかしてそういうものを入れたのか?
「効果は抜群?」
そう言われながら押し倒される。このままだとあっちの事をする羽目になるので必死の抵抗をしようと色々考える。
「流石に、こういうのをするのは……ちょっと早いんじゃないかな?俺達付き合ってもいないし」
その言葉が絶大だったのか押し倒す力が弱くなった。
「そう。なら、私の事を折紙と呼んで欲しい」
そう言われたので、少しやってみようとしていたことと一緒にやってみることにした。
「うん、分かったよ。折紙」
髪を触りながら笑顔で言うと何処からか分からないが携帯を取り出してそれを連写していた。
「これは貴重。いい体験をさせてもらった、でも前のように空間震警報が鳴っている時に出てきて精霊を庇うなんてことはしないで」
あれを見られていたようだった。まあ、見られても気にすることは無いので問題は無し。
「貴方が居なくなるとこちらとしても困る。私が預けたものを返してもらえなくなる」
それは知らないが困るなら死なないように頑張ってみよう。
「分かった。死なないように頑張ってみるさ……そっちも死なないでくれよ?」
そう話すと警報が鳴る。
「仕事。来ないでくれると嬉しい」
そう言いながら、彼女は奥の部屋に行きそのままいなくなってしまった。
「とりあえず家から出た方がいいのかな?トリモチに足を持ってかれないようにしないとな」
そう思いながら気を付けて家から出ると電話が掛かってきた。
「もしもし、士道?さっきから電話してたんだけどジャミングされてて……」
「ああ、折紙の家ってジャミングも置いてあったんだ」
「鳶一折紙の家に行ってたの?ASTに入っているからそういうのにも精通してるんでしょ。とりあえずこっちに転送するわ」
転送されると、天香たちもこちらに居たようで俺が最後だったようだ。
「今回出てきたのは<ハーミット>よ。映像出すわ」
そうして見ると昨日会った彼女であることを伝える。
「昨日会ってたの?それを早く言いなさいよね……でも、顔見知りだから警戒はされないかもね。今デパートに入ったから頑張って話してらっしゃい」
そう言われてまた転送された。流石に酔ってしまいそうだがこんな所でへばってしまっては精霊と話すらできない。
「いくか……」
そう思いながらデパートに入っていくと、件の少女は直ぐに見つかったがASTが建物を破壊しようとしているのか建物が揺れ始め崩れかかっている。
「危ないな……無帰ノ之」
琴里に聞かされた天使の力を使い、彼女を持ち上げながらその場から離れる。
「おや~?昨日のラッキースケベのお兄さんじゃない。精霊だったのね~」
「精霊じゃないけど天使を使えるイレギュラーかな?」
そうやって場を和ませながら安全な場所を探しつつ、瓦礫を避ける。
「おお~。お兄さん普通に強そうだね」
「君たちの名前は?俺は五河士道」
「よしのんだよ~」
「四糸乃……です」
何となく違和感の正体がつかめた気がするが、今は考えないで置く。
「一つ聞きたいんだが、なんで四糸乃達は攻撃しないんだ?」
「あの人たちも……痛いのは嫌だと思うんです……だから……」
優しすぎるからそんな判断をしてしまう、可哀そうな運命にある子だ。
「そうか、なら俺の所に来てみるか?痛いのとか怖いのも俺が全部追い払ってやる。何だろうな……ヒーローになれるのかな?」
その言葉に驚いている四糸乃。まあ、見ず知らずの人にこんなこと言われたらそうなるか。
「俺の事、信じられないか?」
「いえ、なんでしょうか……士道さんの言葉なら……信じられるんです」
「よしのんは、四糸乃の意志を尊重するよ~」
とりあえずは良さそうだ。問題なさそうだなと思っていた時、デパート自体が崩壊した。
「っ……四糸乃!!俺に捕まってろ!!」
一応、俺には死んでも生き返ることは聞いているがこれだったら死んでしまいそうだなと思い、四糸乃だけは生き残らせようと天使を最大限使い、瓦礫を斬りながら地面に落ちる。
「ぐはっ……四糸乃?…だ……いじょ……ぶか?」
思ったよりも体が死にかけているようだ。うまく話せない。
「士道さん!!なんで……」
「士道君!?何やってるのさ!」
「いきのこってくれ……よ……しの」
また、意識が途切れた。でも、どうせ蘇る。
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~天香side~
「あの馬鹿者!何をしている!」
士道は精霊を庇いながら地面に落ちて、死んでしまった。
「大丈夫よ天香。士道は生き返るわ……時間はすごい掛かるけど……あれだけ精霊の力を使ったから、時間はかなり長いわよ」
そう言われたが、あいつらが士道を回収する可能性も有ったのでそちらに向かいたかった。
「司令!!霊力値がマイナスを!!」
「また!?天香!あっちに向かって頂戴!」
「言われなくても分かっている!」
「天香ちゃん。士道の事、宜しくね?」
「分かっている。あいつに助けられた恩は計りきれんからな。返してくる」
そうして私は地上に降りた。
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~四糸乃side~
人が死んだ。私が、何もできないせいで……
「よしのん?私、決めたよ」
「四糸乃……本当に、いいんだね?絶対後悔しない?」
あの人が優しさを肯定してくれた。でも、その英雄はこの世界には……いない。
「うん……士道さんを殺した人たちを……私は、許さない!!」
私の中で心の枷が取れた気がする。
「………?よしのん?」
自分の相棒であるよしのんが消えた。しかしそれは自分のポケットに小さくなって収納されていた。
「話さなくなっちゃった、でも、もともと私だもんね」
自分を守る為の人格。一つになっただけの事で問題は無い。
「士道さん……私は、貴方の事が……大好きですよ」
愛の告白も届かない。だって彼は、死んでいるから。
「五月蠅いですね……士道さんと話しているのに。<絶凍傀儡>《アスタロト》、お城を作って」
瓦礫の中から氷の城を作り中に入る。奥にある二つの玉座の内の一つに彼を座らせる……彼には王が似合っている。
「はぁ……貴方達の罪は重いですよ……。誰ですか?」
一人鎧を身に付けた女の人が入ってきた。
「すまんな、そいつの様子を見に来たんだ。お前が守ってくれたなら問題なさそうだな」
彼の様子を見に来たということは知り合いだろう。見た感じ精霊と見える。
「士道さんとどういう関係ですか?」
「あいつに命を助けられた。なのに、また死んでしまい……他の人を助けるのに命を張りすぎなんだ、士道は」
私と同じだ。そう思った。
「名を聞いておこう。私は夜刀神天香だ」
「四糸乃です。貴方も、私と同じですか?」
絶望した目。私と同じような目にでも合わないとこうはならないだろう。
「そうだな……他の奴らは私達のような精霊になることを反転と言っているから、私達は反転精霊と行った所か」
彼は特別な存在であることは分かる。自分でイレギュラーと言っていたから、精霊に対して何か持っていることは理解できる。ならば彼を殺した奴らを蹂躙しよう、彼の手向けとなるように。
「天香さん、士道さんを殺した奴らに仕返ししませんか?」
「いい考えだ。しかし、士道は無駄な殺生を好まない。痛めつける程度に済ませておこう」
私よりもずっと優しいし彼女にも優しさを分け与えているのだろう。嗚呼、なんで死んでしまったの?
「行きましょう、私も色々ストレスが溜まってるんですよ……」
「久しぶりに使うからな……力加減を考えなければな」
そうして外に出ると空を飛んでいる奴らが発砲してきた。天香さんは傷つけないような力加減で撃ち落としている。
「すごいですね、どうやって加減してるんですか?」
「む?この力加減は士道に教えてもらった。あいつは刀を使っているからな、剣などの力加減などもよく知っている」
あの人はそんなことまで分かっている……なんて素敵な人だろう。それを消してしまった人たちだ、少しくらい力を強くしてもいいだろう……
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~士道side~
本当なら生き返るはずなのに、なぜか暗い空間に佇んでいた。
「汝、我が力を求めるか……何物にも侵すことのできない絶対的な力を」
「ああ、欲しい。絶対的な力を」
「何故、力を求める?」
それは、単純な理由で自分でも阿保らしいと思うけど。
「大切な人たちを守る為かな?自分の事を守れって良く言われるけど……自分よりも皆を、守ってやりたいんだ」
「なら、問題なさそうだな」
急に知った声に変った。
「シドーはこれからいろんな力を得ることが出来る。だけど負けないでくれ。皆を守る、それが私との約束だ」
「分かったよ、十香。皆を、世界を守って見せるさ」
そして、その名を呼んだ。
「<暴虐公>!!」
魔王を語る剣を振りかざし現実に戻る。
「痛てぇ……骨が、粉々になってたのかよ。でも、問題なし」
よく分からないが死んでも生き返るのは誰のお陰なのだろう?でも、約束を果たそう。
「十香、俺は約束を守ってみせる」
そして魔王の剣を出そうとすると刀に変貌していた。
「俺の天使に適応したのか?こっちの方が使いやすいしいいか」
「<暴虐公>、付き合ってくれ。<終焉の剣>」
巨大な刀に変貌しこの氷の城ごと切り裂く。
「結構固かったなぁ……しかもあいつ等、ボコボコにしてるじゃん」
そうしていると右耳に着いたインカムから通信が入る。
「お目覚めかしら、王子様。お姫様が暴れてるわよ……あんまり手を出さないでって言ったんだけどね」
「問題ない、想定済みだ。じゃあ、止めに行ってくる」
「ちゃんと帰って来なさいよ、カッコいい王子様」
言われなくても分かっているのに、妹はこういう事ばかり言ってくる。教育上あまり宜しくない。
「二人のお姫様ね……姫であることは変わりないか」
二人に近づくと、風圧と冷気で近づくことすら許されない領域が展開されている。それを天使の力で打ち消す。
「戦いに夢中とか、精霊としてどうなんだか……」
二人が近づく瞬間に、刀をねじ込む。
「二人とも、少し落ち着こうか」
二人がこちらを振り向くと驚いた顔をする。死人が生き返ったのだ、驚くのも無理はないが天香は二回目だろうから驚かないと思っていた。
「この馬鹿者!貴様は自分の命を大切にしろ!」
「士道さん!!士道さん!!」
二人とも俺の胸に顔を埋めて泣きついている。俺はインカムに二回触れると二人を抱きしめると船に転送された。
「士道、お疲れ様。……何で<ハーミット>がそんなに大きくなってるのかしら?」
そういえば、天香より少し小さいくらいの背になっていて女性の象徴である者も大きくなっていた。
「士道!」
俺を気遣ってくれる、彼女たちが後からやってきた。
「二人を頼んでいいか?少し……寝る」
そうして、眠りについた。
起きたときは、医務室だった。隣には大きくなった四糸乃と天香が俺の手を握りながら眠っていた。
「………。体に異常は無い……大丈夫か」
二人を起こさないようにしながら部屋を出ると凜祢がこちらに向かってきた。
「士道?起きたらちゃんと連絡して。こっちも把握できないから……お願いね?」
「今、起きたばっかりだ。寝てから何日経ってる?」
「二日くらい?あんま経ってないし。土日だったから学校も問題ないよ」
今回ばかりは、霊力を使いすぎたゆえのオーバーフローを起こしたとのこと。次からは気を付けて使えとのお叱りを妹から言われた。
「はぁ……精霊って大変なんだな」
「士道?一応、私達も精霊みたいなんだ」
今なんて言った?凜祢達が精霊?
「すぅ……はぁ……もう一回言ってくれるか?」
「私達、精霊だよ。でも、士道に封印はされてるんだ」
また分からないことが増えた。封印しているということは……あの時か?
「あれで、封印完了していたのか?俺は忘れないようにという意味でやったはずなのに……一気に五人ともキスをしたのか……最低だな俺って……」
これからも精霊とキスをする。なんだかやりたくなくなってきた。
「士道、私達は気にしてないしむしろお願いしたいんだ。士道が望む世界を私達に見せて欲しいの」
背中に手を回される。心臓の鼓動が五月蠅いと感じるほど脈動している。
「だから、気にしないで。私はどんなことでも士道を受け入れるから」
そんなことを耳元で囁かれる。何だろう……懐かしいと感じた。そうして開放された。
「てっきりキスする流れだと思ったんだが、良かったぁ……」
「私とキスしたくないの?」
「そういう意味じゃない。ドキドキしすぎてキスしたら失神しそうだった」
そう言うと唇を奪われた。意識を保ちつつも何とか考えようとする。
「ふふ……顔真っ赤だよ。可愛い」
「凜祢が悪い。こんなことされたらもう一回されたくなるだろ」
癖になったというわけではない。決して。
「後で、いっぱいやってあげる。今は我慢してね」
凜祢が去っていくが俺は自分の唇に残っている感触を忘れようと医務室に戻った。
「二人ともまだ寝てるのか……寝坊助さんだな」
二人とも、座ったまま寝るなど器用すぎると思うんだが。
「二人とも……起きろ。俺は起きたぞ」
二人は眠い目を擦りながら起きる。
「む……士道は起きたのか。起きてから動くとは無理をするな……」
「姉さんの言う通りですよ。士道さん」
聞き捨てならない言葉が出た。姉さんって何ですか?
「四糸乃さん?姉さんとはどちら様?」
「冗談もよしてくださいよ士道さん。天香さんですよ」
「何故、姉さん呼びになったのか理由を知りたい」
彼女が言うには自分に色んなことを教えてくれる姉のような存在だったため姉さん呼びしたら、天香も気に入ったようでいつの間にか姉妹になったようだ。
「ふむ……すごい違和感がないな。それとよしのんは何処に行ったんだ?俺の考えならただの人形になってるはずなんだが」
そうするとポケットから小さな人形を出した。それは何処かよしのんに似ているウサギのぬいぐるみだった。
「士道さんの考えてる通りですよ。私のもう一つの人格、それがよしのんです」
「そうだよなぁ、初めて会った時とかデパートの時とかも考えてたんだ。俺の考えも捨てたもんじゃないな」
「士道は色々と考えすぎだ。少しは休め」
しかし、一仕事残っている。
「天香、”アレ”が必要だろ?」
彼女にそう言うとそうだったな、という顔をする。
「士道さん?何をするんですか」
「天香?これは振り切ってると考えていいよな」
俺的好感度は天香と共に四糸乃の振り切ってると考えている。
「当たり前だ。我が妹だぞ」
妹呼びまで考えていたとは……恐れ入る。
「四糸乃、動かないでな」
そうして接物をする。そうすると四糸乃の方から舌を絡ませながらベットに押し倒された。
「………ぷっは。……何かデジャブを感じるなぁ」
「大丈夫ですよ士道さん?姉さんも一緒にやりましょうよ」
「いいな。私も参加させてもらおう、キスの虜にさせてやろう」
そして長時間キスをさせられた。俺の理性はとっくに溶けてなくなっているのに襲わないのはすごいと思った。
追加設定
・士道は自分の天使の力で他の精霊の力を刀に宿し振るうことが出来る。
・ある精霊の天使になると特別な力を発動できる。
・皆を恋愛対象として見れないのはある人が原因。
次回、黒と白の時計