金剛杖物語~青髪の海美の章~   作:仲村大輝

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このシーンは子連れ狼を参考にしました。(ほぼネタバレですね)

時代劇なので、時代劇のシーンを使っていきたいと思います。


第十六話 杖とでんでん太鼓

次の日

鳥のモノが発行する『毎鳥新聞』

「伊勢崎市長選挙会場に満身創痍の人間、獣、鬼乱入!!立候補者2名を暗殺。3名は昨日の爆発事故で死んだとされていた。」

猿のモノが発行する『モンキーモーニング』「市長選挙立候補予定者、幻の四人め現る。鬼だけでなく、人間にも文様が浮かび上がる写真の撮影に成功!」

牛のモノが発行する『上モウ新聞』

「選挙管理委員会の白鬼、「今回の件でマークが現れるモノが立候補予定者になることを取り下げ、違う理由で立候補者を選抜することを表明」

といった記事がトップニュースになってしまった。

 

伊勢崎のあるお店、いや自販機倉庫?とにかく特殊な建物に三人は潜んだ。

ここなら、食料も飲み物もトイレもある。

「やっぱり。作戦は大成功だ。」

天ぷらうどん自販機から出てきたうどんをすすりながら、朝襲撃した新聞を見比べる獅子頭がいる。

近くで、海美が赤ん坊に米の汁をあげて、まつりの持っているハンバーガーに顔を伸ばしてかじりついている。

まつりは自分のチーズトーストを食べている。

「よし!」

ナポレオンは汁まで飲み干すと、容器を捨てて、襲撃時には無くなっていたはずの獅子舞の下顎を自販機の裏から出して、結び始めた。

海美とまつりはまつりの赤い毛布を修理している。

「まさか、俺が車両をぶち壊した瞬間に車両が爆破するとはな。」

一昨日に戻る。

橋の上に取り残され、車両を破壊して外に出ようとした瞬間、

線路もろとも爆発したのだ。

幸い、三人とも受け身を取ったため怪我はしなかったが、川に落ちたのでビショビショになりながら、なんとかこの建物までやってきたのだった。

その時、ナポレオンの唐獅子が壊れて、海美を守ったまつりのマントがボロボロになっていたことに気付いたが、

「そのまま襲撃したほうが恐怖を覚えるだろう。」

ということでそのまま攻め込んだのだ。

「一番は、マークが人間にも現れるって勘違いさせることに成功したってところかな?」

ナポレオンは頭に獅子頭を被って具合を見ている。

まつりが赤ん坊を抱っこしている。

海美がまつりの顔についた忌まわしいマークを拭く。

すると、みるみるうちにマークが落ちていく。

「…で、これからどうするの?」

「この子のお父さんに会いにいく。」

「この子のお父さん?」

「一昨日ので分かったでしょ?この子は修羅の道より平穏な日常が好きだって。」

そう。遡る事二日前、服が乾いて着込んだ辺り。

「そういえば、さっき聞けなかったけど、赤ちゃんが政治取れるのって話だけど、赤ちゃんは政治取りたいのかな?」

「そんなの分かるわけないじゃないか。」

「だけど、生まれた時からずっと私は『必死に』生きてきた。この子はもっとゆっくり生きられるのであればゆっくり生きても良いんじゃないの?」

「じゃあ、どうやって赤ん坊に判断させるんだ?」

「…こうしない?」

ここで海美がしゃべった。

海美は赤ん坊をテーブルに置いて、赤ん坊の荷物からでんでん太鼓を出した。

でんでんでん。と鳴らす。

その後、杖を刃を出した状態で見せる。

磨き上げられた刃に赤ん坊が写る。

そして、赤ん坊を抱き上げて杖を見せる。

 

特になにもしない。

笑いもしなければ泣きもしない。

次にでんでん太鼓を見せる。

 

すると、笑った。

 

おくるみにでんでん太鼓を突っ込む。

短い手で取ろうとしている。

次に杖を見せようとした。

しかし、見向きもしなかった。

 

「決まったね。この子は修羅の道を進みたくないって。」

なぜか海美の声は明るかった。

その明るさはなんだろうとまつりは思った。

ナポレオンに聞きたかったが、獅子頭に顔を隠していたので聞けなかった。

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