金剛杖物語~青髪の海美の章~   作:仲村大輝

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最近、空前のマフティーブームが来てます。
「やってみせろよ、マフティー。」
「なんとでもなるはずだ。」
「ガンダムだと!」


第二十三話 決着

海美も急に圧迫がなくなったので、ふわふわした感覚を味わっている。

しかし、すぐに落とした薙刀にしがみつき、引き抜いた。

すると、いつもは土に刺して引き抜いても刃が綺麗なのに、今回は濡れたところに土や砂利が付くように、汚れていた。

「あれ?」

のたうち回る右手王と見比べる。

「もしかして…」

近くの木を見る。

杖の玉を押し付ける。

変化はない。

次に、汚れた刃で若干傷付けた。

すると、みるみるうちにそこが腐り出した。

「…この心臓、というか、血が体の中に入ると毒になるのか。」

海美は右手王を見る。

右手王は苦しみながらも階段を登る。

赤ん坊と、坊さんたちを殺すために。

「せめて…あの赤ん坊だけでも…」

ズルズル這って上がる。

側から見れば、救済を求めて寺に逃げ込んでいるようだが、彼が求めているのは救済というより、憎悪や憎しみが生まれることだ。

這いつくばる右手に海美が刃を突き立てる。

「あっ!」

そう言って、右手王は海美を見る。

俺がこんなに頑張っているのにどうして邪魔するんだ!?

という顔をしている。

みるみる右手が紫色に壊死していく。

「貴様…」

「右手王。もう諦めなさい。あの子はもう赤の他人なのよ。」

それは、右手王に言ったのか自分に言ったのか分からない。

「そんなことはない。奴を殺せばいいのだ。」

「そんなことしたら、可哀想でしょう。」

「そうだ。かわいそうだ。俺はかわいそうなことがしたいんだ。させろ。」

右手に力を入れたいのだろうが、右手に力が入らず、肘をあげようとした。

肘にすら力が入ってない。

「右手王。あなたはそうやっていつまでも相手を見下して生きてきたのね。」

「………。」

紫色が肩に到達した。芋虫のように体全体で動く。

「自分が劣っていることが分かるから、新聞も読まない。弱いのがバレたくないから右手だか、刀だかで武装してる。そして、その力で、暴力でしか相手を制圧出来ない。そんな弱虫で…」

紫が頭に到達する。

もう動かない。

海美が中腰で下にいる右手王に話しかける。

「右手王。よく聞きなさい。あの赤ん坊は人だけでなく六道から尊敬されるモノになるわ。死んだ時も新聞で大々的に報道されて、何万もの人やモノが泣いて、何万年もの間名前が残るわ。

だけど右手王。

あなたは誰からか尊敬されて、誰かが泣いてくれるかしら?」

「………。」

「あなたは誰からも尊敬されず。尊られず。見下されてけなされて、最後は忘れ去られるわ。」

「………。」

「もう聞こえてないか…」

 

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