この世界最高峰の冒険者でも歯が立たなかったベヒモスをほぼ単独で破壊した少女。
その少女に顔色を一切変える事無く、多数の魔物を一瞬で転移させてアシストする少年。
いくら上位世界から召喚された者だといえども、この二人だけは正しく、そしてもっとも異常であった。
ある意味なら高い才能を持つ光輝ですら、この二人を前にすれば子供と大人以上の差がある。
そして何よりも、この二人の異質さを――特に少年がまさかこれほどまでにおかしいとは彼等も全く知らなかったらしく。
とんだアクシデントから何とか逃れられ、全員して迷宮から帰還する事ができた今現在、異質な二人組……南雲ハジメと兵藤マコトは正しく『恐怖』されていた。
「今になって言うのも遅いかもしれないが、まずは礼を言わせてくれ。
彼等を――そして
しかしそれでもメルドだけは良質な素材を持って帰れて二人してほくほく顔のハジメとマコトに頭を下げた。
知れば知るほどこの二人だけが他の者達とは距離が離れているのは何となくわかっていたし、今回の事で単なる嫌悪から恐怖へと心象が変わってしまったのは、誰を見てもわかることだった。
けれどそれでもメルドは自分達を『結果的に』救ってくれたハジメとマコトに心からの礼をした。
今回の訓練には参加せず、後で話を聞いた畑山愛子と共に。
「先生もメルドさんから聞きました。
皆の為に……先生は嬉しいですよ?」
「別にそういう理由ではないんですが……どーも」
「よし……まずはこの低ランクの魔石で加工の練習を……」
「「………」」
心底ものの次いでですな態度のマコトと、既に自分の世界に入り込んで聞いちゃいないハジメ。
「それであの……南雲君がイジメられていたことについても謝りたくて。兵藤さんにも……」
「それも良いっすよ別に。
そもそも先生は担任ではありませんし、教師というか、大人なんて親以外アテにもなりゃあしないなんて幼稚園の頃から悟ったんで」
「マコトみたいにエネルギーを放出するための強度も必要だから……ブツブツ」
「「………」」
何故マコトがハジメに対してこんなに近い距離感だったのか。
当初は単にそういう関係なのだと勘違いして頭ごなしに色々と否定してしまったが、実際はそうではなかった。
それこそ、頭ごなしに否定してハジメをマコトから離したら、ハジメが傷つけられる――それをマコトは知っていたから。
そして自分を含めた教師達や大人に頼っても意味が無いと悟ってしまっていたから。
「ごめんなさい……」
「ハジメの事は良いので、先生は彼等についてやってください。
今日の事でまだメンタルがやられているみたいですし」
「そうだ、僕とマコトの声を起動のキーにして、それ以外の者には使えないようなセキュリティも―――いけるぞ! 今日の僕は今までに無いくらい頭の中が冴えてる!」
「………………」
畑山愛子はここで漸くハジメとマコトと、その他生徒達の距離感――いや、立っている領域が文字通り別次元であると理解させられたのだった。
ベヒモスを排除したという話はすぐにでも王国にも伝わった。
そして兵藤マコトと南雲ハジメの名も同じように……。
だが問題は二人は赤龍帝と錬成師であって『勇者』ではなく、勇者はあくまで光輝である。
つまり、王国側にとって理想なのは勇者である天之河光輝とこの二人を『固定パーティ』として連携させる事であった。
「つまり、オレとハジメが彼のサポーターとして傍に居ろと?」
「
唯一大人側としては二人とまともに意志疎通が可能であるメルドは、既にこの二人が光輝達とは別次元の場所に存在しているのを知っていて、どうにもならない壁があることも知っている。
だからなのだろう、メルドは心底言いにくそうに何やら『拳銃』のような武器をガチャガチャと弄っていて聞いちゃいないハジメと、一応ちゃんと聞いてくれるマコトに話してはみるものの、マコトは心底嫌そうだった。
「向こうが嫌がると思うんですがねー?」
「既に天之河には話している。
曰く、色々とあったかもしれないが、これ以上小さな事で対立している場合ではない……だ、そうだ」
「そりゃあまた都合の良いことだな。
オレとハジメが、何の力も持たない奴だったら出て来そうもない言葉だぜ―――――って、だからそんな話になってるんだったな」
「まあ、お前達の言いたいことはわかる。
実際アイツ等とお前達の間には途方もない深い溝があることもな……。俺は兵士だ――上から言われた事には逆らえん」
「中間管理職の哀愁って奴っすねそりゃあ……」
「ああ、今になって自分の立場を煩わしいと思うことはなかったぞ」
肩を落とすメルドの哀愁漂うオーラに、元々こういうタイプの大人は嫌いではないし、なによりドライグがもし人型になれたら、こんな感じなんだろうなと思っていたので、意外な程彼の言うことには聞き分けの良いマコトは、三日前に完成させた武器のメンテをまだしているハジメの頭を軽く小突いて現実に引っ張り込み、説明をするのだった。
「――てな具合、天之河達に協力しなきゃならんのだとよ」
「……。話はわかったけど、メルドさんの言うことには案外素直だよねマコトって?」
「まあ、嫌いじゃないからなこのとっつぁんは」
「……………………………」
「あ、いや……そ、そんな顔をされても困るぞ南雲?」
マコトがメルドの事をそんなに嫌いではないと言うせいでハジメの機嫌が珍しく悪くなるというアクシデントがあったものの、取り敢えず了承はするのだった。
もっとも、マコトもハジメも『気に入らなかったら即座に抜ける』という条件は徹底的に約束させて。
天之河光輝は、南雲ハジメと兵藤マコトの存在がますますわからなかった。
自分が全く歯が立たなかったあのベヒモスを、マコトは虫を潰して殺すかのごとく簡単に倒し、ハジメもまた、後で聞いたところによれば魔法といった類いではないナニかを引き起こしたばかりか、あのベヒモスと戦った階層から帰還する道中ずっと、素手で魔物を狩ってはアイテムを回収していた。
つまり少なくともハジメもまた―――もしかしたら自分よりも『戦うことに慣れている』という事になるのだが、光輝はマコトはともかくとして、ハジメに対しては認めたくはなかった。
それはつまり、ハジメが自分より上であることを認める事になるから……。
「や、やあ兵藤さんと南雲……えーっと、一週間ぶりだな?」
「おう」
「………」
そんな感情を抱えたままの光輝は、あの騒動から一週間ぶりとなるマコトとハジメという『異常者』と対面することになった。
目的は今回発覚した二人の力を『勇者』である自分に協力させるという交渉である。
話し合う為に用意された部屋には、光輝側には龍太郎、雫――そして来るなと言ったのに結局居座ってしまった香織。
今回の話し合いを『成立』させる為の中立役に愛子とメルド。
そしてハジメとマコト。
「既に話は聞いていると思う。
俺達としても……その、これまでは色々とあったが、この世界を救う為に過去の事はお互いに水に流して協力するべきだと思う……」
「……………」
そんなある意味胃の痛くなる空気の中始まる話し合いだが、開口一番発した光輝の言葉に、邪魔そうに胸の下で腕を組ながら深々と行儀悪そうに座っていたマコトの目許がピクリと揺れる。
その瞬間、同じ席についていた雫が内心光輝に『その言い方はマズイ』と焦ったが、マコトは意外にも何も言わなかった。
「……。後ろから刺し殺して来ないってんなら別にオレは構わないな」
「ば、バカな、仲間にそんな事をする訳がない!」
「どうだろうねぇ? ……まあ、そんな話をして拗らせる意味もねーから飲み込んではやるさ」
「あ、ああ……では南雲は?」
「………………」
ヘッと、女を捨ててるとしか思えないガサツな言い方をしながらも一応は了承するマコトに、ホッとするのはさっきから喋らないハジメをガン見したままの香織以外の光輝達と愛子とメルド。
後はハジメの了承なのだが、見ている限りマコトが頷けばハジメも了承するだろうと光輝達は思っていたので、ハジメに訊ねるが、先程からハジメは一言も言葉を発さないし、何やら頭がフラフラと揺れている……。
「…………」
「ハジメ君、寝てる……かわいい♪」
「なっ!?」
どうやら普通に居眠りをこいていたらしく、香織がガン見をしていたのはどうやらハジメの寝顔を見ていたからしい。
こんな状況でよく寝ていられるなと光輝と龍太郎が憤慨しそうになるが、雫が何とか抑えつつマコトに言う。
「できれば南雲くんを起こして欲しいのだけど……」
「はいはい、暫く徹夜続きだったからなハジメは……。
おいハジメ? 起きろー?」
「あぅ……なにまこと……?」
「ハジメはどうする? 天之河達に協力するか?」
「うん………マコトがするなら、僕もする、よ……」
「………だ、そうだ」
『……………』
やはり予想通りのハジメの意見に、言いたいことはあるもののなんとか堪える光輝と龍太郎に雫もどっちの意味も込めてホッとする。
だが問題は――香織にある。
何せ香織は最近ハジメ本人から拒否られて以降、しの執着を余計に強めていた。
この一週間の間もハジメと会えないと、そこかしこをぶつぶつと――マコトに対する嫉妬の呪詛を吐きながら探し回っていたのだ。
つまり雫が見ても明らかに香織はマコトに嫉妬している。
そういう意味ではある意味一番の爆弾は香織とマコトになるし……。
「ダメだこりゃ……しゃーねーな、ほら、肩貸してやるよ」
「うん……ありがとうマコト……zzz」
「っ!?」
『……』
こうして眠いハジメに肩を貸し、マコトに身を寄せるように――それこそ安堵しきったような表情で眠るハジメという姿を見せつけられてしまえば、不安定になり続けている香織が激昂してしまう訳で。
「ねぇ兵藤さん? 兵藤さんみたいな小さめな子だと、ハジメ君を支えるのも疲れちゃうんじゃないかな?」
「…………あ゛?」
小さめという香織の言葉に、これまで大人しめだったマコトもカチンと来たのか、一気にチンピラみたいな声と目付きに変わる。
「っ!? やめなさい香織!!」
悟った雫は即座にまだ何か言おうと口を開きかけた香織の口を抑えて黙らせた。
「香織の事は私が代わって謝るわ……。その、ここ最近の香織は精神が不安定で……」
「……………………」
「すぴーすぴー……ふふっ♪」
「えっと……その、俺も香織の幼馴染みとして謝るよ」
「今後は言わせないと誓う……」
もがもがとしている香織に代わって謝る雫、光輝、龍太郎に舌打ちを小さくしながら引き下がるマコトと、そんな空気も知らずにマコトの肩から膝にもたれ掛かりながら実に幸せそうに寝ているハジメ。
その瞬間、香織が口を抑えられた状態で暴れだしているが……マコトは無視して光輝達に訊ねる。
「まさかとは思うが、その子も固定パーティって奴なのかよ?」
「ま、まあ……」
「………………。その子がハジメに嫌がられているのを分かっていてマジで言ってるのかアンタ等は?」
『…………』
「もがもが……! ぷは! ハジメ君に嫌がられてるって何? それは兵藤さんの勝手な主観だよ? ハジメ君は――もががっ!?」
「頼むから今は黙ってて香織!」
「香織はクラスでも最高峰のヒーラーだ。だから――」
「毒でも盛って来そうなヒーラーだな?」
「そ、そんな事を香織がする訳がないだろう!? そもそもキミが香織に酷い事を言うからだ! キミこそ香織に謝るべきだ!」
「こ、光輝!!」
この時点でメルドは『駄目かもわからんね』みたいな遠い目をしていて、愛子はアタフタしているだけ。
そんな状況で光輝がマコトこそ謝れと言い出した瞬間……。
「言い方は確かにマコトはキツイかもしれない。
非は僕達にもあるのかもしれない――――けど、僕が白崎さんを苦手に思っているのは本気の本当だよ」
「! な、南雲……」
マコトの膝で寝ていたハジメが起き、香織を苦手にしていることを今一度はっきりとした口調で言い切る。
「僕とマコトは白崎さんと同じパーティは組めないよ。
そうでなくても、僕の本音はマコトとだけ組みたいのに、マコトがメルドさんの言うことには素直に聞くから仕方なくだし……」
「……? まだ怒ってんのか? 変にメルドのとっつぁんに当たりキツイよなハジメって?」
「マコトが鈍いからだよ。
キミ達に協力する事自体は別に良いよ……けど、白崎さんの近くには居たくはない。
元の世界から今まで、白崎さんに絡まれて良かった事なんて何一つ無いんだから―――僕にとっては不幸の象徴だよ彼女は」
「」
「そ、そんな言い方……」
「香織になんの恨みがあるんだお前らは?」
「じゃあ聞くけど、キミ達は僕が白崎さんともし―――そうだね、今僕がマコトにして貰っていたような事をして貰ってたとしたらどう思う?」
「「…………………」」
「……。つまりそういう事、美人で人気者な白崎さんが僕に絡む度に、周りから要らないやっかみを受ける。
それが僕は嫌だし、今までなんのつもりでそうしてきたのかなんて知らないし、知りたくもない。
そんなここまで言っても聞いてくれない彼女と肩を並べろ? ……………無理だよそんなの」
『…………』
ハジメのこの際だから全部ぶちまけてしまえ的な言葉に、香織はその背景に『ガーン』という吹き出しが幻視できる程のショックに打ちのめされ、光輝や龍太郎や雫もまた押し黙ってしまう。
「僕とマコトの条件はひとつ、ヒーラー役を入れるのなら白崎さん以外の人にしてくれ。
それが無理なら僕とマコトは絶対に協力なんてしないし、何なら僕とマコトはこの国からも出て行く」
「はっ!? ま、待て南雲! 香織の件はさておき、この国から出て行くとはどういう事だ!?」
「言葉通りの意味さ。
元々僕はキミ達にとっての『腫れ物』でしかなかったし、キミ達はともかく――檜山辺りは僕とマコトをそれこそ後ろから不意打ちでもして殺してやりたいぐらい嫌ってるだろうからね。
だったら僕とマコトがこの国から消えてしまえば――こんなわだかまりにお互い悩まされる事もないだろう?」
「な、なにもそこまで……」
「するし、正直僕もねこの世界がどうなろうが知らないと思っている。
僕はマコトと元の世界に帰れさえすればそれで良いし、その方法は何もこの国だけにあるって決まっている訳じゃない」
いつになく主張が強いハジメに圧される光輝達。
というか、そこまで決定的に香織を拒絶しているとは思わず、光輝は何故だか自分でもわからないが、ホッとしていた。
「メルドさんは立場上彼等と連携して欲しいでしょうが……」
「………………。いや、お前達の関係性が滅茶苦茶なのは既に承知している。
最悪、上に掛け合えば『後の合流』を条件にお前達を他の迷宮に挑ませる体で抜けさせる事は可能だ」
「え、で、でも二人だけでは危ないですよ! 教師として私は失格かもしれませんが、それでも一人の大人として二人だけを旅立たせるのは反対です!」
メルドもこうなることは既に予想していたのだろう、別の道を提示するが、愛子は教師としても大人としても反対する。
「だがこの二人はまさしく他とは『一線を画している』のだ。
三日前、それを確かめる為に全力で南雲ハジメと戦ったが―――――俺は負けた」
「なっ!? メルド団長が南雲に!? な、なにかの間違いでは!?」
「間違いではないし、南雲を過小評価したいらしいが、南雲は『不明な力を使わず』、『武器も無い素手』の状態で俺を真正面から叩きのめしたのは本当だ」
「………」
そう言いながらシャツを捲るメルドの鍛えられた肉体には、痛々しい痣が残っていた。
てっきりサポート役と思い込んでいたハジメがバリバリの戦闘すらも可能という事実は、同じように素手を主体とする龍太郎を心底驚愕させた。
「俺個人としては二人の才能をここで燻らせたくはないと思っている」
「だ、だからってまだ二人は子供なんですよっ!?」
「………アナタはやたら彼等を子供扱いするが、ここではそれは通用しない。
ではもしその子供である彼等に危険が迫ったら、アナタは絶対に守れるのか?」
「そ、それは……」
「いい加減に認めろ。この二人は最早――アナタの理解の外だとな」
メルドの言葉に誰もが黙った。
結局、どうしても香織は外したくはないという光輝側と主張により、この話は完全に決裂するという形で幕を閉じ、メルドの伝によりハジメとマコトの二人は『外』へと出ることになる………という話になったのだが。
「待ってください! では……それならば、私もお二人に同行します!」
「は?」
「畑山先生が……?」
「他の子達はこの国で保護されている以上、心配ではありますがまだ安全です。
ですがお二人はこれから危険な旅に出るのでしょう? でしたら私が二人に……!」
ここでそれでも心配だと愛子が同行を申し出る。
嫌だと言っても退く気配も無いし、イザとなったら見捨てるぞと脅しつけても尚曲げなかったので、仕方なく了承はしたのだが……それを聞いていた香織が黙っている訳もなく……。
「だ、だったら私も……!」
「香織!? ば、バカな事は言うな! そもそも何故そこまで――」
「だ、だって私、ずっと前からハジメ君が好きだったの!!」
「はぁっ!?」
「………こ、ここで言うことじゃないわよ香織」
香織がまたしても――さっきまでの話は全部無かったことにしました感満載で、どさくさ紛れにハジメが好きとまでぶちまけながら同行を申し出た。
これには龍太郎と光輝――特に光輝がショック混じりに止めるが、香織は全く聞いちゃいない。
「ね、ねぇ良いよね? もうハジメ君の嫌がる事はしないし、ハジメ君が何で私を嫌がってたのかもわかった。
ほ、ほら、皆から離れればハジメに何をしてもやっかみなんて受けないよね? これなら私を受け入れてくれるよね?」
「………キミのそういう所が僕は嫌いなんだ。
もう悪いとも思わない――――――キミは必要ないよ白崎香織さん」
「っ……! ど、どうして! どうしてよ!? ならそんな乱暴な兵藤さんのどこが良いの!?」
「キミに一生理解した貰わなくても良いし、されたくもないよ。
言っただろう? 僕とキミは住む世界が違う」
だがハジメはそんな香織を拒否し続けた。
好きだなんだ言われたところで迷惑でしかない。
異性としてすら元から欠片の興味も無かったのだから。
「ど、どうして……私からハジメ君を奪うのよ……!」
「奪ってねーよオレは。
しかしハジメがこうまで拒否するなんて見たことなかったけど、キミはその……アレだな、ずっと昔会った事のある女に似てるよ。
多分、だからハジメも嫌なんだろうぜ?」
今の香織を見ていると、過去を思い起こすと語るマコト。
そう……『彼』の頃であった時に、最後の最後まで己に執着していた白い猫のような。
もっとも、その執着の度合いは香織の方がノミのように軽いし、そんな素質も香織にはないのだが。
「頼むよ天之河君達、彼女の幼馴染みとしてくれぐれもね……?」
「あ……ああ」
「香織……」
「………」
こうしてハジメ達は旅立つ事になる。
結局拗れに拗れた人間関係が原因で。
もっとも、愛子だけはついてくるようだが……。
終わり
旅立つ前にオルクスの大迷宮の攻略を行う事になったハジメとマコトは、同行する事になった愛子とベヒモスを粉砕した場所から更に下へと進む。
目的は更なるアイテムの収集であり、その過程でとある者と出会し、なんか懐かれたのでそのまま釣れ歩く事に。
「これをユエと先生にあげるよ。
自衛くらいはできるし」
「銃……ですか?」
「はい、色々と改良をしてみて二人にも扱いやすくなったので、反動もほぼなく撃てますよ?」
錬成師のスキルにますます磨きをかけ……。
「よし! マコト、できたよ! 新しい武装だ!」
「ふーん? なんか前のセットより色々のあるんだな? ……つーかこれ、ガラケーか?」
「そうなんだ。銃型のデバイスだと隠密性に欠けるから今度は携帯型にしてみたんだ。
それでねマコト、この携帯電話型のデバイスに『913』と入力してエンターキーを押すと……」
『STANDING BY』
「待機状態になる」
「なんかボイスがくぐもってねーか?」
「違いを分かりやすくしようとね……。それでこれをこのバックルに装填すると――」
『complete』
「あの銃型と同じく、強化スーツが生成されるんだ」
「黄色いな?」
「うん、初期型より安定性を重視してみようとエネルギーを調整していたら黄色くなったんだ。
パワーこそ初期型と比べたら落ちるけど、拡張性は良いんだよ」
「へー?」
某界隈で凄まじい人気のあるお方の強化スーツみたいなものをまさかに作成してしまい。
『Exceed Charge』
「ディィィヤァァァァァッ!!!!」
某ゴルドスマッシュだカイザスラッシュまでやっている始末。
「そしてこれが安定性と拡張性の両方を求めた結果行き着いた新型だよ」
「エネルギーの色が赤……か」
「そうそう、マコトのパーソナルカラーと同じさ!」
『コイツの技術力に驚きだぞ』
そして完成させる三本の某――
「出来たよハジメ! 新素材のおかげでより強いエネルギーを循環させれる新型・帝王だ!」
と、もっとヤベー某を。
「こんな作ってどうするんだよ? 一人で使うのか?」
「うーん……。
愛子先生はデルタ、シアにはカイザ、ユエはオーガでティオはサイガを預けて、僕はこの555を使うよ。
マコトと同じ赤色だから………」
「なんだかなぁ……」
………絶対に嘘です
補足
まあ……二人にしてみたら彼等に協力するメリットがあまりにも無いですからね。
ここから無理矢理旅立つ事になり……なんか先生がついて来ちゃうことに。
そして自由に開発可能になったせいで……………。
その2
白崎さんはその……別世界なら幸せだよきっと、
その3
嘘だから死ぬほどふざけた。
どんだけ開発チートなんだよハジメっちは。
どこかのアストナージじゃんかこれじゃあ……