色々な没集   作:超人類DX

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密かにハジメっちの開発チートが爆発しはじめる。


チラ裏へ連行


其々の『ぐぬぬ』

 一誠としても、命としても実の肉親よりも共に在り続けた最良にて最愛なる相棒であるドライグ。

 

 辛い時期も、孤独である事を覚悟した時期でも、ドライグは常に一誠との相棒であり続けた。

 だからこそ、マコトとなる今でも、マコトにとって最も大切な存在はハジメよりも、肉親よりもドライグであった。

 

 そんなドライグがこの異世界という『環境』を経験することで、人型として実体化を可能にしたのは、マコトにとって手離しで歓迎する事であるのだ。

 

 ………ぽっと出の吸血鬼――ハジメにユエと名付けられた少女が妙にドライグに懐いているという点だけを除けば。

 

 

「フンッ!!」

 

「す、凄い。あんな大きな魔物をユエさんを背負ったまま圧倒しています……」

 

「『この姿でお前らの足を引っ張らないか確かめる必要がある』って言って一人であの蠍みたいな魔物と戦い始めたけど、どうやら足を引っ張るなんてあり得なかったみたいだ……」

 

「……………………」

 

「だ、だからさマコト? 機嫌直そうよ?」

 

「……。別に怒ってねーよオレは」

 

「ドライグさんがユエさんを背負い始めてから明らかに――」

 

「あ?」

 

「ひぅ!? な、なんでもありませ~ん!」

 

 

 恐らくマコトとしては生まれて初めて他人――それも人ならざる存在に嫉妬した。

 封印をドライグによって解かれ、自由となったユエがこれから先どうすれば良いのか判らないという事なので、暫く行動を共にする事になったのは別にどうでも良い。

 問題はドライグにユエが懐いている点である。

 

 それがマコトには激しく気にくわなかった。

 

 

「ドライグも私と同じで、魔力を直接操れる……?」

 

「ある程度はな。しかしこの程度の生物では肩慣らしにもならん」

 

「……ふふ♪」

 

 

「あ、あんの……雌ガキ吸血鬼ィ……!

だ、誰に断ってドライグの背中に――こ、殺す……!!」

 

「だ、ダメだよマコト!」

 

「お気持ちはわかりますが、どうか抑えて……!」

 

 

 自分のアイデンティティの半分――自分の半分そのものであるドライグが、あんなぽっと出の雌ガキに取られた。

 受け入れた相手をそれこそ己の命よりも大切にしようとするマコトにとって、ユエは横からドライグを掠め取ろうとする泥棒女であった。

 

 

 

 

 

 そんな訳で終始不機嫌であるマコトを横に、今現在の階層の隅付近でキャンプを張る事にしたハジメは、火を起こした焚き火を中心にして囲うように座りながら、ユエとドライグについて質問をしていた。

 

 

「ドライグについてはある程度日本に居た時から知っていたから後にするけど、ユエはつまり、少なくとも現在は300歳くらいなんだね?」

 

「それを聞くのはマナー違反だと思う……ハジメ?」

 

「あ、うんごめん……」

 

「…………あの、軽く流しそうになりましたけど、南雲くんはドライグさんと日本に居た頃から知っているっていうのは?」

 

「言葉通りの意味だぞ小娘教師。

俺はこの世界の存在では無く、マコトに宿る龍としてこの世界にお前達と共に召喚されたのだ」

 

「…………え、えぇ? さすがに信じられないのですけど……。

で、ではこれまでの力は日本に居た頃から……?」

 

「僕はマコトに喧嘩のやり方なんかを教えられてきましたが、小さい頃から鋼鉄や岩をパンチで粉砕してましたよ?」

 

「……………………よ、よく檜山君達は生きてられましたね」

 

「殺す価値もない奴は基本的に半殺しに留めろとマコトを抑えてきたからな」

 

「………………」

 

 

 狩ってきた魔物の肉を焼いて、行儀悪くヤケ食いしているマコトが最初から『普通ではなかった』という事実を半信半疑ながらも聞いていく愛子。

 というか、ドラゴンという存在がまさか元の世界にも存在していたのかと思うと不思議な気分にすらなる。

 

 もっとも、マコトとドライグはその元の世界からさらに別の世界から生まれ変わった存在なのだが。

 

 

「じゃあドライグは竜人族とは違う……?」

 

「根本的に違う」

 

「じゃあドライグさんは今おいつくですか?」

 

「さぁな、1000から先は数えちゃおらん。かつて神器として封じられて以降は、宿主が死ぬ度に別の人間の宿主へと渡っていたからな……。

そして今現在―――――そして最後の宿主がこのマコトという訳だ」

 

「ガツガツガツガツ! ムシャムシャムシャ!!!」

 

「最後……?」

 

「ああ、最後だ。神器として封じられた俺をマコトが解放してくれたからな。

だから俺にとってマコトが最後の宿主であるし、マコトが死ぬときは俺も同時に死ぬつもりだ」

 

「「「………」」」

 

 

 ヤケ食いしたままのマコトの隣に腰掛け、頭に触れながら、父親が娘でもみているような優しげな顔をするドライグに、ハジメはここに来て現れた凶悪なライバルに内心焦るし、ユエはただただそこまで想われるマコトがちょっと羨ましかったし、愛子は……なんか感激して泣いていた。

 

 

「な、なんて素晴らしい! これぞまさに種族を越えた愛情という奴ですね!? ドライグさん、私は今感激してます!!」

 

「あ、あぁ……?」

 

 

 ある意味そこら辺の人間よりも人間らしいドライグに愛子はインスピレーションが刺激されたかのようなテンションで、全員微妙に引いてしまう。

 

 

「それで、ドライグはどれくらいこうしていられるんだ?」

 

「お前の力がよほど弱っていなけば半永久的にこうしていられる。

が、この姿でどれほどやれるのか先ほどの雑魚で試したが、どうやらこの姿では十全には力を発揮できんようだ。

まあ、基本的には今までと変わらずにお前の中に居るつもりだが……」

 

 

 マコトの無尽蔵に近い進化の力を間借りしている以上、基本的に制限時間は無い。

 だがドライグはあくまでもマコトの力として居たいので、引き続きマコトの中から基本的に行動すると言うと、マコトとユエが『え?』という顔を同時にする。

 

 

「ドライグ……マコトの中に戻るの?」

 

「当たり前だろう。

俺はあくまでもマコトの力のひとつなのだ」

 

「でもせっかく自由になれたんだし……」

 

「お前が宿主になってくれた時から俺は最早自由だったし、不便を感じたこともない」

 

「じゃあ暫くはその姿で一緒にフラフラしようぜ? オレがそうして欲しいから……」

 

「は? あ、ああ……そう言うのなら別に構わ――ぬぷ!?」

 

「よーっしゃ! じゃあ今日は一緒に寝よーぜ!」

 

「はぁ!? ま、待ってよマコト!? ぼ、僕は!?」

 

 

 結局マコトの意思を優先するドライグは、暫く実体化することになったのだが、決まったと同時にドライグに飛び付いたマコトの一言のせいで軽い騒ぎになるのはご愛敬だ。

 

 

「狭いぞ……」

 

「おうゴラ雌ガキ……! テメーは畑山先生挟んで一番外側じゃアホ……!」

 

「雌ガキじゃない。少なくともアナタより年上……!」

 

(よかった、ちゃっかりマコトの隣を確保できた……)

 

(何だかんだ南雲くんと兵藤さんもちゃんと子供なんですね……)

 

 

 もっとも、その騒ぎの結果は全員で大きめの毛布にくるまって眠るという形で落ち着いたのだが……。

 

 そして次の日。

 

 分離した状態でもドライグの力自体は残留しているし、何より培ってきた『進化』があるマコトは、何時も通り襲い掛かってくる魔物を千切っては投げ、千切っては殴り潰し、千切っては蹴り壊すし、ハジメも手に入れた鉱石を素材に銃を強化していったことで更なる強さへと昇華している。

 

 

「この強度なら可能だね……見ててマコト!」

 

 

 青いレーザー光線を放つ銃で魔物を狙撃していき、残り一体となった巨大な蟹のような魔物を前にハジメは銃に声を放つ。

 

 

「『Check』」

 

『Exceed Charge』

 

「?」

 

「小僧の力が銃に集約されている……」

 

 

 ハジメの声に呼応するように、その力が銃に集まり、文字通りチャージされているようにマコトとドライグとユエには見えた。

 そして撃ち込んだ弾丸が蒼い円錐のようなポインターとなって魔物を縛り付ける。

 

 

「むっ!?」

 

「動きを止めたのか……?」

 

「ハジメも魔力を直接操れるの……?」

 

「す、凄い……」

 

 

 円錐の先端に刺されたかのように動けない魔物を見据えたハジメは、マコト達が見ている前で腰を深く落とし走り出す。

 

 

「ハッ!!」

 

 

 そして魔物の目線よりも更に高く飛び上がり、前方に一回転。

 

 

「ディィヤァァァァッ!!!!」

 

 

 そしてその勢いそのままマーカーに向かって飛び蹴りをする。

 その瞬間、吸い込まれるようにハジメの姿が一瞬だけ消えると、マーカーがドリルのように回転し、魔物の体を貫く。

 

 

「フッ……」

 

 

 魔物を貫き、魔物の背後に着地したハジメ。

 すると貫かれた魔物は赤い炎を全身の節々から燃え、やがて『Δ』のマークが浮かび上がると共に灰となって消滅した。

 

 

「小僧があの生物に攻撃を叩き込んだ瞬間と、貫いた瞬間のみ、小僧を見失った……」

 

「ドライグもか? 俺もだよ……」

 

 

 銃によるものなのか、それともハジメ自身の異常性がそうさせたのかはわからないが、一瞬だけ動きを見失ったのだけは間違いなかった。

 

 

「い、たたた……やっぱり今の僕の肉体強度じゃあ一発が限界かな……」

 

「ハジメ、今のは……?」

 

「あ、うん……。

僕はマコトみたいにドラゴン波みたいな強い力を一気に撃てるほどのパワーは無いからね。

だから常に僕の力をこの銃に溜め込めるようにしておいて、必要に応じて解放するようにしたんだ。

それで今のはその力をフルチャージして撃ったって訳……。

昨日ユエが吸血鬼である自分の事を話してくれた時に考え付いたんだ?」

 

「私の話……?」

 

「うん、ユエは一瞬で塵にさえならなかったら何度でも再生できる不死性を持っているんでしょう?

だからそういった敵に出会した時の為の対抗策が今の―――うーん、ルシファーズ・ハンマーってのはどうかな?」

 

「ルシファーズ・ハンマー……悪魔の鉄槌か」

 

「皮肉なネーミングだな」

 

「大丈夫ですか南雲君? どこか怪我を……?」

 

「大丈夫です。まだこのフルチャージに対して身体の強さが追い付いてないだけの単なる反動ですから」

 

 

 地味に自作の銃を魔改造しまくるハジメの技術力と妙な発想力に驚かされるマコトとドライグ。

 ユエは地味に、笑顔で『一瞬で塵にする攻撃を考えた』と語るハジメにビビってドライグの背中に隠れてしまうのだった。

 

 こうしてマコトのみならず、どんどんとその人格を基本的に変えること無く進化していくハジメ。

 それもこれもドライグが実体化した事によるものが大きかった。

 

 

(わかってるさ、マコトがドライグを好いているその意味は『子が親を慕うそれに近い』って事は。

でも、マコトって基本的に女の子であることを完全に捨ててるような行動だからなぁ。

だからあんな躊躇いもなく男性の姿のドライグに抱き着ける………かなり悔しいくらいにさ)

 

 

 要はドライグへの小さな対抗心だった。

 昔から小僧と呼ばれ続けたハジメにとって、ドライグは――凄く大雑把にいうなら、娘の結婚に反対する頑固な親父みたいな認識だ。

 しかも困った事にそのマコトはドライグを、それこそ実の親以上に信用しているし、男性の姿のドライグに対して密着すら簡単に許す。

 

 その次点で異性としては自分がそれに当たるが、今回明確に自分より上が現れたのが、ハジメの負けん気を上手く刺激したのだ。

 

 

「ドライグ、抱っこ……」

 

「っざけんなボケコラ! テメーは徒歩だバカ! ドライグに抱っこして貰うのはこのオレだ!!」

 

「喧嘩になるから二人とも自分で歩けよ……」

 

「うふふ、まるで本当にお父さんみたいですよドライグさん?」

 

「そんな器でもないんだがなぁ……」

 

(マコトの『隣』を歩ける今唯一の存在。

いつか僕もそこに行くからね……!)

 

 

 ハジメにとってドライグとはライバルであり、越えるべき壁なのだ。

 

 終わり

 

 

オマケ…ユエっちの壁。

 

 

 史実とは違う解放により、史実とは違う賑やかな『日常』を手に入れられたユエにとってすればマコトは大きな壁である。

 

 

「ドライグ、ぱーす」

 

「ぬんっ!!!!」

 

 

 まずひとつめ、元々マコトがドライグの宿主であるせいか、死ぬほど息がピッタリだった。

 言葉を交わす事無く、息をするようにお互いがお互いをフォローし、戦いにおいては多大な戦果を上げる。

 

 

「へへ、流石だなドライグ?」

 

「やはりこれまで通りお前の中から神器として戦った方が良いんじゃないか?」

 

「大丈夫だよ。

ドライグの力はオレの中にもしっかり残っているし、ドライグだってオレの力があるんだろ?」

 

「まぁな……お前の無神臓の一部は俺の中にもある」

 

「なら、必要な時は今までみたいに一つになりゃあ良いさ。オレはそれ以上にドライグとこうして一緒に敵をぶちのめせるのが嬉しいんだ」

 

 

 

「むむ……」

 

「本当に嬉しそうですね兵藤さんは?」

 

「ええ……悔しい程に」

 

 

 出会ったばかりの自分とは違ってマコトはそれこそ生まれた時からドライグと共に居たらしい。

 共に居た時間に関してはどう足掻いても勝てないのはユエもわかる。

 

 だからこそ今からそれに少しでも追い付けるようにしなければならない。

 色々としゃべり方こそ偉そうで、大雑把だけどそこら辺の人間よりも人間らしい龍との出会いはユエにとっても劇的なのだから。

 

 

「こうなったら今構想中の、強化スーツの開発を急がないとね……」

 

「強化スーツ?」

 

「さっき見せたルシファーズ・ハンマーの反動に耐える為の強化スーツです。

勿論耐える為では無くて、直接的な戦闘による攻撃力や防御力といった身体機能の強化も視野にいれてますよ」

 

「そ、そんなスーツが作れるのでしょうか?」

 

「作れる作れないではないです――絶対に作ります」

 

「………」

 

 

 そういう意味ではこのハジメとはある意味かなり馬が合いそうだ。

 それこそドライグと出会わなければ心底慕っていただろう程に。

 

 

「ハジメ、頑張ろう……!」

 

「最初はよくわからなかったけど、今の君は好きになれそうだよユエ」

 

 

 だからこそユエはハジメと互いにシンパシーを抱いてガッチリと『同盟』の握手をする。

 それを見た愛子が感激しているのはご愛敬だ。

 

 

「? 森だと?」

 

「洞窟から今度は森かよ。

ホント無駄に広いなここは」

 

 

 そして戦いは次のステージへ……。

 

 

 

終わり。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 色々と煮詰めた結果ハジメは強化スーツの作成に成功した。

 その第一号のコードネームはデルタだった。

 

 そしてその勢いそのままに今度は拡張性を求めた試作強化ツール2号を作り上げた。

 

 

「デルタと同じく、フォトンブラットがスーツ内を循環しているよ。

拡張性と出力を両立しようとしたらデルタよりはパワーは劣るけど、扱いやすくは多少なった」

 

「カイザ……?」

 

「そう、χをモチーフにしたんだ。武装はデルタと違い多種多様さ!」

 

 

 そんなカイザなる武装キッドはユエが使う事になったらしい。

 曰く、魔力をほぼ消費せずに戦えるのは便利とのこと。

 

 

「お前、死にたいんだってな……?」

 

「私とマコトはハジメやアイコとは違う……」

 

 

 

「「望み通りにしてやるぅ!!!!」」

 

 

 その際、ドライグに悪戯した誰かにマジギレしたマコトに同調したユエに、誰かが乗り移ったような言動がチラホラあるかもしれない。

 

 

 そして……。

 

 

 

「な、南雲!? そ、それに兵藤まで……!?」

 

「どうやら立て込んでいるみたい……」

 

「助太刀します……!」

 

「マコトとドライグは見てて。

ここは僕たちだけでやるよ」

 

 

 

 

「変身…!」

 

Standing by――complete

 

 

 完成へと至った各ツールは愛子にデルタを。

 

 

 9・1・3――Standing by

 

「変身……」

 

『complete』

 

 

 ユエにはカイザを。

 そしてハジメは――

 

 

 5・5・5――Standing by

 

「変身……!」

 

『complete』

 

 

 ドライグとマコトのパーソナルカラーと同じ、赤き閃光の鉄騎士へ。

 

 

「な、なんだあの姿は……?」

 

「何でも良いわ! な、なんでハジメ君みたいに先生や見知らぬ女の子が……!?」

 

 

 嘘です。




補足

既に『Exceed charge』的な奴まで再現したもよう。

しかし生身なためにめちゃ反動があるし、まだ『フォトンブラット』ではない。

その内専用処刑BGMでも流れそうだ……




その2
懐かしい気配のユエっちにめっさ警戒しまくりなマコト。
しかし何故かその内そういう意味では仲良くなりそうな気がしないでもない。


その3
愛ちゃん先生はドライグという『大人』の出現でホッとしているらしい。
てのも、ユエと喧嘩するマコトの姿がまんまガキじみてるので安心するとか。


その4
どこかのオリーブオイルの伝道師のように、強化スーツがあくまでも武装であると知ってから盗むどこかのいじめっ子が現れないことを祈りたい。

……まあ、安全装置があるから無理なんだけど。

別の意味でユエっちか愛ちゃん先生からツールを盗んでハジメっちとお揃いだとヤバイ目して言い出さない美少女さんも現れないことを祈ろう。
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