色々な没集   作:超人類DX

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よーく考えたら、原点の二人のクロスネタって無かったなーと思ってついでに……。

これもあとでチラ裏行きです


混沌から引きずり堕とす過負荷

 少年の人生はまさに終わっていた。

 どうしようもない理不尽さによって、今まさに終わりを迎えかけていた。

 

 

(なんで僕だけが……! どうして僕だけが……!!嫌だ……! 僕は帰るんだ……僕は元の世界に帰るんだ!!!)

 

 

 現実世界でも異世界でも理不尽な事ばかりを背負わされてきた少年こと南雲ハジメは、クラスメートと共に異世界へと召喚され、ある訓練における不幸の結果、自分一人だけが奈落の底へとおとされた。

 

 そして襲いかかる魔物に左腕を食いちぎられ、今まさにトドメを刺されようとしているというまさに詰みな状況。

 だが少年はここで死にたくはないという思いだけで身体を動かした。

 自分だけがこんな理不尽なめに逢う事を呪うことで、その気力だけで立ち上がらんとするのだ。

 

 しかし気力だけではどうにもならない……気力だけでは目の前の理不尽をはねのける事はできない。

 

 

(み、右足も喰われた……。あは、あははは……やっぱりここで死ぬのかな僕は? 思えば酷い人生だったなぁ。

クラスでは意味なくイジメられるし――って、大半は白崎さんに話しかけられたからって理不尽な理由だったっけ? あーあ、本当にどうしようもないよね……)

 

 

 狂暴な子兎のような生物に左腕のみならず右足まで食いちぎられ、最早風前の灯となったハジメはこれまでの人生を走馬灯のように思い返し、変な声で笑ってしまう。

 

 まさに無意味で、無関心で、無価値な人生であったことに。

 

 

(もういいかな……どうせ僕なんて死んだと思われているだけだろうし。

誰も悲しまないよ……)

 

 

 最早先程まで抱いていた生への執着すら手放してしまったハジメは、今まさにトドメを刺さんとする魔物に抵抗することを放棄し、覚めることの無い眠りにつこうと目を閉じた。

 

 無意味で無価値で無気力。

 すべてを無にした南雲ハジメの人生はこれにて終了――

 

 

「ギャッ!?」

 

(………?)

 

 

 

 ―――では、無かった。

 

 

「あれ? 珍しい事に人が居るじゃん? めっさ死にかけてるみたいだけど……」

 

「私達と同じくどこからか迷い込んだのかしら? 一応まだ生きているみたいだけど……」

 

「腕と脚が食われてるみたいですね。

しょうがない、どこから来たのか、ここが何処なのか聞くために手当てをしてあげましょう」

 

(なん……だ……? 人の声が聞こえて……)

 

 

 居る筈もない洞穴にて聞こえる男女の声。

 暗くてよく見えないが、どうやら幻覚ではないことは確か。

 だがハジメの気力と体力はそこで限界を迎えてしまい……。

 

 

    ――It's reality escape――

 

 

 

 ハジメはそんな言葉を耳に意識を手放すのであった。

 

 

 

 そして南雲ハジメがその意識を覚醒した時……。

 

 

「あら、目が覚めたのね?」

 

「こ、ここ……は?」

 

「さぁ? 俺とセンパイにもよくわからなくてさ。

家でセンパイと遊んでいて、気付いたらこんな所に立ってたんだよね? だから寧ろキミにここがどこなのか聞きたいんだけど」

 

 

 心の底から腐りきった目をしたアメジスト色の目をした眼鏡を掛けた学生服の少女と、同じく腐りきった目をした茶髪の学生服を着た少年がそこには居た。

 

 

「っ……僕は――――!? う、腕と脚が……!?」

 

「ああ、変な生物に八つ裂きにされて食われてたみたいだから、センパイに追い払って貰ったんだよ。

だからお礼はセンパイに言いなよ?」

 

「え、あ、は、はい……ありがとうございます?」

 

「ふふ、どういたしまして? 人からお礼なんて言われるのは久しぶりだわ」

 

「…………って、違う! 僕は確かに腕と脚を喰われて無くした筈なんだ! そ、それがどうして『何事もなかったかの様に』手足が存在しているんだ! そ、それに傷も……!」

 

「そりゃあアレだよ、俺がキミの負ったダメージの全てを否定してあげたんだよ」

 

「ひ、否定……?」

 

「詳しく説明するのは面倒だから、それで助かったって事で飲み込んでくれないかしら?」

 

「…………」

 

 

 不気味に思える程に汚れひとつない見慣れない学生の制服に身を包む、恐らく年は自分とそう変わらない男子と女子に、意識を覚醒させていくにつれて不気味な雰囲気を感じとるハジメ。

 よくよく見れば、周りには見たことが無い程に巨大な『釘』と『杭』が自分達を取り囲む様に地面に刺さっているではないか。

 

 

「で、俺達の質問なんだけど、一体ここはどこなんだ? 出口探しても全然見つからないし、見たこと無い生物ばっかりだし」

 

「そ、その前にキミ達の着ている服は学生の制服……だよね?」

 

「そうだけどそれが?」

 

「………」

 

 

 頭の中が意識の再覚醒と共にハッキリしていくにつれて、二人の不気味さを察知するハジメは、二人の言動的にこの世界の住人ではなく、自分達と同じく別の世界から召喚された者なのだろうと考える。

 ただ、いきさつを聞いている限りでは自分達のようにこの世界の者に召喚されたのではなく、単なる偶然によって迷い込んだといった方が正解だろう。

 

 

「というか、ここってちょっと寒いわね……」

 

「じゃあくっつきましょうよセンパイ?」

 

「ふふ、そうね……?」

 

「…………」

 

 

 だからハジメは、不気味だし――こんな所でイチャつき出して軽くイラッとはしたものの、どう考えても自分を助けてくれた者達だと断定できたので、自分の知りうる情報を話せるだけ話した。

 

 異世界の事、自分がここに異世界から呼ばれた事、同じく呼ばれたクラスメート達の事。訓練の事。結果ここに落下して完全にクラスメート達と離れ離れになったことを。

 

 

「―――という訳なんだ」

 

「ふーん? 異世界なんだここ?」

 

「勇者として……ねぇ?」

 

「…………」

 

 

 一通り話し終えたハジメは、火を起こしてそこら辺で少女の方が狩ってきたらしい魔物の肉と何かそこら辺で沸いてたらしい回復液の原料を水がわりに接種しながら、身を寄せ合ってイチャイチャしている二人組の反応の鈍さに違和感を覚える。

 

 

「あの、驚かないの? 異世界なんだよ? 帰れないのかもしれないんだよ? 見ての通り、死ぬかもしれないんだぞ?」

 

「充分驚いているし、死ぬかもしれないなんて何時もの事だし……」

 

「帰れなかったら帰れないでここで生活すれば良いし……」

 

「……………」

 

 

 やはりこの二人はどこか変だと、二人のコメントを聞いたハジメは最初から抱く二人からの並の人間とは何かが違う事を確信する。

 

 そもそも異世界であることも知らずに、無傷でこの――少なくともベヒモスが居た階層より更に下の階層で無傷で居る事もそうだ。

 

 

「あ、でもイリナちゃんとかゼノヴィアさんとかロスヴァイセさんとかアザゼル先生が心配してるかも……」

 

「特にイリナとロスヴァイセはアナタが居なくなったと大騒ぎでしょうねぇ? ……ふふ、ここに居るのに」

 

「逆にお兄さんは大喜びしそうだけどねー」

 

「彼どころか大半の人達は私達が消えた事を喜ぶのではないかしら?」

 

「違いないや!」

 

 

 それに失った筈の腕と脚が再生されている理由についてはまだ教えてくれない。

 曰く、否定したとの事だが、意味がわからない。

 

 

「それでキミはどうするんだい?」

 

「キミ達こそどうするの?」

 

「私達は、どうせ無駄に目標もって行動したところで碌な事にならないってわかっているから、適当にダラダラしているつもりよ」

 

「そ、そうなんだ……? 僕は……出来ることなら元の世界に帰りたい。

けれど、今の僕は既に死んだと思われているだろうし、ここから地上に戻るのも今の僕では無理だと思ってる」

 

 

 だがハジメは少しずつ知っていくのだ。

 この二人が生物としてどうしようもない欠陥(マイナス)であることを……。

 

 

「へぇ? クラスで苛められてたんだ? うーん、なんだろう、キミは他人のようには思えなくなってきたぜ」

 

「え、キミも……?」

 

「まぁ、最初はそう思ってたけど、途中からそういう星の下に生まれたと思うようにしたら、今度は居ない者扱いされてなにもされなくなったんだよね」

 

「その時から彼とは一緒だったし、あまりにお互いに気が合ったからこんな関係になれたわ」

 

「うんうん、前はうっとうしいなんて思ってたけど、気付いたらセンパイが大好きになっちゃってさぁ?」

 

「そ、そうなんだ……羨ましいよ。僕にはそんな相手も友達も居なかったから……」

 

 

 徐々に……少しずつ、出会う筈もなければ出会ってはいけない欠陥者と過ごしてしまう内にハジメは学習してしまう。

 

 

「つまり、受け止めるのさ。不条理や理不尽を。

そして嘘泣きを、言い訳を、いかがわしさを、インチキを、堕落を、混雑を、偽善を、偽悪を、不幸せを、不都合を、冤罪を、流れ弾を、見苦しさを、みっともなさを、風評を、密告を、嫉妬を、格差を、裏切りを、虐待を、巻き添えを、二次被害を――愛しい恋人のように受け入れること。

そうすればきっとキミの人生も変わる筈だぜ?」

 

 

 抗うのではなく、受け入れた上で全てに対してヘラヘラと笑ってやる事を。

 

 

 

 そして南雲ハジメは――

 

 

「なっ!? ま、魔人族が……!」

 

「ひ、酷い……こ、これって」

 

 

 

 

 

 

「あーらら、酷いなぁこれは」

 

「軽い殺戮現場ねこれでは」

 

「まいったな、これじゃあ今日の晩御飯のステーキがとても食べやすくなりそうだよ」

 

 

 

 

 

「っ!? だ、誰だ!?」

 

「おっとと? 勘違いするなよ?」

 

「私達が来た時は既にこんな状況だったのよ?」

 

「そう、だからつまり僕は――」

 

「俺は――」

 

「私は――」

 

 

 

 

 

 

「「「『悪くない。』」」」

 

 

 

 

「!? な、南雲……か?」

 

「南雲……くん……?」

 

「う、嘘だろ……生きていやがったのか……?」

 

「それにその二人は……?」

 

 

 

「嫌だなぁ、皆して幽霊でも見るような顔しちゃって? はは、そうだよ――久し振りだね皆? ……僕だよ」

 

 

 悪魔と人間のマイナスによって引きずりおとされてしまうのだった。

 

 

「やぁやぁ檜山くん。

あの時キミが不意打ちしてくれたお陰で僕は生死をそこそこさ迷った訳だけど? 僕が死んだと思ったかな?」

 

「なっ!? な、何を言ってやが―――」

 

「………………」

 

「る……て、め……ぇ……」

 

「ふふ、相変わらず僕が嫌いみたいだね? そんなに僕が白崎ちゃんとお話していたのが気にくわなかったのかな? 自分のやって来た事を棚に上げて人に八つ当たりできるなんて、キミは本当に人間が出来ているよね? 本当に心から尊敬しちゃうよっ!」

 

「な、な……!?」

 

「お、おい南――」

 

「んー?」

 

「ぐ、も……?」

 

「やぁ、キミも元気そうで何よりだよ天之河くん? キミの正義とやらに振り回されたクラスメートが何人かお亡くなりになっていたりするみたいだけど、相変わらず自分に都合の良い正義を貫けてるみたいでなによりさ!」

 

「お、お前……!」

 

「いやいや、実は心配していたんだよね? キミのよくわからない正義感にうんざりされちゃってやしないかとかさ? でも相変わらずみたいだから僕は安心したよあははは!」

 

 

 

 

「うーん、どうしてあんな子になってしまったのかしら?」

 

「不思議ですよねー」

 

 

 どんな理不尽もヘラヘラ笑って受け入れてしまうマイナスへと。

 

 

「な、南雲くん……」

 

「あ、白崎ちゃんじゃないか! キミも元気そうだね! うーん、こうして見るとやっぱりキミは美人だねぇ?」

 

「へ? あ……ぇ……?」

 

 

 

「ああ、彼女が南雲君の言っていた白崎さんね」

 

「なるほどねー……センパイタイプだね彼女は」

 

 

 そしてマイナス達は更に引きずり込んでいくのだ。

 

 

「なるほど、精神が強い彼に惹かれたと……」

 

「は、はい……でもその、今の南雲君――いえ、ハジメ君を見ていると、あの時以上にドキドキしてしまいますっ!」

 

「ああ、ごめんセンパイ。この子多分俺に近いタイプでもあるかも」

 

「そうかしら? 私も常にアナタにこんな感情よ?」

 

 

 他人を引きずり込む事に関しては終わっている程に天才的な二人のマイナスにより、奥底に秘め続けていた彼女もまた……。

 

 

「か、香織になにをしたァァァっ!!」

 

「何って、別に何もしてないけど?」

 

「うん、私は正直に生きようと思っただけ。

皆は私を知っていたつもりでしかなかった――ただそれだけなの」

 

「な、南雲ォォォッ!!」

 

「あーぁ、天之河君が切れちゃったな。

やっぱりショックだったのかな?」

 

「さぁ? でも私って悪くないよね?」

 

「うん、そうだ……キミは悪くない。」

 

 

 混沌より這い寄る過負荷へと退化していくのだ。

 

 

「まず聞くわ、南雲君とイチャイチャしたい?」

 

「し、したいですっ!」

 

「ふふ、正直な子ね? そうね、まずは定番の裸Yシャツなんかで攻めてみるべきね。

イッセーはそれで一撃だったわ」

 

「は、裸にYシャツ……や、やります!」

 

 

 

 

 

 

 

「センパイったら、全部聞こえてるんだけどな……」

 

「ど、どうしようイッセー君、白崎ちゃんが裸Yシャツになったら僕死ぬよ……」

 

「俺は生きてて良かったって泣いたっけ? いやさ、センパイって意外と自分の胸が小さい事を気にするんだけど、そこが可愛いくてさー? つまり、お礼を言ってあげればいいんだよ」

 

「何回も見せられてきたから嫌でも知ってるよ……」

 

 

 そして自然と過負荷(マイナス)チームは出来上がるのだ。

 

 

嘘ネタ――終了




補足

クマーの真の後継者になれそうな素養は爆発的にありまくりなハジメっち。

ただし、マイナス化により弱くて台無しにする芸当に目覚めるけど。


その2
数多のネタ世界じゃ基本的に雑扱いな白崎ちゃんが遂に! やったね白崎ちゃん!


その3
ソーたんのせいで次々と学習させられる白崎ちゃん。

見た目とは裏腹にソーたんは肉食なのである。


続かんよ


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