んで、続きを一度のみ。
……今回はそう――役満一発ツモォ!! な展開に。
俺にとっては最後の宿主となる一誠は、生まれも育ちも普通の人間とはまるで違っていた。
極普通の人間の親の下に生まれたのが間違いであったとしか思えぬ異常性。
その異常なものを持ってしまったが故に肉親に拒絶されてしまった事は一誠にとっても苦い思い出でしかないだろう。
しかしそれ以上に、一誠の生き方そのものを決定付けさせた忌々しき思い出が、一誠の殺意と憎悪を無尽蔵に増幅させることになった。
きっとその異常性が無ければ、もっと普通に生きられたのかもしれない。
俺にとっての最後の宿主にもならなかったのかもしれない。
人ならざる者達とも対話できたのかもしれない。
けれど全てのタイミングが、間が、状況が………一誠の人生を決めてしまった。
人ならざる者達への果てしなき憎悪と殺意を晴らすだけの人生へと。
一誠の力だけを利用しようと、一度は支配下においた悪魔共は例外無く滅ぼした。
その殺意と憎悪を恐れ、排除しようとした他の種族も返り討ちにしてやった。
だがこの時の一誠の殺意と憎悪の対象は、意思も聞かずに自分を家畜のように扱った悪魔共や向かってきた者達だけであって、人ならざる者といっても無関係の者達へは手出しはしなかった。
では何故俺達の世界の人ならざる者達は滅んだのか。
それは一誠に対して無尽蔵ともいえる執着心を爆発させたあの悪魔の眷属が、一誠が望んでいるからと勝手な解釈をして無関係の者達を食い殺したからだ。
一誠は確かに人ならざる者達――神をも含めたその全てを嫌悪している。
だが、一誠に対して何もしない者達を殺すほど憎悪に染まりきってはいなかった。
最後の最後まで一誠にトラウマを残したあの白い猫さえ居なければ……。
だから、生まれ変わった時にであったあの人間の小娘。
程度は違えどかつての一誠と似た境遇であったあの小娘はまだ可愛いものである。
一般人にしてみれば、あの小娘の抱える『憎悪』も充分に強烈だが、俺も一誠も……あの忌々しい猫妖怪を知ってしまっている。
だからまあ……変わり者だが普通の小娘だと思えるんだよな。
そしてそんな小娘とそれなりの時間を共にした現在。
まさか再び『俺達のよく知ってる』連中が蔓延る世界に飛ばされるとはな。
無論、俺達を召喚とやらをしたらしい胡散臭い老いぼれは取り敢えず黙らせた。
この世界の為に戦うなんて事もしない。
俺と一誠を縛り付けられる者等まとめて捻り潰す。
だから俺達は奴等の敷いた――いや、強いたレールなんぞに乗る気は無く、自由にやらせて貰うことにした。
まさか小娘までついてくるとは思わなかったが、まあ小娘一人守りながらこの世界の状況を知ることぐらいは可能だ。
くだらん老いぼれの言っていた通り、確かにこの世界は俺達の知る連中に近い者共が蔓延っている。
特に悪魔に近い魔人族とやらに至っては一誠が『爆笑する程度』にはいい感じの連中だった。
だがしかし……俺達は少しずつ知ってしまった。
……この世界が俺達の生きた世界とは少しずつ違う事を。
俺達を家畜扱いした者達がむしろ人間側で……普通に生きている人ならざる者達が虐げられている現実を。
『一誠……』
「知らねぇ。俺には関係ない……」
「……でも」
「だったら何だ……! その気になりゃあアレはあの程度の人間を殺せる。
だから――」
切っ掛けは、何時も通り襲ってきた畜生共を破壊し、小娘と共に宛もなく世界を彷徨って居た時だった。
嬉々として襲い掛かってくる畜生共を惨殺する一誠と
そんな一誠の姿を見ても変わること無く付いてこようとするエリという小娘は、何かが原因で弱っていた人ならざる存在が今まさに人間達に殺されそうになっている現場に遭遇してしまった。
既にこの世界の人間と人外との関係性を知りつつも、一誠が意図的に目を逸らす状態のままが続いており、一部の人間が崇める神もまた胡散臭さを感じるようにはなっていた。
だがそれでも一誠は、目の前で人間によって虐げられている人ならざる者達を見ても助ける真似は絶対にしなかった――――いや、それは見なかった事にしたという方が正しいのか。
助けてしまえば、自分の行ってきたこれまでの全てを否定してしまうからと。
だから一誠は俺や小娘の言葉にも耳を貸さず、刃で切り刻まれそうになっている人ならざる者から離れようとした。
「…………………昔、私の事を助けてくれたように、一度くらいは助けてみたら?」
「あ?」
だがそれを止めたのは、一誠に対する執着を持つ筈の小娘だった。
小娘にとって、どんな形であれ一誠は己を救ってくれた存在。
故にこの世界の在り方に苛立っている一誠を見ていられなくなったのかもしれない。
それは少しずつながら小娘が『変わり始めている』のかもしれない。
「例えば、通り道を邪魔してるからぶっ飛ばしただけ……みたいにさ?」
「…………」
小娘の言葉に一誠は目を逸らした。
しかし小娘の言葉が多少は響いたのだろう。
苛立ちを誤魔化すように舌打ちをひとつすると、ポケットに両手を入れ、小者のような出で立ちで刃を振り回している人間共に近づき……。
「邪魔だボケ」
人ならざる者――ではなく人間共を半殺しにするのだった。
そう、これが憎悪に染まり続けた一誠を『引き戻す』最初の一歩のように。
「ああ、やっぱりああいう感じの方が一誠らしいよ……ふふふっ!」
まさかこんな小娘がキーとなるとは思わなかったがな……。
この世界の人間に出会す度に、自分を家畜扱いした連中達に似ているせいで、軽く精神不安定気味に苛ついていた一誠は、ドライグと恵里に説得されたから仕方なくと、10は自分に対して言い訳しながら、人ならざる存在を惨殺しようとしていたどこぞの軍隊らしき人間達を――
「な、何だお前は?」
「俺は今日大変でムカつく一日でな、すこぶる機嫌が悪いんだ」
「何を言って――」
「……………………………………………。運が悪かったんだよ、テメー等は」
人ならざる者達を八つ裂きにするかの様にズタズタにした。
「カ……カヘ……」
「マジでどうしてくれんだよ? ええ? オメー等のせいだぞ?」
「な、なんのご――がばっ!?!?」
「クソが……」
「…………」
さて、こんな調子でチンピラの喧嘩よろしくにどこかの正規軍のような出で立ちの人間数十人を八つ裂きにしてしまった一誠は、それこそ八つ当たりのように顔面が変形してしまったリーダー格と思われる男性の顔面をサッカーボールのように蹴り飛ばしてトドメを刺すと、傷だらけで倒れている人の姿をした人ならざる者と目が合う。
「…………チッ」
目を丸くしているその人の姿をした人外は傷こそあれどどう見てもピンピンしており、よく見てみれば受けた傷が徐々に塞がっている。
「くだらねぇ……」
結局その気になればこの人の女の姿をした畜生はこいつ等を殺せるんじゃないか……と、何故か全く反撃もしなかった目の前の人外への苛立ちを誤魔化すように背を向ける。
あの様子じゃあこのまま放置していても何の問題も無いし、殺意も沸かなかったので、そのまま立ち去ろうとした一誠だったが。
「ちょっと待て」
その声が……その女性の―――――あまりにも似ているその声が、一誠の足を止めた。
いや、止めてしまった。
「…………く、ククククッ!」
『っ!? 小娘! それとそこの女! 今すぐ一誠から離れろォ!!!』
「え?」
「へ? な、なんじゃ? どこからか声が―――っ!?」
その声が……殺した後でも殺し足りなかったと後悔するほどに憎悪したリアス・グレモリーの声に酷似していたから。
彼女は困っていた。
はて、目の前の人間達はどうやら自分を殺すつもりらしいぞと。
彼女はそこそこ穏和だった。
何故なら竜族で、別にそこそこ傷つけられてもそんなに痛みはないから。
彼女は最近感じる『強大な同族に近い波動』に誘われる形で各地をお散歩中だった。竜だから。
そうしたら人間に囲まれてそこそこ厄介な事になってしまった訳で、さてどうしたものかと考えつつ適当に攻撃を受けていたら、すごいチンピラ臭丸出しな若い青年が現れ、人間達に向かって『機嫌がすこぶる悪いから』という、あんまり過ぎる理由で全員をボコボコにしてしまった。
あまりにも唐突というかビックリしてしまって暫く放心していた彼女は、何かもう後悔丸出しな顔で舌打ちまでしながら、背を向け、仲間と思われる少女のもとへと戻ろうとするので、ちょっと慌てて声をかけただけだった。
それなのに――
「ビンゴォ!! テメーは確実にぶっ殺す!!」
「な、何故じゃ!?」
「ははははは! その声を聞くだけで元気よくぶっ殺せるぜぇぇっ!!!!」
急に青年は、苛立ちから殺意溢れる笑顔へと変わると、言葉通り本気で殺しに来た。
それも、彼女が暫く感じていた強すぎる同族に近い波動を爆発させながら。
『くっ!? 貴様はどうやら俺に近い種族のようだが、さっさと逃げろ!』
「むっ!? 先程からこやつとは違うその声は、こやつの左腕のそれからかっ!? 同族に近いということはやはりここ暫く妾が感じていた力の主なのじゃな!?」
『!? ほ、本当にあの悪魔の声に似て……っ! く、クソ! まさかこんな所で一誠の殺意を刺激する者と出会すとは……!
とにかく早くしろ! 俺が一誠を抑えている間に――』
「ガァァァァァァッ!!!!!」
青年の左腕に纏われる赤き装甲から聞こえる声がかき消される程の獣を思わせる咆哮と、世界――いやこの星全てを震撼させるほどの純粋な力の奔流。
「な、なんという事じゃ、妾が感じていた力がこれ程までに強大だったとは……!」
「ちょ、ちょっとドライグくん!? 一誠君何時もと違い過ぎるよ!?」
『ち、ちくしょう! 俺一人では押さえ込めきれん……!』
その力の奔流に吹き飛ばされ、木に背中を縫い付けられてしまっている恵里も、見たこともない一誠の――ある意味ではつらつとした殺意にただただ困惑する。
「ッラァ!!!」
「べぎゃ!?」
「ヌゥオアァ!!!」
「ひぎぃ!?」
「グォォォォッ!!」
そんな竜と恵里を他所に、キレ過ぎて理性が消し飛んでいる状態で地を蹴り壊す勢いで真っ直ぐ飛び出した一誠は、困惑する竜の顔面を思いきり殴り抜き、腕を掴んで上空目掛けてぶん投げ、落下してきた竜の顔面をまたぶち抜いた。
それはまるで、ピトーをぶちのめした『ゴンさん』のように……。
「あ、あひ……!」
顔立ちが良さげだった人状態の竜は、可哀想な程に顔が変形してしまったが、一応息はあった。
いや、あまりにも怒りで力任せ過ぎてこの竜でも攻撃が読みやすく、ギリギリで回避したからこの程度で済んだと言えるだろう。
「な、なんじゃ。う、生まれて初めてじゃ……こんな理不尽な目に逢わされたのは……!」
大木にしこたま身体をぶつけ、先程なんぞ比ではない痛みに竜は……ここまでを可能にする青年の力に戦慄する。
拳で突けば空が割れ、地を蹴れば大地が破壊される。
それはまさに天災そのものであり、竜は生まれて初めて――『究極の超暴力による理不尽さ』を強制的に味合わされていた。
当然竜は抵抗しようと真の姿――つまり黒き龍の姿へとなった。
しかしそれでも怒りの化身となった青年は止まらないし、その過程で青年の左腕に纏われている力に自身に似た気配を感じ――やはりと悟った。
「この星ごと消えてなくなれっ!!」
「う、嘘じゃろ……? あんな力を地面に当てられたら本当に世界が壊れてしまう……!」
彼がその正体であったと……。
「ビッグバン・ドラゴン―――」
『くっ……もうやめろ一誠!! それを放てば小娘も死ぬんだぞっ!?』
「っっ!?」
そしてその探していた相手が、全てを破壊する力を放たんとした瞬間、彼を止めようとしていた別の声によって一瞬だけ青年の瞳に理性が戻った。
暴れた青年の力の余波で傷ついた恵里の名が、ほんの一瞬だけ一誠を止めたのだ。
それをドライグは見逃さない。
「今だ、一誠を止めろ小娘ェ!!!」
「っ!?」
小娘呼ばわりされた竜はハッとするのと同時に全力の一撃を一誠に見舞う。
「うがっ!?」
竜の攻撃自体は一誠に大したダメージにはならない。
しかし直前に放とうとした限界倍加ビッグバン状態のドラゴン波が、竜の攻撃により一誠の手元で暴発してしまい、一誠は大爆発と共に地面へと叩きつけられた。
「………ぐ、ぅ……!」
打ち所が余程良かったのだろう、頭から地面に落ちた一誠は、全身を熱線で焼かれた姿でそのまま意識を失った。
「た、助かった……のか?」
『ああ……一応感謝してやるぞ小娘』
「む……小娘呼ばわりは嫌な気分じゃのう……」
「……一誠くん」
焼き焦げた状態で意識を失う一誠の左腕から聞こえる渋い声にちょっとムッとしながらも人型に戻る竜は、痛む身体と顔を押しながら、ぴくりとも動かない一誠に近づき、恐る恐る覗き込む。
「………死んではおらんのか?」
『この程度でこいつは死なん」
「しかしこのままでは死んでしまうのではないか?」
『見ていればわかる』
明らかに放置したら死ぬ程のダメージで横たわる一誠を散々八つ裂きにされた竜は若干心配するが、ドライグはそんな竜に黙って見ていろと言う。
するとドライグの言う通り、全身が焼き焦げていた一誠の身体はみるみる内に修復し、やがて全てのダメージが完全に回復してしまった。
「これは……」
『生憎コイツはもう人間の範疇を超越してしまっていてな……』
「人間? こやつは人間なのか? そんなバカな……」
「…………」
完全に回復しても意識が戻らない一誠が人間であることを当たり前だが疑う竜。
すると、そんな一誠の傍に恵里が近づき、意識を失った一誠の身体を介抱するように抱き締める。
「ごめんね一誠くん、私が余計な事を言ったから……」
『いや、お前のせいではないしそこの小娘竜のせいでもない……。
ただ、俺と一誠にとっては衝撃が強すぎた――それだけだ』
「………」
「衝撃? ……そういえば先程、妾の声がどうとかと言っていたが、アレはどういう意味なのじゃ?」
『………………………………』
鼻が痛いと軽く涙目の竜にどう言えば良いのかわからずに沈黙してしまうドライグは、意識を戻した一誠をまず説得しないといけないと、ため息を吐くのだった。
終
この世界の在り方に、己のやってきた事を否定されていくような気持ちにされられてしまう一誠にとって、その気持ちを誤魔化せる竜の声はある意味で精神安定剤のようなものだった。
何故なら、口調こそまるで違えど、殺しても殺し足りないと今でも憎悪の中心に君臨する赤髪の悪魔の声と似ていたのだから。
「………………」
「わ、妾はその悪魔の女に声が似ていただけで殺されかけたのか? なんて理不尽な……」
「やっぱり一誠くんとドライグ君って私たちの世界に元から居た訳じゃなかったんだね……?」
『正確には一誠として再びあの世界で生まれ変わったのだ。
力と記憶と経験そのままにな……。
だからあの世界でお前との日々はある意味一誠にとって一番の安定剤になっていた。それがまさか、俺達が生きた世界とは色々な意味で正反対のこの世界で――あの忌々しい雌の悪魔に似た声の――しかも俺に近い種族の者と出会すとはな。お陰で精神が一時的に狂ってしまったらしい』
意識を取り戻し、最初はビクッとしていた竜に対して再び殺戮スイッチが入りかけた一誠だったが、ドライグの説得によりその殺意を取り敢えず抑え、ふて腐れた顔で近くの川から捕ってきた魚を焼いて食べていた……背を向けて。
「しかし妾はそのリアス・グレモリーという悪魔ではないぞ。名もティオ・クラルスという――」
「喋んなボケ、脊髄反射的にテメーの声帯を潰したくなる……」
「そ、そんな横暴な……」
機嫌も最悪で、ティオ・クラルスと名乗る竜の少女に対して一誠は塩を通り越してハバネロな対応であり、ティオなる竜の少女は――何故か暴言を吐かれてるのにニヤニヤしていた。
「妾に抵抗すら許さぬ暴力的な力も、その罵倒も妾は初めての経験じゃ。
しかし……妾もわからぬのだが、先程からお主にそう言われると胸の鼓動が高鳴るのじゃ。これは一体どういう事なのだろうか……?」
『……………。さぁ、俺は知らん』
「……………一誠くん?」
ニヤニヤによによする竜の少女に、ドライグは何とも言えない声を出し、恵里は一誠にジト目だ。
敵意があまりにも無さすぎて、声だけ聞けば殺戮スイッチが入りそうなのに、何故か入りきれない。
そのせいで余計不貞腐れてしまった一誠は、二度と殺すのはやめたが二度と会わないと心に決めたのだが――
「妾は一体どうしてしまったのじゃ? 下手をすれば本当に殺されるかもしれないというのに、身体が勝手にイッセーについていってしまう……」
「………………………………」
竜の少女はついてくる。
今度は恵里がそのせいで不機嫌になったりもしたけど、気づけば恵里とこの竜の少女はそこそこ仲良くなってしまったせいで、ほぼ暗黙の了解状態で竜の少女がお供になってしまった。
まあ、ドラゴンに近い種族だというのもあるせいか、他の生物と比べるとリアスに声がそっくりなことを除けば大分寛大にはなっているのだが……。
「…………………………」
「ほう、この者達がイッセーとエリの知り合い達なのか?」
「一応まだそうかな……?」
「……? 皆がイッセーを見て怯えてるが?」
「ああ、この前一誠くんに喧嘩を売った人が居て、一誠くんがその人の腕と足の骨をへし折った後にヘドロの川に投げ捨てたのを見たせいだと思うよ?」
「そ、そんな事をしたのか? お、おぉぅ……? 何故じゃ? ちょっと想像したらまた妾の胸の鼓動が……」
最早クラスメートから仲間とすら見られてなくてもマイペースだし。
「あの白髪の男と吸血鬼の女にかなり警戒された目をされてるのは何故じゃ?」
「知っての通り、一誠くんは人以外の生物が嫌いで、最初の頃は嬉々として八つ裂きにしてたからだよ。
その時期にあの南雲くんと吸血鬼の人と再会して、その時はもうバリバリに人外絶対殺すスイッチが常に入ってた態度で……」
「ああ、あの吸血鬼の女にうっかりスイッチを入れかけたといったところかのぅ?」
「そういう事。
それで南雲君と軽く喧嘩になりかけてね……」
「うーむ、今はそこそここの世界の状況を知ったおかげで丸くはなっているのだが、教えてやった方が良いのかの?」
「別わざわざ教えなくてもいいんじゃない? 一誠君も最初から殆ど相手にしてないし……。それに南雲君も結構変わったし」
最初の頃のはつらつ状態のせいでハジメ御一行からもほぼ敵意同然に警戒されてしまっていたり。
まあ自業自得だし、一誠本人も訂正する気ゼロなのだが。
「なぁ、君は竜族なんだろう? アイツの近くにいたら殺されるかもしれないのに何で一緒に……?」
「楽しいからじゃが? 確かに出会った時は『声』が理由で死にかけたがな? それにあの理不尽さが妾の心を擽るのじゃ!」
「……えぇ?」
普通に心配してくれたハジメを逆に引かせたり。
「兵藤はその……少し変わったか?」
「ここに来て力を得て、肯定してくれるお仲間と出会せて余程気分が良いのかは知らないが、わかった様な口を聞いてんじゃねぇ……!!」
「ぅ……!?」
そのハジメに軽く地雷を踏まれてうっかり殺戮スイッチがONになりそうになったり……。
「俺は変わらねぇ。俺の生き方は俺が決める――誰かの決めた正しさなんてものには興味はない……!」
理解されぬ生き方を変えたくない最後の赤龍帝。
「じゃあ私の生き方も私が決めても良いよね? だからどんな極悪人と呼ばれても、私は一誠くんについていくよ?」
「うむ。そろそろリアス・グレモリーなんて会ったこともない女と重ねられたくないからのぅ?」
背けるように血に染めたその過去から先の未来へと……。
チラ裏封印。
補足
ドラゴンなのにその声が。
おかげで一気に殺戮スイッチが……。まあ、ドライグさんが超頑張ってなんとかなったけど。
その2
しかもどこぞのドMクルセイダーみたいなタイプのせいでむしろ一誠の胃がキリキリと……。
一誠がこんなんだから相対的にかなり温和化した中村さんとそこそこ仲良くなれてしまった奇跡まで入ってしまったので……。
その3
主人公一派。
勇者&クラスメート一派。
どちらかも警戒と軽い敵意を持たれてるのは、この世界でヒャッハーしすぎた一誠の自業自得なのだ。