鈴木悟の職場の先輩が、ユグドラシルのサービス最終日に新規ユーザー登録しました 作:挫梛道
◆????side◆
御存知ですか?
『Katze』とはドイツ語で、『猫』という意味なのですよ、~んアインズ様!
▼▼▼
「初めまして、私はバステトと申します。
そして此処は、カン様を上主とするギルド【ネコさま大王国】。
…跡の表現が、今は正しいですね。」
アインズ達の前に現れた、猫耳の小柄な少女が名乗り出た。
「ネコさま大王国だとっ!?」
「し、知っておられるのですか、アインズ様?!」
「うむ!」
◆タナカside◆
ネコさま大王国。
鈴木が言うには、プレイヤーとNPCの全てを猫系キャラで統一させた、猫大好き人間達が立ち上げたギルド。
武術大会等の運営主催イベントで、一部のプレイヤーが強力なのは知られていたが、基本的には非戦闘な まったりギルドだとか。
イベントによるレア・アイテム入手等、大した実績情報も無く、拠点だった位置も
「たっちさんが、此処のギルメンは凄く強く、出来れば争いたくないと言っていたな。」
「何と…あの、たっち・みー様が…?」
鈴木の台詞に、デミウルゴスが えらく驚いている。
その たっち・みーサンとやらは、俺は鈴木やセバスから少し話を聞いてる程度だが、兎に角 鬼みたいに強く、人格者。
ついでに鈴木のゲーム内での恩人だとか。
「たっち…みー…?」
そして その名に、猫耳少女も反応。
「それは嘗て、第7回アースガルズ格闘大会の準決勝でリリー様、そして決勝でサマヤ様を退け、
…黒ローブのスケルトン。
そうですか。貴方が、あのモモンガ。
そして、アインズ・ウール・ゴウンの皆様…でしたか。」
たっち・みーの名が出た事から連鎖的に、目の前の
必然的に俺達が、アインズ・ウール・ゴウンだと分かった様だ。
「如何にも。
そして今は そのアインズ・ウール・ゴウンのギルド名を、我が名として名乗らせて貰っている。
私の事は、アインズと呼んでくれ。」
◆タナカside・了◆
≫≫≫
◆デミウルゴスside◆
「……………………!!」
「…………。(コクン)」
アインズ様からは事前に、『良いか!ユグドラシル関係者と遭遇したとしても、向こうから仕掛けない限りは絶対に手を出すなよ!』と厳命されておりました。
そして今 改めて、アイコンタクトで それを伝えられたので、頷きます。
あのバステトとか云う猫娘のアインズ様タナカ様に対する態度に、少し思う処が有ったのですが、支配の呪言も駄目なのですよね。
仕方ありません、この場は大人しくしておきましょう。
今はアインズ様とタナカ様、そして あのバステトがテーブル席に着き、色々を話しております。
…が!!
「そ、その猫! 何をしている?!
タナカ様の膝の上から早く お退きなs
「いや、大丈夫だ。…ってか、余計な事やってんな! 〆るぞ、ゴラァ?!」
「………………!!?」
私は その対談、両名の護衛の意味でシズと共に後方に控えていたのですが その中、これもNPCなのでしょう、猫の1匹が不敬にもタナカ様の膝の上に ぴょーんと飛び乗ったのです!
直ぐに取り除こうとしたら、それをタナカ様が殺気全開、怒れる鬼神な如き形相で止められました。
「よーしよし♪ 大丈夫だ、怖くないぞ~?♪」
「ふにゃ~ぁ♪」
「………………。」
…と思えば、真逆な笑顔で その猫の頭を撫でるタナカ様。
「……………………………………。」
此処でアインズ様から、アイコンタクト再び。
シメラレタクナイナラ、マジ ダマッテ オトナシクシテオケ
「……………。」
…コクン
たった これだけの短いメッセージですが、その重みに戦慄した私は、首を縦に振るのでした。
◆デミウルゴスside・了◆
≫≫≫
◆アインズside◆
あ、ぁ、あ…焦った~~ぁ!
デミウルゴス、お前マジ、余計な事してんじゃないぞ?!
先輩はなぁ、猫が大好きなんだよ!
見ろ!この弛みきった
下手すりゃ お前、また この前みたいに体全身の関節、ガッチガチに極められる処だったぞ!?
「ウチのシモベの躾が出来てなくて、申し訳無い。
アイツは後で絞めるから、それで赦して貰えないだろうか?」
「ぃ、いえ…上司思いな良いシモベだと…思います。
ですから、お構い無く…」
先輩の謝罪に、少しだけ引き顔で応える、
このネコマタ曰く、ネコさま大王国が此方の世界に転移したのは、本当に大昔。
尤も それは、このギルド拠点の埋もれ具合から予想は出来ていたが。
そして その当時は、人間や異形種が普通に…自然と共存していた…らしい。
現在の俺の様な、絶対支配者による無理矢理な其れとは違う、共存共栄の社会。
このギルドも当時の住民達に迎え受けられ、その和の中に加わって静かに暮らしていた。
しかし、そんな平和な時代も永遠では無かったそうだ。
「…はい。
何時の頃からか、各種族の間に優劣の意識が芽生え、それは争いの種となりました。
しかし私達の主は その流れに加わるのを望まず、そして その戦乱に巻き込まれるのを逃れる為に、この城の周囲を何人も近付けぬ守りで固めたのです。」
成る程。
『
俺の知らないアイテムだったが、これによる霧とアンデッドのコンボで謂わば結界を張り、外との関わりを断った訳だな。
俺としては、カッツェ平野の霧とアンデッドの仕組みが分かり、納得だよ。
「…争いが静まった時。
既に長い年月が経ち過ぎていました。
私達の主達は皆 天に召され、最後の1人…ギルドマスターのカン様も旅立たれたと同時、この城を封印。
そして私達も、一時的な眠りに就いたのです。
このネコさま大王国に、新しいマスターが訪れる その日まで。」
へ~?…って、ちょっと待った!?
新しいマスターって、もしかして?
「それで、扉の封印を解いたのは、誰なのでしょうか?」
「此方のアインズ様です。」
ちょ、先輩~~~~~~~?!
◆アインズside・了◆
≫≫≫
◆タナカside◆
至福!
至れる福と書いて、至福と読む!
俺達は今、バステトに連れられ、ネコさま大王国の玉座の間に当たる部屋に向かっている。
そう、2匹の仔猫を両手で抱き抱えながら!
これを至福と言わず、何と云ふ!
「…♪」
因みにシズも1匹を御機嫌そうな顔で抱いており、
「「「「「なぁ~ご♪」」」」」
他の猫達も、俺達の後をぞろぞろと付いてきている。
…さて、鈴木を己の、いや【ネコさま大王国】の新しい
ナザリックで言えば、アルベド的ポジションであろう彼女が言うには、此処のギルマスは寿命で死ぬ前…このギルドを封印する前に、此処のNPC…彼女達に こう言い残したそうだ。
ユグドラシルからの者が扉の封印を解き この城に訪れた時、その者が忠に値する者ならば、新たな主として付き従え。
…と。
確かに あのコナ〇コマンドは、ユグドラシル…てゆうか、リアルからの者でないと、先ずは分からないだろ。
逆に言えば、そうだったら直ぐに解る仕様。
そして このバステトは鈴木を、その『忠に値する者』…新しいマスターと認めた様だが…
う~ん…大丈夫なのか?
ユグドラシル最凶で最狂で有名な、
正気ですか?早まっていませんか?考え直し、思い止まるなら今の内ですよ?
…まぁ、『強さ』からすれば、確かに 信頼出来るんだろうが、本当に それで良いのか?
≫≫≫
「此方が、カン様です。」
そして やってきた玉座の間。
其処に座っていたのは、王様っぽい王冠とマントを身に着けた、"漢"な眉毛を連想させる毛並み模様に鋭い眼付きなサーバルキャット…のリアルな造型の人形だ。
「カン様…時にして約1600年、遂に私達の新しいマスターが現れました。
此方のアインズ・ウール・ゴウン様です。
カン様には
寂しさと哀しさと嬉しさが入り雑じった複雑な表情で、人形に語り掛けるバステト。
「カン様、私達は此れより、アインズ様を主として、この世界を生きて行きます。
これ迄 私達を導いてくださり、ありがとうございました。」
…因みに この件で、デミウルゴスが何か物申すかと思ったら、意外にも特に何も口を挟まなかった。
小声で『良いのか?』と聞いてみたら、100年前にも鈴木の指示で俺同様に此方に転移してきたプレイヤーを数人、保護の名目で勢力下に収めたりで、現在は外部からの受け入れに、それほどの拒絶感は無いそうだ。
転移してきたプレイヤー、皆殺ししてた訳じゃなかったんだな。
「だから それは、俺を見た瞬間にキレて、攻撃してきた奴等だけですから!
尤も200年前は、そりゃ皆 酷かったですよ? ナザリック至高主義。」
但し、そんな面々も今は皆、寿命で死んでおり、プレイヤーに付き従っていたNPCの殆どが、その彼等に殉じたそうだ。
「…それに自身の御方達に先立たれ、新たな主を求める気持ちは、理解出来てる心算ですよ?」
へ~? 言うじゃないか。
≫≫≫
「とりあえずは お前達は…そうだな。
エ・ランテルかエンリ・カルネで生活、何らかの仕事に就いて貰うか。」
バステトが人形…カン様に最後の挨拶を終えた後、早速 鈴木は今後の在り方について話し出す。
…が、こんな沢山の仔猫だ。
もう仕事なんて一択だろ?
「鈴k…アインズ様、猫カフェ作りましょう、猫カフェ!」
「先輩?!」
「…猫カフェ…多分、凄く、良い…と思います。」
「シズぅ?!」
よ~し、味方が出来た!
カチャ…
「良い感じに纏まっている処、少し良いかな?」
「ベート?!何しに来た?」
そんな時、この部屋に新たな客が。
銀髪の猫耳男だ。
如何にも和を乱そうな発言と共にの登場に、バステトが この男を睨み、声を荒げる。
「…………………………。」
「ふっ…。何、新しい主様とやらの顔を、拝みに来ただけさ。」
そして もう2人。
金の縞模様の
黒ローブにピンクの髪、絶対に性格キツいって感じな眼をした猫耳の女が、中に入ってきた。
バステト…レム(異世界魔王と召喚少女の奴隷魔術)
カン様…漢(鬼灯の冷徹)
…のイメージで。
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