鈴木悟の職場の先輩が、ユグドラシルのサービス最終日に新規ユーザー登録しました 作:挫梛道
小説オリジナル設定、入りました。
◆アインズside◆
ピチュィン…ピチュィン!
ネコさま大王国の戦闘系NPC、はにゃーんが操る無数の魔力エネルギー球。
それから撃ち出される雷属性のビームが先輩を襲うが、
「…無駄だ!」
「何だと?!」
先輩には効かない。
そう。先輩が身に着けているのは【雷鳳の鎧】。
これにより、先輩がユグドラシル新規ユーザー登録特典で得た"レベル無視完全魔法無効"が無くとも、雷属性の攻撃を完全無効してしまう。
装備による属性攻撃無効、これは"タナカ様ルール"の摘用外。
先輩は お構い無しに術者の はにゃーんに突進すると あっと言う間に距離を詰め、
ドガッ!
「~~~~~~~っ!!?」
強烈なショルダータックルを浴びせ吹き飛ばし、壁に激突させた。
彼女は
其処に先輩の追撃。
男 女 平 等
鬼畜な
どんっ!!
「………………………………。
…何の、真似だ?」
しかし その攻撃は、はにゃーんには当たらず。
先輩の左右の掌は、彼女の顔の左右ギリギリを通り抜け、壁に激突したのだ。
見方によっては、アレは所謂…
「…壁ドン?」
そう!そうとも言う!とゆーか それ!
もしもアルベドが此の場に居たなら、修羅場案件待った無し!
…というか、先輩も、何だかんだで女には甘いよね?
「これで終わりにするか、続けるか?」
「そんな決定権が、お前に有るのk…いや、止めておこう。
この一撃、まともに私に撃っていたなら、それで終わっていた。
それに
先輩の降参の勧めに、素直に応じる
これは正解だな。
これで続行となれば、今度は それこそ先輩も女だろうが容赦無く、ガンガン殺っちゃうだろうからね!
それから…デミウルゴスにシズ。
この戦闘の内容は、他言無用だぞ。
…特に、アルベドには!
◆アインズside・一時中断◆
▼▼▼
◇その頃のアルベドさんside◇
何かしら…凄く嫌な予感がするわ…
具体的には そう…セージ様に何処かのドロボー猫が憑き纏う、そんな感じが…
くふ…くふふふふふ…!
面白いじゃない? 良いわ! そんなに残酷に死にたいなら、好きにするが良いわ!
勿論、セージ様は そんな気も無く、一方的に言い寄っているだけでしょうから、セージ様に御迷惑を御掛けした罪も引っくるめて、処刑確定よ!
そして もし万が一…セージ様も満更でも無いと言うのであれば、そのドロボー猫は勿論、セージ様…
アナタヲコロシテ ワタシモシニマス
♪どんちゅーぎみよーらーゔぁぱっしょ~ん?♪
◇その頃のアルベドさんside・了◇
▼▼▼
◆アインズside・再び◆
「見事DA! 次は俺が、相手DA!」
…そして此処で、ネコさま大王国3番手が前に出る。
やや早口で、カン高い声。
まるで外国人が喋る日本語な口調で話す、黒い虎…
「因みに人獣とビーストマンとの違いですが、タナカ様やルプスレギナ。
そして獣王メコン川様の様な人獣種は、人型や獣人、獸型の形態を自在に変幻出来ますが、ビーストマンは獣人形態のみで、変身能力を持っては おりません。」
ん?デミウルゴス??
「…尚、獣王メコン川様は、ヤクの人獣。」
シズぅ??
「エイデイ! まさか、お前もなのか?!」
このエイデイとやらも先輩と戦おうとする態度に、バステトが信じられない様な顔をして問い掛けた。
彼は普段は穏健派なのか?
「俺も最初は、単にベートと はにゃーんの付き添いで、新しいマスターとなる者を見にきただけだっTA。
だが、これ程までの戦いを見せつけられTE、その強さに興味が沸かない筈も無いだろう?」
「貴方は
そして その応えに、渾身の突っ込みが炸裂。
「良いぜ。さあ、戦ろうか。」
はい、先輩は
「ハァ…
えぇい! もう、勝手にしなさい!…戦闘、開始!」
半ば投げ槍、呆れ顔なバステトの掛け声の下、先輩とエイデイのバトルが始まった。
「かーん。」
え?ゴング?
「っらぁ!」
「HA!」
バシゥッ!
先ずは様子見か挨拶代わりか、互いに示したかの様な、右のミドルキックが交差した。
動き易さを優先させたかの軽装。
どうやら このエイデイも、武闘家の様だ。
「…ちっ!」
この攻防は体格差体重差で、エイデイのみがバランスを崩し、其処に空かさず先輩が浴びせ蹴りを繰り出すが、これは
≫≫≫
その後も、拳や蹴りの飛ばし合いが続く。
エイデイのレベルはテクニック特化型の96。
先輩の今のレベルが同じくテクニック系の89だから、単純な数値で言えば、エイデイに分が有る。
しかし、仮に
ゲームでないリアルなら、尚の事だ。
ズバンッ!
此処で、エイデイの巻き投げが決まった。
「…推定ダメージ、157。
タナカ様の残りHP、13076…です。」
デミウルゴスが険しい表情で、ダメージ計算。
「シッ!」
「!??」
此処で、エイデイが更に攻め立てる。
ダウンしている先輩の両足をクロスに固め、片膝を腰に宛い、更には顎を持って頭部を確保。
「DEEI・YA!」
ぐぃ…
腰を『く』の字に折り曲げる如くな
「…くっ、テ…メェ…ッ!」
痛そうな顔を浮かべる先輩。
これは、演技なんかじゃない。
先輩のチートの物理無効が適用される攻撃属性は、【斬・突・射・殴・刺・撲・潰・砕・刈・打・裂・叩・割・撃・断・溶・縛・挟・他】が基本となっている。
…一部、似たような属性が有る気がするが、今は それに突っ込む時ではない。
そう、実は先輩には、此処に挙げられていない攻撃…『絞』と『極』が有効なのだ!
つまり先輩は、関節技に弱い!
尤も、明らかな弱点という訳で無く、ある程度、柔軟性からの耐性は持っている。
只、
これはユグドラシルには【関節技】という
即ち、過去に先輩が繰り出してきた関節技は、
先輩の技という
「どやっ!」
…この関節技を、先輩は力技で脱出。
パワーでは、先輩の方が上の様だ。
打々々々々々々々々々々々!!
そして反撃、至近距離から左右の掌底の乱れ撃ち!
バシゥッ…ベキッ!
これで意識が一瞬 飛んだ処に、必殺の左掌底アッパーからの浴びせ蹴り!
顳顬にモロに踵が突き刺さり、ダウンするエイデイ。
ぐい…
先輩のターンは まだ終わらない。
「あ、あの技は…!」
「さっき、ベートを下した…」
「ケッ!俺は別に、ギブアップした訳じゃねーぞ!
あれはバステト! テメーが勝手に止めたんだろうが!」
繰り出した技は、先程の関節技の お返しとばかり、最初に
くる…
「…ですよね~!」
しかし、これは決まらない。
腕を極められる前に、体を反転されて逃げられてしまった。
やはり一度見せた技は、警戒されて当然とでも言うべきか。
「「……………………………。」」
互いに距離を空け、
勝負は仕切り直しだ。
≫≫≫
「凄まじいですね…
あのエイデイとかいう者…
我等ナザリックの守護者に匹敵するかも知れません。
何より特別ルールとは云え、タナカ様と互角に渡り合える者が、セバスやコキュートス以外に存在するとは…!」
デミウルゴスが感嘆する中、2人は打撃技を中心に、投げや関節技を織り混ぜての攻防を展開。
「…タナカ様のHP(仮)が、半分を切りました。」
此処でシズが、状況を解説。
「しかし、エイデイも結構ボロボロだぞ?」
「それに、タナカ…殿か?
スキルでダメージを受けないと云う割には、疲れている様に見えるが?」
「ああ、それはな…」
はい、それは、いくらダメージを受けなくても体力は別で、きっちりと消耗するからです!
そりゃ、あれだけ派手に動いたりしていたら、最後はガス欠で動けなくなりますよ!
ガシ…
「!?」
此処でエイデイが勝負に出た?
先輩の背後に回り込むと、背中合わせとなって脇の下に手を差し入れて体を高く持ち上げ、
どすんっ!
その儘 前側に、頭から落としてきた!
先輩だから平気だろうけど、普通のヤツが あんなの喰らったら死ぬぞ!?
「くそっ…が!」
そして次は、先輩が反撃に。
先ずは膝蹴りを鳩尾に叩き込み、相手の頭を脇で捕らえると、その儘 体を真っ直ぐ、縦一文字に持ち上げた!
「あれは、タナカ様の殺人技…」
それを見たシズが、先輩の勝ちを確信したかの様に呟き、
「ば、馬鹿な?!」
「そんな…」
「あれは、エイデイの…?」
ネコさま大王国の面々が、驚きの顔を見せた。
その反応から、どうやら あのエイデイも、先輩と同じ技を使っているのが分かる。
バサッ…バサッ…
「…な?!」
そのエイデイは両足をバタつかせて、その勢いで体を反転させる。
結果、逆にエイデイが先輩に、技を仕掛ける形になってしまった!
ぴょん…
そして その体勢の儘、猫科ならではの跳躍力で、ヒヒイロカネの柱の上にジャンプ。
あの僅かな面積しか無い足場で、平然と立ち、技の姿勢を保っている。…って、ま、まさか?!
「YAAAAH、HAAAAH~!!」
悪い予感的中!
柱の高さ、2㍍の落差をプラスした、雪崩式垂直落下式ブレーンバスターだ!!
ずどぉおっ!!
「だ、ダメージ推定…4105…!!
た、タナカ様!不味いです!
あと もう1回…いえ、2回ですか?
同等の大技を喰らったら…!!」
もしも俺が喰らったら確実に頭蓋骨を粉砕されて、THE・ENDだな~って技を見て、完全に取り乱しているデミウルゴス。
やっぱり それ程にヤバイって事なんだ??!
先輩!早く、早く先輩も何か大技で反撃を!
DSC!DSC!
「クッソォオラッ!」
バスッ…
「ぐ?」
しかし、先輩が出した技は、カニ挟みからの裏膝十字固めぇ?
「…地味。」
そう!…って、言ってる場合じゃない!…でも、地味、地味過ぎる!
「ぐぁぁあ…!」
確かに効いてるっぽいけど、ギブアップする相手じゃないって、分かっているでしょ?
…ほら、また体を反転されて、逃げられた!
「…でも、足がガクカク。」
「な、成る程、そういう事でしたか!」
え?え? どういう事?
「はぁ!?どういう事なんだよ!?」
ナイス、猫男君!ナイス横槍!
「ふむ。デミウルゴスよ。」
「承知しました、アインズ様。
彼にも解る様、説明してあげましょう。」
はい、俺にも分かる様に、よろしく お願いします!
「気付きませんでしたか?
タナカ様は、要所要所で脚関節を攻めていたのを。
先に関節技を披露したのは、確かに あの
タナカ様の関節技は一見、それに対抗意識を見せたかの様でしたが、実は それは関係無く、この戦闘、先ずは最初から、相手の脚を奪うのが目的だったのですよ。」
「な…」
「ん…」
「だっ…」
てーーーーーーーーーーーーーっ!?
ま、マジか?本当に、そうなのか?
「考えてもみなさい。
一度の関節技で、急に彼処まで明らかに動きが鈍く筈も無いでしょう。
全く…恐ろしい御方です。
時に大技を繰り出し…そして受けながらも、相手に気付かれない様に、少しずつダメージを蓄積させていき、最後の一押しで爆発させる!
それが、今の現状です!」
そう言って、デミウルゴスの指の指した先は、
「でぇぁありゃっ!!」
掌打と蹴りのコンビネーションを、相手に放っている先輩の図。
「GAAっ!」
ぶんっ!
これに対して、苦し紛れに放たれた右のパンチをバックに回りながら避けると、
「そらっ!」
ぶんっ…ドガァッ!!
「ぐ…ば…?!」
今度は待ってましたの大技、放り投げ式のジャーマンスープレックス!
これがヒヒイロカネの柱に激突し、更なるダメージを与えた!
ドス…
先輩の攻撃は止まらない。
柱に背を預け倒れている相手を無理矢理に起こすと、その体を担ぎ上げ、柱の上に座らせる。
「…ハッ!」
…からの、自身も高くジャンプ、両足でエイデイの頭をガッチリと挟み、雪崩式フランケンシュタイナーだ!
ドガアッ!
受け身を取り損ない、頭から落ちるエイデイ。
朦朧としてフラフラと立ち上がった時、先輩は柱の上に立っていた。
ババッ…!
そして、大きく跳躍。
くるん…
空中の最高点で前方一回転した後に急降下、相手の脳天に狙いを定めての…
「シューティング・スター・スパイク!!」
ガンッ!
ダイビング・ヘッドバッドが炸裂した!!
次回で【ネコさま大王国】編、締めます。
感想よろしくです。