鈴木悟の職場の先輩が、ユグドラシルのサービス最終日に新規ユーザー登録しました   作:挫梛道

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()()、まさかの再登場!
 


マッチポンプ(笑)

▼▼▼

エ・ランテルに、新しい店がオープンした。

系列で言えば飲食店に分類されるが、その斬新過ぎるスタイル、アピールで女性、そして子供を中心に好評を得ていた。

 

カラン…

 

「ぅお~ぃっす。」

「いらっしゃいまs…あ、タナカ様!

いらっしゃいませ…にゃん♪」

 

◆タナカside◆

「にゃぁ~ご♪」

至福!正に至福!

猫を愛でながら、食事を取る!

これ以上の幸せが、この世に在るか?

否、無い!

 

「は~い、タナカ様ぁ、御待たせいたしましたにゃ。

"あさてーしょく"だ、にゃ~。」

「ああ、ありがとさん。」

俺とシズの推しにより、ネコさま大王国のNPC達の働き口は決まった。…とゆーか作った。

店内に猫を放し飼いにし、猫と触れ合う事で癒しの時間を提供する業態の喫茶店【ネコさま大王国】。

所謂 猫カフェだ。

 

≫≫≫

「いや、順調な様だな。

言い出しっぺとしては、一安心だよ。」

「はい、お陰様で。

昨日一昨日は、シズ様にも来店して戴きました。」

そりゃ結構。

これが鈴木が提唱している、週休2日制の正しい使い方だぞ。

他の社畜連中も見習え。

店主のバステトから店の様子を聞きながら、味噌汁を啜り、鯵の開きに箸を入れる。

 

「なぁ~ご♪」

「え?お前も欲しい?

あ~、ダメダメ。これは塩気が多過ぎるからな。」

「ふにゃ~ぁ?(´・ω・)」

そんな顔しても、ダメなのは駄目なの。

首輪に『1円シール』が貼られている仔猫の頭を撫でながらの食事。

まじ最高だぜ!

 

≫≫≫

「あぁ!? どういう意味だ!?」

「酒は無いんだ、せめて それくらいサービスしろや!」

「客、舐めてんのか、コラァ?!」

「だ~か~ら! ウチは ()()()() ()()じゃ無ゃいにゃ!」

…………………………………。

しかし、何処にも勘違いしてるバカは居るもので。

良い気分で昼飯食ってたのに、台無しじゃねぇか。

…ってアイツ等、よく見たら 9話の この前の3バカじゃないか。

 

「…ちょっと、黙らせてくる。」

「あ、大丈夫ですよ、タナカ様。」

席を起とうとした俺を、バステトが止める。

 

「お客様の手を煩わせる迄も、ありませんから♡」

そう言って、微笑むバステト。

確かに あの猫っ娘1人でも、あの銀級(シルバー)3人よりは強いだろうけど…

 

「…お客様、何かトラブルでしょうKA?」

「「「ひぇっ?!」」」

この場を静めたのは店の奥から ぬぅっと登場してきた黒服(スーツ)の男。

但し、人間で無く黒の毛並みに金の縞模様な猫科猛獣のビーストマン。

暗闇猛虎(ブラックタイガー)のエイデイだった。

 

「何か店の者が、不作法でも働きましたでしょうKA?」

「い、ぃぇ、何でも御座いません!」

「す、すいませんした!」

「ひぃいぃぃっ?!」

殺気…いや、闘氣全開で、3バカに凄むエイデイ。

「とりあえず今日の所は、お退き取りをお勧めしますGA?

…それとも奥の事務所で、OHANASHIしまSU?」

「「「ひぇっ?!し、失礼させて、頂きます!」」」

どうやらネコさま大王国で最高戦闘力を持つ男は、この店の用心棒(バウンサー)になっていた様だ。

 

「クス…だから、言ったでしょう?」

「ですよねー。」

適材適所…但し、オーバーキル。

確かに俺が出張る迄も無かったか。

 

「とりあえず今後あの3人は、出禁にします。」

それは賢明な措置だと思います。

 

≫≫≫

「ちゎっす。」

「こんにちは、タナカさん。」

昼食、そしてニャンコを堪能した後は お仕事の時間。

冒険者ギルドに顔を出す。

………………………………………。

…って、()()()()と この時間、此処で待ち合わせなのだが まだ来てないか?

一応 俺、先輩なんですけど?

冒険者は立派な社会人。

それが先輩を待たせるって どうよ?って、感じなんだけど?

 

「エイナさん。ちょっと聞くけど、性格悪そうな顔の銀髪男と性格キツそうな眼のピンク髪女って、此処に来なかった?」

受付嬢の お姉さんに尋ねてみると、

「え?タナカさんの、知り合いだったのですか?

…多分、その人達なら、今…」

 

ス…

 

凄い気不味そうな顔で壁際を…何時の間に出来たのか、人1人埋まってたそうな穴3ヶを指差して、

「2Fでギルマスに、OHANASHIされています…?」

あー、何となく察した。

 

「もしかして、また、3バカ?」

「…はい。」

アイツ等…さっきエイデイに〆られたばっかで、また揉め事起こしたんかい!?

…てか、相手悪過ぎ!

 

≫≫≫

「はぁ…タナカ君。まさか、君の連れだったとはね…」

「すいません、まじ、すいません。」

ギルマスの部屋に行ってみると、其処には顔面フルボッコな3バカ。

そして、術式で耳と尻尾を消している、ベートと はにゃーんだった。

この2人は俺と同じく戸籍を偽造し、今日 冒険者登録していた。

その2人を引き取りに来てみたら、何故か俺も一緒にギルマスに説教された。解せん。

 

「先に言っておくがタナカ・サンよ、俺達は悪くないぜ。」

「ふん…あの俗物共が、『俺達が冒険者として色々と教えてやるよォ』とか言って、馴れ馴れしく肩に腕を回してきたので、排除した迄だ。

私の肌に触れて良いのは、後にも先にもリリー様だけだ。

寧ろ殺さなかったのを、誉めて欲しいのだが?」

「誉めるか!? んで、壁に埋めるな!」

まぁ、予想はしてたが、やっぱり3バカが この2人に絡んだのが、事の起こりだった様だ。

 

「俺は冒険者になった早々に、乱闘騒ぎで相手の上半身を床に埋ずめた男を知ってるが?」

「あ、俺もwww」

「クス…成る程、これが、ルイトモか。」

「喧しい!」

そしてアダマンタイト級冒険者、クライドをリーダーとする護ル者達(ガーディアンズ)の面々も、この部屋に来ていた。

 

「「「「「…………………。」」」」」

…と、ミスリル級とオリハルコン級の冒険者が数人。

 

≫≫≫

「さて、今回 君達を呼び出した件だが…」

ギルドの会議室で、ギルドマスターのクラーク・ヴァイセルフが慎重な顔で、俺達に話し掛けてきた。

 

「知っている者も居ると思うが、カッツェ平野に、大量の不死系怪物(アンデッド)が発生している。

しかも今迄 確認されていない…見た事も無い、新しい種のアンデッドも居るそうだ。」

 

ざわざわざわ…

 

それを聞き、クライド達を除く冒険者は、僅かに ざわめき出す。

…はい、知っています。以下回想。

 

≪≪≪

「…そんな訳で先輩。

カッツェ平野で大活躍して貰いますから。」

「いや、訳解んないけど。」

「この『瘴霧の死魎行進(デスマーチ・イン・ミスト)』。

今迄は自動発動(オート)で、ランダムにアンデッドが発生していましたが、今回は手動(マニュアル)で今迄より強力なアンデッドを作り出します。」

「…で?」

「それを冒険者組合の方で討伐させる様に働き掛けますので、先輩にも出張して貰い、冒険者として結果を出して貰いm

「マッチポンプじゃねぇか!?」

「…先輩。

バハルスの皇帝から聞いたのですが、彼方でも大活躍(笑)したそうですね?

しかも、2回も。」

「う…ぃゃ、それは、だな…」

「えーぇ、分かってますよぉ?

先輩の銅級(カッパー)認識標(プレート)を見て、それだけで格下と思われ、ケンカを売られたんですよね?

此方でも冒険者登録初日に やっちゃってますし…

アッチの皇帝からも『魔導王権限で、直ぐにでも上位の階級に昇格させるべき』とか言われますし…

でも、そーゆーのは好まないんですよね? だから!」

「う…」

「頑張って成果を上げて下さい!」

 

≫≫≫

「現在、アンデッド共は何故か、平野の内を徘徊するだけ。

我が国や帝国領に進む様子は今の所 見受けられないが、実質的被害が出る前に討伐する事を、決定した。

これは既に、市長を通じて魔導王陛下にも報告済み。

陛下からはミスリル級以上、それ以下でもオリハルコン級以上の推薦が有る冒険者で、今回の"討伐任務"に就いて貰う様に言われております。

尚、帝国側からも、同じ様に動いて貰う事になっています。」

つまり これは、ネコさま大王国の拠点から 押収 譲り受けたアイテム瘴霧の死魎行進(デスマーチ・イン・ミスト)を使って、俺(ついでにベートと はにゃーん)に実績を附けて冒険者のランクアップさせようという計画である。

鈴木(モモン)の時は、当時 結構 大きな厄介事(イベント)が立て続けに有り、すんなりと最高位(当時)であるアダマンタイト級に昇ったそうだが、現在は そう都合の良い仕事(クエスト)なんか無い。

俺は今は まだ銅級(カッパー)だが、クライドの推薦を受けて 今回の仕事(クエスト)に参加させて貰っている訳だ。

鈴木が言うには、『アダマンタイト級がギリギリ勝てないレベルのアンデッドを喚びますが、先輩達なら楽勝ですよ!一気にアダマンタイト…上手く行けば最高位も夢じゃないです!』…らしいが。

 

「それでは明日早朝、先ずは此方で用意した馬車でエンリ・カルネに向かって貰います。

その後、現地の冒険者チームと合流して、カッツェ平野に。

…尚、今回の報酬は魔導国政府から支給され、その額は…

 

 

◆タナカside・了◆

 

▼▼▼

 

◆アインズside◆

瘴霧の死魎行進(デスマーチ・イン・ミスト)

これこそが、長きに渡りカッツェ平野に濃い霧とアンデッドを出現させていたアイテムだ。

最初はネコさま大王国のギルドマスターが、当時この地で広まっていた戦禍から逃れようとして使用。

実際、彼等が生きていた頃は、ギルド拠点の在ったカッツェ平野は争いに巻き込まれなかった様だが、時代が移ると同時、嘗ての王国と帝国の戦場となってしまったのは、何て言うか皮肉だな。

そして今回、俺自身が操作して、通常より ほんの少しだけ?強いアンデッドを召喚させて貰った。

余計な被害が出ない様に、とりあえずはミスリル級以上の冒険者しか関わらせない様にしておいたが…

まさか、手柄や報酬目当てで低級の冒険者が勝手に場を荒そうとかは、しないよな?

兎に角、だ。

これで先輩(ついでに他2名)が、少なくともアダマンタイト級に昇格は間違いないだろう。

 

   

◆アインズside・了◆

 

▼▼▼

その日の夜。

 

「くそっ、巫山戯けやがって!」

銅級(カッパー)の分際で!」

「俺達だって!」

エ・ランテルからカッツェ平野に向けて、レンタルの駆馬を走らせる3人。

 

アルゥ・レッエンド

ジョネス・スカイラッパ

シクロン・スタィキ

 

彼等は銀級(シルバー)の冒険者だが、その普段の行いからギルドからは問題児と見なされており、他の冒険者からは通称"3バカ"と呼ばれている3人。

タナカが冒険者として登録された初日、その銅級(カッパー)認識標(プレート)を見ただけで格下と侮り、要らぬ火の粉を撒いて返り討ちに。

この日の昼時もベート、はにゃーんに対して同様な行為の末に揃って一蹴された3人だ。

タナカ達がカッツェ平野のアンデッド討伐のクエストを承ったと聞き、ならば自分達もと、その場に居た知り合いのオリハルコン級冒険者に推薦…同行許可を求めるが、それは自分達では危険過ぎるからと認められなかった。

 

 

「ケッ、雑魚は雑魚らしく大人しくしてろっての!」

「ふん…不様だな、俗物。」

「悪いがアンタ等じゃ、マジに死ぬぞ?」

その際にタナカ達に言われた台詞が、彼等の屈辱感を増幅。

 

 

自分達だって出来る…

銅級(カッパー)だって参加しているんだぞ?

これで実績を作れば、俺達も昇級(ランクアップ)

 

 

…屈辱と嫉妬から生まれた根拠無き自信と虚栄、目先の欲は彼等を間違った行動へと導いたのだった。

 

≫≫≫

「な…何だよ、これは?」

「こんなモンスター、見た事無いぞ?」

「ヒィッ…!?」

そして夜が明けた頃。

エ・ランテルではタナカやクライド達が冒険者ギルド前に集まり、馬車に乗り込み出発しただろう頃に、彼等はカッツェ平野に足を踏み入れていた。

そして その彼等の前に、早速 不死系怪物(アンデッド)が姿を見せる。

頭部こそ人の頭蓋だが、体は無数の骨を集めて形成された…

名付けるなら骨の蜘蛛(スケリトル・スパイダー)が相応しい異形にして巨大なアンデッドが、冒険者達に牙を剥いて襲い掛かった。

 




 
今回 登場の3バカですが、
 
アルゥ・レッエンド…赤末有人(るろ剣)
ジョネス・スカイラッパ…ジョネス(ハンターxハンター)
シクロン・スタィキ…サイコロステーキ先輩(鬼滅の刃)
 
…のイメージで
 
 
感想よろしくです。
 
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