鈴木悟の職場の先輩が、ユグドラシルのサービス最終日に新規ユーザー登録しました   作:挫梛道

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サブタイが浮かばない…
 


脱走

 

ざわざわざわざわざわざわ…

 

◆タナカside◆

ギルドに顔を見せた途端、その場に居た奴等が俺達に注目する。

あのマッチポンプと言うか茶番の甲斐有って、俺達チーム【獣神】は銅級(カッパー)から最上位の冒険者クラス、ロンズデーライト級に一気に昇格。

これは200年前、鈴木とナーベラルが当時の最上位、アダマンタイトの枠を越える無双っ振りを見せてくれた事で新設されたクラス、だそうだ。

つーまーり、鈴木君は この前、俺の やらかし?に、散々と言ってくれたが、当時の彼奴も大いに やらかしてた訳だ。

 

「お~い、タナカ君。こっちこっち。」

「はにゃーんさん~♪」

そんな俺達を手招きしてるのは やはり先日の戦闘(クエスト)、並びに それ以前の実績の重ねでミスリルからオリハルコン級に昇格した、【バビロン】の面々。

 

「ええ~、それでは今回の!

我々バビロンと、タナカ達 獣神の昇格を祝しましてぇ!乾杯ぃ~っ!」

「「「「「「乾杯~っ!」」」」」」

 

カシャーン!

 

バビロンのムードメーカー、パトリオットの音頭でグラスを重ね、酒や料理を楽しむ。

俺的には この祝賀会、猫カフェ(ネコさま大王国)で開きたかったのだが、あの店は(アルコール)を置いてないという理由で皆から却下されていた。

全く お前等…酒とニャンコ、どっちが大事なんだよ?

 

「酒だな。」

「酒だね。」

「お酒ですね。」

「「「酒。」」」

ふん!良いさ良いさ、後で1人で行くもんね!

待ってろよ~、タマ、ハッピー、コテツ、ちょむすけ!

 

≫≫≫

「いらっしゃいませ~…にゃん☆」

そんな訳で、あの宴会の後に やってきましたよ、ネコさま大王国。

ええ、ぼっちで。

 

「あ…どーも。」

「よぅ、この前振りだな。」

そこには、知っている顔が1人。

例のカッツェ平野の茶番劇の時に強烈な魔法を使っていた、エンリ・カルネを拠点にしている冒険者チーム【アクセル】のメンバーの…えーと、名前は知らないや…ロリな娘だ。

 

「おい、今 何か、失礼な事を考えていないか?」

「いや…別に…」

黒虎毛の仔猫を愛でながら野菜スティックを噛り、俺を睨み付ける勘の鋭い魔法詠唱者(マジック・キャスター)

 

「あの娘、シズさんや店長(バステト)、シロネちゃんとも仲が良いんだよ。」

そう小声で教えてくれるのは、実は喋れる(NPC)のパック。

どうやら彼女も、この店の常連らしい。

へ~? シズとバステトにシロネ、そして あの娘…ねぇ?

さしずめ“〇んぬー同盟”でも結成してるのか?

 

「おい貴様、やはり凄く御無礼な考えをしているだろう?!」

「セクハラです。」

「出禁にしますよ?」

「べ、別に何も変な事、考えてないし?!」

突然 俺に詰め寄る、()()()3人娘。

いや君達、本当に心を読めるの?

m(_ _)m ごめんなさい。

とりあえず出禁だけは、勘弁して下さい。

 

≫≫≫

 

コト…

 

「タナカ様、女の子は ()()()()()()には敏感だから、気を付けるにゃ~♪」

「はひ…」

何とか その場を誤魔化して、ぐったりした俺の前にコーヒーを持ってきたのは、さっきのシロネと姉妹の設定で創られたらしい、NPCのクロカ。

幼女体型な妹とは打って変わってな、抜群なスタイルのネコマタだ。

 

「そう言えば さっき、はにゃーんとベートから『タナカに潰された…グフッ…』って、[伝言(メッセージ)]着たけど、何が有ったにゃ?」

「知らね。俺は悪くない。」

ふん、あれは俺が奴等が「後で一緒に行かね?」って この店を誘ったのを、「あの店には酒が無い」と断ったからだ。

だから望み通り、酒を大量にくれてやっただけ。

先に言っておくが、一方的に飲ませる様なパワハラな真似は してないぞ。

寧ろ飲んだ量は、俺の方が多い位だ。

但し俺は、酒で酔う事は無い。

…て言うか、酔えない。

ユグドラシル登録特典で得た卑怯(チート)能力の1つ、【ステータス異常無効】のスキルが泥酔は無論、ほろ酔い気分ですら常態異常と認識、即正常化するのだ。

お陰でガンガン飲めるぜ!

…って、加減てモンが有るだろ!

好い感じに なれないって、嫌がらせか、クッソ運営ぃ~っ!!

尤も そのお陰で、純粋に酒の味は きっちりと分かる様になったけどね。

因みに今の一番の お気に入りは、ナザリックのバーで飲んだ芋焼酎(ロック)。

癖が強くて個人の好みがハッキリ別れそうな味わいだが、俺的には現実(リアル)での下層生活の中では一生 口に出来なかった美味さだった。

他にも和・洋・中、ナザリックのバーの品揃えには驚かされたよ。

少し前、デミウルゴス、コキュートス、パンドラ、セバスと一緒に飲んで、全員 潰したんだよな。(次の日、鈴木に滅っ茶 怒られた)

 

≫≫≫

「タナカさん、話は聞いてますよ?

この度、ロンズデーライト級に昇格したとか。

おめでとうございます。

そんな訳で お祝いに何か、奢って下さい。」

「「ふにゃぁ~?」」

「ごめん。何 言ってるか分かんない。」

そしてコーヒー(2杯目)を飲んでる時に、ニャンコを抱いたロリっ娘が、目の前に立ったと思えば、いきなり集ってきた。

それに対して ちょむすけ、そして俺の膝の上の茶々丸も頭に(はてな)を浮かべてる。

…って、祝いってなら普通は逆だろ?

まぁ俺は、お子様に集るとか、そんな真似は しないけど。

てゆーか俺達、何時の間に そんなに親しくなった?

 

「何を言ってるのです。

猫好きは皆、無条件で友達ですよ?

そして年上の人が、年下の友達…しかも美少女に御馳走するのは、全然 普通。

寧ろ、ガンガンすべきです!」

「いいや、その理屈は可笑しい。」

それと敢えて否定しないが、自分で美少女言うなし。

それと、悪いけど俺には『美少女前面出し』は通用しないからな?

キミより もっと美人で巨乳の婚約者(よめさん)が居るから。巨乳の。

そういう台詞は、せめてFカップを越えてからにしなさい。

 

キュゥ~… 

 

「「……………………。」」

そういう遣り取りな中、突如 場に響く謎の音(笑)。

そして暫しの沈黙。

 

「ちちち、違うのです、これは違うのです!ぃぃい、今のは決しt

「しょーがないなぁ~…分かった分かった。」

顔を赤くして、何やら必死に…まるで間男との情事な現場に、旦那&弁護士に凸された汚嫁の様な台詞で、否定するロリっ娘。

 

「すいませ~ん、この腹ペコなロリっ娘に お子様ランチを!」

「ぅぉおいっ?!」

  

 

◆タナカside・了◆

 

▼▼▼

…その頃の、ナザリック地下大墳墓。

 

「ふん…不様ですね。」

「た…助けて…もう、勘弁…」

「はぁ~…

そこは『殺せ』では、ないのですか?

貴方も“格”は違えど、アインズ様やタナカ様と同じ、プレイヤーなのでしょう?」

上層の一室。

牢獄でデミウルゴス溜め息混じりにが話し掛けているのは、濃緑の髪の青年。

両手を壁から延びる鎖に囚われ、身体全体には拷問による傷痕が惨たらしく刻まれている。

先日、ユグドラシルから転移、魔導国に敵対する考えを見せていた為に壊滅させられたギルド【九痛(ナイン・ペインズ)】の唯一の生き残りである。

 

「馬鹿な考えを持たず、この世界に着いた早々に素直にアインズ様に保護を求めていたらならば、この様な事には ならなかったのです。」

「ゎ、分かったから…アインズ…様に忠誠…を、誓う…から…た、助け、テ…」

「今更 遅いですね。

貴方の処遇は、既に決まってます。

ナザリックに…アインズ様に歯向かった愚か者が どうなるかを知らしめる為のイベント、公開処刑…とね。

ふふふ…その時が来る迄 ()()()()()をする事無く、精々 苦しみ、悔やんでいたまえ。」

 

パタン…

 

無慈悲な笑みと台詞を残し、拷問部屋を去るデミウルゴス。

 

「………!」

その時その閉じられた格子扉を見て、青年は細い目を大きく見開いた。

 

魔法施錠(マジック ロック)…してない?」

デミウルゴスが入室した時、その入り口は普通の鍵だけで無く、魔法施錠(マジック ロック)も施されていた。 

しかし今は、それが されていない。

只単の普通の鍵で閉じられているだけ。

 

「……………………。」

そして今の自分の腕を拘束している鎖枷も、特別な細工は されていない。

 

カシャ…カチャ…

 

それは、彼が持つ技能(スキル)で簡単に取り外し、開く事が出来るレベルな物だった。

 

「ハァ…ハァ…[熾天使(セラフ)召喚]…」

そして彼が次に起こした行動は、最上位の天使の召喚。

種族が上位悪魔(グレート デーモン)にも拘わらず、信仰系魔法詠唱者(マジック・キャスター)の職を得ている彼が喚んだのは、全身装甲の無機質な異形天使(モンスター)で無く、人型…ウェーブが掛かった長い金髪の、美しい顔立ちの女性天使。

 

「ガ…カヴリエル、早く僕を癒せ!」

 

バサァッ…シュォォ…

 

この言葉に応じ、豊かな胸を持つ美女が背に2対12枚の金色に光る翼を大きく広げ、そして蒼銀に煌めく静かな吐息(ブレス)を吐くと、彼の身体全体に及んだ傷が治っていく。

 

「公開処刑?…巫山戯るなよ。

あの悪魔(NPC)、態々そんな事を教えるなんて、頭が悪いんじゃないか?」

空間に空いた黒い穴からアイテムを取り出し、それを装備しながら呟く青年。

 

「そんなのを聞かされ、大人しくしてる訳が無いだろ?」

こうして彼、テオドラント・アスベスト…ユグドラシルにて【女性聖職者愛好癖(セイジョ★スキー)】と、少しばかり痛い通り名を自称していたプレイヤーは、ナザリック地下大墳墓からの逃走を開始した。

 

≫≫≫

「クソッ…! どうなってんだよ?!」

しかし、それは容易な事では無く。

墳墓内を徘徊する不死系怪物(アンデッド)は それ程の苦も無く対処出来るが、複雑に入り組んだ通路が、彼の足を悩ませる。

階段を何度も登り降りし、既に自分が今、地上に向かっているか地下に進んでいるのかも判らなくなっていた。

 

ヒュゥン!

 

「!!?」

そんなテオドラントに、更なる攻撃が。

大きさはバスケットボール程度の無数の刺が生えた銀色の鋼球が、彼に向かって飛んできた。

 

ガシィッ!

 

しかし それは、難無く払い落とされる。

そして その鋼球に付いている鎖を辿った先には、白銀に輝く鎧を着た人物が1人。

 

「その鎧は地獄の番犬(ケルベロス)神器級(ゴッズ)アイテムか!」

ユグドラシル上級アイテム使用者の登場に、テオドラントが身構える。

 

「……………。」

それに対して白銀鎧の人物も、無言で青く光る両刃の大剣を正眼の構えに取るのだった。

 




 
名前のみ含めて、ネコさま大王国の新キャラの説明は不要ですよね?(笑)
 
 
次回『セイジョ★スキーDxD(嘘/笑)』
乞う御期待!
感想よろしくです。
 
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