鈴木悟の職場の先輩が、ユグドラシルのサービス最終日に新規ユーザー登録しました   作:挫梛道

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作者の お気に入りな()()、この小説にも登場させてしまいました(笑)
 



第8階層の あれら

▼▼▼

それは、ダイマオー(仮)と入れ替わりに姿を見せた。

2本角の兜、右手に片刃の剣を、左手に刺付きの鉄棍。

棘の生えた球型の下半身に足は無く、ボウガンが備わった尻尾が。

そして魔力処理なのか、その身は宙に浮いている。

 

『え…え~と…って、な、何で()()が?!

………あ?デミウルゴス?

何なの、アレ?

………………………………そんなの知ってるよ!それは見れば分かるよ!

だ~か~ら、アレは一体どういう事だって聞いてんの!

……………………………………………………………………………………いやいやいや、そんなサプライズ、いらないから!

あ、ぁあ~っ、もう!…っと、失礼しました…。』

デミウルゴスの[伝言(メッセージ)]による事後報告。

聞かされていなかった展開に、司会進行役のアウラも戸惑っている。

 

『え~、客席の皆さん、ついでに愚か者1号にも説明しまーす。』

それは、『第8階層の あれら』と呼ばれる存在。

純粋な破壊力だけならば、ナザリック地下大墳墓最強クラスにして、最終防衛設備。

ユグドラシル全盛期、『DQNギルドに裁きの鉄槌を!』の旗印の下、連合を組んだ1500のプレイヤーによるナザリック地下大墳墓の侵攻。

最終的に それを退けた…数多のプレイヤーの絶大的勝利の自信を完膚無きに へし折り、決して拭えぬトラウマを刻み込んだ、8機から成る鈍色装甲の殺戮機械魔神の集団だった。

その内の2体が、第6階層の闘技場(コロシアム)に、処刑執行者(エクスキューショナー)2番手として現れたのである。

その強さは、大侵攻に参加したプレイヤー達が運営側に、結局は認められなかったが『違法だ!』『卑怯だ!』『チートだ!』と訴えた程。

   

『(…なーんて、其処まで詳しく言う必要は無いよね?)…この2体は先程のダイマオー(仮)と同じく、ナザリック地下大墳墓の とっておきの1つ!

通称『あれら』!

ダイマオー(仮)に替わり、愚か者1号を処していきまーす!』

 

うぉおーーーーーっ!!

 

余計な情報は伏せ、最低限の簡単な解説に留めるアウラ。

しかし それだけでも、客席は大湧きだ。

 

ヴォン…

 

『『この先の宝が欲しいなら、我々を倒してみるがよい!』』

「た、宝って何?有るの?!」

そして兜の奧、単眼(モノアイ)に赤い光が灯ると同時、2体の あれらはデオドラントに向けて一声発した後、手にした武器を振り翳し襲い掛かるのだった。

 

▼▼▼

 

◆アインズside◆

ん~、流石に ()()()は、やり過ぎたかな?

しかし、インパクトは大切だし。

アレを見せておけば、また暫くの間は俺達に対抗しようとする輩は現れないだろ?

定期的にチカラを見せつけるのは、大事なんだよ。

ただ、アルベドやアウラに報せてなかったのはデミウルゴス、少し不手際だぞ。

サプライズも良いが、報連相は大切だと言ってるよな?

俺は てっきり、周知だと思っていたぞ?

 

「か…かっけーーーーーーっ!!」

そんな中、その あれらを見て、(☆∀☆)(こんな顔)してる先輩。

ええ、解りますよ。

単眼(モノアイ)機動兵器(ロボット)って、男子のロマンですからね。

あの あれらの設計概念は人型メカ。

『ぼくたちのかんがえたさいきょうましーん』って事で、装甲素材から武装、基本能力数値(ステータス)設定まで、皆で課金して造り出したんだよな。

3人の女性メンバーからは『お金使い過ぎじゃないですか?』とか言われたけど、残りの男性陣全員の必死の説得で、形にしたんだ。

その際、たっちさんが奥さんに散々と説教されたとか言って凹んでいた時は、あの犬猿なウルベルトさんが励ました位だ。

脚が無く、浮遊移動にしたのは、誰のアイデアだったかな~?

『脚なんて飾りです!偉い人には解らんのです!』…な力説に、皆もノリで賛成したんだっけ。

一番最初は、宝物庫の番人として造る予定だったけど、余りの強力さで最終防衛用に設定変更。

その後、宝物庫の番人と言うか、管理者として創ったのが、パンドラズ・アクターなんだよね。

 

『『この先の宝が欲しいなら、我々を倒してみるがよい!』』

あの音声(ヴォイス)は その名残。

設定変更後もギルメン全員が全員、台詞を削除するのを忘れたのも、笑い話だ。

それで万が一、アレが倒された後に宝も何も無く、『詐欺だ!』とか言われるのが嫌だから仕方無く、第8階層の奥側に一応、宝箱を1つ設置したんだっけ。

その中身は薬草…いや、ひのきの棒だったかな?

 

ガァン!

 

「ひぇっ!?」

…なんて思い出してる間も、あのプレイヤー…名前は、セイジョ★スキーだったかな?が、 あれらの攻撃を必死に躱している。

MP切れで、能力強化系の魔法も使えない筈なのに あの攻撃を避け続けるなんて、()の身体能力も結構 凄いな?

 

「いや、あれは只の、火事場のクソ力だと思うぜ…ですよ。」

 

 

◆アインズside・了◆

 

≫≫≫

 

◆タナカside◆

セイジョ★スキーが、あれらの猛攻を躱す、躱す、躱す。

 

バキィッ!

 

「ひぇぃっ!」

攻撃と攻撃の僅かな隙に、空間庫(ストレージ)から回復や補助アイテム、防具なんかを取り出して使ってるけど、あれらの攻撃力が半端無い。

今も如何にも硬そうな盾を、一撃で破壊だ。

 

「今の盾も、伝説級(レジェンド)なのですが…」

…らしい。

 

「あれらにはダイマオー(仮)の様な、バフを無力化する能力は無いのですから、武装で身を護るより、能力アップのアイテムで身体強化を優先させるべきですな。」

「…それでも、あのプレイヤーには あれらを撃破する手段は無いのだから、同じ事だと思うがね?」

「正シク。」

「そろそろ飽きてきたでありんす。

オーディエンス達もナザリックの驚異は再認識出来たんしょうし、もう頃合いじゃないですかえ?」

 

カリ…

 

仔猫を型どったチョコスナックを摘まみながらの、シャルティアの呟き。

 

バスゥッ!

 

「ぎゃぁあっ!?」

それが聞こえたのか、あれらの1体が放ったボウガンが、セイジョの右腿を貫いた。

 

ピチュゥン!

 

「ぐびゃぅゎぃあ?!」

そして もう1体の、赤く光る単眼(モノアイ)から撃たれた紅い閃光(レーザー)が、左肩口を貫く! かっけーっ!

 

ゴゴゴゴゴ…

 

「ひっ…ぁゎゎゎゎ…」

激痛から動きが止まり、地面に へたりこんだセイジョ★スキーを重そうな威圧感を撒き散らしながら、2体の あれらが取り囲む。

セイジョは顔面蒼白、絶望の表情だ。

 

どん!どんどんどんどんどんどん!!

 

その後は座り込んだ獲物目掛けて、2体掛かりで両手の武器を…まるで地面を太鼓に見立てたかの様な、リズミカルな連続打ちだ。

正直、最初の鋼棍の一撃で終わった様な気もしたが…兎に角 最期は断末魔を上げる隙も無く、処刑対象は地上波放送ならモザイク必須な肉塊(ミンチ)となり、処刑終了。

 

『う…わぁ~…』

「ひぃい…」

これにはアウラとマーレも、思いっきり口元を牽き攣られて退いている。

 

………………………………。

 

ついでに言えば、観客席の皆さんも同様に、声を出せないでいた。

 

≫≫≫

数日後。

 

「うっわ…コイツは非道ぇ…」

「本当に魔導王様の陣営は、理不尽と言いますか…規格外ですね。」

「…無いです。」

「…だにゃ。」

「凄まじいNA…」

「こんなだから、DQNギルドとか呼ばれてたのではないか?」

「ふにゃ~!」

「あの男の子、可愛いですね?…って、この子、何だかクライド君に似てませんか?…にゃん☆」

あの脱出ゲームから始まった、一連の公開処刑の記録映像(編集&監修/ラナー、シズ)をネコさま大王国の皆にも観せてみたが、概ね好評(笑)だった。

 




 
あれら…キラーマジンガ様(ドラクエⅥ)のイメージで
 
次回『【閑話】ナザリック大侵攻』
乞う御期待!
 
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