鈴木悟の職場の先輩が、ユグドラシルのサービス最終日に新規ユーザー登録しました 作:挫梛道
ナザリック大侵攻編の続きです。
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「クソがぁぁぁっ!
あの糞餓鬼、俺のシャルティアを、よくも!
絶対にぶっ殺す!」
「ちょ…ペロロンチーノさん、落ち着いて下さい!」
「気持ちは分かる、気持ちは分かるから!」
「落ち着け、愚弟!」
ナザリック第9階層。
第3階層での戦闘の結末に、金色の鎧を着た
「どうせ既に、今回の侵入者履歴に載った連中は皆、
「とりあえず落っ着け、エロ鳥。」
「ふしゅー、ふしゅー…ガルルルル!」
「分かった分かった。今度 水野ちゃんのサイン、貰ってきてやるから!」
「…………!!」
▼▼▼
第4階層。
第1~3階層が、石煉瓦で造られた人工的な迷宮ならば、この第4階層は土と岩の自然空洞。
地底に巨大な湖が広がっているエリアだ。
ガガンッ!
「「「ぎゃ…」」」
このエリアの番人の、体が岩で出来た超巨大ゴーレムの振り落とされた拳で、一度に数人のプレイヤーが潰され、
「お馬鹿ぁ! あんな大っきいのに、接近戦で挑む人が居るぅ!?
遠くから魔法や狙撃系で叩くわよ!」
騎士風の女が叫び、魔法で炎の槍を作り出して投擲。
それに続き、他のプレイヤー達も魔法や弓矢、銃等での攻撃を開始した。
ぶぅぉん!
「「「ぎょぇ…」」」
それに対して、岩の巨人も大岩を投げつけての反撃。
巨岩の直撃を受け、そして大質量の下敷きとなり、また一度に複数のプレイヤーが脱落する。
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第5階層。
既に かなり地下深い筈である。
しかし、其処は まるで屋外の様だった。
寒風吹き荒ぶ氷原、雪狼や白衣の妖婦を蹴散らして進んだ先、待ち構えていたのは4本の腕それぞれに槍や刀を携えた、白い外骨格の蟲人。
ダダダッ…!
「??!」
この異形の武人が、その巨体に似合わぬ猛スピードで突進。
その先に立っていたのは短槍と亀甲盾を持ち、【近眼】と書かれたアイマスクをした侍風の男。
ズバァッ!
「ぐはぁあっ!?」
男が身構えるも日緋色の刃が盾を破壊し、その儘 胸元を貫いた。
そして それは
即死級のダメージで戦闘不能となった男は、2つに別れた上半身と下半身、それぞれが同時に その場から姿を消した。
「か、囲め! 全方位から攻撃だ!
コイツも相当にヤバいぞ!」
それを見て、第4階層以降、集団を統率する立場となった、猛禽の翼を持つ天使種の男・ノエルが全体に指示を飛ばす。
「「「「ぅおおぉおっ!!」」」」
これに従い、プレイヤー達は上空からを含めた全方向からの攻撃を蟲人に仕掛けるが、
バガァッ!
「「「「ぎょえぇっ?!」」」」
その多くは4つの手に持たれた4つの武器によるカウンターを喰らい、また
≫≫≫
…それでも彼等は数の利を活かし、奥の階層へと進撃していく。
第6階層では生い茂る森林で肉食植物や毒蟲、魔獣を退け、それ等を使役していた2人の幼い容姿のダークエルフを。
そして続く第7階層では、溶岩と岩盤のフィールドで、強大な魔力を操る悪魔の集団を。
少なくない損害を払いながらも、それ等を撃破していった。
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そして、第8階層。
其処は何も無い…只、1本の大樹が神々しく地に根を下ろしているだけの荒野。
「「「ぎゃぁ…」」」
「「「巫山戯んなy…」」」
最初は1500人も居たプレイヤー達も、既に その数は200人を割っていた。
そんな彼等を待ち受けていたのは、嘗ての地下墳墓レイドボスの
オリジナルと比べると やや弱体化しているが、此が複数で襲い掛かる。
しかも、その主だった攻撃法は、防御や攻撃力を魔法やスキルで強化したとても、1体が それを完全に打ち消す波動を放ち、直後に別の個体が広範囲への強烈な
この凶悪コンボで、また多数が
それでも辛うじて、この元・ボスの集団を倒すと、次に現れたのは
「何…あれ…?」
「もしかして、天使…なのか…?」
それは確かに頭の上に、天使の証である光の輪冠が。
しかし、枯れ枝の様な翼を持ち、宙に浮いている その姿は胚子。
「ケッ! 何でぇ!てんで、弱そうでじゃねえか!」
「楽っ勝っぉ!」
「「ひゃっはーっ!」」
ダダダッ…
「馬鹿、不用意に近付くな!」
その異形の天使…その余りに小さく ひ弱そうな姿に、数人のプレイヤーが武器を構え、この異形の天使に突進。
ノエルが諫めるが、その声は届かず、
斬!
先頭を走っていた戦士系の男の戦斧が、胚子の身体を横真っ二つに斬り裂き、
シュゥ…
この天使は その場から姿を消す。
「【(T▽T)】ぎゃーっはっはっは! どーだ!…ったく、ビビり過ぎだっての!」
3色3列のモヒカン頭・虎毛鎧の男が、どや顔で誇らし気に言い放つが、
ビシィィ…ッ…
「「「「「「!!???」」」」」」
次の瞬間、この
「「「な?!」」」
「「「「これは!??」」」」
「「動けん…だと?!」」
それは、麻痺でも金縛りでも、カゲヌイや時間停止、そして呪いの類いでも無く。
兎に角、その場の全員が、その身を全く動かせなくなったのだ。
この場の殆んど全員が、その系統のスキルに耐性を持っていたにも拘わらず…だ。
「何なんだよ、一体よぉっ!?」
「まさか今の小っさいの、倒したから?」
「どーすんだよ、これ!」
「バカが考え無く動くから!」
「ハァ?!俺の せいだって言いたいのかよ?テメーッ!…っつーか、誰がバカだ!?」
「お前だよ、このバカ!他に考えられねーだろーが!」
「止めろ お前達、ケンカは後にしろ!」
手足を動かせず、会話しか出来ない現状。
それは あの天使の撃破がスイッチとなった…あの異形の天使何らかのスキルを発動させたのは、間違い無く、その事で言い争うプレイヤー達。
ゴゴゴゴゴ…
「「「「「「????!!」」」」」」
そんな完全に足留めされた侵入者達の前に、また別の階層の住人達が現れる。
単眼が赤く光り、左右の手に剣と鋼棍、尻尾にボウガン。
脚を持たない代わり、魔力により宙を浮遊移動する、鈍色の装甲の殺戮機械兵器。
それは正式な名を付けられていない…通称あれらと呼ばれる、ナザリック地下大墳墓最強
ゴォオオッ!
その、8体の あれらの内の1体が、高速で突進を仕掛ける。
「げ!? ぉ、俺かよ?!」
その
ガガァンッ!
「ウギャァァァァァッ!?」
交通事故の形容が相応しい、頭部の2本角をカチ上げ ぶちかます様な、強烈な体当たり。
体を動かせない無抵抗状態での この一撃を受けた男は、激しく回転しながら上方高く打ち上げられ、
ズドッ!
錐揉みで、勢い良く地面に激突、上半身を地中に埋めた状態で退場した。
『『この先の宝が欲しいなら、我々をたおしてみるがよい!』』
そして、この一言。
「喋った?」
「宝だと?!」
NPCが声を発する。
会話で無く、そういう台詞として設定しているならば、それは珍しくはない。
一部のプレイヤーが それに反応したのは、『宝』という単語。
よくよく目を凝らせば、大樹の根本には立派な台座が。
そして その上に、立派な装飾の宝箱が置いてある。
「ちぃ、動けん…て、うぎゃゎぉ…」
ドスッ…
しかし彼等は今、完全に身動きが取れない状態。
無抵抗の
カァッ…
「「「「ぎゃぁぁっ?!!」」」」
そして また別の個体は、身体全体を白く輝かせ、それは まるで光の球体の様に。
それから全方位に放たれる幾本もの
「クッソがぁ…あ?」
「あら…動く?」
そんな中、これは個人差なのか、徐々に何人かのプレイヤーの足留めが解除されて行く。
「よし、反撃開始よ!…マシン系なら、雷撃属性なら効果有る筈!」
やや露出度の高い
パリィン…
「喰らいなさい!《
手に持った小さな黒水晶を割りながらの魔法詠唱。
これにより上空から…そも地下での戦闘なのだから、この表現も妙だが…無数の雷が、あれらに向けて降り注ぐ。
パァァン…
「え゙?!」
しかし この雷撃は、あれらに当たる直前、魔力が触れた瞬間のみ視認出来る光の壁に遮られ、
ズガァッ!
「きゃあぁぁあっ!!」
その竜を象ったかの雷は全て、それを放った当人に向けて反射される。
結果、この 痴女な 独特な
≫≫≫
「冗談じゃないぞ!?」
また別のプレイヤー数人は、大樹の方向に走っていた。
狙いは その根本に置かれた宝の箱。
罠の可能性は高い。
しかし、あれ程の守り役を配しているのだ、その中身は それなりの物な可能性も高い。
確かにプレイヤーとしてはDQNだが、せめて創作・設定面ではゲーマーとしての常識、良識に期待したい。
もしかしたら、あのイカれたメカに対しての、一発大逆転なアイテムが入っているかも知れない。
…そんな、微かな望みを持っての行動だった。
「大丈夫だ、
「よし、開けるぞ!」
盗賊系スキルを持った男が罠の有無を確認した上で、戦士風の男が その蓋を開ける。
カパ…
そして、その中には
「「「「………………………。」」」」
「「「「あ・の・クソDQNギルドがーーーーーーーーーーーーーーーーッ!!」」」」
紙切れが1枚だけ。
本来あれらは、第10階層の宝物庫の番人として設定・創造していたのだが、その途中で別に創っていたNPCに その役目を任せる事に。
『この先の宝が~』の台詞は、その名残。
宝箱も あれらの配置変更設定時、その唯一話す台詞を設定削除するのをギルメン全員が忘れていた為、一応の辻褄合わせとして、形だけ置いただけの物だった。
因みに このアイデアは、
『この先の宝が欲しいなら、我々をたおしてみるがよい!』
「「「「!!?」」」」
そんな憤慨している彼等の背後に、あれらの1体が迫っていた。
カッ…!
「「「「ヒぇっ?!」」」」
そして、
≫≫≫
ビュゥン!
「…!」
そして別の場所では、未だ足留めが解除されていないノエルに向け、あれらの1体が尾に装備されたボウガンを射ち放つ。
「ちぃ、ここ迄か…!」
ノエルが無念そうに覚悟を決めるが、
ガシィッ
その矢は横から伸びてきた手に捕まれる。
「パサム!」
「ノエル様、御命令を。」
白のシャツ、蒼のスラックスをサスペンダーで吊り、赤の蝶ネクタイの出で立ちな、おおよそ戦いの場の服装とは思えない格好をした、眼鏡を掻けた中年男。
それは彼等のギルド【セラフィム】所属のNPC、パサムだった。
「ノエル様、御命令を。」
「パサム!
敵を殲滅しろ!」
「…御意!」
ノエルの言葉にパサムが反応すると、
バァッ!
その人間だった姿は瞬く間、眩い光を放つと同時に青銀の鱗の巨大なドラゴンに変化。
ブゥオォォオッ!
そして炎雷の
それは反射される事無く、あれらに直撃。
「でぇいやっ!」
斬!
これに、漸く足留めが解かれ動けるようになったノエルも加勢。
超金属の装甲に剣を打ちつける。
『『この先の宝が欲しいなら、我々をたおしてみるがよい!』』
「何…だと…?!」
しかし その場に、あれらが更に2体、戦闘に参加してくるのだった。
≫≫≫
「ざけんな!」
「ありえねーし!」
「おい運営!聞こえてるか!あのクソ骨ギルド、不正魔改造してやがるぞ!
チートだ!チーターだ!」
あれらの暴威に、既にプレイヤーは残り僅かとなっていた。
8体の殺戮メカに囲まれ、最早 逃げる事も叶わぬ中、最終手段としてGMコール。
あれらを不正改造扱いとしてゲーム運営サイドに通知するが、その返事は来なかった。
普段からの逆怨み的クレームとして、最初から相手にしなかったのか、それとも審議した上で、
ガァン!
「おらばみゅっ?!」
その間にも、あれらが振り回す鋼棍に、プレイヤーの1人が撲り潰された。
「ど、どーすんだよ?」
「転移脱出も出来ないし?」
「ああ~!もうダメだぁぁっ!」
既に統率する立場である【セラフィム】のメンバーも全員が討たれおり、場は混乱と諦めの感情が支配していく。
…残り、17人。
①水野ちゃん…原作・現実世界の人気声優。
彼女の大ファンなエロバードマンは後日、サインを貰ってきた姉に、土下座感謝をしたらしい。
②2回目ですが、
あれら…キラーマジンガ(ドラクエⅥ)のイメージで
③ノエル…特にモデルは考えてないっす(笑)
次回で大侵攻編、締めます。