鈴木悟の職場の先輩が、ユグドラシルのサービス最終日に新規ユーザー登録しました   作:挫梛道

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新展開!
 


咎人の国に降りた者

◆シャルティアside◆

……………………………………。

 

「スゥースゥー…」

あの、婚約発表を終えた翌朝…朝、と言うには、まだ少しだけ早いでありんすね。

ふと目を覚ますと、隣には黒い髪の細身の男性が、静かに寝息を立てているで、ありんす。

人化の指輪で、人間となった、アインズ様。

そう、私とアインズ様は昨夜…()()()()()…で、あ・り・ん・す♡

私にとっては初めてな男性…でありんしたが、ななな、何と!アインズ様も、私が全くな初めてな相手だったとか!

アインズ様の お初を戴ける…光栄の極みでありんす!

私自身は同性となら…(側近の吸血鬼の花嫁(ヴァンパイア・ブライド)でありんす)…何度も経験しているので、その辺りは申し訳無く思っておりんしたが、アインズ様は気にされる事無く、私を受け入れてくれたでありんす。

嗚呼、ペロロンチーノ様、見ておられますか?

シャルティアは、シャルティアは幸せになりました!

因みに…吸血鬼の花嫁(ヴァンパイア・ブライド)達も、私公認の妾として、アインズ様の御寵愛を賜る事になったでありんす。

 

「すやすや…」

「すぴー…」

「zzz…」

…ほら、この通り。

いえ…だって私1人だけ、殿方(だんなさま)が出来たからって、それで今まで尽くしてくれた此奴等に、『お前達は もう、用済みでありんすww』とか、言えないでありんしょ?

どれだけ下種でありんすか?

…け、決して、急に1人じゃ不安になってヘタれたとか、或いは男女同時…受けと攻めを一度に堪能出来るとか、そんなんじゃないでありんすからね!  

 

 

◆シャルティアside・了◆

 

▼▼▼

 

◆タナカside◆

「おはようございます。夕べは お楽しみでしたねww」

「止めろください。」

これから緊急の会議。

会議室に向かう途中、長い廊下で ばったり会った、何だか搾り尽くされて げっそりしているっぽい(すずき)に、朝の おちょくり…基、挨拶を。

 

「タナカ…いや先輩~、マジに勘弁して下さいよぉ…」

いや、これは喜ばしい事だぞ!

ユグドラシルというゲーム世界、そして その転移後世界で魔法詠唱者(マジック・キャスター)な鈴木。

しかし現実世界(リアル)でも この男、大魔法使いだったからな。

それが()()出来たのは、先輩としても友人としても、凄く嬉しいぞ!

ホント マジ、良かったなぁ~、鈴木い~ぃ!(感涙)

 

「………………………。」

そして その一歩下がった後ろには、艶々っぽい顔なシャルティアが俺達の会話が理由なのか、その顔を赤くして、俯いて着いて来ている。

これは、意外な反応。

てっきり俺の振りに、『(*≧∀≦*)ゝ いや~♡』みたいな感じで、昨夜の出来事を自慢気に赤裸々告白で、会話に参加してくると思ってたが…

この しおらしい態度…貴女、本当にシャルティアさんですか?

 

「ど、どーゆー意味でありんすか?!」

あ、良かった、本物だ。

…と、そんな会話の中、会議室に到着。

 

≫≫≫

「「「「「……………………。」」」」」

階層と領域の各守護者の他にも、一部その側近が参加する今回の会議。

そのメインの議題は、シャルティアの件だ。

鈴木との婚約で、魔導国王の妃となる人物に、何時までも階層守護者をさせる訳には往かないだろ?…な話は必然。

第1~3の階層守護者の引き継ぎを、誰にさせるかの話し合いだ。

これにシャルティア本人は、階層守護者は続ける心算だったのか、難しい顔をするが、其処はアルベドとデミウルゴスの説得で、渋々ながら了承させて貰った。

決まり手はアルベドの、『別に敵に洗脳されたりしての失態が理由でのクビとかで無く、寿退職なんだから、素直に受け入れなさい』の一言。

その言葉は言葉で、『ぐっぽゎぁっ!?』と、精神的ダメージを受けたのは別の話として、寿退職という響きが凄く気に入ったらしい。

今後は王妃として、鈴木を支える立ち位置、国の(まつりごと)の方面で働いて貰う事に。

それは それで大丈夫なのか?…だが、その辺りはアルベドの指導の下、みっちりと必要な教養(スキル)を身に付けて貰う事となった。

そして、その抜けた穴だが…戦闘面では守護者最強…鈴木を相手にしても、7:3の確率で勝てると言われるシャルティア。

そんな彼女だからこそ、3つの階層を同時に任せられたのだが、後任に同じ様に複数の階層を任せるのは不安だというのが、皆の本音。

そんな訳で各階層に1人ずつ、守護者を設ける事になったのだが…

 

 

◆タナカside・了◆

 

▼▼▼

 

◆デミウルゴスside◆ 

「はっ!その大役、謹んで お請けさせて頂きます!」

シャルティアの後釜ですが、先ず一番最初に決まったのは、第2階層の守護者。

元々に、この階層に居を構えていた恐怖公が、その己の責任を持つ範囲を拡大させるという事に落ち着きました。

そして第3階層。

最初はグラントという話も上がったのですが、彼女の巣は既に複数の階層に跨がって形成されており、『少し違うんじゃね?』な意見が出た事で取り止めに。

 

「ヌルフフフ…

はい。選ばれたからには、頑張らせて頂きます。

ええ、この触手に誓って!」

異動の簡単さを含めて色々と話し合った結果、最後は恐怖公と同じくナザリック5大最悪の一角、"エロ最悪"ことナプエドマータが担う事となりました。

そして残る、第1階層守護者ですが、

「「「アインズ様、宜しいでしょうか?…?!」」」

タナカ様、私、セバスの声が重なりました。

 

「タナカ様、どうぞ お先に。」

見事なハモりに苦笑しているタナカ様に、先に発言を譲ると、この御方から出た言葉は、

「第1階層守護者だが…俺はクライムを、推薦する。」

「「…!?」」

おお。タナカ様は私と…恐らくはセバスもでしょう、同じ考えをお持ちでしたか。

この言葉に、当人とラナーが、驚いた顔をしています。

 

「この前の脱走者(プレイヤー)との戦闘の動画を見せて貰ったが、実力的には十分な物を持っていると思う。

200年の鍛練は、伊達じゃないって訳だ。

もしナザリックの外から来た元・人間…という事で、この人事に面白くない考え、感情を持つ者も居るかも知れないが、そーゆーのなら、俺も同じだぞ?

ナザリック入りさせて貰って、まだ半年足らずだ。

そんなの下らねー、小さな問題なんだよ。

実力蔑ろ、出生が良いだけな無能を上役にして、結果滅んだ会社(そしき)を、俺は幾つも見てるんだ。

これは、曾ての貴族王族が、そうだったのじゃないのか?

…どうでしょう、アインズ様…いや、鈴木?」

「ふ…む。先に、デミウルゴスとセバスの考えも、聞いておこう。…デミウルゴス?」

「…はい。」

タナカ様の御言葉だけで、もう決定で宜しいのでは?…と思いますが、出る意見は全て聞く…流石はアインズ様です。

 

「実は私も、クライムの名を揚げる心算で居りました。

…これはセバスも、そうなのでしょう?」

 

コク…

 

やはり そうでしたか。

私の問いに、静かに頷くセバス。

 

「クライムを推す理由。

タナカ様に殆んど言われてしまいましたが、付け加えるならば、これは先行投資です。

彼を責任有る地位に就ければ、心身に更なる成長が期待出来るでしょう。

そして それは将来的に、ナザリックにとっても有益となる筈です。」

更に言うなら、クライムの鎧の銘は"地獄の番犬(ケルベロス)"。

侵入者に対するナザリックの先鋒としても、洒落が利いていると思いますよ?

そんな頻繁に、侵入者が来ても困りますがね。

 

「……………………………。」

おや、これにラナーが複雑な顔をしています。

自分のペットの実力が認められ、出世するのは嬉しいのですが、結果、領域守護者である自分より、上の位置に立つのは…と、言った処でしょうか。

いえ、それも違いますか。

タナカ様の言葉では有りませんが、彼女は そんなに小さくない。

それに貴女達個人の上下関係は、この程度では変わる事は無いのでしょう?

さしあたって、常に傍に控えている彼が第1階層に出向く事で、2人きりの時間が極端に少なくなる事に対しての不満ですか?

 

「…ふむ。

クライムが第1階層守護者となるのに、誰か、反対とする考えの者は居るか?

…その場合、代わりに推薦する者を揚げた上で、発言せよ!」

 

シーン…

 

アインズ様の御言葉に、誰もが皆、黙りとなる。

単に『No!』だけなら言えるかも知れませんが、一緒に代案を掲げるとならば、それも難しいのでしょう。

しかも、タナカ様の あの発言の後です。

これは もう、決定ですね。

 

「…………。」

ラナーが何か物申すかと思いましたが、黙りの儘。

仮に『No』は言えたとしても、代わりの人選が浮かばなかったのでしょう。

あの時のプレイヤーの公開処刑。

その余興としてクライムに出番を要請した時、ラナーは口にこそ出しませんでしたが、明らかに それを拒むかの表情を見せました。

普通なら それだけで不快として断じる事も出来たのですが、あの時は そういう気には、なりませんでしたね。

その理由は以前、タナカ様が仰有られた『イエスマンだけの組織は崩壊する』の言葉。

前以て あの言葉を聞いていたからでしょうが、下の者が上の者に反対意見を出す必要性…彼女が それを断辺的にですが、感じさせてくれたからこそ。

これは正しく、純粋に感謝すべき事で、咎めるべきでは無いと思ったのですよ。

そういう意味では、貴女もタナカ様に、感謝すべきですね。

クライムの昇格は それに対する礼、ついでに言えば僅かながらの…あの時の あの顔に対する意趣返しと思って下さい。

 

「…反対意見は無い様だな。

ならば今この時、クライムを、第1階層守護者に任命する。」

「は…はい! 私如きに その大役が務まるか、正直まだ不安が大きいですが…

私を推薦して下さった、タナカ様デミウルゴス様セバス様の期待を裏切らぬ様、そしてナザリックの為、励まさせて頂きます!」

「うむ。」

ガチガチに緊張しながらも、アインズ様から直々に、守護者の任命を受けるクライム。

まだまだ未熟な点も多々有るでしょうが、それも承知の上での任命です。

頑張って貰いましょう。

 

「…それでは、次の議題。

先日 話に上がった、スレインについてですが…」

 

 

◆デミウルゴスside・了◆

 

▼▼▼

 

◆タナカside◆

「あら~、本当に雲が綺麗さっぱり、消えてるっスねぇ?」

スレインから少し離れた崖の上から、都市の様子を窺う。

俺はスレイン方面に足を運ぶのは初めてなので、それ程な違和は感じないのだが、ルプスレギナ達からすれば、異様な光景の様だ。

巨大な壁の上空には青空が広がっており、それは予備知識が無ければ普通な景色。

寧ろ、暗雲立ち込め留まっている方が、異質な話だ。

 

「それじゃ、そろそろ行きますか。」

「そうですね。」

「ウム。」

"嘆きの壁"と名付けられた、それこそ国土を一周、捕り囲んでいる巨大な壁。

門の様な出入り口は無く、何かの用事が有れば、または新たな罪人を投獄する時は、転移魔法を使っての移動しか出来ない仕様。

正に それは監獄の街ならぬ、監獄の国。

それ、なんてカ〇ンドラ?…って感じだぜ。

そのカサン〇ラに、俺達は複数のチームに別れて、このスレインに何が起きたかを調べる事に。

実は最初の会議の議題に上った直後、アルベドが偵察特化のシモベを現地に送って探らせてみたのだが、どうやらプレイヤーらしき人物が現れていたらしい。

そんな訳で、俺達主力の登場となった。

因みにチーム分けは…

 

・コキュートス、デミウルゴス、ユリ

・アウラ、マーレ、ルプスレギナ

・俺、鈴木、ナーベラル

・セバス、クライム、ソリュシャン

 

………………………………………。

いや…何だか1チームだけ、やたら戦力過剰なのが居ね?

 

「いえ、これは当然な話ですよ!

スキルか魔法かは まだ不明ですが、あの雲を消す程の人物。

それ程のプレイヤーが相手ならば、俺が出向いた方が早いですって!」

(¬_¬)じとー…

 

「本当ですって!

信じて下さいよ~!」

まあ、そういう考え方も有ると言えば、有る。

そういう事に、しといてやるよ。

別に『偶には外に出てみたいから』とか、そんな理由じゃないよな?

 

≫≫≫≫

「何だか活気ついてますね?…ミノムシの分際で。」

「ふん…この国の民は、200年の先祖が犯した罪…

それに対する、常人の寿命では償いきれない罰を引き継いで受けるだけな存在な筈なのだが…不愉快だな。」

廃墟の様な町を歩いている中、普段の改造メイド服で無く、冒険者スタイルなナーベラルと、普段の黒ローブで無く、漆黒の全身鎧(フルプレート)な鈴木が不満気に呟く。

因みに俺も、冒険者スタイルだ。 

 

「おぉ…」

「あ…あぁ…」

「救世主様…?」

そんな俺達を見て、町の者達は 何やら ぶつぶつと言っている。

 

「殺しましょうか?」

「「止めなさい!」」

襤褸布みたいな服の者しか居ない中、俺達の整った服装は…特に全身鎧(フルプレート)は確かに目立つ。

そして気になったのは、『救世主』という言葉だ。

 

「おい、其処のナナフシ。

この地で一体、何が起きているのだ?」

ナーベラルが…いや、いきなりナナフシ?…側に居た老人に、何が有ったのか尋ねてみる。

 

≫≫≫

「成る程…救世主、か。」

この老人が言うには、数日前に いきなり黒雲が消え去ったかと思えば、日の光と共に天に浮游する島が現れ、その島から救世主が舞い降りた…とか。

 

「間違い無く、プレイヤーですね。

しかし、浮游島…ですか。

天空城の他にも、空に築かれた拠点なんて、聞いた事が無い。」

因みに その天空城とは、約200年前、ナザリックの皆さんによって完全破壊。

南方砂漠の ど真ん中、瓦礫と化している。

 

「あの自作空間(マイン・クラフト)みたいなアイテムを使って、創ったとか?」

「あのシリーズの上位アイテムなら、可能かも知れませんね。

しかし、空に浮かぶ様な巨大な島を創るとなると、それは もう、ワールド・アイテムですよ。」

 

≫≫≫

その後、老人に その救世主とやらの居場所を聞いてみると、今はスレイン各地で、仲間達と共に 此処の住人達に食料を分け与えているとか。

 

「勝手な真似を…!」

鈴木は それが気に入らないのか、鎧から殺気を撒き散らす。

そして現在、この先の広場に その1人が居ると言うので行ってみると…

 

「はい、まだまだ沢山有りますよ~。

無くなったりしないから、きちんと並んで下さいね~。」

「「「…………………………。」」」

高級そうな鎧を着た少年が、浮浪者の様なスレインの住人相手に炊き出しをしていた。

 




 
①アインズ様の初めては、美少女&美女達との5Pでした。
羨ましいぞ、コンチクソー!
 
②ナプエドマータ…No puedo matar(スペイン語)
 
 
次回『PvP(予定)』
感想よろしくです。
 
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