鈴木悟の職場の先輩が、ユグドラシルのサービス最終日に新規ユーザー登録しました   作:挫梛道

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何か、勝手に上手く繋がってた(笑)
 
 
 


因縁

◆アインズside◆

気に入らないな。

何を勝手に、誰の許可を得て、この地の者に施しを与えているのだ?

約200年もの間、太陽の恵みを遮られた この国では当然ながら、まともに農作物は育たない。

餓死刑を目的にするのなら、それで構わぬのだが、この国の罪は そんなに早く簡単に、楽に死ねる程に軽くない。

一応の()は与え、長い年月を暗闇と絶望の中、惨めに過ごして死んで貰うのが相応しい。

その為だけに態々 涸れた様な土地で…時にはアンデッドも使い、意図的に低品質な作物を作り、それを恵んでやってるのだからな。(因みに生産者達には高報酬)

…なのに、だ!

 

「何を勝手な真似を、しているのかな?」

この小僧は、一体 何をしている?

見た限り、高級な食材という訳では無いが、魔導国の民が普段から食卓に並べる様な、それなりな食べ物、料理だ。

決してスレインの民如きが、口にして良い代物では無い。

 

「あ…アナタ達は…」

このプレイヤーと思しき小僧が、場に現れた俺達を見て、尋ねてきた。

 

「一応は、この地の全ての権限を持つ者だ。

それより、此方の質問に答えて貰おう。

…貴様は一体、此処で何をしている?」

 

ゴォオッ!

 

「「「「ひぃえっ?!」」」」

「!!?」

それ対して、絶望のオーラ lv.1で応える。

この小僧には効かぬだろうが、周囲を混乱させる事による威嚇には十分だろう。

事実、周りの者は気絶か、恐怖による硬直。

全員が動けなくなっているからな。

…………………?

…と言うか、コイツは…?!

 

「き、貴様…!」

「ん~? 何を怒っているのかな?

もしかして、周りを巻き込んだ事か?」

分かり易く怒りの表情で、此方を睨む小僧。

 

「…もし そうだとするならば、その原因は小僧!お前に有るのだぞ。

この者達は 私の断りも無く、勝手に余所者…お前が差し出した食料を口にしたのだからな。

そう…突き詰めれば全ては、お前が、悪い。」

「…っ!!」

 

 

◆アインズside・了◆

 

≫≫≫

 

◆タナカside◆

これこれ鈴木君や、流石に そんな言い方は無いんじゃないか?

彼からしたら、打算無しの純粋な善意だろ?

まあ、仮に『何なのだ、この黒雲は?!人々から光を奪うとは!赦さん!』とかて言って雲を吹き飛ばし、この地の者からすれば、初めて見る太陽にパニくったり、ついでに その光で「目が、目がぁっ!?」…な、ダメージ受けたりな大きな御世話だったとしても、本人は善かれと思っての行動だったんだから! 

只『良い事した!僕、善人!』って悦に浸りたいだけなんだから!

 

「ふん…相変わらずの、"自分は常に正しい、間違っていない"…な、思考の様だな。」

え? ()()()()()

この少年、知り合いなのか?

 

「お…お前は…?」

「ふっ、この鎧姿では、判らないか?」

 

カァッ…

 

鈴木の対応に少年の方も、少し戸惑っている。

そんな少年に対して鈴木は漆黒の鎧を解除、普段の凝った装飾の黒ローブを着た骸骨…死の支配者(オーバーロード)の姿を見せると、

「「「「ひぃぇえっ?!」」」」

「「「「ま、魔導王…様…!?」」」」

先ずは その絶望の化身を見て、スレインの民が一気に青ざめ、

「お、お前は…やはり、アインズ・ウール・ゴウン魔導王とは お前だったのか…」

「如何にも。まさか貴様も、この世界に流れていたとは思わなかったぞ?

確か、ソロ…だったかな?」

やはり その姿に驚く少年改めソロ君。

どうやら やはり、ユグドラシル時代の知り合い?だったみたいだな。

 

「も、も、も…モモンガぁあっ!!?」

 

ダダッ!

 

そして そのソロは再会に感動…で無く、鈴木(モモンガ)の顔を見た瞬間、憎悪剥き出しで斬り付けてきた。

 

「アインズ様!」

それをナーベラルが鈴木を護る様に前に立ち、

 

ガンッ!

 

「ぶふっ!?」

更に その前に出た俺が、ケンカキックで迎撃を。

 

「痛たた…な、何をするんだ?!」

…………………………………。

鼻を押さえながら、俺を睨むソロだが、いきなり剣で襲ってきたヤツの台詞じゃありません。

自分の行動、理解してます?

しかし とりあえずコイツも、【DQNギルド(アインズ・ウール・ゴウン)被害者の会】の一員なのは、なんとなく察した。

 

ボォオッ!

 

「ぎやっ?!」

そんな風に考えていたら、後方から巨大な火炎弾が飛んできて、ソロに直撃。

鈴木の魔法だ。

かなり上位の魔法な筈だが、相手も高レベルのプレイヤー、そして あのレアっぽい鎧の特性なのだろう、それでも必殺には…大したダメージに なっていない。

 

「いきなりヒトの顔を見て刃を向けるとは、穏やかじゃないな。」

「だ、黙れ!」

冷静な鈴木と、冷静じゃないソロ。

いや、いきなり魔法な お前も、穏やかじゃないからな。

 

『タナカ様!今、お話、出来ますか?』

「…?

ルプスレギナか? どうした?」

其処にルプスレギナから[伝言(メッセージ)]が入って着た。

 

『申し訳ありません…アインズ様と繋がらなくて…』

「ああ。今、取り込み中だからな。

何が有った? 余所のプレイヤーとでも、カチ会ったか?」

『は、はい!』

最初は鈴木と話そうとしたが応答してくれなく、俺に話し掛けてきたそうだ。

その内容は此方同様、ルプスレギナ達もプレイヤーらしき者と遭遇、アウラ、マーレと一緒に戦闘となり、()()したそうだ。

 

「…分かった、お疲れさん。アインズ様には伝えておくわ。」

そしてナーベラルも、誰かと[伝言(メッセージ)]で話していた。

話し方からして、多分 相手はソリュシャンだろう。

どうやらセバス達も、プレイヤーと御対面から退けたみたいだな。

 

『タナカ様、聞こえますか?』

『ユリか。お前達も、ユグドラシルのプレイヤーとバッタリか?』

『はい!…え? ()?』

更にはユリからも[伝言(メッセージ)]。

内容は以下同文。

コキュートスが串刺し→デミウルゴスの獄炎葬で、既に終わったらしい。

 

「ふん。相も変わらず、未だ自分よがりの正義(しんせつ)を振り翳しているのか?

いい加減、それが時に他者の迷惑に繋がる事も有ると、悟るべきだぞ?」

「う、うるさい!お前にだけは、言われたくない!

僕は、何も間違っていない!」

そして此方では一触即発の中、鈴木が何か、相手に諭してる。

尤も その相手は、聞く耳を持たない様子だが。

 

「もう良いだろ?

デミウルゴス達もコイツの お仲間を、既に倒したみたいだぜ?

敵なら、さっさと殺っつけよう。」

もう、激突は避けられない様子なので、戦闘姿勢(ファイティングポーズ)を構えながら会話に参加。 

 

「アインズ様。このフナムシも、後を追わせてやりましょう。」

 

バチパチ…

 

そしてナーベラルも臨戦態勢。

両掌の間から放電(スパーク)させている。

 

「タナカ、ナーベラル、退がれ。

この小僧は、私が屠る。

この私自らが、斃すべき理由が有るのだ。」

しかし鈴木は、そんな俺とナーベラルを制する。

理由…?

やはり過去に何か、因縁でも有ったのか?

 

「な…ば、馬鹿な?…皆、やられた…だって?」

しかしソロの方は、仲間が倒されたと聞いて動揺、狼狽え始め、

「[帰還(リターン)]!」

 

ヒュゥゥン…!

 

攻撃で無く移動系魔法?で、此の場を離脱。

その姿が見えなくなる程に、高速で天高く飛翔。

 

…パリィィン…ゴゴゴゴゴゴ…!

 

「「「……………??!」」」

その直後、天空から まるでガラスが割れたかの様な音が聞こえたと思えば、重低音が響くと共に、話に聞いていた巨大な島…浮游島が、その存在を見せた。

 

「「あれが…ラピュt

「いーや、違うからな!」

それを見て、俺とナーベラルが感想(つぶやき)を言い終わる前に、鈴木渾身の突っ込みが炸裂、

 

ゴゴゴゴゴゴ…

 

「あ…逃げた…?」 

その隙に浮游島は、空の彼方に去って行った。

 

「…ふん!」

 

どっどっど…どんよりどよどよ…

 

そして鈴木は、内心は間違い無く荒れているだろうが、現在進行形で支配者ロール、それを表には見せず、空に剥けて魔力を打ち放つ。

晴天快晴だった空に、今直ぐにでも 土砂降りとなりそうな巨大な暗黒の雲を、瞬時に喚び寄せた。

 

「「「「あ…ぁぁ…」」」」

それを見て、絶望のオーラから復活したスレインの住人の膝が崩れ落ちる。

太陽の光は完全に塞がれ、あっと言う間に夜の様な暗さに。

これが この地の、本来の有り様なのだろう。

 

「良いか!今回は見なかった事にしてやる!

しかし、次に奴等の施しを受けた時は、更なる絶望を知ると思え!

貴様等には例え僅かでも、平穏安寧は認めぬ!

貴様等は その先祖が犯した罪を償う為だけに、生きているのだからな!」

「「「「ひっ…ぇえ…?!」」」」

そして鈴木の追い打ちの言葉に連中が更に打ち拉がれる中、俺達はナザリックに帰還した。

 

 

◆タナカside・了◆

 

▼▼▼

スレインの地から、遥か南方の砂漠。

その上空に今、浮游島は移動していた。

その島に1つだけ建つ、巨大な建造物。

水晶の様な材質で造られた、立派な城だ。

 

「クソ…

まさか本当に、アインズ・ウール・ゴウンも…あのアンデッドも、この世界に来ていたなんて…!」

その玉座の間で、苦虫を噛み潰した様な顔で、ソロが呟く。

彼が その拠点である浮游島と共に、この世界、この南方砂漠に辿り着いたのは約半年前。

浮游島を砂上に降ろし、彼が最初に取った行動はNPC(シモベ)を使っての情報収集。

各地に残る伝承により、遥か昔から自分と同じ、ユグドラシルのプレイヤーらしき者が、この世界に良し悪し様々な影響を与えているのを知った。

そして今から200年前、自身にとって不快な銘を名乗る人物が王を名乗り、今の この世界を統治しているのを知るのにも、それ程の時間は掛からなかった。

少し気になったのは、自分が知る その名は、個人の名前では無く、組織の名前だった筈。

僅かに違和を感じながらも、次は己の目と耳で現状を知ろうと浮游島を起動。

その先に見たのは、魔法による暗雲と巨壁に支配された、暗闇の国。

その惨状を前にした彼は、その経緯、原因も確かめずに持ち前の義心から黒雲を吹き消し…その際に不意に浴びせられる形となった日の光に目にダメージを負う者が居たが それには気付かず…そして見るからに ひもじい暮らしを強いられているのであろう現地民に、食料を提供していた。

アインズ達が現地に やって来たのは、それから数日後の話だった。

 

「あんなに人々に貧しい暮らしをさせて、何が魔導国だ、魔導王だよ?!

クソ!クソクソクソ!面白くない!

何でアイツが…アイツが!?」

自分の行動を否定、邪魔され、誰も居ない広い部屋で、喚き散らすソロ。

 

「私は言ったぞ?

あのアンデッドに係わる様な…ましてや否定する様な真似は、絶対に避けるべきだってな。」

「…?!」

その時、自分以外は誰も居ない筈の部屋に、声が1つ…女の声が彼の耳に入ってきた。

 

▼▼▼

 

◆タナカside◆

「あー、その時の…」

スレインから戻った俺達は、早速に報告会議。

一番最初に鈴木から教えて貰ったのは、あのソロというプレイヤーが、ユグドラシル時代、あの1500の連合から成ったナザリック大侵攻の、大元の発起人という事だ。

アイツがゲームの…最初はAOGメンバーも その存在を知らなかった…()掲示板から勇士を募ったのが、そもそもの切っ掛けだったとか。

 

「…でも、それだけで その人数が集まったんだろ?

お前等 本当、何やってたんだよ?」

「…ノーコメントで お願いします。」

そして その大侵攻で全般的に指揮を執っていた、【セラフィム】と云う、天使系プレイヤーだけで結成されたギルドのマスターだったらしい。

 

「…でもアイツ、天使系って割には羽とか無かったぜ?

隠してたとか?」

「確かアイツは翼を持たない、人間とのハーフ天使種…ってキャラ設定だったと思います。」

 

≫≫≫

「…そ、その後は、食べ物なんかは全部 没収、地割れを起こして その中に捨てました。」

「そうか、分かった。御苦労だったな。」

どうやら今回、スレインに来ていたセラフィムの関係者は、ソロ以外はプレイヤーで無く、皆NPCだった様だ。

その全てが、此方側に殺された様だが。

…って、仕留め損なったの、まさか俺達だけ?

仮に俺達の相手が敵さんのボス格だったとしても、ちょっと恥じくね?

何だったの? この戦力過剰チーム?

 

「兎に角だ、私達にとっては、尻尾を掴めなかった因縁の敵を確認出来たのだ。

とりあえずは貴奴の所在を…各地各国に伝令を出すだけで無く、此方からもシモベを飛ばし、情報の収集に務めよ!」

あ…上手く誤魔化した。

 

 

◆タナカside・了◆

 

▼▼▼

 

◆アインズside◆

まさか あのギルドが、この世界に来ていたとは…

あの移動出来る島。

成る程。あの時 俺達が幾ら探索しても、ギルドの所在地が判らなかった筈だ。

しかし もう、逃がしは しないぞ!

あの時の礼。幾分と年月が経ち過ぎているが、今こそ返させて貰うぞ。

何より、あのソロだ。

奴は既に、大侵攻の張本人と云うだけで無い。

その時に相討ちとは云え、シャルティアを倒したプレイヤーなのだからな。

見ていて下さい、ペロロンチーノさん!

アナタの愛娘であり、俺の妻の仇は必ず討ってみせますよ!…まあ、今も生きてますけど。

 

≫≫≫

「…因みに あの後、参加プレイヤー達に"お礼参り"を済ませた後は、裏表両方な掲示板に被害者を装って、『お前が馬鹿な誘いをしたから、却って大被害だったじゃないか!』『この偽善者野郎!』『どうしてくれんだよ!?』『〇ね!』『装備やアイテム、返しやがれ!』『退会しろ!』『金だろ!金!普通にカネだろ!』とかな書き込みを皆でして、セラフィムにヘイト増大させたんですよね。

そしたら俺達以外からも、同じ感じのコメントで大炎上しちゃって。

結果、セラフィムは『複数のギルドが協力する系』のイベントでも、村八分にされてましたね。(笑)」

「…………………………………。

お前等、そんなだからDQNギルドとか言われてたんだと思うぜ?」

 




 
ソロ…ドラクエⅣ勇者(♂)のイメージで
 
感想よろしくです。
 
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