【完結】鈴木悟の職場の先輩が、ユグドラシルのサービス最終日に新規ユーザー登録しました   作:挫梛道

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イザベラ…イザベラ(聖剣伝説3)
夜一…四楓院夜一(BLEACH)
フェリシア…フェリシア(ヴァンパイア・シリーズ)
…のイメージで
 



Cat Fight

▼▼▼

「いや…自覚は有るから、別に良いし…

昔から よく、誤解されてたし…今更だし…」

「何なのだ この男は…

普段から他人(ヒト)の事を、やれ『性格悪そうな顔』だの『性格キツそうな目』だの散々と言っておきながら、自身が言われるとコレなのか?」

「全くだぜ…

しかも、こんなガキんちょに…」

「いえ この場合、小さな子供に言われるからこそ、普通よりダメージが大きいのですよ。」

デミウルゴスやセバス達同様に、自分達が受け持った塔を駆け登っていた、チーム獣神withネコ様大王国の一行。

その最上階と思わしきフロアにて現れた妖精の少女の歯に衣着せぬ発言に、タナカが まさかの精神的大ダメージを負いながら、彼女の案内でフロア最奥の部屋に やって来た。

 

「よく来たな、侵入者共。」

「「「「!!!!」」」」

その大部屋に待っていたのは、武装天使の一団。

そして それを統率している、火緋色の人型だった。

 

「ヒヒイロカネ製のゴーレム?」

「…先日、魔導国の各都市に攻めてきた輩と、同系ですか?」

そんなローブを羽織った女の様な造形をした守護者を見て、何人かが呟く。

 

「お前が報告に有った、幹部級の1人だな?」

そして精神急落(メンタルブレイク)から回復したタナカが、彼女?に尋ねると、

「貴方の言う幹部級かどうかは知りませんが、ソロ様から与えられた立場的に、今は この城にてシンシア、パサムに次ぐ、上位の存在なのは間違い無いかと。」

この様な受け答え。

 

「ちょっーとアルビナス!律儀に敵の質問に答えてんじゃないわよ!

折角 私が此処まで連れてきてあげたんだから、さっさと殺っちゃいなさいよ!

殺っちゃえ!超殺っちゃえ!」

そして その遣り取りに、タナカ達を案内してきた妖精が不満そうに声を出し、このヒヒイロカネ製の人型…アルビナスの周囲を纏わり着く様に翔ぶ。

 

「………………………………………。

ふん、貴様に言われる迄も無いわ!

…掛かれ!」

妖精の少女の言葉に、少しイラつきまながら、配下の…NPCては無い…武装天使型モンスターの集団を、タナカ達に仕向けるアルビナス。

 

ザザザッ…

 

「へっ!雑魚が どれだけ数を揃えても、所詮は雑魚なんだよ!」

「退がれ、ベート。

あのオンナは、私が()る!」

「あ、イザベラ、テメェ!」

「ずるいっ!」

「抜け駆けは許さんぞ?」

そして大乱戦が始まった。

 

▼▼▼

 

◆タナカside◆

あのヒヒイロカネのゴーレム(♀?)には、普段は猫カフェで猫に変化して接客をしている、イザベラ、フェリシア、夜一の3人が相手を。

ありゃ俺がエンリ・カルネで戦った、馬頭のヤツと同系列なヤツだな。

だとしたら その強さは恐らくはウチの守護者級。

一騎討ち(タイマン)に拘らず、多人数で掛かるのは、良い選択だ。

解ってるか、ベート? お前に言ってるんだぞ?

そして俺含む他の面々は、武装天使と戦闘だが、コイツ等も今迄の奴等よりランクが上、上級天使型モンスターだ。

 

「「にゃ~んにゃ~ん…波ァッ!!」」

 

どっぉおっ!

 

先ずは痴女と幼女のオセロ姉妹が揃って仙氣弾を撃ち放ち、物言わぬ天使を吹き飛ばす。

 

「召喚!《獄炎犬(ヘルズドッグ)》!」 

そして店長(バステト)が上位の課金モンスター、全身が炎に包まれた巨大な犬を召喚して使役。

 

ボォオッ!

 

激しい炎を吐き、前方複数の天使に浴びせるが、

「き、効いていない!?」 

期待したダメージは与えられず。

どうやら この天使は、火属性に耐性が有る様だった。

 

「…ならば!出よ、《雷鳥(サンダーバード)》!」

『…くぇぇえっ!!』

しかしバステトは焦らない。

ヘルズドッグを戻換(キャンセル)すると、今度は蛇の様な長い体に、雷雲を纏わせた怪鳥を召喚。

 

ピギャチャァッ!

 

その嘴から雷光の吐息(ブレス)が迸り、天使を斃していく。

…成る程、コイツ等は雷属性が弱点か。

それなら俺の攻撃も、【雷鳳の鎧】による付加効果で…

 

バキィッ!

 

…ダメージ倍増なのも納得だな。

そして、雷属性と云えば、

 

「行け!《ライトニング・スフィア》!」

 

ヒュン…ヒュン…!

 

我等が【獣神】の、性格キツそうな目をした姐さんの得意分野だ!

無数の遠隔操作式の雷球(ライトニング・スフィア)が縦横無尽に飛び交い、それから放たれる雷撃(ビーム)が、確実に相手を貫く。  

 

どっごぉーん!

 

「うおっ? 」

そんな時、そのライトニング・スフィアによる超雷撃が、俺とバトルしている天使数体に直撃!

危ねー!?

下手すりゃ俺も、巻き込まれてたぞ?

ユグドラシル(ゲーム)と違って、誤爆(フレンドリーファイア)は普通にアリだからな!?

いや、どーせ効かないけど!

 

「…チッ」

あ、はにゃーん!お前 今、舌打ちしたよな?

わざとか?わざとだな?!

俺、お前に何かしたか?

 

「心の中で何か失礼な事を言っていたのを、読まれたのでしょう?…チィッ!」

シロネ、お前も(モノローグ)を読むな。…って、お前も舌打ちすな。

 

「お・らぁっ!」

「Haっ!」

「でゃっ!」

 

べきっ!

  

そして肉弾戦組。

ベート、エイデイ、俺が飛び蹴り、翔び蹴り、浴びせけりを繰り出し、天使を各個撃破。

 

「フッ!」

「はぃゃっ!」

「ブニャッ!」

一方のイザベラ、夜一、フェリシアと、アルビナスとか言ったか?…の戦闘。

イザベラが魔蛇女(ラミアン・ナーガ)を召喚、それが無属性の魔弾を撃ち、その合間を縫いながら、夜一とフェリシアがスピードを活かしたヒット&アウェイを仕掛ける。 

数の有利を活かし、優勢に進めているが、

「ふん…中々に、やりおるの!」

「コイツ、硬過ぎるにゃん!」

やはりヒヒイロカネ製のボディは物理防御は勿論、魔法攻撃にも耐性が高く、決定打は与える事が出来ない様だ。

 

「何やってんのよアルビナス!

そんな化け猫女達、パパっと殺っちゃいなさいよ!

早く早く、超はりあっぷ!」

しかし それでも彼方さんからすれば当然、面白くない展開には違い無く、あのウザいガングロ妖精が瞬殺要請。

 

「くっ…言われる迄も無いわ!」

その言葉に、明らかに不機嫌を露にした表情を浮かべたアルビナスが、魔力を高めt…あ、あれは、ヤバイ?!

 

「お前等、防御だ!」

俺はイザベラ達だけで無く、その場の全員に防御を指示した!

 

 

◆タナカside・了◆

 

▼▼▼

アルビナスが魔力を高め、集中。

 

「喰らえ!《閃熱針千本(ニードルサウザンド)》!!」

 

カァアッ!

 

「「「きゃっ!?」」」

「ぐっ?!」

「ぬゎっ!?」

そして放ったのは、火属性の魔力を細鋭な針状にして上方を含む全方位に撃ち出す、広域殲滅型の魔法だった。

近距離で直撃を受けた3人は勿論、離れた場で武装天使と戦っていたベートとエイデイも流れ弾で、多少のダメージを負ってしまう。

 

「あ…危ない処だったにゃ~!」

「タナカさんが防御指示を出していなかったら、大ダメージでした。」

「流石はリーダーだな。」

「そこにしびれる、あこがれるー。」

「だからお前等、他人様(ヒト)を盾にしてんな!」

そして『防御しろ』の台詞に即反応、自身の背後に回り込んだクロカ、バステト、はにゃーん、シロネにタナカが渾身の突っ込み。

 

「クッソ!んでコイツ等はノーダメかよ!?」

「火属耐性を揃えていたのは そういう事か…

だからこその、全方位攻撃だったのだRO!」

そしてベートとエイデイが吐き捨てた様に、天使の集団は、この攻撃に殆どダメージを受けていない。

元より自我を持つNPCとは違う、使い捨ての課金モンスター。

その辺りも含め、アルビナスは躊躇無く、全方位攻撃を繰り出したのだ。

 

「…かっ?…(くはっ)…?!」

…そう、()使()は。

 

「ちょ…アルビナス…ど…どーゆー心算よ?」

アルビナスの傍らを飛び回っていた、妖精の少女は至近距離からの直撃を受けて大ダメージ。

地に落ち床に這い、その原因であるアルビナスを睨み付ける。

 

「ふん、私の戦闘スタイルは知っていた筈だ。

避けるか耐えるかしない方が悪い。」

「わ、私は戦闘型じゃない!」

そしてアルビナスに抗議するが、彼女は悪びれる様子も無く。

 

「ふっ…それなら この部屋が戦場となったと同時、安全な場所に逃げ隠れていれば良かっただけの話よ。

昔、ソロ様や あざ★ぜる様達が言われていたのを聞いた事がないか?

『戦に於いて一番厄介なのは、強い敵で無く無能な味方だ』…と。

今の貴様は、正しく其れ以外の何者でも無い。

さあ、役立たずは即座に…貴様風に言うなら、"超はりあっぷ"で退場願おうか。」

「な…?」

「…ついでに言っておくか。

貴様の その人格(キャラクター)、ソロ様や あざ★ぜる様…御方の皆様は判らないが、全てのシモベからは、好く思われていないのだぞ?

当然、この私もな。

今の光景を皆が見ていたら、きっと私に こう言うだろう。

『(*^ー゚)b 超グッジョブ!』…とな。」

「ちょ…超…最ぁ…k…」

 

シュゥ…

 

其処に謝罪も反省も何も無い…最初から ()()も狙っていたかの様なアルビナスの冷たい笑みを見て、そして自身に対する心象を知らされ、妖精は身内に向けて浮かべるべきで無い憎悪の表情を浮かべ、此の場から消滅するのだった。

 

「…さて、仕切り直しだ。」

「「「……………………。」」」

そしてアルビナスは、イザベラ達と戦闘再開。

 

「ふん…快く思わぬのは理解出来るが、それでも仲間を巻き込む前提の攻撃は、感心出来ぬな!」

 

シュン…

 

そう言って動いたのは夜一。

ネコ様大王国の中でも、特にスピードに優れた彼女がスキルで更に速度を高め、魔力を込めた拳撃を放つが、

「スピード勝負ですか?

それなら私も、実は得意分野ですよ?」

「何じゃと?」

アルビナスはローブの中から手を伸ばし、その拳を掌で受け止めると、

 

カッ…!

 

「…っ!?」

身体から眩い光を放ち、その体の造型を、魔法詠唱者(マジック・キャスター)風から翼が生えた鎧の戦士(ファイター)風な姿に変化させた。

 

「「ふぎゃーっ!!?」」

「お前等、落ち着け!ww」

それを天使の相手をしながら見ていた…誰とは言わぬが約2名が、その胸部の装甲を見て、ヒステリックな雄叫びを揚げたのは、余談である。

 

▼▼▼

 

◆タナカside◆

アルビナスの明らかなパワーアップ。

 

「ぐわっ!?」

「ぴにゃっ?!」

「かはっ?!」

魔法タイプから戦士タイプにチェンジしてから、夜一達を圧倒。

徐々にだが形勢が逆転し始めた。

パワーは兎も角、スピード面で夜一を完全に上回っているのがヤバい。

鈴木が今回のGVGで掲げたのは完全勝利(パーフェクトゲーム)

誰も欠く事も無く、勝利するのを求めていた。

本当に我儘なギルマスだ。

そして これは本当に、俺も彼方側に助太刀した方が良いな。

そんな訳ではにゃーん、ベート、エイデイ!

此方は任せたぞ!

それから…店長とシロネ、落ち着こう。

 

≫≫≫

「オラッ!」

  

ドガッ!

 

「「「タナカ様?」」」

雑魚天使をはにゃーん達に 押し付け 任せて、飛び蹴りと共に、ボス戦に飛び入り参加。

 

「ヒヒイロカネには半端な攻撃は通じない!

俺が時間を稼ぐから、魔力でも闘気でも何でも良いから最高に高めて でかいヤツ、喰らわせてやれ!」

「「「は…はい!」」」

俺の卑怯(チート)防御の真骨頂は、壁役(タンク)だ。

披ダメ考え無しでガンガン攻めるのも良いが、自身が全ての攻撃を受け止めてる間に、仲間にチカラを溜めての大技を放って貰うのが、一番正しい活用法。

…だからと言って、積極的に()にするのは、違うからな!

 

「ちぃ!《集束閃熱針千本(ニードルサウザンド・ストライク)》!!」

 

シュバッ!

 

そして俺が仕掛ける超接近戦にアルビナスは超スピードで間合いを開け、さっきの全方位魔法のエネルギーの全てを、前方(オレ)に集中させて放つが、

「悪いな。俺には通じない!」

 

バキッ!

 

「ぎゃぅ?!」

当然ながらノーダメージ、空いた距離を詰めての掌打を鳩尾に御見舞い。

それにより動きが止まった一瞬、背後に回り込むと背中合わせの状態となり、足は脚に内側から絡ませると同時、両腕を一気に締め上げる…

OLAP(オリジナル・パロ・スペシャル)!」

「ぎゃぁぁぁっ!!?」

20~21世紀の格闘競技で使用されていたと云われる技を、実戦初披露。

参考としたのは、ナザリックの図書館に有った1冊だ。 

 

「がぁあっ!」

 

ぶん!

 

しかし これをアルビナスはパワーだけで振りほどき、その勢いで俺を投げ捨てる(俺にダメージは無し)。

マジ?完全に極ったと思ったのに?

前にデミウルゴスで試した時は、全然身動き取れないと言ってたぞ?

 

「き、キ、き…貴様ァーーーーッ!!」

 

びゅんっ!

 

そして怒りの形相と共に、自身に魔力を纏わせての…『炎の体当たり』な突進。

 

「召喚…《フレイヤ》!」

 

ゴォオ…ッ!

 

しかし このタイミングで、イザベラが召喚魔法。

喚び寄せたのは、巨大なネコが牽く戦車を駆る、戦女神(…型のモンスター)。

 

どんんっっ!

 

「ぁ…っ?!」

それは分かり易く言えば、『轢き逃げアタック』。

俺目掛けて、超スピードで飛び込んできていたアルビナスとカウンターで激突。

正面衝突からの吹き飛ばしだ。

 

「まだまだじゃ!…覇ァアッ!!」

 

バキィッ!

 

間髪入れずな夜一の追撃。

溢れる魔力を翼の様な形に整えての飛翔。

更に速度を増し、空中で拳に魔力をチャージしての一撃をヒヒイロカネの胸部装甲に叩き込み、その破片を散らしながら、床に叩き落とした。

 

「さぁ、トドメにゃん!」

そしてフェリシアが、1歩前に出る。

全身から魔力と闘気を溢れ出して、殺る気満々だ。

 

「巫山戯るな、小娘が!」

それを見たアルビナスは、決してダメージの小さくない身体を無理矢理に起こし、彼女に向けて突撃。

しかし大技を連発で喰らい、やはりスピードは僅かながら落ちている。

 

「ふにゃ!?」

…が、その表情は女型(じょせい)が絶対にしてはダメな それで、その迫力にフェリシアは思わず敵に背を向けて、頭を押さえて屈み込む。

それは、戦いの場では絶対にしてはダメな姿勢。

 

「《Please help Me》~!!」

しかし それが実は、彼女の最大必殺の姿勢(モーション)だった。

それは承知だっただろう、イザベラと夜一は、直ぐにフォローする様に、フェリシアの護りに付く。

 

ぽん…ぼん…!

 

そして彼女の出した、バレーボールサイズのピンクの魔力球が床を跳ねながらアルビナスに当たると それは弾け、7人の猫女(キャットウーマン)…フェリシアの分身体となる。

それは本当に彼女そっくりな者も居れば、髪型が違っていたり、少し大人びていたり…幼女だったり。

 

バキッ!ドガッ!ボゴッ!ガンッ!

 

「ぎゃあぁあぁあぁっ…?!」

そして その分身体による、殴る蹴るのフルボッコのフクロ。

あの分身は魔力の塊だから魔法か?…それとも見た目通りな物理になるのか、属性が よく判らん攻撃で、最終的にアルビナスは斃されたのだった。

 

 

◆タナカside・了◆

 

▼▼▼

またも、時は少しだけ巻き戻る。

ナザリックの面々が攻め入った天空に浮かぶ水晶城。

その本殿の扉を開く為に攻略しなければならない、最後の6本目の塔。

 

「「クライム様!」」

「ユリさんもナーベラルさんも、退がって下さい!

この者は、私1人で倒します!」

その最上フロアにて、この塔の守護者とクライムの戦いが始まろうとしていた。

 




 
アルビナス…アルビナス(ダイ大)
妖精…サンディ(ドラクエⅨ)
…のイメージで。
 
次回、クライムvs???
乞う御期待!

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