鈴木悟の職場の先輩が、ユグドラシルのサービス最終日に新規ユーザー登録しました   作:挫梛道

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先輩と後輩と その僕

「すいません先輩!ウチの娘が本っ当ぉ~に、スイマセン!!」

「ぃゃ、大丈夫…

別に気にしてないから…うん。」

 

◆アインズside◆

焦った!本当、『真剣』と書いて『ガチ』に焦った!!

こんなに焦った…彼処までガチに精神鎮静化したのは、本当に久し振りだ!

あの後、キス(深いヤツ)だけに終わらず、正しく先輩を補食(意味深)しようとしてたアルベドを、プレアデス達で無理矢理に引き剥がして退場して貰い、俺は田中先輩に兎に角 平謝り。

幸いにも先輩は、そんなに怒ってない(寧ろ悦んでいた?)みたいだから良かったけど、どうしてアルベドは、あんな暴走を…

 

 

……………………………………………。

 

 

あ…思い出した。

もしかして200年前の、()()()()か?

 

 

 

≪≪≪

そう…あれは、200年前。

ユグドラシルのサービスが残り数分となった時、俺は何気無く、傍に控えていたアルベドの設定表示を開いてみた。

彼女の創造者(おや)のタブラ・スマラグディナさんは、所謂『設定厨』且つ『ギャップ萌え』。

永きに渡る…読む気を喪せさせる程の長い解説文には彼女の守護者統括としてのスペックだけで無く、彼女が如何に女性として完璧であるかを綴っている様だった。

しかし、その最後の1文…

 

 

【因みに、ビッチである。】

 

 

「…………………………………。」

これには俺も、どん引きして呆れ返った。

しかし同時、彼女の容姿を見て、とある悪戯心も芽生えた。

 

「どうせ もう直ぐ、彼女も単なるデータとして消えてしまうし、何より こういうのはアナタも大好きですよね、タブラさん!」

そう呟くと、

 

【モモンガの先輩である田中誠司を心から愛しており、彼限定でビッチとなる。】

 

…この様に書き換えてしまったのだ。

 

「ん。前に先輩、アルベドみたいな女の人が好みのタイプって言ってたし、問題無いでしょう!

どうせ、ゲーム内で会う事も無いだろうし!」

 

 

 

≫≫≫

………………………。

あれか?あの時なのか?俺の所為かよ?!

いやいやいやいや、まさか、先輩もユグドラシルやってるって知らなかったし、ましてや200年経って、この世界で会うなんて、誰も思ってもみないでしょ?

それに何?さっきのアレ?

確かに先輩限定ビッチに設定したの、俺だよ?

200年越し、漸く想い人に逢えたって事で()()になったりするのは、何となく解るよ?

でも、他の皆さんが居る中での()()なんて、ビッチにも程が有り過ぎるだろ!?

何よりアウラとマーレの教育に良くなさ過ぎる!

アウラなんて、完全にフリーズしてたし!

ああ、ごめんなさい ぶくぶく茶釜さん!

頭下げますから、そのロケット砲、降ろして下さい!

 

 

◆アインズside・了◆

 

▼▼▼

「こ、この田中先輩は、だな!

何と言えば良いか…そう!

この私がモモンガと名乗る前、お世話になっていた人だ!」

アルベドを無理矢理に隣室へと退場させた後、彼女を除く者達に、タナカについて説明するアインズ。

 

「つ、つまり、此方のタナカ…様は、アインズ様の恩人なのでありんすか?」

「そ…そう それ!

そうなのだよ、シャルティア!」

黒のボールガウン・ドレスを着た少女、シャルティア・ブラッドフォールンが廓言葉での問い掛けに、アインズは『少し、違うけどね』と思いながらも現実世界(リアル)の職場関係を説明するよりは、それで納得して貰った方が簡単だしベターと判断し、それを肯定。

 

「な…何ですとぉおっ?!」

「わ、吃驚した!?」

しかし それで、今度はデミウルゴスが驚愕の雄叫びを揚げる。

ついでに、それを聞いたアインズも吃驚。

 

「わ、私はアインズ様の恩人に対して、何たる無礼を?!」

カエルの様な顔から それが普段の形態なのだろう、人型に姿を変えていたデミウルゴスは身をガタブルと震わせて大きく取り乱し、

「申し訳有りませんアインズ様、タナカ様!

先程迄の非礼、この命を以て償いますので、それで御容赦を!」

 

バサァ…

 

両膝を着き、上着(スーツ)と その下のワイシャツを脱ぎ捨てると、鋭い武器の如くな尻尾で己の腹を貫き斬り裂こうとし、

「うわぁ~っ!? ちょっと待てデミウルゴス!

少し、落ち着こうか?…なっ?」

「ノーォ!ハラキリ、ストーップ!!」

それをアインズとタナカが必死に止めようとするのだった。

 

 

◆タナカside◆

 

コト…

 

「…どうぞ。」

「あ、どうも…」

あの悪魔…デミウルゴスだったか?を、何とか落ち着かせた後、俺は鈴木の私室に移動。

あのエ・ランテル宮殿から転移してきた此の場所は、鈴木…アインズ達の真の拠点、ナザリック地下大墳墓という巨大な地下迷宮だとか。

ラスダンですね、解ります。

眼帯の無表情系美少女に淹れてもらった お茶を啜りながら、鈴木と互いの情報交換…OHANASHIだ。

 

「シズ。先に言っておく。」

「はい?」

「これから先輩と交わす会話には、お前の知らない、初めて耳にする言葉…単語も多数出てくるだろう。

しかし、それ等について思慮、詮索する事を禁ずる。

そして、この会話を他言するのは勿論、記憶する事もな。」

「…はい、畏まりました。」

…で、その前に給仕役のメイド、シズさんに、鈴木は他言無用と釘を刺した。

 

「先ずは俺から、質問させて貰うぜ?

結局…この世界は一体、何なんだ?」

そしてOHANASHIスタート。

 

「それについては…現実(リアル)ともユグドラシルとも別の、異世界(リアル)…としか言い様が有りません。

ついでに言えば、この世界とユグラドシルとの繋がりも…何故、我々の様な者が、この世界に飛ばされているかも、未だ不明です。」

成る程、鈴木からすれば200年経った今でも、この世界を完全に把握している訳じゃない…と。

でも それでも、とりあえず転移した先の国を侵略して、その勢いの儘に世界征服かよ?

本当、噂に聞いた儘のDQNギルドだな?

 

≫≫≫

「…じゃ、鈴木。

俺からは最後の質問だ。」

その後も、この世界の世界観等を聞いた上で、現状で最も気になっていた事を聞く事に。

 

「は、はい…何でしょう?」

「あの美人さん…ありゃ、何だ?」

「でっすよねー?」

 

≫≫≫

「ハァ…お前って奴は…」

「すいません!マジ、すいません!」

あの巨乳美人さん…アルベドさんについての鈴木の説明。

簡単に言えば、彼女の『設定』とやらを()()で、『田中誠司(オレ)を愛している』とか修整したらしい。

まさか、俺がユグドラシルに…更には此方の世界に飛ばされて御対面するとは、思ってもみなかったそうだ。

ま、そりゃそーだろうな。

ん~、確かに以前、鈴木(コイツ)とは好みの女性について話した事が有り、あのアルベドさんは少なくとも外見は、どストライクだった訳で…

 

「すぅ~、ずぅ~、きぃ~いっ!」

「は、ハイっ!?」

 

キラーン!

 

「ナイスだ!!」

「あ…は、はい…」

そんな先輩思いな後輩に、俺は前歯を光らせての最高に良い笑顔で、サムズアップ。

因みに この『前歯キラーン!』も、特典で所得した効果映像(エフェクト)だ。

 

「うわぁ…」

はい、シズさん?どん引かない。

 

 

◆タナカside・了◆

 

▼▼▼

 

◆アインズside◆

く、く、く…クッソ運営ぇーーいっ!!

あれから先輩にユグラドシルについて聞いてみたけど、レベル無視の物理無効に魔法無効に状態異常無効に その他諸々…

ついでに いきなり、武闘家系の最上位職だと?

巫っ山戯んなよ!?

いくらサービス終了日だからって、新参者にサービス善過ぎだろ!?

一番最初の戦闘でPKK(ルーキー狩り狩り)が出来たって、どんだけ?

その優しさの欠片で良いから、前からのユーザーにも分けてくれたって良かったろ?!

更に言えば、先輩のレベルは62。

これはナザリックだと、プレアデスに匹敵する。

この世界の一般基準なら、普通に無双出来る強さだ。

しかも被ダメを考える必要の無い完全防御特化だから、上手く立ち回れば守護者とも、それなりに渡り合えるかも知れない。

しかし それは普通なら、ゲームを始めた初日…数時間の戦闘で到達出来るレベルなんかじゃない。

その辺りを聞いてみればクソ運営、スタート位置周辺フィールドに、メタリックゲル・アローンを大量に出現させたそうじゃないか!?

出すなよ!クソ運営!

あんな経験値の塊とばっかり戦闘してたら、そりゃレベルだって直ぐに上がるよ!

…って言うか!

もう先輩の防御力が、メタリックゲル・アローン以上でしょうが!?

ハァ…何だか突っ込みで疲れた。

今日は もう寝るとしよう。…200年振りに!

  

 

 

◆アインズside・了◆

 

▼▼▼

 

◆デミウルゴスside◆

失態だ…

タナカ様…アインズ様の恩人で有らせられる御方に、支配の呪言を仕掛けてしまうとは…

確かに最初は、アインズ様の恩人とは知らなかった。

王の御前だ。

それを踏まえれば、間違っていたとは思っていない。

しかし決して、その『知らなかった』で済まされる問題では無い!

幸いなのは、タナカ様が私のチカラを跳ね退ける程の能力の持ち主だった事だ。

最も それも、アインズ様の恩人ならば不思議では無いが、仮に…もしも、私の呪言が効き、あの御方をひれ伏させていたとすれば…

既に たらればだが、考えてみただけで恐ろしい!

私が今、こうやって生きているのもアインズ様、そしてタナカ様の御慈悲に他ならない。

タナカ様は仰有られた。

 

 

『何でも死ねば…殺せば済むと思っていたら、それは大間違いだ。

悔いて、省みているなら、今後の働きで今回の失態(マイナス)とやらをプラマイゼロ、そしてプラスにしてみろ!

ましてや お前は鈴木…魔導王アインズ・ウール・ゴウンの僕なのだろう?

主の許可無く、勝手に死のうとしてんなよ?』

 

 

…タナカ様は何と慈愛に満ち、そして何と残酷な御方なのだ。

言われてみれば確かに此度の過ち、私如きの命1つで釣り合う筈が無い。

この私に償いのチャンスを…しかし未来永劫に それが清算出来るかどうかも計れぬ罰をお与えになった。

そうだ。あの御方はアインズ様の恩人。

過去、シャルティアやコキュートスが死罪相当なミスを犯した時も、アインズ様は即座に死断する事無く、汚名返上の機会を与えてくださった。

恐らく その慈悲の心は、タナカ様の影響を受けておられるのだろう。

つまりはシャルティア達も、間接的にタナカ様に命を救われた事になる。

素晴らしい!もし私の身に涙なる物が在ったならば、今 此の場で取り留め無く流している事だろう。

それ故に今程 涙が宿らぬ我が身を、忌みしく思った事も無い。

そして初めて、人間等 涙が流せる生物を、羨ましく感じた。

感涙の意味を理解出来た。

タナカ様!このデミウルゴス、今後は貴方様にも…流石にアインズ様と天秤に掛ける事が有るとすれば、アインズ様に傾くでしょうが…その時以外は何を置いても、貴方様に忠誠を誓わせて戴きます!

  

 

 

◆デミウルゴスside・了◆

 

▼▼▼

 

◆アルベドside◆

ぐふ…ぐふふふふふふ…

嗚呼、田中様田中様田中様♡

確かに先程は、ふしだら過ぎました。

でもでもでもでも!それは仕方無い事なのです!

分かって下さいまし!

200年もの間、ずっと お慕い お待ちしていた殿方が、目の前に現れたのです!

…今思えば、双子姉弟(おこちゃま)が居る前での あの行動は、確かに不適切でした。

その辺りはアインズ様にも注意を受けましたが…はい、真摯に反省しております。

ですが、アインズ様との会談を終えた田中様は今、客室にて1人で休まれておられるとか。

つ・ま・り、何人足りとも邪魔立てする事が無い今なら 強姦罪 無問題 !

今が、チャあ~ん♡ス!!…な訳です。

そんな訳で田中様…このアルベド、これより貴方の元に馳せ参じます。

そして…私の初めてを捧げますので、是非とも既成事実を成立させてしまいましょう!!

 

…じゅるり♡

 

 




 
次回:進撃のアルベド!(予定)
 
感想よろしくです。
 
ついでに…モチベ維持の為にも、評価(高いヤツ)も、よろしくです。
m(_ _)m
  

 
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