鈴木悟の職場の先輩が、ユグドラシルのサービス最終日に新規ユーザー登録しました   作:挫梛道

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お久し振りです?
サブタイは後日変更します?
 


戦う少年(仮)

▼▼▼

 

「ユリさんもナーベラルさんも、退がって下さい!

この者は、私1人で倒します!」

 

ジャキ…

 

天空城の六塔の1つの最上階。

同行していたユリ・アルファとナーベラル・ガンマを下がらせ、クライムが剃刀の刃(レイザー・エッジ)を構えて敵の前に出る。

青黒い肌に、頭部には二本の角。

背にはドラゴンを思わせる翼。

その姿は、正しく悪魔と表現するに相応しかった。

 

「《聖十字真空刃(グランドクロス)》!」

 

ブォオッ!

 

「くぁっ!?」

「「きゃぁっ?!」」

しかし、それが放った魔法は、普通なら悪魔種が修得出来ない聖属性。

これが正面に立っていたクライムは当然、後衛に位置していたプレアデス2人も纏めて吹き飛ばす。

 

「ま、まさか…」

「ヤツも天使…なのか?」

ユリとナーベラルの考えは、正解。

一見、上級の悪魔な外見だが、このNPCは【セラフィム】のギルドメンバーの1人に、"天使種"として創造された存在だったのだ。

 

「ほう?このアズライルの魔力に耐えうるか…

『どきゅん』とは云え、流石は上位ギルドのシモベと言うべきか?

しかし、ならば これは どうだ?

…《拾億雷電撃(ギガデイン)》!!」

 

ドォォオッ!!

 

「「「くっぁああっ?!」」」

そしてアズライルと名乗った天使は、クライム達に追撃。

上級の雷撃魔法を、空間(フロア)全体に迸らせた。

 

「…くっ、ユリ…姉様…!」

「ええっ!」

 

ザッ…

 

そしてクライムの後方、大きなダメージを負いながらも、無理に体を起こしたユリとナーベラルが素早く散開。

クライムとの3人で、三方を包囲する形の陣形を取る。

 

「ユリさん?ナーベラルさん?!」

「クライム様。申し訳ありませんが、先程の『退がっていろ』の命令は、聞き入れられません。」

「無礼承知で発言させて頂きますが、この者、クライム様御1人で相手が可能なレベルでは有りません。」

 

()

クライムがラナーと共にナザリック入りした時から、領域守護者(ラナー)の直属の従者として、クライムは既にプレアデスより上の立ち位置だった。

そして現在のクライムは、第1階層守護者。

ユリやナーベラルが彼を様付けで呼ぶのは尚更 当然な話。

それでも、クライムの『退がれ』の命令(彼自身は そんな心算は無い)には、応じない姿勢を見せた。

 

「今回の戦闘、アインズ様が我々に与えた指令は完全なる勝利。」

「故に此の場で、貴方を死なせる訳には参りません!」

 

≫≫≫

 

◆ユリside◆

「…分かりました。

それなら皆さん、私に力を貸して貰えますか?」

「「勿論です。」」

クライム様は、後々から魔導国…ナザリックに席を置いた身、そして元は人間だと言う負い目からか、御自身を過小に診る傾向が強い。

…だからこそか、今回のGvGは、己の価値を示す…いえ、御自身で見極める、絶好の機会なのは理解出来ます。

最初に『退がれ』と言われたのも それ故、或いは騎士道から…若しくは男子の意地から成る考えなのでしょうが、アインズ様が降された『絶対勝利』の勅命の前には その様な物、塵芥も同然。

今、求められるのは過程で無く結果なのです。

クライム様も それを理解して下さったのか、我々の共闘を受け入れて下さいました。

 

「行きましょう。」

「「はっ!」」

クライム様が改めて剣を構え、ボクも拳を…今回の為にアインズ様から借り受けた、本来は我が創造主やまいこ様の装備である【女教師怒りの鉄拳】を握り締めての戦闘姿勢(ファイティング・ポーズ)

ナーベラルも魔力を高めて、殺る気充分だ。

 

「ハァッ!」

「《雷撃(ライトニング)》!」

 

ぶんっ…カァッ!

 

先ずはクライム様が、その身を包んでいる鎧の附属品(オプション)の鋼球鎖を投げ付け、ナーベラルが雷撃魔法でアシスト。

 

ガシッ!

 

「む?」

雷を纏った鎖が身体に巻き付き、身動きが出来なくなったアズライルとやらに、

「躾ぇーーーーーーーっ!!」

懐に飛び込んだボクが、渾身の一撃を撃ち放つ!

 

「甘いわ!」

 

バギッ!

 

「きゃっ!」「ぅわっ!」

「クライム様!ユリ姉様っ!」

しかしアズライルは、ボクと やはり連撃を仕掛けていたクライム様の攻撃が当たる直前に鎖を引き千切ると同時、回し蹴りと裏拳で迎撃。

 

ボヮッ!

 

「きゃぁっ!」

そして透かさずナーベラルに対しても、火炎弾を吐いて攻撃してきた…

 

 

◆ユリside・了◆

 

≫≫≫

 

◆ナーベラルside◆

カマドウマが…!

素直にクライム様とユリ姉様の一撃を貰い、死んでいれば良いのを、それに抗い、あまつさえ反撃しただと?!

万死!

いえ、それは既に決定事項だったわね。

魔導国に…ナザリックに…何よりもアインズ様に弓引いた集団に属する者だという時点で。

 

「キュェェエイ!」

そのムシケラが奇声を上げながら、近くに居たクライム様に徒手での攻撃を仕掛ける。

クライム様は それを剣で捌きながら、ユリ姉様と接近戦で対応。

 

「…………。」

「………。」

そんな中、ユリ姉様が私にアイコンタクトを。

『自分達が注意を引き付けるから、その隙を突け』というサインだ。

しかし当然ながら、あのムシケラも、如何に脳味噌が残念だとしても、私の存在を無視し続けるとは思えない…寧ろ、離れた位置からの、私の魔法攻撃の方を警戒している可能性が高い。

 

「はぁああぁっ!!」

 

ボワァッ!

 

「!??」

「「ナーベラル?!」

       さん?」

だからこそ、敢えて…此方に注意を向けさせる様に、忍ぶ事無く魔力を高めての…

「《雷縛(ライトニング・バインド)》!」

 

 

◆ナーベラルside・了◆

 

≫≫≫

 

◆クライムside◆

 

ガチィッ!

 

「むお?!」

ナーベラルさんの放った雷が、アズライルを縛り上げる。

 

「クライム様!今の内に!」

「はい!」

 

ダダッ!

 

動けない敵に、私とユリさんが詰め寄る。

先程、私とナーベラルさんとの連携での捕縛も、この敵を長い時間 封じる事は出来なかった。

だからこそ、狙うのは短期決戦。

雷の捕縛を破る前に、

「銀河火弾拳!…&、銀河幻影拳!!」

 

ドガァッ!

 

「真・九光連斬!!」

 

斬々々々々々々々々!!

 

ユリさんの巨大な左右の拳で吹き飛ばし、更に それに猛追、突進しながらの、9連続の斬撃。

アインズ様曰く、ガゼフ様の形見でもある この剣は特別製で、様々な防御効果を無効化させる。

それは、アインズ様が自身に施している物理防御すら透化…即ち使い手の力量次第で、アインズ様にダメージを負わせる逸品らしい。(タナカ様の物理防御には通じなかった)

それを握っての…200年の鍛練の中で編み出した、ガゼフ様の必殺剣を超える技だ。

 

「ぐぁぁあっ!??」

…手応え有り!

必殺には至らなかったが、かなりのダメージを負わせた実感は有った!

 

「一気に終わらせましょう!」

「「はい!」」

しかし此処で、攻撃の手を緩める事は無い。

いや、この時だからこそ、更に攻撃を強めるべき。

 

『舐めプは負けフラグだからな』

 

…でしたよね、タナカ様!

台詞の中に一部、私の知らない単語も有りますが、これが"油断禁物"だという意味は、理解しています!

そして今から繰り出すのは、今の私の最大必殺…

「巫山戯るな!この どきゅんギルドが!!」

 

ボコボコ…カァッ!

 

「「「??!!!」」」

しかし、止めを刺そうとした時、アズライルは体全身から無数の眼を浮かび上がらせ、其処から妖しい光を放出させた。

…………………………っ!

どうやら この光は、聖属性ダメージに麻痺効果を付加させる様だったが、

「ユリさん、ナーベラルさん!大丈夫ですか?」

「は…はい…」

「何とか…」

私の鎧、地獄の番犬(ケルベロス)には、『状態異常耐性』なる加護が付いているらしく、聖光のダメージしか受けていない。

ユリさんナーベラルさんも元より麻痺系には耐性を持っており、私同様に光によるダメージしか負っていない。

 

「「………っ!」」

それでも小悪魔(インプ)である私や不死属(アンデッド)のユリさんは、種族的に それなりなダメージですが。

 

「ぅ…うおおぉぉーーーっ!!!!」

「「く、クライム様?!」」

しかし、それで蹲っている暇は無い!

咆哮で身体で気合いを入れ、体を起こし、再び蒼い大剣を構える。

そうだ…。此処で斃れる訳には行かない。

私はナザリック領域守護者ラナー様の従者。

そしてナザリック地下大墳墓第1階層守護者、クライム!

主であるラナー様に恥を掻かせぬ為、そして私を階層守護者に推されたタナカ様デミウルゴス様セバス様、更には それを認めて下さったアインズ様の御期待に添える為にも、私は…勝つ!

 

 

◆クライムside・了◆

 

≫≫≫

 

◆ユリside◆

「ユリ姉様、大丈夫ですか?」

「ええ、何とかね。」

クライム様が雄叫びと共に体を奮わせて立ち上がる。

当然 私達も、クライム様に続く。

 

「ば…馬鹿な?

我が《裁きの眼光》を受けて、起き上がるだと?」

それを見て、明ら様に狼狽えるアズライル。

どうやら あの無数の眼から出す光が、あの天使の最大の技だったみたいです。

確かに何発も貰えば危ないでしょうが、あの様子だと少なくとも、短時間での連発は出来ないみたいですね。

 

「く、《拾億雷電(ギガデイン)》!」

 

ドォッ!

 

「「「…!!」」」

そして放つのは、雷撃系魔法。

上級の魔法ですが、急いで放った故に魔力の()()が充分では無かったのか、最初に受けた程のダメージは有りません。

 

「《連鎖する龍雷(チェイン・ドラゴン・ライトニング)》!」

 

ゴォォォオッ!

  

此処でナーベラルが、御手本とばかりに充分に魔力が練られた魔法を放つ。

 

「ぎゃ…?!」

ドラゴンを象った雷はアズライルを喰わえた儘、室内を縦横無尽に翔け回り、

「はぁぁ…」

その間にもナーベラルは次の一手を撃つべく、魔力を集中。

左右の拳と胸元其々に、尋常で無い雷と風、そして地属性の魔力を宿させると それ等を重ね合わせ、一気に放出させる。

 

「《超電磁竜巻(メガ・レール・ツイスター)》!!」

 

ブォオォォッ…!

 

「ぐぉぁぁあ…っ?!」

電磁気を帯びた竜巻に捕らわれ、その中で無防備に立ち尽くす形となるアズライル。

 

「爆熱!流星拳!!」

 

弩々々々々々々々々々々々!!

 

「ぎゃぴぴぴぴぽぷっ!?」

其処で繰り出すのは、ボクの最大必殺拳。

弾幕の如くな拳弾が、身動きの取れない敵の体全身にクリティカル・ヒット。

 

「「今です、クライム様!」」

「はい!」

そしてクライム様も、完全に動きの止まったアズライルに向け飛び込む。

 

シャキ…

 

片手逆手に持ち替えた大剣から放たれるのは、クライム様最大の必殺剣…

 

断罪覇斬(クライム・ストラッシュ)!!」

 

斬!!

 

「「お見事です、クライム様!」」

この横凪ぎの一閃は、断末魔を上げる暇も与えずに、アズライルの首と体を分断させたのでした。

 




 
アズライル…イズライール(ドラクエⅤ)のイメージで
 
【次回予告】
『集結!AOG(アインズ・ウール・ゴウン)!!(予定)』
乞う御期待!
 
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