鈴木悟の職場の先輩が、ユグドラシルのサービス最終日に新規ユーザー登録しました   作:挫梛道

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この小説は、創作(フィクション)を原作とした更なる二次創作(フィクション)です。
実在の個人、団体、並びに出来事とは、余り関係ありません。
 



脅威のパワードスーツ!

◆アインズside◆

『クッソ運営ぇ~~いっ!!』

現在、遠隔視の鏡(ミラー・オブ・リモート・ビューイング)で先輩達の様子を伺っていたけど、いよいよ大詰め。

そんな中、先輩が敵ギルマスのソロに、自らの卑怯(チート)防御について説明したら、ソロが盛大にキレた。

ですよねー。

そりゃ、古くからのユグドラシル・プレイヤーが先輩の新規特典を聞いた日にゃ、普通キレるよねー。

 

「しかし これは もう、勝負は決したも同然でありんす。」

「そうね。あのエルフは、大した戦闘能力は持ってないのでしょう?」

「はい。まさか《模写変化(モシャス)》が使えるのは意外でした。

…が、それもコキュートス様やデミウルゴス様の解呪(ディスペル)スキルが有れば、それも無意味。」

「ならば残るは あの男1人。

セージ様♡が居る この状態で、敗ける筈がないわ♡

後はセージ様が かっけーく決めるだけ♡

嗚呼、セージ様♡ あん♡はん♡はぁん♡♡」

…………………………………………。

一緒に鏡を観ていたシャルティア達も話しているが、正に その通りだと思う。

 

「彼女は基本、頭脳労働専門の参謀役。

中位の魔法が使える程度で、本来ならタナカ様や守護者の皆様が参加する戦闘に立ち会えるレベルじゃ御座いません。

えぇ、余程な隠し玉とか無い限りは、部屋の隅で防御障壁とか張って大人しくしてるしか無いでしょう。

え~ぇ!余っ程ぉっな!隠し玉とっか!無い!限りっ!…はっ!」

フラグな発言は止めろ!

 

『シンシア!これで身を守れ!』

 

ズズ…

 

「な…あれは、まさか!?」

…な会話の最中、ソロが空間に"穴"を開け、其処から取り出したのは青と白を基調とし、背に翼を宿したデザインの機動装甲(パワードスーツ)

但し…

「アインズ様?」

「あれを、御存知なんし?」

「うむ!」

只のパワードスーツじゃない。

俺の記憶が間違ってなければ、あのエルフ娘が着込んだ ()()は、ユグドラシルのイベントで用意された、特別製だ。

 

 

 

ユグドラシルにて、あの『ナザリック大侵攻』から暫く経った ある日、運営から新しいイベントの公式発表が有った。

それは、数量限定でゲームの世界各所に隠された、高性能パワードスーツを見つけ出すという内容。

但し、俺達AOG(アインズ・ウール・ゴウン)は それに余り興味を示さず、他のギルドが其方に目を向けている隙に、レア素材が埋まっている鉱山等の所有権利略奪(しょとく)に動いていた。

後から、ナザリック地下大墳墓から そう遠くない迷宮(ダンジョン)に、その中の1機が置かれていたと知った時は、皆で苦笑した。

…が、問題は その後だった。

どの様な経緯は謎の儘だが、そのパワードスーツは とある1つのギルドが全体の約9割、殆んど全てを独占入手したのだ。

これにより、公式と裏の掲示板に、この件で多数のユーザーから、『ふざけんな』とかの書き込みが相次いだ。

しかし、入手方法自体に不正は無かったので、それ以上の文句は言えず。

件のギルドに対して、レア・アイテムとのトレードを持ち掛けた者も居たが…

このギルドはゲーム内での取引には応じず、ゲームの外…つまり現実社会(リアル)での、現金(リアルマネー)での高額な売買行為を行ったのだ。

実は このギルド、以前から似た様な行動をしていて、AOG(俺達)に並ぶDQNギルドと評判だったそうだ。

イベント発表時に、このパワードスーツのスペックも公開されていたので、それでも個人、或いはギルドで所持しようとした者も、少なくなく。

それで噂では、1機につき、6桁の現金が動いたらしい(7桁の噂も)。

しかし、それが不味かった。

運営が動いたのだ。

普段からユーザーに『クソ』と呼ばれる運営だが、その根底には『プレイヤーにはゲームを純粋に楽しんで欲しい』という信念が確かに有った。

ゲームのアイテムで、現実での利益を貪る…最初から それが目的でゲームをプレイしていた事が、運営は看過出来なかったのだろう。

少し程度の額なら目を瞑っていただろうが、今回は余りにも その額が大きく、話が大きくなり過ぎた。

その運営が取った行動。

それは問題のパワードスーツの所有が、そのギルドから他のユーザーに全て移ったのを確認した後、そのユーザー個人、並びに所属ギルドに、『とある地域にて、レイドボス・イベント開催。

その間、イベント地域限定で、前回イベントのパワードスーツの性能を10倍アップさせる』と報せたのだ。

つまり、建て前的には『そのパワードスーツを集団で使わないと、ボスは倒せませんよ?』…な物。

…そして、その発表から約半日後。

その()()()()()に拠点を構えていたギルド【めた=ノレ・ぼっくす】が、件のパワードスーツの集団を基とした、複数ギルドの一斉襲撃を受ける。

それは まるで野党の襲撃にでも遭ったかの様に、その場に居たNPCを含む全ての者が戦闘・非戦闘要員関係無く斃され、所持していたアイテム(素材含む)も全て強奪された上で、壊滅した…らしい。

 

 

 

≫≫≫

「まさか、奴等が その内の1体を所持していたとはな…」

 

ヒュンヒュン…

 

機械の翼が本体から分離し、それは6機の精神感応式機動砲となり、エルフの娘の周囲を護るかの様に飛ぶ。

 

『なかなか面白そうじゃん!

行くよ、マーレ!』

『う、うん、お姉ちゃん…!』

それを相手するのはアウラとマーレ。

 

『さあ、行っちゃうっスよ~!』

『蚊蜻蛉が…』

そしてプレアデスとネコ大王国の女性陣だ。

 

『ライトニング・スフィア!』

 

ヒュンヒュン…ヒュン…

 

はにゃーんが相手の遠隔操作装備に対向する様に、同系の魔法を繰り出した。

 

バヂィッ!

 

その純粋な火力は、パワードスーツの付属品(オプション)の方が上の様だが、合計15の数で それを補い、互角の撃ち合いをしている。

 

『えぇいやぁっ!』

 

シュンッ…ガシッ!

 

『う、嘘?』

其処にアウラが、先の戦闘で入手(ドロップ)した、三又の鞭で攻撃を仕掛けるが、それは盾で防がれてしまい、

 

バシュッ!

 

『!?』

更に同時、魔銃(ビームライフル)で狙撃。

アウラはギリギリで それを躱すが、

『お、おかしいって!

あんな精神操作系のアイテムを使っている時は、そっちに全神経使う事で、他の行動って出来ないんじゃ?』

アウラが不思議そうに文句を言うが、恐らく あのエルフは多重思考のスキル、複脳(マルチタスク)を設定されているのだろう。

故に、精神操作系のアイテムを使いながら、普通に動けるのだ。

 

「確かにアレは、なかなか厄介なアイテムですぞ!」

パンドラがオーバーアクションを交えて話すが、アレの登場ってマジに お前のフラグな一言が原因と思っているのは、考え過ぎか?

 

 

◆アインズside・了◆

 

≫≫≫

 

◆アルベドside◆

アウラ達がエルフの小娘と戦り合っていますが、私はセージ様の戦いの方が気に掛かります。

 

『《大爆裂(ビッグバン)》!!』

 

ドッゴォォォオッ!!

 

敵のギルドマスターが放ったのは、上級の爆発系魔法。

 

『ちぃっ!』『グオ?』『…っ!』

広範囲攻撃の それは、セージ様御1人で受け止められず、他の者にも被害が及ぶ。

…ってゆーか!そもそもセージ様を盾役にするとゆーのが、間違っているのよ!

確かにダメージは無いでしょうけど!

有効且つベストな戦術でしょうけど!

それでも貴方達がセージ様の壁になって、最後はセージ様に美味しい処をお譲りするのが普通でしょうが!

 

氷結爆散(アイシーバースト)!』

 

ビギィィッ!

 

そんな風に考えていると、"セージ様バリア"の恩恵を受け、ダメージを回避出来たリザードマンが氷の斬撃を繰り出し、

『むんっ!』

 

ドガッ!

 

同じくダメージの無いセバスが、剛拳を放つ。

 

『ぐっ…舐めるな!』

 

斬!

 

『…っ!』

それに対して、あのソロ…でしたか?も反撃。

ドラゴンをイメージしたかの剣で、リザードマンを斬り付ける。

 

『く…《快復(キュア)》!』

しかし それは、即座に自らの魔法で回復させる。

 

『ふむ…。あの剣、少なく見積もっても、神器(ゴッズ)級の威力を秘めている様に見えるが…』

それを見た、アインズ様が呟く。

 

「どうやら あの男は魔法戦士でも、魔法詠唱者(マジック・キャスター)寄りな様だな。

武器を使っての戦闘は不得意…とは言わないが、専門分野でも無いのだろう。」

確かに。

あの男は先程から、上位の魔法を連続で放っていた。

そして あの、如何にも攻撃力の有りそうな…しかも"凍てつく波動"を封じている程の上級の武器で、あのリザードマンを仕留めきれないとなると、アインズ様の仮説は正解と言って良いでしょう。

 

「「うらぁっ!」」

 

ドガァッ!

 

「がっ…!?」

そして、セージ様、キター( ゚∀゚)ー!!

手下の猫耳男と同時、前後から首を刈る様な飛び蹴りを華麗に決めた!

(♡∀♡)キャー!キャーッ!

 

 

◆アルベドside・了◆

 

≫≫≫

 

◆ルプスレギナside◆

現状分析。

パワードスーツの飛ぶ魔導砲は、タナカ様の手下の豹女が同じ様な魔法を飛ばして抑えているっス。

そして本体へは、その他女性陣(マーレ様含むっス)で、総攻撃。

 

飛弾鉄拳(ロケットパンチ)!哈ぁっ!」

「《轟雷瀑布(サンダー・フォール)》!」

 

ゴォオッ!

 

ユリ姉の空飛ぶ鉄拳や、ナーちゃんの魔法が唸りを上げ、

「どーん!」

 

ドッゴォォォオッ!

 

シズちゃんが両肩に担いだ2門のキャノン砲が火を噴く。

しかし何れも、決定打には至らないス。

アレ、少し硬過ぎっスよ!

因みにウチ(…とマーレ様)は、後衛で回復や防御支援してるっス。

決して休んだりなんて、してないっスよ!

 

「喰らいなさい!」

 

ドッカーッン!

 

「「「「きゃあっ??!」」」」

そして、向こうさんの反撃。

沢山の爆弾を、此方に投げ付けてきた!

 

「《森の回復(リカバリー・グリーン)》!」

「《治癒(ヒール)》っス!」

此処で、マーレ様とウチが、回復魔法。

ほらほら、きちんと仕事、してるっスよ! 

 

「皆さん、下がって下さい!…召喚!」

そして、ネコカフェ店長が何やら魔力を集中。

 

ゴゴゴ…

 

「「「「「!!???」」」」」

すると、この部屋の天井付近の空間が歪み、大きな"穴"が開く。

その光景に、ウチ達だけで無く、パワードスーツの中のエルフも一瞬、動きが止まってしまう。

 

「《 魔神地団駄踏々(ゴッド・フット・スタンプ) 》!!」

 

ドン!ドン!ドドォンッ!

 

そして その"穴"から、超巨大な『足』(裸足)が降ってきた!

脛から下しか確認出来ないけど、かなりマッスルな足っス!

それが まるで蟻を踏むかの如く、パワードスーツを踏み潰したっス!…しかも連続で!

 

「…くっ!」

あ、アレは流石に効いたみたいっスね。

機械の外装が、一部破損してるっス。

 

「さあ、一気に決めましょう!」

そして、前に出たのはソリュシャン(ソーちゃん)

 

ドロ…

 

身体を操作して、足下に粘体(ショゴス)の水溜まりを作ると、

 

ドッボォオッ!

 

それを大津波みたいに浴びせ掛け、機械のボディを包み込む!

 

きゃ…きゃぁぁあ…っ!!?

そして その中から、恐怖に脅えるかな声。

ありゃ機械の僅かな隙間に粘体を潜らせて、その内側のエルフを喰ってるっスね…

 

ぁ…ぁあ…

それから約30秒。

悲鳴が完全に止んだと思えば、

 

ずずす…

 

パワードスーツから粘体が ぬぅっと出てきて、本体であるソーちゃんに取り込まれる。

残ったのは、動かなくなった…操縦者を失った、機動装甲(パワードスーツ)が1機。

 

「ソ、ソーちゃん?…もしかしなくても…」

「ええ。骨まで美味しく戴きましたわ♡

生娘でなかったのが、少し残念でしたけど♡」

「「うゎぁ…」」

シズちゃんとハモったけど、ウチ達は悪くないっスよ!

 




 
今回のパワードスーツの外観は、Hi-νガンダムのイメージで。
 
前書きにも書きましたが、この小説は、創作(フィクション)を原作とした更なる二次創作(フィクション)です。
実在の個人、団体、並びに出来事とは、余り関係ありません。(笑)
 
 
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