鈴木悟の職場の先輩が、ユグドラシルのサービス最終日に新規ユーザー登録しました 作:挫梛道
【注意】この二次小説の原作は、あくまで『オーバーロード』です。…の筈。
◆デミウルゴスside◆
ベル・クラネル。
原因は不明ですが、異世界に転移してしまったアインズ様以下我々を、身請けしてくれた神、ヘスティアの眷属の少年。
居住空間其の物は、アインズ様の魔法による物ですが、それを行使する場所、そして何より、この世界の情報を提供してくれた神ヘスティアへの対価として、彼を1人前の冒険者に育て上げる事としました。
当然、無理強い等しなく、当人の了承は得ましたよ?
~~~
「はい!強くなれるなら、どんなに厳しい鍛練にも耐えてみせます!」
「ほう?言うねぇ?」
「それではベル・クラネルさん。
頭の中で、地獄の特訓とやらを想像してみて下さい。」
「…???
…………………………………………。」
「…そんな物は、天国です!」
「の、NOOOOOOOOOH!?」
~~~
安易に直ぐに形で分かる金銭で片付けない…我々が此の地を去った後の事を考えた上での答え、流石はアインズ様です。
決して馴れ馴れしい意味で無く…そう、親愛と敬愛を込めて、『さすアイ!』と言いたいですね。
いえ、流石に声で発するのは不敬ですから、あくまで私の心の中での話ですが。
「いや…それ本人の前で言ったら鈴木、凄く喜ぶと思うぜ?
因みに俺は、お前がナイスな判断、行動をした時は、『さすデミ!』と脳内シャウトしている。
そして それは、俺だけじゃないぞ?」
いえ…勘弁して下さい。
…と言いますか、ヒトの心の声に応えるのは止めろ下さい。
それから『さすデミ!』…何と素晴らしい響きなのでしょう!
タナカ様から その様に思われていたとは このデミウルゴス、感激の極みです!
嗚呼、叶うかならば、アインズ様からも直接、その御言葉で誉めて頂きたい!
…コホン、そ、それから…ついでと言っては何ですが、現在の彼女等の住まい…ボロボロに朽ち果てている教会をリフォームする事に。
いえ、これは本当に純粋なサービスです。
単に私が、
更には 神ヘスティアからベル・クラネルの鍛練をクビにされた タナカ様も アシストして下さる事となり、久し振りに良い仕事が出来そうですよ!
◆デミウルゴスside・了◆
≫≫≫
◆ベルside◆
「ぁ…ぅぅ…」
「ほら、もっと身体の力、抜きなさい?」
何故 僕は今、ヘファイストス様に身体中を
「ちょっと、ヘファイストス!
それってセクハラじゃない?」
「な訳無いでしょ?
彼専用の武具一式なんだから、筋肉の付き方とか、身体の細かいチェックが必要なのよ。」
「うぅ…何て羨ましいんだい…って、ベル君も赤くならない!」
アインズさんがヘファイストス様のファミリアを訪ねて、直接に僕の装備を依頼したのが事の始まり。
細かい やり取りは知らないけど、その武具はヘファイストス様自らが鎚を振るう事になり、それで採寸やら筋肉の付き方、そして掌の具合を確認されているのだ。
それは端から見てると、少し
「…ったく、しかし、キミが直々に武器を作るなんて、何時以来だい?」
「ふふ…ヘスティアは あの素材が どんな物か解らないから、そう言えるのよ。
アレはウチの
それ以前に、あんな素材を見せられて じっとしてられる鍛冶師が居ると思う?…いいえ、居ないわ!
アレは鍛冶を生業とする者からすれば、至上の素材なのよ!」
「あー、アインズ君の世界の金属かい…」
「そう! 何なの、あの金属?!
アレに比べたら、アダマンタイトすら豆腐よ、豆腐!
アレを見せられなかったら、彼が異なる世界から来たなんて信じなかったわ? 寧ろ納得よ!」
「ん~。鍛冶職人として、すんごい事なのは分かったから、少し落ち着こうか?」
≫≫≫
「ハァアッ!」
ドシュッ…ボォボォオオッ!
「ひ、ひぇっ?!」
ヘファイストス様によるボディチェックも終わり、ダンジョンへ。
新しい武器防具が出来るのは まだ少し先の話らしく、今日はアインズさんから借りた2振りの短剣でモンスターと戦っていたのだけど…
良いですか、ベル・クラネル君。
この
其々1度しか発動しませんが、敵に刺突すると同時に発動させると、殺傷力倍増ですよ?
…デミウルゴスさん、倍増処じゃないです。
言われた通りに刃を突き刺したと同時、魔法を使ってみたら、黒い炎が噴き出して大爆発!
魔石もモンスターと一緒に、燃え尽きてしまいました。
…申し訳無いですけど、魔法の方は威力有りすぎて使えません。(短剣其の物は一級品です)
それと…まだセバスさん達からの戦闘指導を受け始めて まだ数日しか経っていないけど、自分の身体の動かし方が変わっている…無駄無く動ける様になってると感じるのは、気のせいかな?
≫≫≫
「あー、ベルっち~、ナーちゃん~、お帰りッス~♪」
「…………………………………。」
そしてダンジョンからウチに戻ってみると、教会が…
「…何という事でしょう。
屋根は黒を基調とした天然スレートに全面を張り直され、壁は新たに純白の石煉瓦が積まれました。
庭は
その外は立派な装飾が彫られた石壁で囲まれました。
そして内装。
散乱していた壁や屋根、床の残骸は取り払われ、補修も万全。
礼拝堂も、部屋の基礎であった四隅の柱は其の儘に、床は二重床にして水平も完璧。
その上にタイルカーペットを敷き詰め、長机や椅子等も全て一新。
巨大なパイプオルガンも設置されました。
そして何より目を見張るのは、礼拝堂の顔と呼ぶべきステンドグラス。
其処には偉大なる死の支配者と猛き獣神皇の神々しい姿が描かれています。
2人の匠の素晴らしき共演により、穴だらけだった屋根や壁に床…長所は風通しの良さだけだった壊滅的ボロ教会が、劇的に生まれ変わったのです。」
…シズさん?
「勿論、普段の居住空間も、後々
「う…本当にありがとうとしか、言えないよ…」
「あ、ありがとうございます…」
…兎に角 本当に、大改装されていました。
◆ベルside・了◆
≫≫≫
◆タナカside◆
ダンジョンには基本、神の恩恵を…眷属となった冒険者しか入れない。
しかし、実は大きな抜け道が存在していた。
サポーターと呼ばれる存在だ。
その名の通り、冒険者が倒したモンスターから入手出来る金の元…魔石や その他、ドロップアイテムの回収を専門とし、冒険者が戦闘に集中出来る様、サポートする役回りだ。
「…ッラァッ!」
ベギッ!
但し、ダンジョンに入ればコッチの物。
サポーターだってモンスターが うようよ沸き出す危険な場所に居るのだから、戦闘には絶対に参加せず、アイテム回収に専念しろ…なんて訳には行く筈が無い。
…と、言うか、
「知ってるか?バレなきゃ違反には ならないんだぜ?」
「…………………………。」
それに、サポーターとしてダンジョン入りしてるのは、俺だけじゃない。
「タナカ様、ベル・クラネル。
此方のアイテム回収、終了しました。」
「ありがとうございます、ナーベラルさん。」
そう、接客バイトを初日でクビになったナーベラルを、その翌日からベルのサポーターに就けていたのだ。
その日の夜、1人だけ何の役にも立たなかった彼女は、最高に凹んでいた。
彼女的には鈴木の顔に泥を縫ったと、直ぐに自害する心算だろうが、(初日で こうなるのは流石に予想外だったろうが)こんな展開を予想していた鈴木は、全然 気にしていない。
予め、『自害ダメ!絶対!』とミスに対する責任を自分の命で償うのを禁止していた。
「そりゃ、お客さんに『蝨』とか言ったら、速攻クビちょんぱも当然っスよ~www」
それを約1名が思いっきり煽り弄ってる中、
「大丈夫ですよ!誰だってミスは有りますから!」
…とフォローする白髪少年。
最初は
ついでに言えば、『俺達の弟子』発言で、人間と云えど特別枠として受け入れたか?
フルネーム呼び捨てと云え、虫呼びで無く、ベルをきちんと名前で呼んでいるのだ。
バイトをクビになった後の親身なフォローが少し効いてる?
「あのベルという少年、意外と人たらしだな。」
…と言ってたのは鈴木。
「…ふん。今の私の仕事だ。
礼を言われる程度の事では無い。」
そしてベルの『ありがとう』に、ナーベラルは この態度。ツンデレ?
それと、ベルだが、鍛練の成果は その動きに確実に出てきている。
セバスが言うには『初めて会った時の、クライム様と似ていますね。』らしい。
未熟者な処も そうだが、何より強さを求める理由が自分、そして自分の主の為という辺りが そうらしい。
俺も、自身の強さが
◆タナカside・了◆
≫≫≫
◆アインズside◆
ベル・クラネルが大量の金貨を持って帰ってきた。
セバス、コキュートス、ソリュシャン…ついで先輩からの師事による、明らかなレベルアップに加え、アイテム回収役のサポーターも2人付き、更には その内の1人が勝手に戦闘にも参加した事で、
「こ…こんな お金…初めて見たよ…」
神ヘスティアが皿にした目を潤ませる程の、大金をお持ち帰りしたのだ。
「よし、それではベル君の成長を祝して…ついでに新築祝いも兼ねて、今夜は外食でもするか?
勿論 費用は、私が出そう。」
ユグドラシルのアイテムを売ったりで、此方の懐も潤ってきたしな。
ケチって元の世界に戻る迄、結局は使いませんでした…よりかは、使うべき時は、迷わず使うべきだろう。
「例えば、『ゲームクリアした時にレア系の回復や支援アイテムが大量に残ってしまいました』的なヤツ?」
そう!本当それな!
≫≫≫
「此処は、兎に角 安くて美味いって評判なんだぜ。」
ヘスティアに連れられてきた酒場。
高級な料理店では無いが、鈴木悟的には、こういう店の方が良い。
いや、高貴な御方御用達みたいな店は、未だに馴染めないんだよ!
それに大人数で わいわいするとなれば、逆に この様な雰囲気の店の方がベターだ。
≫≫≫
「は~い、御待たせしましたにゃ~♪」
「どうぞ ごゆっくり。」
多人数の笑い声が飛び交う、賑やかな酒場。
獣人とエルフのウエイトレスが、大量の料理や酒を運んできて、
「…それじゃ、ベル君の成長と、ボク達のホームのリフォームを祝って、そしてアインズ君達に感謝を込めて…乾杯!」
「「「「「「「「乾杯!!」」」」」」」」
未だ少し遠慮感の残るヘスティアの音頭で、ささやかながら
「どうぞ、セージ様♡」
「ああ、サンキュ。」
アルベドの酌で、先輩がビールを喉に流し込む。
この世界に転移して、人化しても、先輩の
戦闘等でダメージを負う事も無ければ、酒に酔う…つまり状態異常にも なったりしない。
アルコールが全然効かないので、本当の意味で飲み放題なのだ。
因みに俺は、アンデッドの身から初めて人化したのが、シャルティアとの 初夜 結婚だから、まだ そんなに酒に慣れてなく、木製ジョッキに並々に注がれているワインを飲み干すのに一苦労だ。
そもそも俺は、酒より料理だな。
ドワーフの女将の作ったパスタや鶏のローストは、確かに美味い。
「お~う、邪魔するで~♪」
「いらっしゃいませ~♪」
ぞろぞろぞろ…
普通の人間とは明らかに違う、気配というか
それは、ヘスティアから感じられるのと同質な物。
ヤツも、神か?
大勢の冒険者らしき者を引き連れ、赤髪糸目の男が店に入ってきたのは、そんなタイミングだった。
次回、
感想よろしくです。