鈴木悟の職場の先輩が、ユグドラシルのサービス最終日に新規ユーザー登録しました   作:挫梛道

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思い付いたから、おまけ話だ!
かなりマニアックだぜ!

 
この小説は、フィクションです。
実在の個人・団体・出来事とは、余り関係有りません。
 



閻魔殿

◆タナカside◆

「閻魔殿か…懐かしいな。」

俺が この世界に転移して100年。

鈴木の言う処の『揺り返し』の時期が、またも到来。

魔導国の同盟国…もとい、傀儡国であるローブル聖王国(この国のトップは魔導国のドッペルゲンガー)からの報告によれば、突如 謎の建造物が現れた。

現地の兵に様子を窺わせた処、その正面入り口から、櫂を背負った兔が出てきたので接触。

この相手も問答無用で戦闘に移る類いな者で無かったそうで、そのギルド【閻魔殿】のプレイヤー…で無くNPCに色々と話を聞く事に成功したそうだ。

そして このギルド、何とユグドラシル時代にAOG(アインズ・ウール・ゴウン)が友好関係を結べていた、数少ないギルドだったとか。

 

≫≫≫

「それで、アインズ様?

その、閻魔殿とやらの、戦力は如何程なんし?」

「ユグドラシル時代なら、全てを考慮すると完全に互角だった。

特に、ギルドマスターの閻魔さんは兎も角、No.2のオニヒさんて人が、無茶苦茶 強いし恐い。

たっちサンでも、1vs1で勝てるかどうか、全く予測の出来ない強さだった。」

「まあ?!」

「たっち・みー様と…?!」

昔の話になると、偶に出てくる たっち・みーの名前。

AOG(アインズ・ウール・ゴウン)の内輪だけで無く、ユグドラシルのプレイヤー全体でも最強候補らしい人物と互角と聞き、アルベドとシャルティアの顔が引き締まる。

聞けば、今回 閻魔殿から この世界に転移してきたプレイヤーは、その話に上がっていた、閻魔氏とオニヒ氏の2人だとか。

 

「…もしかすると、先輩の卑怯(チート)防御も関係無く、ダメージを与えるかもしれない。

そんな理不尽な強さの人だ。」

「「「はいぃ?!」」」

更に、とんでもない事を言う鈴木。

 

「いや、そんな事は無いと解っているんです。

しかし、それでも『あのヒトなら有り得る』…そんな気を起こさせる程な人。

たっちサンが最強なら、あのヒトは最()なんだよ。」

若干カタカタと骨を震わせながら、話す鈴木。

それ程な、プレイヤーなのか。

 

「そんな~、照れちゃいますぅ。」

 

カリカリ…

 

この会話に、まるで自分が誉められた様に顔を少し赤くして、白兔が茶請けの人参(生)を囓る。

そう。既に()()は、直接に魔導王(すずき)が話を聞こうと、聖王国から呼び寄せていたのだ。

 

「兎に角、閻魔様もオニヒ様も、モモンガ様達と事を構える心算は無いと言っておられます。

今後について話し合う準備は何時でも…閻魔殿に御迎えする用意も、此方に伺う用意も出来ているとの事です。

…如何、致しましょう?」

そして兔さんが鈴木に問い掛ける。

 

「うむ。私としても、閻魔さんやオニヒさんと、理由無しに争うなんて馬鹿な事をしようとは思っていない。

…そうだな。今回は其方に態々、此処に来てもらったのだ。

次は私の方が、お邪魔させて貰うとするかな。」

「「アインズ様?」」

「大丈夫だ。」

この敵?の懐に入ろうとする様な鈴木の言葉に、アルベドとシャルティアが驚く様な声を出すが、当人は気にしていない。

 

「閻魔さんとオニヒさんに伝えてくれ。

其方に伺うのは魔導国王である私と、私の妻であり魔導国王妃のシャルティア。

同じく魔導国 宰相のアルベド。

そして一応の護衛役として、此方のタナカ…

この、4人だと。

…楽しみだよ。懐かしい知人、友人と会えると云うのは。

はっははは…!こんな高揚は…本当に100年振りだ…チィ、抑制されたか。」

本当に嬉しそうに…そして感情の昂りを抑制されて、少し悔しそうな鈴木。

 

≫≫≫

「…はい、それでは、此方の準備が整い次第、お邪魔させて頂きますよ。

……………………………………………。

はい、そういう事で。

オニヒさんにも、宜しく御伝え下さい!

それでは、また明日!」

その後の日程を、直接に向こうのギルマスと話す鈴木。

俺の「フレンド登録してるなら、《伝言(メッセージ)》繋がるんじゃね?」の一言に、「あ…アナタは天才ですか!」の返しの後、実際に試してみたら、見事に先方に繋がり、直接の対談の段取りを話し合ったのだ。

そして、その予定は明日。

聖王国は転移で行けるから、此方の国政の調整を デミウルゴスに丸投げした後 片付けた後、直ぐに向かう事となった。

  

≫≫≫ 

翌日の正午前。

天空大墳墓の王の間に、聖王国に通じる転移門(ゲート)が開いた。

地獄の?閻魔サマと対談だ。

 

「♪♪」

「「………………………。」」

「アインズ様、どうか お気を付けて。」

「タナカ様、アインズ様ヲ、ヨロシク頼ミマス。」

「我々も一応、遠隔視の鏡(ミラー・オブ・リモート・ビューイング)にて、様子を窺わせて頂きます。

…いざと なれば…!」

「まあ、アインズ様とタナカ様が居るなら、大丈夫と思いますけど、」

「ね、念の為に、気を付けて下さいね…!」

さて、知らない間柄じゃ無いらしいから、簡単に悶着が起きる事は無いと思うが、どうなるか?

鈴木は御機嫌、アルベドとシャルティア…そして その他は緊張し過ぎ。

 

 

◆タナカside・了◆

 

≫≫≫

 

◆アインズside◆

「やあモンガ君、久し振りだね。

それと、今後とも、よろしくね。」

「はい、此方こそ。閻魔さん、オニヒさん。」

揺り返しの時期。

ローブル聖王国に現れたギルドは、ユグドラシル時代に仲の良かった【閻魔殿】だった。

アルベド、シャルティア、そして先輩と共に其方の拠点を訪ね、そのギルマスの閻魔さん、そしてNo.2のオニヒさんと色々と話す。

彼方は まだ、其れ程な期間は無いだろうが、俺からすれば、300年振りの再会だ。

懐かしさの余り、会話に熱が入ってしまう。

2人共に苦笑されたけど、仕方無いよな!

 

「それにしても、あのモモンガさんが、此処迄に見事に統治しているとは、驚きましたよ。」

「いや、俺は何も…配下が優秀ですから。」

そう言ってるのは、オニヒさん(種族:鬼神)。

まあ、ユグドラシルでのAOG(俺たち)を知っているなら、これも仕方無い。

 

「そ、その様な事は…!」

「そうでありんす!アインズ様が、素晴らしい指示を執っているでありんす!」

此処で、アルベドとシャルティアがフォローに入る。

因みに この2人には、閻魔さんとオニヒさんは、嘗てのギルメンや先輩と同格。

俺を『モモンガ』と呼ぶのを許せる友人だと、事前に教えておいた。

だから、多少な失礼発言にも、キレる事は無い。…と、思いたい。

 

≫≫≫

閻魔殿との話し合いの主な内容。

昔話以外は先ずは、何が起きたのかの説明。…と言っても、ゲームから この世界への転移の原因は、未だ判ってないが。

そして、今の この世界の状況。

はい。転移した当時の王国が、如何に酷かったかを強調しつつ、世界征服(とういつ)の過程を話したり。

 

「うわ…それは、大変だったねぇ…」

「話が通じないのは、難儀ですね。」

多分だが、俺達の前に閻魔殿が転移していたなら、少なくとも異形を絶対に認めない聖王国は、オニヒさんの過剰(せいとう)防衛の基に滅んでいただろう。

ついでに王国領に転移していたとしても、その腐り具合から…ついでにアレも異形は認めない国だったろうから、殆んどの王族貴族は やはりオニヒさんによって、皆殺しの地獄逝きになっていたと思うな。

…それでもラナー(とクライム)は多分、上手く生き延びたと思う。

 

「…でも、本当に良いのかい、モモンガ君?」

「はい。閻魔さんなら、大丈夫ですよ。

それに、いざとなれば、オニヒさんも居ますから。」

そして この先…だが、閻魔殿の皆さんは、普通に聖王国領で生活する事に。

少しずつ国政に顔を出し、数世代を掛けて、魔導国のドッペルゲンガーから国営を交代して貰う事にした。

時間を掛けるのは、例えば閻魔さんが いきなり、『今日から僕が、この国の王様だからね』じゃ、国民だって混乱するし、納得もしないだろう。

それをチカラで無理矢理に抑えるのは、俺や この人達の流儀じゃないし、尚更な反発の火種となり、余計に面倒な事になるだろうしな。

まぁ、そんなこんなで、閻魔さんオニヒとの話し合いは、何事も起きずに、無事に終了した。

あー、本当に良かった。

先輩とオニヒさんが衝突したりしなくて。

尤も この2人、互いに()()()()ケンカ売ったりする事は無いから、大丈夫だとは思っていたけど。

 

≫≫≫

「此処が食堂。」

「此処が資料室。」

「此処が…」

話し合いが一通り済んだ後、俺達は閻魔殿内部を見学させて貰っている。

案内してくれるのは、NPCの双子の座敷童(ようじょ)

もし この場にペロロンチーノさんが居たら、警察案件待った無しだったな。

 

ガラ…

 

「「此処が更衣室。」」

「ぎゃーーーーーーーーーーーっ?!」

えええーーーーーーーーーーーっ?!

そして、次に案内されたのは、更衣室。

扉を開けた瞬間、目に映ったのは上下の下着(桃色)のみな格好の女性だった。

 

「あ、アインズ様!」

「セージ様っ!」

透かさず、シャルティアとアルベドが、俺と先輩を後ろから目隠し。

 

「ちょっと、一子ちゃん二子ちゃん!

何やってんのよ!?」

「お客様を」

「案御内。」

「いやいやいや、男の人が要るのに、女子更衣室に連れてくのは間違ってない?」

「「?????」」

この鬼娘さんの仰有る通りで。

 

「なぁ鈴木、あの娘の声、シャルティアに似てなくね?」

お止めなさい!

それ、言っちゃダメなヤツ!

 

≫≫≫

「「此処が鍛練室。」」

そして次に案内されたのは、鍛練室。

戦闘系NPC達が、筋トレしてたり、組手(スパー)したりしてた。

 

「おらっ!」

「せぃっ!」

「HAHAッ~!…ん?」

「…え?」

そんな中、柔軟体操をしていた1人と、目が合う。

その容姿は何と云うべきか…

一応、ベースは人型。

タブラさんの着ぐるみみたいな?派手な色彩のマントを羽織った、ファンキーな兄ちゃん…な、触手人間(ローパーマン)だ。

 

「…………………………。」

そしてトレーニングを止めて、此方に歩み寄ってきて、

「すいませ~ん、アナタ…

もしかしなくても、AOG(アインズ・ウール・ゴウン)のモモンガさん…でっすね~?」

「「「「……………………。」」」」

良く言えばフレンドリー…いや、どうフォローしても、馴れ馴れしいとしか言い様の無い口調とニヤけた顔で、話し掛けてきた。

 

「き、貴様!誰に向けての、物言いでありんすか?!」

「不敬が過ぎるぞ!」

これにシャルティアとアルベドがキレて、今にも襲い掛からんと構える。

アルベドに至っては、戦斧(バルディッシュ)を持ち出している。

 

ヴォォッ!

 

「2人共、落ち着け。」

「セージ様?」「タナカ様?」

「…今回、こーゆーのは、俺の仕事だ。」

其処に、先輩が獣神皇(カイザー・ライオン)に変化…いや、此方が本来の姿で、普段は人間形態に変化してるんだよな。

兎に角、獣神皇(カイザー・ライオン)の姿で、俺達の前に出る。

ん。今回 先輩は一応、俺達の護衛として、同行していたんだよな。

 

「ん?んんん~?

そっちのサキュバスたんとヴァンパイアちゃんは、NPCみたいだけどぉ、獣神皇(カイザー・ライオン)さん?アンタァ…アンタはプレイヤーですよねぇ?」

すると この触手男、先輩に興味を示した様な仕種を見せたが、

「し、か~っし!」

 

ガサゴソ…

 

空間(ボックス)を開き、そこから取り出したのは、大きなノート。

表紙には【ユグドラシル必勝攻略ガイドブック】と、手書きで書かれてある。

 

「そちらのモモンガさんは、『非公式ラスボス裏ボス大魔王』とかで有名だけど、アナタについては、何も記載されていなーい!

他にも、AOG(アインズ・ウール・ゴウン)には、『DQNギルドの良心』たっち・みーサン、『超エロど変態・真性ロリバードマン』ペロロンチーノさん、『THE・ニンジャ』弍式炎雷さん、『クソ天使ね』るし☆ふぁーさん、等々ぉ、沢山の人が載っますが、アナタの事は、何処にも載っていない!

その程度な存在!

つまーり!アナタは、この僕ちゃんが、相手をする価値が有るとは、思えっませーん!」

何やら俺や他のギルメンの事を書いている(手書き)ページを捲り、先輩を雑魚扱い。

…てゆーか、さっきからコイツ、口調がウザいってか、キャラ濃ゆいね!

パンドラがマシに思えるよ!

それと、その必勝本(ノート)、恐らくは お前の創造主の作成なのだろうけど、先輩はユグドラシル歴 数時間だから、チェック入ってなくても仕方無いぞ。

「な…!?」

「セージ様に、何て事を?!」

その扱いに、アルベドシャルティアが更にキレるが、

「…だったら、試してみるか?」

 

ゴゴゴゴゴゴゴゴ…

 

その先輩が、もっとキレてる?

『ゴゴゴ』の効果文字(エフェクト)を背後に出して、殺る気全開だ!

そう!この先輩、自分からケンカ売る事は無いが、売られたら基本、100パー買う!

 

「良いの?僕ちゃん、結構 強いよ?」

「上等だ、このタコ野郎。ぶっ壊す!」

 

≫≫≫

「…成る程。よく分かりました。

タナカさんとヴァストドローム、2人の模擬戦、認めましょう。」

…あの後、一触即発オーラ全開の2人を、他のNPC達が割って入って引き離し、同時、駆け付けてきたオニヒさん(俺が《伝言(メッセージ)》で呼んだ)によって、その場は収まった。

 

「すいませんね、モモンガさんタナカさん。

アレを創ったのは、本当に どうしようもない男でしたから…

本当に無責任で軽薄で無節操で女癖悪くて…(エンドレス)…」

タコ男、改めヴァストドロームは、そういう設定(キャラ)だったらしく、それで最初も、あんな感じで俺に絡んできたらしい。

 

「………………………………。」

因みに そのヴァストドロームは現在、顔面右半分が大きく腫れ上がりなフルボッコ状態だ。

 

「まあ、私も、モモンガさんの先輩さんのチカラ…卑怯(チート)防御ですか?…は、興味が有りますね。」

そんな訳で、改めて先輩vsヴァストドロームの模擬戦が組まれる事に。

場所も鍛練室で無く、専用の闘技場みたいな空間で行われる事になった。

 

「オニヒ様、ちょっと待ってくれませんか?」

「「「?」」」

そんな時、新たに声が1つ。

 

「その模擬戦。俺も、交ぜて下さいよ?」

入って来たのは、骸骨の悪魔(スカル・デーモン)

 

「ピカロ?お前、関係無いじゃん。

引っ込んでろよ?」

「黙れ。あのドキ…悪名高い、AOG(アインズ・ウール・ゴウン)の者と戦れるとなると、黙っていられるか!

テメーこそ引っ込んでろ!」

どうやら このピカロとやらも、バトル脳みたいだな。

…って お前、最初 何て言おうとした?!

それは兎も角、どちらが先輩と戦うかの、言い争いが始まった。

 

「「上等だ!あのヤローの前に、お前をぶっ倒s

「アナタ達、お客様の前ですよ!いい加減になさい!」

 

ガンッ!

 

「「ギャッス!?」」

そしてオニヒさんの金棒フルスィングが炸裂した!

 

「《伝言(メッセージ)》。あ、店長?俺俺俺。今、話 大丈夫?

………………………

ぅ、うん、実は妊婦さん相手に人身事故起こして…って、詐欺じゃないから!」

…で、先輩は、何を話してるんですか?

 

≫≫≫

「すまないな、エイデイ。」

「大丈夫、良い暇潰しだZE!」

さて、閻魔殿内部の闘技場に場所を移した俺達。

あのスキアが話に割って入った時から、先輩はタッグマッチを考えていたのか、そのパートナーとして呼び寄せたのは、暗闇猛虎(ブラック・タイガー)の獣人エイデイ。

嘗て変則ルールとは云え、先輩をギリギリまで追い詰めた強者だ。

 

「全く…何かと思えば…」

そして俺の横には、そのエイデイを転移で連れてきたバステトが。

 

「しかし、懐かしい展開ですね。」

その表情は、呆れながらも笑みが溢れている。

ああ、確かに何となく、俺達が初めてネコ様大王国を訪れた時に似ているな。

 

「…それでは、僭越ながら審判は、私が務めさせて頂きます。」

こうして先輩&エイデイ vs ヴァストドローム&ピカロの模擬戦(タッグマッチ)が始まった!

 

 




【今回の おさらい&元ネタ】
 
①vast dream…和訳して下さい
②Pícaro…スペイン語で「ならず者」の意味。英訳すると…
 
≫≫≫
【マニアックな話ですが…】
分からない人には、何のこっちゃ?な話ですが…

弁解って訳じゃないですが、作者、別に某選手が嫌いとかな訳じゃないです。
確かに最初は、あのキャラは受け入れられないでしたが、慣れたら全然アリ。
今は寧ろ、「いいぞ もっとやれ」です(笑)。
 
続きの展開ですが、それは今夜(R4.6.3)の結果の後で、書こうと思っています。
 
 
次回予告『恐怖の時限爆弾!(予定)』
感想よろしくです。
 
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