鈴木悟の職場の先輩が、ユグドラシルのサービス最終日に新規ユーザー登録しました   作:挫梛道

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バトル回!
 


Dangeros Suplex Combo

▼▼▼

 

ダダダッ…!

 

タナカに向けて突進する、純白の蜥蜴人(リザードマン)、バーザリュード・シャシャ。

彼は他の異形の者達と違い、今回のタナカのナザリック入りに、それ程迄の抵抗は無かった。

但し、タナカの実力を披露する模擬戦を行うと聞き、その実力に興味を持ち、それに参加。

実際に闘技場で相対し、その存在感から只者では無いのを実感した彼は、間合いに入ると同時、出し惜しみ不要で己の最大級の技を繰り出す。

 

氷結爆散(アイシー バースト)!」

 

ドゴォォォッ!!

 

父親から譲り継いだ氷の魔剣『凍牙の苦痛(フロスト ペイン)』から放たれた冷気が巨大な氷の塊を、そして周囲に氷のフィールドを作り、爆裂する。

普通に直撃すれば、氷属性の斬撃と爆発を一気に受ける、必殺級の技。

 

「…ッ!!」

タナカは これを、バックステップで回避。

 

『おぉーっと!

開幕一番、バーザリュード・シャシャの強烈な一撃!

しかしタナカ様、それを華麗に躱す!』

「ふむ。今のは中々のスピードだったよ?」

「アレヲ躱ストハ…」

「凄いでありんす…!」

「流石はタナカ様ですぅ!」

「はい…。確かに今のは、躱したタナカ様の方を、見事だと称えるべきでしょうな。」

「当~ぉ然♡」

アウラが実況アナウンスする中、闘技場観客席の僕達は、初めて見るタナカの動きに感嘆。

 

「速いっ!」

「決まったかと思ったぞ?」

その僕達とは少し離れた席で観戦していた鎧の人物と幼女も、驚きを隠せない。

 

「ん~、どうせ先輩、ダメージ受けないんだから、避ける必要は無かったんだけどね?

とりあえずは様子見かな?」

そして この2人と一緒に闘いを観ていたアインズだけが、冷静に戦況を窺っていた。

 

「凄い攻撃だな…

よし、ならば俺も、本気を出させて貰う!」

「む?!」

そんな中、タナカの顔付きが変わり、

「覇ァアアアッ!!」

 

ボォゥワッ!!

 

己が体内を巡る闘氣(オーラ)を、一気に増幅させる。

 

バリバリィッ!

 

これにより、タナカの胸元が、腕が、脚が…身体全体の筋肉が膨れ上がり、着用していた旅人の服を内から引き裂いた。

そこから露になったは、正に筋肉の塊の表現が相応しい、鍛え上げられた肉体。

肌は濃い朱に、黒い短髪は黄金に燃える鬣に。

そして換装された白い鎧。

その場に姿を見せたのは、頭部に鋭い3本角を生やした人獅子(ワーライオン)だった。

 

▼▼▼

 

◆セバスside◆

ななな…何ですとぉーーーーーっ!??

タナカ様の筋肉が膨張、それによって着ていた服が破れる。

そして それにより開放される肉体。

分厚い胸板に強固な腹筋。

あらゆる刀剣を弾くであろうな太い首回り。

一目で その破壊力が窺える腕と脚。

そぉしてそしてぇ、超・御立派様ぁっ?!

それは正しく♪ユは、ショーック!!♪

あ~たたたたたたたたたたたたたたた!…ほゎっちゃあっ!!

…ハッ!し、失礼…と、兎に角タナカ様が、目に解るパワーアップをされたので御座います。

 

バタン…

 

「ちょ…?アルベド? いきなり鼻血噴いて倒れて、どうしたでありんすか?!」

「(♡∀♡)やっべーセージ様、マジかっけー♡…ハァハァ…グフッ…!」

「「ア…アルベドォォオッ?!!」」

「…って、お姉ちゃんも舞台で、目を回して気絶してますぅ??!」

「キャ~ハハハハ♪ 御子様(チビ)には少しばかり、刺激が強過ぎたみたいでありんすね~?www」

シャルティア様…貴女は平気なのですか?

 

 

◆セバスside・了◆

 

▼▼▼

 

◆アインズside◆

く、く、く…クッソ運営ぇーーいっ!!

だ・か・ら!新規(ルーキー)に優し過ぎるだろ!?

先輩から種族は人獅子(ワーライオン)てのは聞いてたけど、その最高位の獣神皇(カイザー・ライオン)てのは、聞いてなかったよ?!

しかも あの鎧、どう見ても『雷鳳の鎧』だよね?

初心者に世界級(ワールドアイテム)持たせてんなよ!

いくら配信サービス最終日だからって、振る舞い過ぎるだろ?!

何か?嫌がらせか?

そんなに既存ユーザーから、クソ運営クソ運営言われた意趣返しか?!

 

「そらっ!」

「武技・鱗皮硬化!」

 

バキィッ!

 

「…ッ!」

…そんな突っ込みをしてる間に、先輩のミドルキックが放たれた…が、あのアルビノのリザードマンは、しっかりと防御系の武技を発動させ、大したダメージは、受けてない様子だ。

あのリザードマンのレベルは51…プレアデス級か。

確かにリザードマンとしては、かなりな実力者だ。

先輩とのレベル差は11。

ユグドラシルだと10以上のレベル差は覆せないとされているが、それは あくまで()()()()()()()()が絶対なゲームの世界での話。

リアルな この世界では、闘い方次第でジャイアント・キリングが起きても不思議じゃない。

…しかし、

「オラオラオラオラオラオラ!!」

「…くっ!?」

それでも、先輩は強い。

雷鳳の鎧の特性の1つ、物理攻撃に炎と雷の属性が付与された拳の連打で、相手の意識を上半身に集中させた処での脚払い。

 

ガシィッ!

 

「な…?!」

そして うつ伏せに倒れたリザードマンの両腕両足を然と捕らえて反転、

「ぐわわわわわわわーーっ!!」

吊り天井固め(ロメロ・スペシャル)をガッチリと極めた!

 

「Hey,Ask Him!」

「え…え~と、ギ、ギブアップ?…ですか?」

「の…No~!」

先輩の〇〇〇を直視して倒れたアウラに代わり、審判役となっていたマーレが(実況は無理)、リザードマンに降参かを問う。

 

「初めて見る技だけど、アレは対人には有効だね。」

「うむ。普通のヒトガタなら、これで終わりだな。」

それを見て、俺の隣の2人の()()()()が含みの有る発言。…って、そういう事か!

確かに普通の人型なら、手足を封じられて脱出不可能。

しかしリザードマンの身体には まだ、フリーになっているヶ所が有るんだよな。

 

バシィッ!

 

「チィッ!」

そう。リザードマンはフリーになっている尻尾を鞭の様に先輩の足を狙って振り撃ち、この拷問技から脱け出すと、直ぐに体勢を立て直してからの、

氷結爆散(アイシー バースト)ォッ!!」

 

ドッゴォォォッ!!

 

大技再び。

しかし先輩は それを、今度は躱す事無く、正面から受け止める。

当然ながら、ダメージは受けていない。

 

「な、何ぃっ!?」

これにはリザードマンも、驚きを隠せず。

それでも勝負を諦めていないのか、追撃の手は緩めない。

 

「武技・貫通!」

 

ズバァッ!

 

鋭い踏み込みで間合いを詰めてからの、氷の魔剣による刺突技だ。

名から察するに、相手の防御力を無視してダメージを与える攻撃だと思われるが、

()()も、俺には通用しない!」

「な…何だと?!」

…でっすよねー!

先輩のスキル、【レベル無視完全物理攻撃無効】は、硬さとかとか、そういうのじゃないんだよな。

 

「ク、クソッ!」

 

ぶぅん!

 

そして焦ったのか、尻尾を鞭の様に振り回しての攻撃だが、

 

ガチィッ…

 

「甘ぇーよ!」

「!!?」

 

ぶぉんっ!

 

「ガハッ?!」

それを先輩は両腕でキャッチすると、その尻尾を掴んでのドラゴン・スクリューだ!

再びダウンしたリザードマンに対して、数歩後退して構える先輩。

はい、何か狙ってますね。

多分、立ち上がろうと片膝着いたタイミングで、顔面狙いの飛び膝蹴りが、或いは…

 

「な、ななな…今の、何?」

「あんな技、見た事が無いぞ!」

プロレス知識が皆無なドラゴン2人が驚いているけど、多分 次の技、もっと驚くと思うぞ?

 

タタタ…

 

「でゃっ!」

「な?!」

 

ぶぅん…どんっ!!

 

「げほゎあっ!!」

リザードマンが起き上がったと同時、ダッシュした先輩。

ジャンプして両足で相手の頭を挟むと、その儘バク転するかの様にして、脚を使った投げ技…

「「な…何じゃあ あれゃ~!?」」

確か、フランケンシュタイナー…だったかな?

1回転して脳天を地面に痛打するリザードマンを見て、吃驚する2人。

兎に角これで、決着でs…ええええぇーーーーーーーーーっ!?(ピカァ…精神鎮静)

 

「まだ…だ…!」

それでも まだ立とうとするリザードマン。

いや、タフ過ぎるだろ?

 

「…ならば!」

しかし先輩は動じる事無く、構え直す。

 

 

 一 撃 必 殺 

 

そして その背後に現れた、たっち・みーさんの『正義降臨』を彷彿させる効果文字(エフェクト)

 

バッキィイッ!!

 

「ガ…ハ…ッ…」

其処から繰り出されるのは、アッパー気味の左の掌打!

 

グシャァァッ!

 

上方に吹き飛ばされ、またまた脳天から落下。

見るからに強烈な一撃を喰らい、またもダウンするリザードマン。…死んでないよね?

 

≫≫≫

『ぅ…勝者(ウィナー)! セージ・タナカ様!…ですぅ!』

結果からすれば、あの一撃が決まり手に。

あれでも意識が飛ばなかったリザードマンは またも立ち上がろうとするが、顎を撃ち抜かれた一撃が()()()()しまい、結局は立つ事が出来なかったのだ。

戦闘前、先輩は自身の防御特性の確認をしたいと言っていた。

それ故、受けに回っていた場面も有ったが、全体的に見れば先輩の完勝だ。

 

うぉおーーーーーーっ!!

 

そして沸き起こる歓声。

異形側の連中が騒いでいるが、これで先輩の力も分かっただろう。

少なくとも、お前達が勝てる相手じゃないと分かった筈。

これで先輩が お前達より上だというのも、納得するだろうな。

いや、これで納得しなきゃ、もうバカだr

「グハハハハ! よし、次は俺様だ!」

…はい、バカ確定。

 

≫≫≫

「げほゎ…こんな…ばか…な…?」

…じゃ、ないよ。

リザードマンの次、対戦の名乗りを上げたのは、重戦鎚と大盾で武装したトロール。

人型から獣人化した事で、さっきのリザードマンとは体格の優劣は無くなっていたけど、今度は また、ニ回り以上の体格差だ。

しかし先輩は、それを感じさせる事無く、トロールを攻め立てる。

 

ピシィッ…

 

地を這う矢の如くなスライディングでトロールの脚を刈ろうとするが、体重差でダウンには至らず。

少しだけ前のめりに体勢を崩すに終わってしまう。

…が、実はそれが、先輩の狙いだった!

前屈みになったトロールの前で跳躍、頭を両足で挟むと、またもフランケンシュタイナーが炸裂!

 

「これで終わりじゃないぞ!」

倒れたトロールの頭を掴んで無理矢理に立たせると、今度は あの巨体を持ち上げ、垂直落下式ブレーンバスターだ!

 

「いやいやいやいや!エグ過ぎるだろ?!」

「貴奴の血は、何色だ?」

先~輩~、言われてますよ~?

俺の隣、ツアーとドラウが必死に突っ込んでいるけど、先輩は止まらない。

 

ぶんぶんぶんぶん…ぶぅん!

 

ダウンしているトロールの両足を持つと、ジャイアントスィングで ぶん回し、最後は上空高くに放り投げる!

 

バサァッ…!

 

そして それを追う様に、雷鳳の鎧の付属品(オプション)の翼を広げて飛翔。

空中で相手を捕らえると、その頭を脇に挟み込み、その体勢で旋回しながらの急降下…スィング式DDTだ!

 

どどんっ!

 

派手な音が発ち、土埃が舞う。

視界が晴れて目に映ったのは、頭全部が完全に地面に埋っており、ピクリとも動かないトロールの姿。

 

ピク…ピク…

 

訂正。

腰がピクピクと痙攣してる。

 

『え~と、勝者…タナカ様…です…。』

意識を回復して、審判兼実況に復帰したアウラが、口元を引き攣らせながら、先輩の勝ちを宣言。

 

…………………………………。

 

静まり返る場内。

約1名、赤くした頬に手を添え、腰をくねくねさせて悶えている様だが、俺は何も、見えていないぞ!

ん、見えていないからな!

…因みに この後、先輩との対戦に名乗りを上げる者は流石に居なくなった。

それは この異形達も先輩のナザリック入りを…自分達の上の存在だと認めたのだろうし…まあ、結果オーライ?

 




 
改めてタナカ先輩の外見ですが、
 
人型…桜井真一(宇崎ちゃん)
人獅子形態…マジンカイザー・ライガ(マジンカイザー シリーズ)
 
…の、イメージで。
 
【雷鳳の鎧データ】
・超硬い
・物理攻撃に、炎と雷の属性が付加される
・炎属性ダメージ半減
・雷属性攻撃無効
・背部に隠されている翼を展開させる事により、高速飛行が可能に
・その他諸々
 
アインズ「防御チートの先輩には、属性付加と飛行しか、意味が無いけどね!」
 
 
感想よろしくです。
 
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