鈴木悟の職場の先輩が、ユグドラシルのサービス最終日に新規ユーザー登録しました   作:挫梛道

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二次故に、設定として原作とは異なる未来を迎えた人物も居ますから、200年後の世界にも、そのオリジナルな影響は出ています…
 


冒険者タナカ

▼▼▼

「それではセージ・タナカさん。

アインズ・ウール・ゴウン魔導国冒険者ギルドは貴方を魔導国所属の冒険者と認め、此処に この銅級(カッパー)認識証(プレート)を渡します。」

「どうも。」

エ・ランテルの冒険者ギルド。

簡単な手続きを済ませ、正式に魔導国所属の冒険者として登録されたタナカ。

今の彼は普段着の旅人の服の上に、胸当て、肩当て、腰当て、籠手、膝当て…此れ等 青銅製の防具を装着。

これが さしあたっての、タナカの冒険者としてのスタイルとなる。

卑怯な程にチートな防御力を誇るタナカには、はっきり言って余り意味の無い装備なのだが…

 

「流石に旅人の服だけじゃ、他の冒険者に舐められますし、中には『冒険者を舐めているのか?!』と言ってくる真面目も居ますから…」

 

…と、最初はアインズから、漆黒に金の装飾(ライン)が施された全身鎧(フルプレート)を渡されそうになるが、それは武闘家のタナカにとっては動きを阻害される代物故に、受け取りを拒否。

街で最低限の それらしい装備を購入し、身を固める事にしたのだ。

そして早速、仕事(クエスト)の1つでも こなそうと思い、依頼が書かれた紙が貼られている掲示板の前に足を進めようとした時、

 

ス…

 

「「「www♪」」」

「…………………………………。」

首に掻けている認識証(プレート)銀級(シルバー)

その歩を塞ぐかの様に、通路に脚を突き出した中年男(ぼうけんしゃ)が1人。

そして その仲間と思われる男が2人、下卑た嗤いを浮かべるのだった。

 

「ハァ…本当に、こんな奴等って居たんだな…」 

 

 

 

▼▼▼

≫≫≫

 

ドタドタドタ…

 

けたたましくギルド本部2Fから階段を降りる、金髪の男。

彼の名はクラーク・ヴァイセルフ。

魔導国冒険者ギルドの長である。

受付嬢から、下のフロアで乱闘騒ぎが起きているとの報せを受けての登場だ。

 

「な…?!」

そして1F、酒場を兼任している冒険者達の貯まり場に顔を出した時…彼の視界に映ったのは、呆然としている冒険者が幾人。

自分の顔を見て、何やら気不味そうな顔を浮かべた、純白の鎧を身に着けた少年。

涼し気な顔をした、青銅装備の黒髪の長身の男。

そして木製の床を突き破り、身体を逆さま、上半身を埋められた3人の冒険者だった。

 

「…………………………。」

クラークは現場の状況から、何が起きたかを推察。

 

 

 

…先ず、床に沈められているのは、顔こそ確認出来ないが、何時もの3バカだろう。

そして顔に覚えは無いが、この黒髪の男が、今の状況を作り出した張本人だな?

しかし だとしたら、一体 何なのだ この男は?!

悪びれている様子が全く見受けられないぞ!

…って、言うか! 

 

 

 

 

「何事だ、これは!?

クライド!お前が居ながら!」

「いや、違うんだ父さん!」

そして これを見て、白い鎧の少年を叱り付けるクラークと、それに対して何やら弁明しようとする少年。

この会話からして、彼等は親子なのだろう。

 

「どうせ また この3人が、此方の彼に、何か仕掛けたのだろうが…」

「全く その通りだけど、俺が止める間も無く、この有り様なんだよ。」 

 

▼▼▼

 

◆タナカside◆

「いや、本当に申し訳無い。

床の修繕費は仕事の報酬で払うから、銅級(カッパー)で高収入の依頼を紹介して貰えないだろうか。」

「は…はぁ…」

 

鈴木ぃ…この装備でも、早速バカに舐められたぞ?…〆たけど。

お陰でギルド長から説教だよ!

幸いにも あの連中が普段から、騒動(もんだい)ばかり起こしているバカだってのと、冒険者であるギルド長の息子が俺のフォローに付いてくれたから、そこ迄キツく言われる事は無かったけど…

冒険者稼業初日から、ギルド長に問題児認定されちまったぜ、コンチキショー!

 

「あの…スイマセン、ちょっと良いですか?」

そして受け付けの お嬢さんと仕事について聞いている時、此方に誰か、声を掛けてきた。

 

「あ、アナタは…」

「どうも…」

その声の主は、凄く高価そうな白い鎧を着込み、腰には西洋剣では無く日本刀(カタナ)を携えた金髪の少年。

ギルド長の息子にしてアインズ・ウール・ゴウン魔導国…否、近隣諸国合わせて最強の冒険者と呼ばれている、クライド・ヴァイセルフ君(17)だった。

 

≫≫≫

「すいませんでした。

あの時、俺が直ぐに止めに入っていたら…」

「いや…俺の方こそ、巻き添えで注意されてしまい、すまなかった。」

何事かと思えば、さっきの乱闘の話。

この少年が言うには、『あのバカが要らぬ真似をしていたのは最初から見ていたのだが、それを直ぐに戒めなかった。

結果、それで俺がギルド長である自分の父親に、OHANASHIされた』…と、謝りにきたのだ。

何だ この少年、真面目か? 学級委員長か?

多分 普段から あの父親に、血の気の多い連中の()()を引いておけとか言われてたんだろうな。

まぁ、俺も殺り過ぎた自覚は少しだけ有るし(注:殺していませんし、反省も後悔も していません)、その話は互いに『ごめんなさい』した事だし、もう終わらせようぜ?

 

「尤もアンタが それより前に、アイツの足に蹴りを入れて強硬突破→乱闘スタートからの瞬殺だったから、止めるも何も無かったんだけどな。」

ほら、全く その通り。

キミの仲間も そう言ってるし。

 

「それから…それとは別に、仕事の話が有るのですが…」

はい?

 

 

≫≫≫

「まさか初仕事で、アダマンタイトの皆さんと同行出来るなんてね。」

「何を言ってるんですか、タナカさん。

さっきの乱闘を見れば、アナタが強いのは十分に判りますよ。」

…そんな訳で俺は、このクライドがリーダーのアダマンタイトチームと もう1つの冒険者チームと一緒に、トブの大森林の探索をする事に。

さっきの立ち回りを見ての、チカラを買われての御誘いだ。

アダマンタイト級が請け負う仕事(クエスト)だから、当然 高報酬。

床の弁償も あっと云う間に終わり、尚且つ お釣りが来る程な美味しい仕事!

勿論、二つ返事でOKさせて貰ったぜ!

 

「少なく見積もっても、ミスリル級なのは確実だよな。」

「えぇ。実力の面は、問題無いわ。」

「はい。ケンカ自体は誉められませんが、見事な戦い方でした。」

そして何だか、俺を高い評価してくれるクライド君のパーティーの皆さん。

野伏のジダンに騎士のクレア。

そして信仰系魔法詠唱者(マジックキャスター)のクリフト。

これに戦士のクライドをリーダーとしたのが、世界最強の一角と言われる、アダマンタイト級冒険者チーム【守護スル者達(ガーディアンズ)】だ。

 

「しかも、俺が見た事も無い技を使ってたしな。」

「あれは…エグかった…。」

いや、『見た事も無い技』って、ありゃ只の垂直ブレーンバスターとノーザンライト・ボムとエメラルド・フロウジョンなんだけどな…

前の模擬戦の時も感じたが、どうやら この世界は、プロレス技は広く知られてない様だ。

とりあえず この日は、彼等と仕事内容の確認をした後に解散となった。

しかし、その内容ってのが…

 

「『伝言(メッセージ)』…鈴木、今、話せるか?

………………あぁ、街の冒険者から少しばかり、気になる事を聞いてな…」

 

 

▼▼▼

「「「「………………………。」」」」

「………………。」

翌日。

改めてギルド前に集合。

…したのだが、此処で問題?が発生。

クライドのチームは、昨日から俺を認めてくれていたみたいだが、それとは別な、同行予定のオリハルコン級のグループ。

コイツ等、『銅級(カッパー)の新人が如きが俺達と…』と、言いたそうな顔が丸分かりだ。

鈴木も昔々、最初は こんな輩に絡まれてたと言ってたが…昨日のアレの時も思ったが、本当に何時の時代にも こんなの要るんだな。

とりあえずは相手の力量が測れないのは、致命的だぜ?

アダマンタイトの皆さんを見習え。

 

「ったく…もう1人、同行するヤツが増えたって言うから、どんなヤツかと思えば…銅級(カッパー)新人(ルーキー)かよ!」

「しかも今日が、初仕事だと?!」

「本当に使えるのか? コイツ?」

あ、コイツ等 本当に口に出しやがった。

知らないのか? 世の中、頭に思っても声にしちゃいかない事って、沢山あるんだぞ?

とりあえず…ねぇねぇクライド君、処して良い?処して良い?

 

「止めろ。彼は俺達が この目で、そのチカラを見た上で声を掛けたんだ。」

「はい。タナカさんの実力は、私達が保証します。」

「ふっ…多分、貴様等よりか余っ程 有能だと思うぞ?」

「そうそう。お前等あの場に居なかったけど、グィッ!どすん!ずぼっ!!…だったからな!

本当に凄かったぜ!」

クライド達は、そんな険悪に なりかけている(…てか、既に なっている)空気を察してフォローに入る。

 

「はぁ?! 何なんだよ そりゃ!?

訳分かんねぇっての!」

 

グィッ…どすん!…ずぼっ!

 

「こんな、訳だが…解った?」

「「「……………………。」」」

…が、余りにも噛ませ犬な三下オーラがウザかったので、ジダンの表現が実際に どんな感じなのか、この4人組の内の1人を使って教えてやった。

すると、それを見て震えながら黙り込んでしまう、残りの雑魚の皆さん。

どうやら更に逆上して、襲ってきたり難癖付けてくる迄なバカじゃなかったみたいだ。

 

「ハァ…もう、出発して良いですか?」

そして苦労人な顔をしたクライドの言葉に、俺を含む この場の全員が頷き、俺達は2台の馬車に分乗し、とりあえずは大森林側の街、エンリ・カルネを目指す事に。

当然だが?俺は、クライド達と一緒の馬車だ。

 

▼▼▼

馬車に揺られる中、クライド達から、色々と冒険者の心得等を享受中。

上から数えて()()()級位(ランク)に当たる、アダマンタイト冒険者様の話は、この世界に流れたばかりの俺には中々に為になる。

元々はアダマンタイト級が冒険者の最上位だったのだが、約200年前に()()()()()()()()が、そのアダマンタイトの枠に納まり切れない程にデタラメな無双っ振りを見せた お陰で新たに その上に1つ、新設されたのだそうだ。

因みに その誰かさんと その相方(パートナー)以降、その最上位(ランク)に就けた者は居ない。

 

≫≫≫

「…近いぞ。かなりな数だ。」

「「「「……!!」」」」

そんな中、ジダンが敵…恐らくは怪物(モンスター)の接近を感知して、警戒を促した。

全員で外に出て、周囲に神経を巡らせる。

これを見た もう1台の馬車に乗っていたオリハルコンのチームも、同じ動きを見せた。

 

バサァッ…!

 

そして少し進んだ後、藪の中から怪物(モンスター)の集団が。

人間や その他の種族との共存に馴染めない、野良のゴブリンとオーガの群れだ。

 

「…って、多過ぎるだろ?!」

「どーすんだよ!?」

「10人足らずで どうにか出来る数じゃねーぞ?」

「ににに、逃げる?」

その数 合計、約30匹。

これを見たオリハルコンの連中は、及び腰に。

それは確かに、決して少ない数じゃないが…

 

「タナカさんは、馬車の守りをお願い出来ますか?」

「あぁ、任された!」

「…よし!それじゃ皆、行くぞ!」

「応!」「了解!」「はい!」

それでもクライド達 守護スル者達(ガーディアンズ)は、臆する様子は無い。

俺も御者を馬車内に避難させ、戦闘の構えを取る。

 

「『硬化(ハードニング)』…『早足(クィック・マーチ)』!」

クリフトが支援魔法を唱え、

「九光連斬!」

 

ズババァアッ!

 

「ほげぇああぅわっ?!」

クライドの神速で放たれた九閃の斬撃が、1体のオーガを瞬時に斬り刻んだ。

 




 
①タナカ先輩の装備は、天馬星座(ペガサス)青銅聖衣(ブロンズクロス)の最初期ver(頭部(ヘッドパーツ)無し)のイメージで
 

ジダン…ジダン(FF-Ⅸ)
クレア…クレア(このすば)
クリフト…クリフト(ドラクエⅣ)
…のイメージで
 
③クライドは原作キャラ、〇〇〇と〇〇〇〇の子孫と思って下さい。
顔は〇〇〇〇で、髪の毛は〇〇〇ですね。
 
 
感想よろしくです。
 
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