ここはテイワット、その北東部にある風の国「モンド」に建てられたモンド城。自由の都でありその豊かな営みが遠くに見える星落としの湖の七天神像。その湖のそばで青年が目を覚ました。
「…ここは?」
目が覚めるとどこか知らない場所——少なくとも「東京」ではない所にいた。
「俺は…確かあの死神に会って、それから…ッ!!」
突如すさまじい痛みと死を覚悟するような空腹感に襲われた。これは喰種特有の飢えによる症状であり、理性を失い、飢えが満たされるまではたとえ友人であったとしても喰い散らかすようになってしまう。端から見れば彼の姿こそ彼が最も嫌う獣———喰種そのものであった。
「おッ! 俺は、‼ !ッ違う ケモノ… じゃナいッッ!!!————キヒィィイイイイ!!!!!—————」
バキバキと音を立てながら彼はヒトの姿から醜い獣の姿…「赫者」へと変化していた。身体は赫子を纏い肥大化し、頭からは大きくゆがんだヘラジカを思わせる角が生え、特に左手に至っては肥大化した胴体と同じかそれ以上に太く、大きく変化していた。さらに全身からは溶岩を思い起こさせるほどの熱を噴出しており、尋常の生物とはあまりにもかけ離れた姿をしていた。
「キヒィィィィ————————!!!!オオオオオオレハッ 俺はチガウッケモノじャナい———!!」
最終的に5メートル程の大きさになった獣は周囲を燃やしながら飢えを満たすために先ほど見えた城に向かって進みだす。丁度それを見た囁きの森で大事な宝物を埋めていた赤い少女はおびえながらも
「ジン団長にしらせなきゃ! 」
といち早く異常を見つけ、救援を呼ぶために走っていった。
そのころ、獣はヒルチャールの集団に囲まれていた。
「Nini zido! 」
モンド城を囲む湖のそばに居を構えるヒルチャールの集団は突如として現れた大きな獣に威嚇していたが、集団のトップであるヒルチャール暴徒が獣の左腕に掴まれ、全身を焼かれながら喰われた。それを見た他のヒルチャールは全員一目散に逃げ始め、獣はそれを追い囁きの森に入っていった。
数分もたたないうちにヒルチャールを捕まえ捕食した獣はふと旨そうな匂いがするのに気が付いた。どうやら木の板が立ててある穴の中からするようであり、そこを掘り返そうとした瞬間、大爆発が起きた。
「キヒィィィィ—————‼」
煙が晴れた後には左腕と下半身を失った獣が暴れまわっていた。獣が暴れることによってちぎれた胴体や腕の断面から溶岩のような熱を持った液体が飛び散り今にも森の木に引火しようとしたその時、雷とともに雨が降り始め体の熱を容赦なく奪い始めた。大量の蒸気に包まれていた獣は始めは暴れていたものの、すぐに弱っていき数分ほどで息も絶え絶えの状態になっていた。
「居たぞ!ここだ!!」
西風騎士団は少女からの助けを聞き、すぐに森へとやってきた。そこには焦げた木に巨大な足跡、喰い散らかされた幾匹かのヒルチャール、そして地面がえぐれてできたクレーターの底に横たわった青年がいた。
この主人公キヒィィィィくらいしか喋ってないな
あと赫者状態時のモデルは初代教区長ローレンスです