エルデンリングリリースされましたね。
就活中に誘惑が多いと大変だぁ
「初めまして、播磨様。」
ポーチにいつの間にか入っていたランタンを触っていると遺跡で意識を失ったときに目覚めた庭園に飛ばされた。
「あんたは…」
「私は人形。狩人様をお世話する者です。」
「播磨様、狩人様が工房でお待ちです。どうぞ、中へ。」
人形がそう言って家の中を指した。中に入ると前に触れた軟体生物が古びた車いすの上に乗っていた。前回と同じように触手をこちらに伸ばしており、それに触れると頭に響くような声が響いてきた。
「私は狩人。夢へようこそ。ここの道具は君の好きに使っていい」
「この頭に響いてくる感じ…奇妙な感覚だな。でも本当にいいのか?結構値が張りそうなものばかりだが…」
この触手は狩人と名乗っているらしい。このイカのような生物は狩りをするのかという疑問が浮かんできたが元素の力を使う者たちがいること、何なら自分もその力を使っていることを思い出し、そういうものかと納得した。
そして狩人曰く、この工房の中にあるものは自由に使ってもいいらしい。
「ワーグナーからもらった鉄棒はお釈迦になったし、代わりになりそうなものは無いかな…」
どうやら箱の中に狩り道具が入っているそうで、中を漁ってみると中から魅力的な物がたくさん出てきた。中でも大型のピザカッターのような武器に心惹かれるものがあった。
「それは回転ノコギリ。工房の異端、火薬庫の手による仕掛け武器だ」
「回転ノコギリ?火薬庫?説明してくれ。」
どうやらこの武器は火薬庫と呼ばれる者によって作られた異形の「仕掛け武器」らしい。なんでも仕掛け武器とは獣と呼ばれる人に仇をなす存在を狩る者たちに使われていたそうだった。
「まるで喰種と捜査官みたいだな。 ん?」
「言い忘れていた。始めに言っておくべきだった。 ここの道具は好きに使っていいが、対価を払ってもらう。私に血の意志をささげてくれ」
感慨に耽っていると、狩人から道具を使う際の対価について話を聞かされた。血の意志なるものを人形を介して狩人に捧げなければならないらしい。
「血の意志?」
「人形に聞けば分かる。ただ君は獣を狩ればよい。一度試してみるといい」
「ってことで血の意志?というのをささげたいんだが」
「分かりました。手をお出しください」
狩人に言われ、人形に血の意志をささげる旨を言うと、人形は俺の手を取り祈り始めた。すると体から何かが抜け出すような感覚がしたが、特に体に異常はない。
「血の意志とはあまねく生物に宿るもの。貴方はそれらを集め、私に申し付けください。それがあなたの使命の力となりましょう」
「なんとなく理解した。 …ああそうだった、聞きたいことがあるんだが、ここに来る方法はあのランタンに触れればいいんだな?」
「はい。あれは灯り、 此処は狩人様にとっての家であり灯りはここにたどり着くための道標なのです。」
「他にも何か質問がお有りでしたら私にお申し付けください。狩人様はいつもいるとは限りませんので」
「そうか、とりあえず聞きたいことがいくつかあるんだが…」
人形からかなりの情報を得た。ここは狩人の夢という場所らしく、今はあの狩人と名乗る軟体生物が管理しているのだそうだ。今持っている武器もその狩人が集めたものらしい。そしてここに訪れることの出来る者は夢とつながっており、武器を自分の身にしまう、自分の血から弾丸を生成できる他、傷ついたとしても血で回復することが出来るといった技能が使えるようになるという。
「ってことはあのイカみたいなのは元は狩人だったのか… それにあの遺跡も」
「はい。貴方の言う遺跡にて狩人の血を摂取したことによって、この夢に来る資格を得たのでしょう」
どうやら遺跡で拾った輸血液や弾丸は狩人由来の品だったそうだ。
「遺跡については狩人様にお聞きください」
「分かった。そうするよ」
「なあ狩人。遺跡について聞きたいんだが…」
人形にそう言われ、再び狩人のもとへ戻り話を聞こうとすると、
「君は血晶石を知っているか?遺跡に潜ったのなら見たことはあるはずだ」
「血のような赤い尖った石のことか?それはいくつか見つけたが…」
「それのことだ。君の持っている武器にそれをねじ込むことでその武器の威力を上げることが出来る。いくつか形状に種類があるが、武器によってはめ込むことの出来る形が決まっているから気を付けたまえ。ああ、もしより威力の高いものを望むのなら呪われた血晶石を集めるとよい。まずそれには聖杯を祭壇に捧げて…」
「…特に特に血の攻撃力を高める血晶は…」
「もういい。もう十分だ…」
「そうか?まだ話足りなかったが…」
狩人の長すぎる話を聞いて血晶のことは理解した。見つけることがあったらこの武器にはめてみよう。
「なにぶん話し相手が人形しかいないからな。餞別だ。これを使って武器を強化したまえ」
「そうか?ではありがたく」
狩人からもらったいくつかの素材を使い、工房道具で武器を強化した。
「そうだった。服が駄目になったら工房の狩り装束を使いたまえ。しかし、回転ノコギリと大砲か… 火力主義だな。」
「…ふむ、収納できる武器に空きがあるだろう?それは物騒に過ぎる。代理団長殿の叱責は嫌だろう? 普段使いではこのルドウイークの聖剣を使いたまえ。」
「まあありがたく貰っておくよ。 そういえばジン団長のことを話したか?」
「啓蒙が高まると狩人は見えないものも見通せるようになるものだ。」
「君もその武器を持った時、使い方が頭に浮かんだだろう? いずれ理解できるさ。 さあもう行きたまえ。」
「そのけいもう?についてはまたいつか聞くとして、それでここから出るにはどうすればいいんだ?」
「祭壇に向かって祈ればいい。人形のそばにある故、見ればわかるはずだ。 また来たまえよ。」
祭壇で祈ると確かに宿へ戻っていた。仕掛け武器もこの手に残っており、狩人の夢であったことは確かに現実だったようだ。
「てっきり夢かと思っていたが、狩り装束まである。 輸血パックなんかも収納できるみたいだが、蛍も似たような事してたしまあそんなものか。」
「せっかくだし試し切りにでも行くかな… そういえば蛍はりーゆえ?ってところに行くらしいし、任務でも受けて金貯めるかぁ」
その後、播磨は狩人の忠告を忘れ回転ノコギリを背負ったまま城内を歩いていたため、任務から帰ってきたところを報告を受け門で待ち構えていたジンに捕縛され説教を食らった。
~代理団長の一日~
今日のジン代理団長はご機嫌であった。
先日の播磨が行った調査によって例の遺跡にアビス教団がかかわっていないことが分かった。
もしアビスが介入していた場合は戦闘は必然であり、内部の魔物の大規模な掃討作戦のための人員や物資の手配が必要だったが、それもする必要性が無くなり、定期的に調査を行う程度に収まった。
結果的に空いた時間を使いジンは後回しになっていた雑務を終わらせ、午後にはキャッツテールのピザを食べることが出来た。
「こうやってゆっくり城内を歩くのも久しいな。普段であれば業務に追われてこんなことはできない。本当に良い一日だ」
(珈琲は神の目がなくとも味わうことが出来ると言っていたし、今度ハリマにふるまおうか)
食後の散歩を兼ねた見回りをしているとキャサリンから播磨について話があると呼び止められた。
背負っていた武器があまりにも物々しく治安や安全上の問題があるため注意してほしいというものであった。
貨物を運搬する際の護衛の任務をしているようでもうじき戻ってくるらしく、ジンは門の前の騎士と談笑しつつ播磨を待つことにした。
数分後、貨物とともに青い顔をした依頼主と回転ノコギリを肩に担いだ播磨が城門の前に到着した。
肩に抱える所々に血が付着した殺意剥き出しの武器を見て、急に胃が痛み始めた。
「貨物の護衛ご苦労様。ところでハリマ、肩に担いでいるそれは何だ?」
「これ?……あっ えぇと」
きっと何か理由があるのだろう。
そうであって欲しい。穏やかで素晴らしい日にしたいのだ。
そんな希望を抱きながら、胃の痛みを抑えつつ笑顔で質問した。
「えへっ」
酒場で会った吟遊詩人から教わった方法で切り抜けようとした播磨であったが、それは蒲公英騎士の胃にとどめを刺した。
その日の夜ジンのスケジュールの備考欄には「胃痛薬。ハリマ。」とだけ書かれていた。