トレーナーたちとウマ娘たち 作:メンタル弱々マン
だと言うのにキャラ崩壊が一番酷いかも。
と言うか一番難しい。
望まないものだったら許してほしい。
色々と深夜テンションのせい(にしておく)
「ふぅン。なるほどねぇ……これを混ぜると、固定剤に……」
「……ねぇ、タキオン」
僕は椅子に座っている。
僕のパートナーだったタキオンは、目の前で何やら薬を混ぜ合わせ作っている。
いつも通りの光景、いつも通りのはずだ。
昔っから、変わらない景色だ。
「何だい? モルモット君」
「……そろそろ、休む気はないのかい?」
「ほう、思考が追いついていないのか。ラグが出ているのかな……?」
「……そー言うことじゃないんだけどなぁ」
彼女はいつもそうだった。
研究熱心で一つの物事に集中すると、ずっとそれを終わらせようとしない。
いつまでそれだけは変わらない。
博士になった今でも。
「……タキオン。もう何日寝ていないんだい?」
「それは君も同じだろう?」
そう言ったタキオンはいつもの白衣に手を突っ込んで近づいてくる。
僕は椅子から、それを見ることしかできない。
彼女の姿は相変わらず美しいままだ。
「ああ! そうか、忘れていた。君は、寝れないんだったね。すまないすまない」
「……これ以上、薬を飲むのは勘弁なんだけどな」
「メガネぐらい、かけたらどうだい?」
彼女は僕が昔から常にかけていたメガネを手に取ると、それを僕自身にかけさせる。
その手には温もりがあって、その温もりを感じれるのは僕の数少ない幸せでもあった。
けれども、やはり。
こうして喋ればもうかつての彼女はいない。
その景色に昔を見ても、今の彼女に昔はない。
「……隈ができてる」
「君の気にすることではない。違うかい?」
「……気にするさ。僕は君のトレーナーだからね」
「……ふぅン。トレーナー、ねぇ?」
そう言うと彼女はまた薬の前に戻って、怪しげな液体を一気に飲み干す。
片手が少し痙攣した後、その手に持っていた薬の入っていた試験管を落とす。
当然ガラスの試験管は地面に当たると同時に割れてしまった。
「これで、満足かい?」
「……実際に寝なよ。そんな薬、ただの誤魔化しだ」
「そうは言うがね君。これは、飲むだけで一晩寝たように……っ!?」
突然顔色が変わると同時に、洗面台に急ぐ。
それと同時に胃の中の物を一気に吐き出した。
遠目から見てもわかるほど色はおかしく、ドロドロした液体だった。
全て吐き終えるとスッキリしたようにこっちに戻ってくる。
「胃の中身を、全て出してくれる。トイレに行く必要すら無くなるんだよ」
「……それでここから出なくなって、何年だっけ?」
「さぁねぇ。博士号取ってからここに籠っているから……もう、わからないねぇ」
目の前の少女、否、女性はそう言って笑った。
暗い部屋の中、埃に埋もれたいくつもの論文。
キノコすら生えていた。
「なぁ。モルモット君。一つだけ聞かせてくれよ。君は今も、私のことを、愛しているか?」
「……さぁね。もう、わかんないな」
そう言い返すと驚いたように目を見開いて、僕を見た。
そして急いで僕の元にやってくると、首根っこ掴む勢いで言い出した、
「まさか──まさか、愛していないと!? 君は、君はッ!! はっ──ははっ! 意味のわからないことを言う」
「……もう、理由もわからない。生きている意味が、理解できないんだ」
「愛されてなくては私に意味はないッ!! 意味はッ!! 意味などッ!! そのために私は全てを捨てたッ!! 君のために、愛のためにッ!! わかるかッ!?」
まるで狂ったように、いや既に狂っていた。
あの日、彼女の引退の日から、ずっと。
博士になると決めた日から、彼女はずっと狂っていたのだ。
その原因作ったのは、全て僕だった。
「……少し、休んだほうがいい」
「……休む? 休む、ははっ。それは君の方だ」
「……それはいいな。じゃあタキオン。僕をもう、殺してくれ」
僕はもう、死んでいる。
彼女の引退の日のことだった。
あの日は引退式に間に合わなかったんだろう。
かなり急いでいたんだ。
結婚も決まっていたから、その発表もあった。
嬉しかったし、浮かれていた。
多分、そのせいだ。
事故だった。
単純な事故で即死。
体は綺麗な状態だったが、もはや脳がダメになっていた。
いわゆる、植物状態と言うやつだ。
そうなってしまっては、移植に使われるか、遺族に引き取られるか。
だが、どちらでもなかった。
だって今、こうして生き返っている。
体は動かないが、喋れるし考えられれる。
それは全て、アグネスタキオンがやったことだった。
そして狂った要因こそが、その僕の死であった。
「……あ、ああ。なぁ、行かないでくれ、やだっ、やだっ。死なないで……」
突如今までの狂気ぶりを壊し、泣き始めるタキオン。
ここに僕が戻ってきて以来、彼女は常に情緒が不安定だ。
しかしそれは僕も同じで、自分が何者なのか、それすらわからなくなり始めていた。
だから、彼女のために、俺のためにも、早く殺して欲しかった。
「……タキオン、聞いてくれ。俺はこのまま生きていたくない。君がなんなのかわからなくなってまで、僕は生きたくない」
「君は──ああ、そうか。不完全だったのか」
「……ようやくわかってくれたか?」
「ふっ、そうか。私が失敗か。フフッ……いつも通りのようだ」
そう言って彼女は笑った。
振り返ると、近くの棚から一本の注射器を取り出す。
何やら液体が入っており、埃かぶっていた。
「まさか、これを使うことになるとはな」
「……それは?」
「もしもの時のために、と。これを刺せばどんな怪物だろうが即死する劇薬さ……二度も死ぬなんて、そう経験することでもないぞ?」
「……愛している君に殺されるのならば、それは本望ってやつだけどね」
「そうかい」
悲しみに溢れた笑顔で俺に近づいて注射の針を腕に刺す。
そして耳元で一言、『おやすみ』とだけ囁いて注射を指した。
薄れゆく意識の中、眠れるのかと思った俺が聞いた最後の言葉は──
「ああ。私は何度でもやり直してみせるとも、君が私を愛してくれると言うのならば、何を殺してでも君を、生き返らせてみせよう」
消えゆく景色の中、そう言って笑った彼女の横顔は酷く、歪んでいた。
そのトレーナーは、愛されていた。
そのウマ娘は、愛し過ぎた。
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長くなってもいいからじっくり考えて
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何でもいいけど早く出して
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キングヘイロー可愛い