甘き夜明けよ、来たれ   作:ノノギギ騎士団

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小さな狩人
夢の主たる狩人から枝分かれした可能性の一端。
同性は、長い夜でありえた可能性。
異性は、長い夜ですり減らし、失った可能性。
血が定まらぬうちは、何者でもあり、何者でも無いのだろう。未だ、赤子であるゆえに。



小さな狩人達

 靴底が舗装されたコンクリートに擦れると耳障りな高音を出した。それは、周囲の雑踏に比べればとても小さい音だろう。しかし、神経質らしい少年は、音の度に顔をしかめている。

『連盟』に名を連ねる最も新しき狩人、クルックスは靴を脱ごうかどうか思案する程度には、精神的に追い込まれつつあった。それは隣を歩く医療協会の孤児、テルミには見られないものだ。

 

「順調、順調、実に好ましいくらいに順調ね」

 

 彼女の金色の髪は、光を受けると天使の輪のように光沢が現れた。

 便宜上の父親の形質を無視した艶やかな髪である。

 何となく悔しい気持ちが起きて、クルックスは自分の短い黒髪に触れた。

 

「……そうか」

 

「もう。そんなに疲れた顔しないで、クルックス。やっぱりアレなの。禁域の森に出入りしていると陰険になるのかしら」

 

「長はどちらかと言えば前向きな性格だから、関係無いだろう。俺が格別に陰気なだけだろうさ」

 

 あら。そう。

 彼女は話題を振っておきながら、興味無さそうに言って辺りを見回した。

 

「旅が概ね順調なのは俺が地図を読めるからだ。方向音痴め。ほら、次を左だ。チャリング・クロス通りの看板があるだろう」

 

「ああ、そうね。でも、わたし、こんなに方向音痴だとは思わなかったわ。すこし落ち込んでいるもの」

 

 クルックスは看板や標識を地図と照合し、目印にチェックを入れた。あとは道なりに進むだけだ。ようやく辿りつけそうだ。早めの安堵を覚える。

 地図を外套の衣嚢に納めていると指先に硬い感触を覚えた。

 引き出してみるとそれは真紅の蝋で封をされていた手紙だった。

『ホグワーツ魔法魔術学校』

 その文字を見つつ、テルミに歩幅を合わせた。

 

「孤児院では迷ったりしないのか? 東を西と間違えるのは、かなり『おかしい』と思うぞ」

 

「孤児院では、これまで集団行動だったから気付かなかったのね」

 

「……? 聖杯探索時はどうしていたのだ」

 

「壁伝いに探索するのよ。右回りの探索で打ち漏らしも取りこぼしも無いように。ええ、なぁに、貴公、違うの?」

 

 クスクスと彼女はおかしそうに笑う。

 その笑みの意図が分からず、クルックスは肩をすくめて手紙を元の通りポケットへ突っ込んだ。

 

「探索だ何だの前に、獣を全て狩ってからでないと落ち着かない。虫も潰さなければならない」

 

「そうなのね。気持ちは分かるわ」

 

「…………」

 

 彼女とは気持ちが分かり合えている気分にはなれず、クルックスはそれきり黙った。

 数日慣れない野宿をしたせいで身体が怠いのも、彼女に愛想を尽かすひとつの理由になるだろう。

 

「漏れ鍋、漏れ鍋、漏れ鍋? きっと、ここよ。クルックス」

 

 クルックスに先んじて歩を進めていたテルミが、とある一軒の店の前で脚を止め、振り返った。

 

「……趣がある店だな」

 

 ここはロンドン。チャリング・クロス通り。

 本屋とレコード屋に挟まれた『漏れ鍋』というパブは、小さく薄汚れた店構えだった。しかし、成果は得た。ようやく魔法の手がかりまで辿りつき、クルックスは一安心の息を吐いた。

 

 

 

■ ■ ■

 

 

 

『魔法』という言葉は、クルックスはじめ同じ枝葉の存在である三人にとっても、身に覚えも無ければ聞いた覚えも無いものだった。

 ヤーナムにおける近似の概念は『神秘』であろうか。あるいは『奇跡』とも言えそうだ。

 鐘の鳴る音に導かれ、緊急的に招集された四人に告げられたのは、そのような知らない言葉と父の提案だった。

 

「外の世界で学ぶ機会を得た。俺は悪くない話だと思っている。ヤーナムを知る時間は多くあるが、外の世界を見聞する機会は、恐らく少ない。自分の可能性を広げると思って行ってみてはどうか」

 

 他の三人の思惑は分からないが、クルックスは彼の言葉通りにしてみようと思った。

 連盟の活動を中断せねばならないことは同士に対して申し訳ないと思うが、同じ一年を二〇〇年以上繰り返している現在のヤーナムにおいて七年は誤差だった。

 連盟の長、ヴァルトールに「留学で街を離れる」と相談したところ彼は、あのバケツを逆さまにしたような鉄兜のなかでたいそう驚いた風であったが、結局、快く送り出すことを約束してくれた。「若人よ、存分に学び、励みたまえよ」とは彼の助言である。クルックスにとって父の意向は何より大事だが、それはそれとして、一生この人についていこうと決心した。──連盟よ、永遠なれ。

 

「クルックス、やり遂げた顔している場合ではないわ。さぁ、行きましょう」

 

「すこし感傷に浸る時間も必要だろう。……ん?」

 

 陽が遮られたので顔を上げる。

 立っていたのは大男だった。

 すわ獣狩りの下男か。──思わず外套下の短銃に手が伸びかけるが、テルミが「きゃっ」と女の子らしい声を上げて飛びついてくる。クルックスの不審な動きを隠した。

 

「おっと。すまんな。お前さん達もパブに用か? ん?」

 

 髭もじゃの大男の隣には、クルックスやテルミと同じ年頃の少年がいた。よれよれのシャツが印象的だ。牛乳瓶の底のような丸い眼鏡の奥で緑色の瞳がくりくりと輝いている。

 彼は、ひょっとすると『魔法使い』だろうか。

 

 テルミがさりげなくクルックスの手を握り、別の手には彼女宛に来たホグワーツの手紙を見せた。

 

「そうなの。大きな御仁。扉の前で失礼しましたわ。けれど、お許しになって? 初めてだから、わたし達、すこし困ってしまったの。今日のうちに教科書を買わなくてはならないのに」

 

 クルックスが話す内容を考えているうちに、テルミは歌うように謝罪と控えめなお願いをした。トドメのように、いかにも「困った」と彼女は小さく息を吐いた。

 大男は、合点がいったように頷き、笑った。

 

「ちょうどええ。ダイアゴン横丁まで案内してやる。ああ、この子は同じだ。今年一年生になるぞ」

 

 大男に促されて、やせぎすの少年が自己紹介をした。

 

「は、はじめまして、僕、ハリー・ポッター」

 

「ご機嫌よう。わたしはテルミ。テルミ・コーラス=Bよ」

 

「クルックスだ。よろしく」

 

 握手を交わす。クルックスの予想に反して力の弱い握手だった。

 彼は知らなかったのだが、遺志の力を筋力に多く割り振っていた結果、彼の握力は年齢の平均的な数値を超越していた。

 クルックスは、そっと彼の手を握り返したが、ハリー・ポッターと名乗った少年は思いがけない力に驚いたようだった。

 

「よーし、ダイアゴン横丁はすぐそこだ。ついてこい」

 

「はーい。あ、大きな御仁、あなたのお名前を聞いていないわ。教えてくださる?」

 

「おれはハグリッドだ。ホグワーツの門番と森の管理人をしてる」

 

「そうなのね」

 

 テルミはさっそく情報収集のため話しかけている。

 歩き出した二人に倣うように、クルックスも歩き出した。

 

「ねぇ、君はどこから来たの?」

 

 ハリーが声をかけてきた。

 沈黙が耐え難いのかも知れない。

 クルックスは困った。四人のなかで底辺を争う程度に愛想が良くないという自覚がある。できるだけ、気の利く話をしたいところだ。

 

「俺は遠くの田舎だ。ヤーナムという……聞いたことはあるか?」

 

「ごめん。聞いたことないや」

 

「そうか。とんでもなく田舎なんだ」

 

 クルックスは、外の世界で調べたいことがあった。

 ヤーナムのことである。

 小さい街であるが、血の医療が発達した為、不治の病でも治せるという噂が伝播し、人を呼び寄せる性質を持つ街だったという。ならば、歴史の教科書の中や記録にヤーナムの痕跡があるのではないか。そして、それはどのように歴史から消えていったのだろうか。そこに父の影はあるのだろうか。

 果たして。年若い彼は知らないようだ。

 気長に行こうとクルックスは、肩の力を抜いた。

 

「気にしないでくれ。小さな街だ。……ポッターの家も魔法使いなのだな」

 

 漏れ鍋が視認できる時点で、この会話の意味とは皆無に等しいものであったが、互いに互いの状況を確認するために、この問いは必要だった。

 

「うん。そうなんだ。君もそう?」

 

「そのようだ。知ったのは、つい最近のことだが……」

 

「ああ、僕もなんだ。つい数日前、誕生日だったんだけど、その時に知ったんだ。ほんと、驚いてしまって……」

 

 漏れ鍋の扉をくぐると紫煙と人のざわめきが四人を迎え入れた。

 店主らしい男が、ハグリッドに声をかける。彼は、笑い混じりに何かの申し出を断った。

 外を歩いている人々とは風俗が違うらしい。クルックスは長いローブを見て思った。

 客を見ていたクルックスは、ふと、店内が静まりかえっているのに気付いた。

 

「お会いできて光栄です。ハリー・ポッター!」

 

 老若男女に握手を求められたハリーポッターは、目をぱちくりさせながら、ひとまず握手を受け入れ間もなくもみくちゃにされた。

 

 クルックスは一歩離れたところで周囲の様子を眺めていた。テルミはハグリッドのそばをするりと離れて店主の男へ情報収集へ行った。

 流石は「医療協会に巣食う権謀術策の蜘蛛網を泳ぎ切るのだって、わたしには容易いことですもの」と父に向かい、豪語しただけのことはある。どうにも人間関係の構築に物怖じしてしまうクルックスは、彼女の情報を待つことにする。ハリーといえば、何とか群衆と別れたらしい。ハグリッドに呼ばれ、カウンター近くにいるターバンを巻いた男性の前で対峙していた。

 ハグリッドが、その男性を「クィレル教授」と呼んだ。

 

「お会いできて、ど、どんなに、うれしいか……」

 

 ハリーに向かい、言葉に反して顔は引き攣った笑みを浮かべていた。

 クィレル。

 その名前には、聞き覚えがある。

 ハリーが彼に握手を断られるの様子を、ちらりと見る。その後、彼と目が合った。

 

「クィレル先生。遙か暗澹のヤーナムよりまかり越しました。月の香りの狩人が仔、クルックス・ハントです」

 

「同じく、テルミ・コーラス=B。お父様に代わり、あらためてお礼を申し上げますわ」

 

 二人は、狩人の礼をした。

 顔を上げた時、クィレルは話の半分も聞き取れていない顔をしていた。

 

「あ、ああ、君達が、そう。父君は? お、お変わりなく?」

 

「今日も元気に獣を殺し、虫を殺しております」

 

 あるいは聖杯を──。

 言葉を続けようとした彼は、テルミに脇を小突かれた。どうやら喋りすぎらしい。もう黙っていようとクルックスは思った。

 

「親元を離れるのは、すこしだけ心細いと感じておりましたが、先生が見守ってくださるのであれば、わたし達も心安らぐというもの。学校でも、よろしくお願いいたしますわ」

 

 テルミはそう言って、天使のような笑みを浮かべた。

 対するクィレルは、おどおどしつつも何度かコクコクと頷いた。

 礼儀上の挨拶はこの程度でいいだろう。軽く会釈をしてクィレルのそばを辞した。

 

 四人は店の奥に通され、中庭に来ていた。小さな箱庭である。崩れかけのレンガが壁に張り付いていた。ここで何をするつもりだろうか。クルックスは、ハグリッドの手にする傘を見ていた。

 

「お前さん達、クィレル教授と知り合いだったのか」

 

「ええ。あの御方が、入学までの段取りを付けてくださったの。それとお父様のご友人……にあたるのかしら」

 

「あの先生、今は闇に対する防衛術の先生だが、前はマグル学の教授でな。マグルのことには詳しい。分からないことがあれば、聞いてみるとええ」

 

 ハグリッドが話しながら、レンガを小突いた。するとレンガがひとりでに動き出し、アーチを作る。

 その奥には、もうひとつの世界が広がっていた。見渡す限りの人ごみががやがやとやかましい。

 

「……これは驚いたな」

 

「……あまり驚いて無さそうね」

 

「……獣がいないからな」

 

 二人は会話を打ち切った。

 テルミがハグリッドの腕をポンポンと叩いた。

 

「ありがとう、ミスター。最後に、もうひとつだけ伺いたいのだけど、換金所ってどちらにあるかしら?」

 

「グリンゴッツ魔法銀行だな。この先、あの真っ白な建物が見えるか? あれだ」

 

「ありがとう、親切な守人さん。ポッターさん、また学校でお会いしましょう」

 

「うん。またね」

 

 クルックスとテルミは手を振ると二人と別れた。

 

「さっきのハリー・ポッターという彼は何なのだ?」

 

「『生き残った男の子』なのだと店主のトムさんはおっしゃっていました。何でも『名前を呼んではいけないあの人』から生き残った、とね」

 

 どちらも聞き覚えの無いものだ。

 恐らく魔法界の常識なのだろう。

 それにしてもだ。

 

「たいそうな少年には、とても見えなかったがな」

 

 彼は、普通だ。

 クルックスをはじめ他のきょうだい達が、ついぞ持ちうる機会を得なかった普通だ。特別な『いわれ』には、所以となる異常性や特殊性があるものだ。ヤーナムではそれが普通であったので、クルックスは調子が狂う。常識の違いに内心穏やかではいられない。

 

「そうね。ええ。でも、だから相応しいのでは? 殺人か事故か分かりませんけれど『生き残った』がちょうどいい」

 

「……貴公が言うのなら、そうなのだろう」

 

「もう。クルックスは頭が固い! でもね。二つ名って格好良いでしょう?」

 

「はぁ? よく分からんな……」

 

「わたし、お父様の"月の香りの狩人"って格好良いと思っているの!」

 

 夢見る少女の瞳は、天上に銀灰の星を見ていた。

 クルックスを含む四人の──便宜上、きょうだい達──の中で、最も狩人のことを好いているのは、このテルミだった。だからこそ狩人は彼女に対し、しばしばたじろいでいる。

 狩人に幸いなことがあるとすれば、彼女がヤーナムにおいて過ごしている医療協会孤児院では『滅多に』死ぬようなことが無いため──実験という親元の里子に行って帰ってこない者はいるが──狩人の夢で出会うことが最も少ない、という点であろうか。

 

 テルミがクルックスを放っておかない理由の多くは、父と似通った姿にあると彼は確信している。……まぁ、悪い気はしないので今後も放っておく。

 

「では俺たちは、月の香りの狩人の仔、というワケだが」

 

「『の』が多い。少なくとも四人が該当するような通り名は嫌」

 

 いよいよもって分からない。唇を尖らせた同胞を見やり、宙を眺めては嘆息する。お手上げだ。

 しかし。

 

「貴公がよく話している黄衣の狩人の御方、静かな古狩人の御方、素敵な呼び名だと思うわ」

 

「理解した。やめてくれ。恥ずかしい」

 

 もうテルミの前で二度とスローイングナイフの練習はすまい。クルックスは心に誓った。

 

「急ぐぞ。はぐれるな」

 

「はぐれたら鐘を鳴らせばいいでしょう」

 

「貴公よりネフとセラフィが駆けつける方が速い。……予定の日数を超過している。首を長くして待っているだろうさ」

 

「そうね。結局、地図上でヤーナムがどこにあるか分からなかったものね。わたしも歩き疲れたわ」

 

 二人は純白な大理石の建造物を目指し、進んでいた。

 金銭的な余裕があれば、漏れ鍋あるいは他の飲食店で休むという手もあっただろう。しかし、彼らにはその余裕が無かった。

 

「ともかく、換金しなければ何も買えないからな」

 

 二人が先行隊として派遣された、大きな理由であった。

 

 父たる狩人は、ヤーナムで出回っている通貨が外の世界において遙か昔に存在した通貨ということを理解していた。

 狩人が狩人になった頃、ヤーナムは既に滅亡へ秒読みという時分であったらしいので彼自身、上位者になるまで『まともな』ヤーナムの経済活動を知らなかったのだと聞かされた。その結果。

 

『恐らく金銀なら価値の変動はあっても、まとまった金になるんじゃないか? ……たぶん、たぶんな』

 

 四人には、狩人が道すがら集めに集め山となった"輝く硬貨"の大袋数十個が譲渡されたのである。

 そのうちのいくつかの袋を外套に詰め込み──狩人の服はいずれも物理法則を歪めた収納力を発揮した──ここに至る。

 

「もし、これが石ころみたいな値を付けられたらどうなるんだろうな……」

 

「貴公は連盟の狩人になって、わたしは医療協会の孤児になるわね!」

 

「それは勘弁してくれ」

 

 長に「留学します」と言った手前、出戻るのはせめて学期が終わってからにしたい。

 白亜の大理石で構築されたグリンゴッツ魔法銀行が見えてきた。

 出入り口と覚しき門の付近に、小さい生き物がいる。幼児程度の身長だが、金と紅に彩られた豪奢な服を着ている。しかし、顔は老人のように厳めしい。人間には見えないが、人間の形をしている。正体不明の生き物を目撃してしまった二人は顔を見合わせた。

 

「あら、失敗したわね、クルックス」

 

「そのようだ、テルミ」

 

「もうすこしちゃんと話を聞いておけばよかったわ。『銀行には誰がいますか?』ってね」

 

 少々、はしゃぎすぎてしまったかも。

 テルミは反省を胸に秘め、正体不明の生物へ話かけた。

 

 

 

■ ■ ■

 

 

 

 ネフライト。

 

 幼年期の狩人から分離した存在のひとつに、その名が付けられた。

 四人の命名には、狩人の託す願いと祈り、何より重大な意味が──特にない。

 というのも、クィレルから「生徒の氏名、綴りを教えてください」と求められた際に、狩人は彼らに名付けていないことを思い出し、その場で慌てて考えたものだからだ。

 

 彼らの名の元となったのは、狩人がどこかで聞いたことがあるような人名であったのだが、彼の名前だけは、その出典が鉱物であることを記憶していた。

 

 それは、かつて治療に使われていた閃石の学名であり、ビルゲンワースの書架で読みあさっていた時に出てきたものだ。

 鉱物もそれが使われたという病巣自体も血の医療とはまったく関係が無いものだ。だが『石』を治療に使うという考え方が妙に印象に残った。それは狩人には縁遠い、東洋の神秘を感じさせるものであったからだ。

 

 石言葉は『知恵』と『平穏』らしい。

 名付けの影響があるのか無いのか。狩人にはさっぱり分からないが、四人のなかで最も大人しく、論理の明晰さを好む性質を持つ。すなわち、メンシスの檻が似合う仔であった。

 

「ネフ、休憩だ」

 

 輝く硬貨は金銀が入り交じって保管されていた。そのため、狩人の夢では数日前から分別作業が行われている。忙しくしている四仔の一、セラフィを除く、居残組がその任にあたっていた。すなわち狩人と人形、そしてネフライトであった。

 

 しかし、数は膨大であった。

 それもそのはず。落ちている硬貨を拾い続け、二〇〇年以上。賢人の至言は事実であった。塵も積もれば山となったのだ。

 

 狩人は、目がチカチカしてきて金と銀の区別がつかなくなってきた。

 ひとつ手を叩き、人形にお茶を頼んだ。

 

「お父様」

 

「……ん。うん?」

 

 狩人という名で呼ばれすぎたせいだろう。『お父様』と呼ばれると半拍反応が遅れてしまう。

 顔を向けるとネフライトは一枚の硬貨を持ち上げた。

 

「これは、私の見たうちで最も古い硬貨です」

 

「そうか。そうか……」

 

 会話はそこで終わってしまった。

 彼については、テルミとはまた違う方向で接し方が分からない。狩人はネフライトの着眼点がどこにあるのか、測りかねる時がある。

 

 人形がテーブルにお茶を置いた。

 礼を言った狩人の耳に、聞き慣れた音が届いた。

 

「鐘の音……」

 

『共鳴する小さな鐘』と呼ばれる物の音だった。地下遺跡で発見された、その古い小さな鐘は、音色は次元を跨ぐという。実際、狩人も獣狩りの夜の最中は何度かお世話になったことがある。理屈は分からないが、便利な物である。

 しかし、現在のヤーナムにおいては次元を超えることは能わず。ここ最近の用途と言えば、いくつかの鐘をビルゲンワースの学徒達に渡し、有事において狩人を呼び出すために使っている程度だった。

 ヤーナムの外に行くにあたり、連絡手段として持たせた物は正しく機能しているようだ。

 

「クルックスとテルミか。うまくロンドンに着いたらしい」

 

 ロンドン。

 狩人の記憶において、聞いたことが朧げにある気がする地名である。そして、ヤーナムの来訪者から聞いたことによると、現代では文化が進んだ都会だという。

 

 ヤーナムからの距離がどれほどか分からなかったが、彼らは数日で辿りついたらしい。戻ってきたら、ヤーナムが世界地図のどこにあるか聞こう。

 狩人は、好奇心に胸がざわついた。

 これまでは獣を狩りつつ来訪者を待ちわびるばかりの日々だった──それに不満も無かった──だが、この情報収集の方法は、能動的だ。狩りと同じ気配を感じずにはいられない。

 

「…………」

 

 我知らず、笑ってしまっていたらしい。

 ネフライトがジッと見つめていた。

 ごまかすように手を振った。

 

「気にするな。飴チャンよろしく」

 

「なに味ですか」

 

「任せる」

 

「いってらっしゃいませ、小さな狩人様」

 

 人形に見送られてネフライトは鐘を鳴らし、姿を消した。

 

「……人形ちゃん。それ、俺が飲んでもいいか」

 

「ええ、狩人様。小さい狩人様にはお戻りになってから温かいものを」

 

 人形がネフライトの席に置いたカップを受け取った。

 水も茶葉もいつの間にか、この夢の中に現れるものだったが無駄にはしたくない。

 

「ありがとう。……俺、赤ちゃんだしいっぱい食べないとな」

 

「…………」

 

「何か言って」

 

 

 

■ ■ ■

 

 

 

「こうも明るい街があるとは。ヤーナムの憂鬱が克明であるな」

 

 美しい銀色の髪を結った少女には、やはりというべきか、便宜上父親の形質は受け継がれなかったようだ。むしろ、彼女の横顔には人形の面影があるような、ないような。

 

「眩しい……」

 

 もうひとり。ヤーナムで、ごくありふれている暗い顔をした少年が現れる。ゆるい癖のついた栗色の髪の向こうで緑色の瞳が細められた。

 人が少なく、建物にほとんどの光が遮られた路地裏でさえ、ヤーナムに慣れきった少年少女達には刺激が強かった。

 

「貴公が現れる度に、檻を被っていないか心配してしまう。貴公も落葉など握っていなくて助かる。仕込み杖さえここでは過剰な武装であるようだから……全員、先触れも禁止だからな」

 

 鐘を懐にしまいながら現れたふたりの『きょうだい』達にクルックスは注意した。

 

「貴公は道ばたで祈ることはしないだろう。同じように、みだりに交信するものではない」

 

 ネフライトにまるで獣でも見るような目で見つめられて、クルックスは言葉が過ぎたことを知った。

 

「? ただの人間ならば素手で十分だろう?」

 

「うーん。俺は、正直なところネフより貴公が一番不安だよ、セラフィ。俺の知るところ、カインハーストは正しく貴族然として優美な存在であるはずだが」

 

 父は、カインハーストの女王アンナリーゼの覚えめでたく、また父もアンナリーゼに並々ならない恩義を覚えているようである──ということをクルックスは知っていた。アンナリーゼの肉塊をしばらく持ち歩いた程度には、という余計なことまで思い出してしまったが。

 

「なるほどな……」

 

 セラフィ・ナイト。彼女は神妙な顔で頷く。

 狩人によってカインハーストに送られた少女は、恐らく、誰よりも過酷な環境下にいる。そのため常識から最も遠いのが彼女だった。

 

「セラフィ! 我らきょうだいで最もお父様に近しい貴女! 何も知らないことを悲しむことは無いわ。これから何もかもを知っていけば良いのだから! ねえ、クルックス?」

 

「……あぁ、そうだな。とりあえず喫茶に行こう」

 

 クルックスは、四人の中で最も生真面目な性質を持つ。そして、父の目を最初に真っ直ぐに見つめたことから四人の代表者的位置にいる。そんな彼が突然言いだしたことに他の三人──普段、他者に興味が無いというネフライトさえも──見つめた。

 

「俺は、まぁ、テルミもだが……歩き通しで疲れている。とても疲れている。何でもいいから何か食べたい。買い物にどれだけ時間がかかるかも分からないのだ。それくらいいいだろう」

 

 反対意見は無かった。

 テルミも「素敵ね、そうしましょう。ね?」と他の二人をうかがう。やはり反論は無い。だが、確認のようにネフライトが口を開いた。

 

「構わないが、なぜ食べた後に呼ばなかったのか」

 

「そんなこと決まっているだろう。外の世界で食事したくはないか? 俺はしたいぞ。是非にな」

 

 食べ盛りの少年少女にとってヤーナムの食文化は貧相なものだった。

 

 

 

■ ■ ■

 

 

 

「あら、すごくふわふわよ。獣の毛皮を綺麗に洗って干して丁寧になめしたものより、もっとふわふわよ」

 

 やや興奮気味にパンを囓っていたクルックスは、獣のことを思い出してしまい、せっかく湧いてきた食欲を減退させた。クルックスより神経質なネフライトは「獣のことを言うのは止めろ」という目でテルミを睨んでいる。

 気にしていないのは、紅茶を飲んでいるセラフィだけだった。

 

「ひとつ、ふたつ、お父様に持って行くといい。きっと、驚かれるぞ」

 

「そうね。いい考えだと思うわ。ああ、そうだ。粉があれば人形ちゃんに作ってもらうことも、いつかできるかしら?」

 

「恐らくできるだろう。器用な人形さんだ。夢の中には火もあることだ」

 

 四人は、生まれて初めて食卓でまともな食事をしていた。

 ダイアゴン横丁にあるフロッグという名の喫茶店で、四人分のサラダとパンとスープ、そして紅茶を頼む。出来はたいそう良かった。

 

「ぐぅ、うまい」

 

 クルックスは、夢中になって食べた。

 皿はもう空に近い。

 

「美味しいな。食べたことがないものばかりだ。これは肉か? 魚か? ふむ。分からないが、美味いな」

 

 実のところ、四人は互いについて知らない。

 生まれたばかりの頃は自他の差など無かったし、聖杯内では個人探索が主であった。ヤーナムの街に降り立ってからは、自分の適性──そして父にして創造主たる狩人の直感と気分でそれぞれ組織や団体に放り込まれた。

 

 狩人ならば、何か知っているのかも知れないが……いいや。クルックスは、考えを改めた。一応、対外的には『連盟の新人の狩人』という体で通っている彼が、さまざまな派閥に顔を出しているという風聞があったらよろしくないだろう。

 放り込まれた先の三人の仔の実体は、各人しか知らないことなのだ。

 だが、放り込まれた先がどのような組織であるか、ということだけは狩人から聞いている。

 

「メンシス学派では何を食べているんだ。全然、食べるイメージが無いのだが」

 

 ネフライトは、ヤーナムを統括する医療教会――上位学派を二分する一翼、隠し街ヤハグルを拠点とするメンシス学派に放られたと聞く。

 地理的に閉鎖的なヤーナムにおいて隠し街と呼称されるほどだ。物理的にも閉鎖されている彼の地は、医療教会の祈りと実験の場になっているらしい。

 彼は、スープの中身をじっくりと観察しながら言った。

 

「ミコラーシュ主宰が考案した栄養ドリンク。一日一本十秒で全ての栄養が賄える優れものだ」

 

「あ、味気が無い……。学者先生はやはり違うな」

 

「我々は時間が惜しい。食事は必要最低限で十分らしい」

 

「そういうものか」

 

 クルックスは呟いた。

 ネフライトもスープの中の具材を検分しながら、訊ねた。

 

「貴公は、連盟の狩人なのだろう?」

 

「そうだ。現在の長はヴァルトール殿。……まぁ、理解者も協賛者も連盟員自体も少ない団体ではあるが、お父様も所属している」

 

「共に狩りには?」

 

「最初の数回だけ、共にしたことがあるが……遠くから見ているだけだった。何でも近くにいると反射的に撃ってしまいそうになるから、と。今はすっかり別行動だ。担当範囲は隣だが……でも、お父様の相棒の件は諦めていない」

 

「お父様は、おひとりが良いのだろう。今さら変えることは難しいのでは?」

 

 ネフライトは、狩人の相棒の件をすっかり諦めているようだった。そもそも目指してさえいないのかもしれない。当然、目指しているものだと思っていたクルックスにとっては驚きだった。

 

「それでも羨ましがっていた。俺は応えたい」

 

「……そういうものか。ところでお父様は連盟の皆さんに迷惑をかけていないのか? ほら、何と言うか、奔放だろう、あの御方は」

 

「長の目の前で虫を潰して『外でやれ!』と言われたくらいかな……。掃除するのは俺だったが。連盟の皆さんは、俺に狩りの話をよくしてくださる。たぶん、お父様の時もそうだったのだろう。互助の精神は、とてもありがたいことだよ」

 

 互助の精神。

 自分で言ったことに思うことがあり、クルックスはスープをわきに除けた。

 

「諸賢、本題としたいことがある。よろしいか?」

 

「なぁに。あらたまって」

 

 他の三人がテーブルにスプーンを置いたところで彼は話し始めた。

 

「皆の目的を確認しておきたい。俺であれば『お父様の相棒になる』ということが今のところ目標である、というように。目標が被っているのならば、各自修正が必要だろう。その確認の機会を持ちたい。レディ・ファーストの精神でいこう。テルミからだ」

 

 テルミは美しい金色の髪を揺らして笑った。

 

「わたしは、お父様の望むようによ。ずっとね。あの御方が、心慰められるものに殉ずるでしょう。そして、いつかお眠りになる時、歌うべき子守歌を……あら、あらあら、みんな違うのかしら?」

 

「い、いや、違わない……違わないが……」

 

 クルックスは、テルミから夢見がちな返答以外が戻ってくることをまったく想定してなかった。

 テルミは、ヤーナムに殉じたいのだと言う。つまり、父が『なぜか』手放しがたく思っているヤーナムそのものに。

 戸惑うクルックスの思考はネフライトが引き継いだ。

 

「ちゃんと考えていたので我らは感心しているのだ。聖歌隊直々の教育で頭が他界しているのではないかと心配していたので」

 

「まぁ。失礼なことを言うものでは無いわ。新興カルトの頭やわらか学生さん。気が変わった。言ってもいいわ。言うといいわ。言いなさいよ。神秘99のガラシャを教えてあげましょう」

 

 ふたりの間に、穏やかざる空気が一瞬だけ流れた。

 ネフライトが属するメンシス学派とテルミが属する聖歌隊は、同じ医療教会の上位学派でありながら本質は水と油である。どちらも医療教会の構成から飛び出していかない以上は、互いに『医療教会の威厳は守らなければならない』という最低限の了解はある。むしろ、この類の意見の一致のみしかない、という表現がやや適切かもしれない。仲が悪いので人や知識の往来は無い。互いに間者を放ち、隙あらば毒メスを差し入れようとしている現状を皮肉以外では、交流と呼ばないだろう。

 

「我々が争うことは全くの無益だ。すでに結論が出ているハズだ。挑発は、後ほど夢でやるがいい」

 

 クルックスは、二人を制した。

 テルミは小さく鼻を鳴らした。

 

「さて、貴公の目標は何なのかしら。せめて有意であってほしいものね」

 

 ネフライトは、温度の無い瞳で虚空を見ていた。

 

「私は、お父様が人間に幻滅した時の次善策を見出したい。全ての人に瞳を。余さず配るのだ。獣性を克服するために、あの瞳を。白痴の蒙さえ啓く瞳。お父様と話す私達でさえ思考の次元が低すぎる。正しく上位者であるお父様が常に『わざわざ』思考の次元を下げているのは、由々しき事態である」

 

「…………」

 

「ヒャッハ、アッハハハ」

 

 テルミは引きつけのような笑いを上げたが、それだけだった。ネフライトもわざわざ対応することが無かったのでその後の会話は成立しなかった。クルックスもまた応答を控えた。「がんばれよ」しか言えない低啓蒙な自分を恥じたのだ。

 

 最後はセラフィだ。

 三人の話を静かに聞いていた彼女が、何を話すのか興味があった。

 そして。

 

「我が同胞達、お父様を越える気概を持つ者はいないのか」

 

 四人の囲むテーブルに刺々しい沈黙が落ちた。

 構わずにセラフィは述べた。

 

「僕が目指すのは、それだ。お父様は現在に於いて最も完成された狩人である。我々は、その後継としてより上位的狩人にならなくてはならない。僕はそう考えている」

 

「あら。お父様を殺してしまうの? セラフィ?」

 

 感情をくすぐる不思議な声音でテルミが問いかける。

 一方で彼女に特別な感情は無い。ただの純粋な疑問のようだった。

 

「必須ではない。僕は、優れた狩人になりたいだけだ。……そうすればお父様の見ているものが分かるだろう」

 

 見ているもの、とは。

 言葉無き彼らの疑問に、セラフィは応えた。

 

「『なぜヤーナムの時を進めないのか』。実に気になる謎だろう?」

 

「それには……ワケがあるのだろう。……探るべきでは無い」

 

 消極的なクルックスの言葉に、セラフィは初めて笑った。

 

「そうとも。『秘密は甘いもの』だからな。──けれど、我々にはその答えこそが必要なのだ。それが、それだけが、我々が今後生きていくために最も重要な指標になるだろう。……同率で僕が大切にしているのは、女王様。カインハーストの女王、アンナリーゼ様だ。出自のみを頼りに赤子を抱かんとする姿勢。それは歴史と共にある素晴らしい行いであると思う。過去に殉ずるだけではない。未来への確かな萌芽でもあるからだ。お父様が女王様を気に懸けておいでなのは、あるいは、そのような理由かもしれないな」

 

「ああ、そうだろうな。後悔の種にもなるだろうが」

 

 ネフライトが毒々しく言う『後悔の種』というものにクルックスは心当たりが無かった。

 けれど彼は苦々しい顔をしている。父たる狩人とクルックス達にも影響が及ぶ種であると危惧しているようだった。

 たしなめるようにテルミが、クスクスと笑った。

 

「ネフ、そんなこと決めつけるべきではないわ。だってセラフィの目標は素晴らしいと思うの。そう。いつだって手段は多い方がいいものね。それに、わたし達は四人もいるのだし、たった三人くらい失敗しても一つの成功を遂げることが、きっとお父様のためにもなるわ」

 

「『たった』ではないと思うが。とはいえ、お父様の意向が正確につかめない状況で力になりたいと言っても困らせるだけ、というのは……想像に容易いものではある。ふむ。よって、諸賢、我々は各自の目標と共に『ヤーナム停滞問題』について互助協定を結ぶことを血に誓ってよろしいか。異議ある者、挙手せよ」

 

 手は挙がらなかった。

 クルックスは、手際よく議論をまとめた。

 

「よろしい。協力と貢献に期待する。さぁ、茶を飲んで買い物に戻ろう。……正直、錫製の鍋を四つも買わなきゃならないのは少々無駄に思えるが」

 

 ネフライトが書面をテーブルに放った。

 

「買い物の順番を決めなくてはなるまいよ。まずはローブの寸法を測りにいくだろう。それから二人ずつに別れて四人分の買い物をする、と。順路はこうだ」

 

「ならセラフィ、一緒に行きましょう! この街は、何だかよく分からない面白いものがたくさんあるの。お父様には、とびっきり難解な本も買っていきたいし」

 

「予算の許す限り付き合おう。テルミ。最もお父様から遠く、けれど愛すべき我が同胞よ」

 

「ありがとう! それじゃあ、クルックスとネフでペアね」

 

「構わないが、杖も個人で選ぶ必要があるようだ。他の買い物が終わったら合流だ。行くぞ」

 

 四人は席を立つ。

 カップは、ちょうど空になった。

 




【解説】
狩人が、四人を「ヘイ、パス!」した団体組織は以下の通り。
 [連盟]クルックス・ハント
 [医療教会(メンシス学派)]ネフライト・メンシス
 [医療教会(聖歌隊-孤児院)]テルミ・コーラス=B
 [カインハースト]セラフィ・ナイト
彼らの充実した生活は、後日、別の話が適切であるため、ちょっと後回しになります。
夢と現実の狩人に最も接点があるのは、クルックスのみです。もっとも、狩人は日中にヤーナムの外からの来訪者を探すため、あちこちをテクテク歩いているので四六時中、一緒でもない様子ですが。

【あとがき】
非魔法族出身の子供たちの買い物について先生同伴する、という記事を何かで読んだのですが、その書籍でのソースが見つからなかったのですよね。何かご情報ある方は教えてくださると幸いです。本話を書き直すことはしないつもりなのですが、その辺りの設定がどの本にあるのか知りたいのです。
本作は、登場人物達の都合上、群青劇の様相となってしまう予定なのですが、主観はクルックスとして書いて参りたいと思います。よろしくお願いします。
ところで、自狩人語りは、とても楽しいものです。皆さんもレッツ・トライ!

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