死の支配者と猫妖精   作:スクゥーマ

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ルートAのふたり旅に入った話です。

モモンガさんが、鈴木悟色がとても強くなる亡国の吸血姫と同じ雰囲気と感じになっていく予定です。


2021/6/16
誤字修正


第2話 転移ートブの大森林ー

00:00:05・・・06・・・07

 

「ん・・・?」

「あれ?」

 

 目を開けるとそこは、見慣れた殺風景な部屋ではなかった。目に入ったのは、無数の木々。おそらくは暗い森の中。そして、自分の隣には、自分と同じようにあたりをキョロキョロと見回すヌコネコの姿があった。

 サーバーダウンが延期になった?それともロスタイム?あのクソ運営のことだからこういうことをしでかすだろうという考えが浮かぶ。なんにせよ、最後の日を台無しにされ強い不快感を覚えるモモンガ。

 

「ヌコネコさん、聞こえますか?」

「え?あ、モモンガさん?聞こえますよ。サーバーダウン延期になったんですかね?」

「どうなんでしょう?はぁ、なんだよもう。最後の最後にこんな・・・それにバグってるんですかね?ナザリックに居たはずなのに森の中なんて」

「あのクソ運営、最後の最後までクソのクソクソじゃないか」

 

 最後の日になんてことしてくれるんだと、ユーザーを馬鹿にするのも大概にしろと二人が運営に対しての罵倒の言葉を吐き続ける。

 

「明日は4時起きだってのに・・・」

「ははは。お疲れさまです。このままログアウトします?」

「そうですね。こんな気分のまま寝なきゃならないのか・・・あれ?」

 

 ログアウトが出来ない。

 

「ログアウト・・・できない!?」

「えっ!?」

 

 モモンガのその言葉にヌコネコもログアウトを試みるが、そもそもコンソールが出ないのだ。

 

「どうなって・・・ふざけんなよ運営!!」

「シャウトもGMコールも・・・」

 

 モモンガが喘ぐように声を発する。

 

 二人して、コンソールを使わないシステムの強制アクセス、チャット機能、そして強制終了を試みるがそのどれもが使うことができない。

 

(どうすればいい?どうすれば・・・シャウトもGMコールも使えない・・・運営に連絡をとる方法は?)

 

 ヌコネコは必死に頭を高速回転させる。仕事柄、不測の事態というものには数多く接しているとはいえ、この事態は常軌を逸している。電脳法上、これは誘拐に等しい行為だ。仮にユグドラシルが終わると同時にユグドラシルⅡが始まったとしても、相手の同意の無い強制、ログアウト不可能な行為は完全に犯罪だ。

 この状況、情報を一番持っているはずの運営に連絡がとれない中、何をするの正解だと口元に手を当てて考え始める。

指先に生暖かい自身の息がかかる。

 

(息・・・?俺の?)

 

 鼻から息を吸い込む。鼻から肺に水分を含んだ新鮮な空気が入ってくる。同時に、土臭いような今まで感じたことのない『緑』の臭いがした。

 

(臭いを感じる!?そんな馬鹿な!?)

 

 DMMO-RPGにおいては五感の多くが制限されている。ゲームと現実を混同しないためにという名目でだ。ユグドラシルでは、飲食のシステムがあったが、アイテムやシステム的なものとして消費するもので、臭いや味覚といったものは、遮断されていた。

 

「ヌコネコさん、やっぱりダメです。<伝言>も試してみたんですけど・・・どうしました?」

 

 モモンガが喋るたびに口が動いている。ゲームではそんなことはありえなかった。表情は固定されていたからこそ、感情アイコンがあったのだ。

 

「モモンガさん、俺の口動いていますか?」

「何言ってるんですか?ゲームなんですからそんなこと・・・」

 

 あっとモモンガが声をあげる。口元を覆うマスクを下ろし喋りかけてくるヌコネコの口が動いている。いや、よく見ればヌコネコの瞳孔が細いものではなく、丸く変化している。まるで生きている本物の猫の瞳のように。

 

「あり・・・えない・・・」

 

 ヌコネコの口が動き、呼吸をするたびに鼻先がピクピクと動いている。プログラムのことについてはそこまで詳しいモモンガではなかったが、細かい肉体の動きを表現しようと思えばそれがどれだけのデータ容量を食うということはわかる。モモンガは、恐る恐る自身の口元に手を当てる。呼吸は感じないが、口が動いているというのはわかる。

 顔を見合わせたまま黙りこくる二人。ありえないことが目の前で起こっているということに、明日の予定だとか、このままどうなってしまうのかということがそういった諸々の心配が吹き飛んでしまう。

 

「とりあえず、どうしますか?」

 

 ヌコネコがモモンガに問いかける。努めて冷静を装ってはいるが、目がキョロキョロとせわしなく動き、かなり動揺しているのがわかる。

 わけのわからない状況下にあっても、必死に冷静さを保とうとしている友人を前に、モモンガは喚き叫びたくなる気持ちをぐっと堪えようとした。瞬間、すっと頭の中にギルドの諸葛孔明と呼ばれた男、ぷにっと萌えの言葉が浮かぶ。

 

(焦りは失敗の種であり、冷静な論理思考こそ常に必要なもの。心を鎮め、視野を広く。考えに囚われることなく、回転させるべきだよモモンガさん・・・か。ぷにっと萌えさん、ありがとうございます)

 

モモンガは、一呼吸おいてヌコネコに話しかける。

 

「まずは、状況を整理しましょう。それと、できること、できないことを確認しませんか?」

「そ、そうですね」

 

 ヌコネコは、この状況下で冷静でいられるモモンガに驚いていた。この理解不能の状況下で冷静でいてくれる仲間がいるということのなんという心強いのかと。

 二人は、現状を整理し、把握していくにつれ一つの結論にたどり着く。それは、仮想現実が現実になってしまったのではないかという荒唐無稽なものであった。だが、考えれば考えるほど、辺りに生えている木や草の匂い、触感。その全てが現実のものであると二人にそう物語っている。

一人であれば、きっと自分の気がおかしくなってしまったのだろうと考えていただろう。

 

「仮想現実が現実に・・・か。可能性の一つとは言っても、それが一番正しいんじゃないかって思えてきますね」

「私もです。これが全て現実じゃないだなんて思えないですよ」

 

二人とも、この荒唐無稽ともいえる仮説が正しいと頭ではなく心がそう理解してしまっていた。

 

「異世界とか、ペロロンチーノさんが喜びそうですけど」

「でも、エロゲが無いから帰りたいっていうでしょ」

「確かに。ペロロンチーノさんだったら言うでしょうね」

 

 かつての仲間をネタにして笑う二人。

 

「っ!モモンガさん、静かに・・・」

 

ヌコネコの耳が何かを捉えようとピクピクをせわしなく動く。

 

「何かがこっちに向かってきている?モモンガさん、何か感じませんか?」

「えっ?私には何も」

 

 信じられないことにヌコネコには、何者かが出す音、そして気配のようなものまでもがはっきりと感じ取れる。まるで自分自身がソナーかレーダーになったかのように。

 

「4・・・いや5・・・?」

「ヌコネコさん、それってもしかして・・・?」

常時発動型特殊技術(パッシブスキル)の感知能力でしょうね。もしかするとユグドラシルの能力は使えるんじゃ?方向としては向こうのほうですね」

 

 ユグドラシルにおいて索敵役であったヌコネコは、広範囲に及ぶ強力な索敵系特殊技術を所持している。常時発動している特殊技術として敵の数や位置、方向、大まかな敵の強さを感知するものがある。他の特殊技術と併せて使うことでより詳細な強さなど正確な情報を得ることができるがその分、より近づかないとその特殊技術は使えない。

 

「特殊技術は・・・使えるっぽいですね。なんか言葉にしにくいんですけど、できるってわかるんですよ」

 

 ヌコネコの言葉にモモンガも自身の肉体、意識を内に向ける。すると特殊技術だけでなく自身が習得した700を超える魔法も使える。そういう確信がある。

 

「これは・・・!私も魔法も特殊技能も使えそうです。で、どうするつもりですか?」

「隠れて様子を見てきます」

「それは・・・危険じゃないですか?」

「ですけど、得られるものも多いかもしれないですよ」

 

 確かにヌコネコの言う通りだ。もしかすると自分たちと同じ状況に陥ったプレイヤーかもしれない。違ったとしても、いずれは自分たちの能力がどこまで通用するのか知らなければいけない。

 

「俺が特殊技術をフルで使って、様子を見てきます。その間、モモンガさんは完全不可知化(パーフェクト・アンノウアブル)で隠れていてください」

「危なくなったら、なりふり構わず一気に撤退ですね」

 

コクリとヌコネコが頷く。ヌコネコが特殊技術を発動する。ヌコネコの姿が、スウッとあたりの景色に溶けていくように姿が薄く透明になって消えてしまう。

 

(すごいな・・・ユグドラシルの時と同じだ。いや、それ以上かもしれない)

 

 少なくとも徐々に周囲の風景に溶け込んでいく姿は、ゲームでは表現できないものだ。モモンガは、ヌコネコの無事を祈りながら、完全不可知化の魔法を発動させた。

 

 

 

 

 疾い!疾い!疾い!!

 

 木々が生い茂る森を駆け抜けながらヌコネコは自身の肉体能力に感動を覚えていた。障害物だらけの森を平地の如く駆け抜けられる。それだけではない。木から木へ音も振動もなく跳躍できる。漫画やアニメに出てくる忍者、それ以上の動きができてしまうのだ。

 だが、油断をしてはいけない。もし、近づいてくるものたちがプレイヤーだったなら自身と同様のことができるハズだ。プレイヤーでなかったとしても、自分以上の能力をもつ存在かもしれない。ユグドラシルではLV100、最高レベルの存在だったがこの世界ではLV100が底辺だという可能性もあるのだ。

注意に注意を重ねながら気配のする方向へと近づいていく。プレイヤーなら友好的な人たちでありますようにと祈りながら。

 

「見えた・・・!あれはゴブリンか?」

 

 遠くに映る存在は、ゴブリンが3匹にウルフが1匹。見た目だけならユグドラシルのチュートリアルで戦う程度の雑魚モンスターたちだ。だが、この世界でもユグドラシルと同じであるという保証はない。

 アバターをゴブリンに選択したプレイヤーという可能性もあるが、3体とも見た感じがほぼ同じだったのでその可能性は低いと思われた。

 

(プレイヤーってわけじゃなさそうだな。だけどもなんだ?こいつら弱い?)

 

ゴブリンたちからは何も感じない。気配というべきものが雑魚そのものなのだ。だが、この感覚が正解だとは思わない。慎重に特殊技術を発動し相手のレベルを計測する。

 

 

 

 

 

 

 

(ヌコネコさん、大丈夫かな?)

 

 モモンガは、茂みの中に潜みながらヌコネコが戻ってくるのを待っていた。彼の隠密能力と探知能力には信頼を置いている。仮にプレイヤーだとしても探知特化型でも無い限り彼を発見できるものはそうはいないはずだ。

 心配しながら待っていると、何もない空間にヌコネコの姿がぼんやりと現れる。

 

「モモンガさん、モモンガさん帰りましたよ」

 

 ヌコネコの声を聞いて、モモンガは、完全不可知化を解除し、茂みから出てくる。

 

「どうでしたか?」

「ゴブリン4,ウルフ1。レベルは一桁でした。特殊技術をフルに使ったのでよほどの隠蔽系特殊技術か魔法で偽装してない限り確定だと思います」

 

 ヌコネコの報告を聞いて考えこむモモンガ。

 

「プレイヤーの可能性は?」

「それは無いと思いますよ。外見的に差異がほとんど無かったですし。仮に偽装しているとしてももっと上手くやりますよ」

 

 それもそうだとモモンガも頷く。PvPにおいて、ステータスの偽装は必須だが、あまりにも低レベルのステータスに偽装することは殆どない。それに、ヌコネコの探知系特殊技術を欺ける存在は考えにくい。

 

「デフォルト設定のまま、最終日に新規ログインした人っていう可能性は?」

「ゴブリンとウルフで?」

 

 言ってはみたものの、あまりの可能性の低さに返答に詰まるモモンガ。

 

「危険は多少ありますけど、動かないと状況はよくなりませんし、場合によっては今の能力を知る機会にしましょう。敵対状態になったら私は心臓掌握(グラスプ・ハート)で先制します。抵抗された場合は・・・」

「俺が追撃ですね?それでも駄目な場合は」

「「撤退」」

 

 簡単な方針を決めてヌコネコの後をモモンガはついて行く。

 

「いました。あれです」

「あー・・・見た感じ、ただのゴブリンですね」

 

 ゲーム序盤でよく見かけたゴブリンとウルフ。だが、全体的に生々しいというか肌や毛並みがやけにリアルに感じる。

 意を決して、モモンガとヌコネコが茂みからゆっくりとゴブリンたちの前に姿を表す。

 

「こんばんは」

 

まずは挨拶。できる限り相手に警戒感を抱かせないようにモモンガは親しみを込めて声をかける。

 

「ス、スケルトン!?」

 

 突如現れたモモンガとヌコネコを見て、武器を構え警戒感をあらわにするゴブリンたち。

 

「警戒しないでください。今起こっている状況について語り合いませんか?GMコールも機能していなくて・・・」

 

 ゴブリンたちは語りかけてくるモモンガを見て顔を見合わせる。やがて、ニヤリと醜悪な笑みを浮かべる。

 

「スケルトントチビ、タオス!イケ!!」

 

 その瞬間、ウルフが牙を剥きモモンガに飛びかかってくる!だが、その動きはモモンガにとってゆっくりと感じるものだった。

体が十全に動く。ゲームでも体験したことがない感覚だ。体を捻りウルフの初撃を難なくかわすと、即座に自身が最も得意とする死霊系魔法・心臓掌握(グラスプ・ハート)をウルフに叩きこむ。

 手のひらに柔らかい何かを掴む感触が起こり、それを握りつぶす。キュンッと図体に似合わない可愛らしい声を上げてウルフがバタリと倒れ込む。

 

「スケルトン!ナニヲシタ!?」

 

ゴブリンたちがしわがれた声で叫ぶ。その声には強い動揺を感じる。

 

「オマエタチ!イッキニイクゾ!!」

 

二人を取り囲むように4匹のゴブリンが包囲する。

 

「カカッ・・・レッ・・・?」

 

 リーダーと思しきゴブリンの首がボトリと地面に転がる。頭部を失った肉体が数秒してゆっくりと地面に倒れ込んだ。

 死体の真後ろにいつのまにかヌコネコが移動し、その首を跳ね飛ばしていたのだ。忍術・闇渡り。影から影へ短距離だが瞬時に移動できるものだ。

 

「どうにも話し合いはできそうにないっぽいですね。知性はあるっぽいけど」

「プレイヤーじゃないただのモンスターってことですかね?」

「やっぱりこの世界は・・・現実?」

 

 ゴブリンたちは二人が何について話しているのかさっぱりとわからなかったが、ただ一つだけ理解できていることがある。こいつらは、自分たちでは歯が立たない化け物だということが。

 それが分かればゴブリンたちの行動は早い。逃げの一択である。背中を見せて一目散に逃げ出す。

 

「あ、逃げた」

「どうします?ほっときます?」

「とりあえず殲滅しちゃいましょう」

 

 相手のレベルは一桁、ヌコネコの言う通りならこの魔法で十分なはずだ。

 

魔法の矢(マジック・アロー)

 

 第1位階魔法・魔法の矢(マジック・アロー)。ユグドラシルにおいて、魔力系魔法詠唱者であれば最初期に習得する魔法の一つ。レベルの上昇によって光弾の数が1~10個に変動し、威力も上昇する。この魔法の最大の特徴は必中効果にあり、特殊技術・魔法位階上昇化(ブーステッドマジック)と併用すれば、LV100のプレイヤー同士の戦闘でも十分に機能する。もちろん、今は魔法を使っただけでその特殊技術は乗せていない。

 

「ギヒィッ!!」

 

 ゴブリンのうち一体が、10個の光弾に撃ち抜かれ、新鮮な肉塊へと変わる。

 

「よっ!」

 

 ヌコネコはそのへんの石を拾い上げるとゴブリンへ投擲する。パンッという破裂音とともにゴブリンの頭が吹き飛び脳漿をあたりにぶちまけて倒れる。

 逃げなければとゴブリンたちは必死に足を動かし、森の中を走る。だが、いつのまにか自分の目の前に、スケルトンと一緒にいたチビが立っている。いつのまに自分たちを追い抜いたのかも分からない。足を止めジリジリと後ろに交代するが、ドンッと何かが背に当たる。

 恐る恐る振り向いた一匹が目にしたのは、先程のスケルトン。

 

「ヒィエェェェァァアァァァァァ!?」

 

 恐怖が限界に到達したゴブリンが、モモンガに殴りかかる。スケルトンは棍棒で殴れば簡単に倒せる。倒せるはずなのだ。だが、何度殴っても効いている素振りすら無い。

 

「上位物理無効Ⅲは機能しているのか?0か1かの能力で微妙だったんだけど・・・さて、少しは、話を聞いてほしいんだけど」

 

 手を伸ばしゴブリンの肩を掴んだ瞬間、凄まじい悲鳴を上げジタバタもがき苦しむゴブリン。数秒後、ピクリとも動かなくなってしまった。手を離すと掴んだ肩のあたりが黒くブスブスとただれたようになっている。

 

負の接触(ネガティブ・タッチ)か?」

 

 意識を内面に向けるとスイッチをオフにするような感覚で負の接触の機能を停止することができる。

 

「常時発動型特殊技術がオフにできる?ユグドラシルではありえなかった仕様だけど」

 

自分の手を眺めながらブツブツと呟くスケルトンに恐怖するゴブリンだが、前後を完全に挟まれている以上どこにも逃げ場ない。

 

「オマエラ・・・オレヲドウスルキダ?」

「どうしましょうか?」

「話ができるみたいですし、知っている限りの情報を吐かせますか?」

 

 ゴブリンを脅すように二人はこの場所の情報を聞き出す。それによるとこの森は、トブの大森林と呼ばれる場所であるという。そして、森の外には人間が暮らす場所もあるらしい。他には、魔法というものが存在すること。稀に人間と森で遭遇したときに使うものがいるらしいということ。ただ、第何位位階魔法を使うとかそういったことは分からないようだった。

 

「どうもふわっとした情報ばっかりですね」

「まぁ、話した感じそれほど知能があるというわけでもなさそうですし。魔法の存在と人間のいる場所があるって情報だけでもよしとしましょう」

「オ、オレハシッテイルコトヲスベテハナシタゾ!」

 

 ゴブリンが二人に懇願するような視線を送ってくる。

 

「後で仲間を呼ばれても厄介だな」

「ヒッ!オ、オレノブゾクニハオマエタチニカテルヤツハイナイ!」

「って言ってますけど?」

「その話を私たちが信じると思うのか?」

 

 次の瞬間、電源が切れたようにバタリとゴブリンが倒れた。第8位階魔法・(デス)

 

「ちょっと可哀想だけど、こっちも必死だしね。ごめんよ」

「ヌコネコさん、人間のいる場所っていうのを探しましょうか?」

「そうですね。そこならもっといい情報が手に入るでしょうし」

 

 クゥゥゥという音がヌコネコから聞こえてくる。その音を聞いてモモンガが笑う。

 

「なるほど。空腹っていう感覚もあるんですね」

「あはは。なんか落ち着いたらお腹空いてきちゃって」

「一回どこか落ち着ける場所をみつけて拠点をつくりましょうか」

 

 そう言って、二人はトブの大森林でのキャンプスポットを探しに行くのだった。

 

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