虚構のウマ娘   作:カイルイ

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第2話:同室のウマ娘

4月某日

 

マイティフッド

東京トレーニングセンター学園

美浦寮

 

 机に向かい日記をつける。

 

 入学当初からの日課だ。

 

 今日あった出来事を思い出す。

 

 思わず微笑んでしまう。

 

 「何かいいことでもあったのか?」

 同室のウマ娘に問われる。

 

 思いふけっていたので驚く。

 

 「あら!カリバー!」

 「いつの間に戻っていらしたの?」

 

 声の主に問い返す。

 

 「いつの間にって、君が日記を書くまで一緒に話していただろう?」

 確かにそういわれればそうだった。

 

 「まあ、君が嬉しそうで何よりだよ」

 「ずっと暗い顔をしていたからね」

 

 カリバーと呼んだウマ娘は少しキメ顔している。

 

 カリバーことエクスカリバーは私のルームメイトだ。

 よく図分と私とを比べてからかってくる。

 

 というのも彼女は関係者からの人気も高い有望株だ。

 

 昨年のジュニアG1レース朝日杯FSを勝利しており、現在負けなし。

 次走は皐月賞でクラシックレース制覇を目標にできる実力者だ。

 

 「それはそうと、何があったんだい?」

  カリバーは私のベットに腰を掛ける。

 

 「大したことではなくってよ」

 「プライベートなことですから放っておいてくださいまし」

 

 「おや。友達に対してずいぶんきつい言い方だね」

 カリバーは肩をすくめる。

 

 「え?」

 私は驚く。

 「ん?」

 カリバーはそんな私を見て驚く。

 

 「もしかして、ずっと私のこと友達だと思って...?」

 わたしは彼女の顔を見る。

 

 「あったりまえじゃないか!」

 「傷つくなぁ!」

 カリバーは呆れ気味に言う。

 

 「オッホッホッホ!」

 私は盛大に笑う。

 「そうだったんですのね」

 

 カリバーが私のことを友達だと思ってくれていると知り、

 気分が高揚する。

 もっとわかりやすく言えば、超うれしい。

 

 その勢いで、自分にトレーナーが付いたことを話す。

 すると、カリバーは一瞬目を丸くし、すぐ後に私に抱き着いてきた。

 

 「ど、どうかいたしまして?」

 さすがに私も困惑する。

 

 「どうもこうもないさ」

 「君にトレーナーがついてうれしいのさ!」

 「今度は上手くいくといいね」

 

 彼女は自分のことではないのに鼻を赤くしている。

 

 20秒くらいだろうか、抱き合っていた。

 

 彼女は離れ、自分の机から箱を手にする。

 

 「そうだ!おいしいお菓子が手に入ったんだ」

 「折角だし一緒に食べよう!」

 

 彼女はうるんだ目で言う。

 

 何について泣いているのか想像はついた。

 が、みなまで言うつもりはなかった。

 

 「ええよくてよ」 

 

 そう言って、私はお茶を入れ団欒をする。

 友達の団欒は私にとって初めての出来事だった。

 

 恐らくこの会話の為に買ってくれたであろうお菓子を食べる。

 とてもおいしいクッキーであった。

 

 

 入学して初めて布団の中で夜遅くまでおしゃべりをした。

 

 翌朝はちょっと寝不足気味になってしまったが、心は満足していた。

 

 久しぶりのトレーニングにも胸を馳せながらチームルームへ向かったのだった。

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