ウオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!!!
白の駒達は今までに聴いたことの無いくらいの雄たけびを上げた。
(どうしよ、女王じゃなくて王妃って言っちゃった。王妃だったらステフと結婚することに・・・・)
シェイナは全て言い終わった後でようやく間違いに気づくが、完全に信じきっているこの場の空気的に訂正も出来ないと判断して、渋々口を閉ざした。
「な、何なの、この迫力・・・!」
驚きと動揺を隠せないクラミーは数歩後ろに下がって、眩しい光を放っているシェイナの白い駒達を見る。
「ルーク!ビショップ!!ナイト!!!お前らの本来の力を、今こそ示せ!!!」
シェイナの力強い叫びにそれぞれが呼応するように、クラミーの黒い駒達を砕いていく。
「こんなことが、ありえるはずが・・・!」
「ですよね~。どうせこの黒い駒達も
「あっ・・・!」
それを聞いたステフは丁度シェイナの白い駒達に攻撃された黒のナイトを見ると、シェイナの言った通り傷跡があまり深く入っていないことに気づく。
「これは間違いなくイカサマだ。しかも君は大きな間違いをしている!!」
「な、なんですって!?」
シェイナの鋭い指摘に、クラミーもうろたえてしまう。
「君のようないわゆる圧制で大変な事態に陥った国はいくつもある!そして君はそれを熟知しているにも関わらず今それを強行している!頭はキレるのに可哀想だねえ」
シェイナがのんびりと話し続けている間に、白の駒達は圧倒的な士気力で黒の駒達を次々と砕いていく。
(相手の背後にどの種族が付いているかわからない以上、もしかしたらバレるっていう可能性もある・・・!けど・・・やるしかない!!!)
クラミーは眼をキッと強く細めながら、シェイナに負けじと必死に頭を回転させ、一つの決意をする。
「キング!E6へ!!」
クラミーの声で黒のキングは目を怪しく光らせて、ズンッと重い体を動かした。
その体が盤に付いた瞬間、黒の駒の眼がキングと同じく光りだす。
その一体に向かって白いポーンが剣を振りかざす。
「・・・!」
白のポーンが振りかざした剣を受け止めた黒の駒はその体勢を維持しながら体から紫の煙のようなものを放出した。
少しずつ白のポーンは黒の駒が出す怪しい煙に体を黒に染められやがて黒の駒になり、同じく眼を光らせた。
「何!?」
「な、何なんですの!?」
シェイナとステフがほぼ同時に言った。
「ってことはあの駒も・・・!」
ステフが言った先には同じく剣を構えて走っている城のポーンがいた。
さっきのポーンと同じように黒の駒に触れるなり、たちまち体を黒に染めていく。
(あれは、不味いな・・・)
咄嗟にそう判断したシェイナは直ぐに白の駒達に命令する。
「全軍、一時撤退だ!!敵は洗脳系の魔法を使うぞ!!!」
(気づかれた!!!!)
シェイナの言葉を聞いたクラミーは大きく眼を見開いて、動揺した。
(でも、証拠は掴めていない!イカサマを証明できなければ、私の勝ち・・・!)
向かいで必死に撤退の命令を下してるシェイナをあざ笑う眼で見ながら、クラミーはゆっくりと口を開いた。
「さあ、全軍前へ!反撃開始よ!!!」